【全108件】「東京都」で採用に使える補助金は?対象の費用と上限額をまとめて紹介!

区の産業振興課のページで補助金の一覧を上から下まで見た。設備投資と販路開拓とデジタル化は並んでいるのに、採用にかかる費用の枠が見当たらない……。

東京都で採用の補助金を探すと、この形で先に進めなくなります。ところが都と62の区市町村を1つずつ開くと、使える枠はかなりの数がありました。所管が、産業のページではないだけです。

この記事では、都と62区市町村を当たって拾い直した枠を、自社の所在地とやることから引ける形に並べ直しました。まず、何件あるのかから見ていきます。

この記事でわかること

  • 東京都で採用に使える枠は、都と区市町村にどれだけあるのか?
  • 自社の区市町村には、その枠があるのか?
  • 産業の一覧に出てこない枠は、どの課が持っているのか?
  • 求人広告や採用ページの費用は、どの枠が拾うのか?
  • 都の助成と重なったとき、区市町村の枠はどう扱われるのか?

制度名・補助率・上限額・期限は、2026年8月時点の都と各区市町村の公表内容にもとづいています。制度ごとの要件や申請の順番は、それぞれの解説記事のほうで扱います。

東京都で採用に使える補助金は108制度

都の一覧から入り、62の区市町村を順に開きました。産業・商工だけでなく、介護保険課や障害福祉課にも同じ探し方を当てています。2026年8月の時点で、企業が受け取る側に立てる枠は108件ありました。内訳は都が23件、区市町村が85件です。

区分 数と内訳
制度の合計 108件(都23件・区市町村85件)
区市町村の数 62(23区26市5町8村)
制度を確認できた自治体 都と30自治体(23区すべて・4市・3町村)
確認できなかった自治体 32自治体(22市・3町・7村)
募集そのものの費用に費目を持つ制度 19件
採用サイトの制作・改修費に費目を持つ制度 11件

この108件は、所管も根拠条例もそろっていません。中小企業基本法をそのまま引く枠、独自の従業員数を書く枠、規模に触れない枠が混ざります。自社が申請できる会社の条件に当てはまるかどうかは、狙う枠の対象者の欄で確かめてください。

国の助成金は、出す先も動き出せる時期も、この108件とは別の話になります。都と区のどちらから当てるか決める前に、国の枠がどこから始まるかを押さえておくほうが早いはずです。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

62のうち30に枠があった

東京都の区市町村は62あり、そのすべての事業者向けページを開きました。枠があったのは30自治体です。23区は23すべてに、何かしらの枠がありました。26市では八王子市・青梅市・三鷹市・羽村市、町村では瑞穂町・八丈町・檜原村です。

制度の数 自治体
7件 葛飾区
6件 荒川区・江戸川区・目黒区
5件 江東区・世田谷区・杉並区
4件 足立区・港区
3件 千代田区・文京区・墨田区・中央区
2件 新宿区・台東区・品川区・中野区・北区・板橋区・青梅市・羽村市
1件 大田区・渋谷区・豊島区・練馬区・八王子市・三鷹市・瑞穂町・八丈町・檜原村

この記事で制度名まで挙げるのは、募集の費用に費目がある19件と、採用ページに費目がある11件、ホームページ補助の9件が中心です。表で自分の区に件数はあるのに名前が出てこないときは、下の「産業の一覧から切れている7区」で挙げた所管課を順に確かめてください。

介護保険課、障害福祉課、男女共同参画課の3つが近道です。ただし課の名前は区でそろいません。目黒区は介護保険課に補助金が1件も無く、介護人材の枠を持っているのは高齢福祉課でした。採用と結びつかない名前が付いているので、産業の一覧からは届きません。

近道が当てはまらない区もあります。千代田区の3件は、両立支援制度の導入と休暇取得実績に出る中小企業 仕事と家庭の両立支援、一般事業主行動計画を策定すると定額20万円が出る次世代育成支援行動計画策定奨励金、区内で障害者を雇用する人等への援助金です。

3件とも商工観光課が持っていて、介護保険課でも障害福祉課でもありません。件数の表で3件と見た千代田区の方が上の3課だけを当たると、1件も見つからずに終わります。

課のページにも出てこないものがあります。港区の2件(医療的ケア児・者支援事業所における人材紹介会社紹介費補助金と、障害者グループホーム支援の職員採用経費補助)は、事業者向けの一覧ではなく令和8年度予算概要と事務事業評価結果のほうに載っています。

事務事業評価結果は課ごとの全庁一覧なので、産業や雇用のページからは届きません。区の補助金の一覧に見当たらない枠を探すなら、区政情報のページにある予算概要まで開いてみてください。

荒川区の6件のうち、母子生活支援施設の職員人材確保事業補助金と指定特定相談支援事業所体制整備補助金は、事業者向けの一覧からは届きませんでした。福祉の枠は、区の補助金一覧をたどるより担当課に直接当たるほうが早いはずです。

葛飾区は3件が産業の一覧にも雇用・労働の一覧にも載っていませんでした。交通政策課のバス交通人材確保・定着支援事業補助金1件と、介護保険課の介護サービス事業所等外国人介護人材雇用定着事業2事業の、合わせて3件です。

バス交通の枠は令和8年度の予算概要に「バス運転手の確保や定着促進に向けた待遇改善や採用活動」と書かれています。ただし専用の案内が見当たらず、補助率も上限額も出ていません。金額を知りたいバス事業者は、交通政策課へ一度電話で確かめるところから始めてください。

残る32自治体では独自の枠を確認できませんでしたが、無いことの証明にはなりません。要綱だけがあって案内を作らない、商工会に窓口を置いて市のサイトには載せない、といったことは実際にあります。

相談だけの事業は数えていない

1件と数える単位は、それ自体に名前が付いた補助金・助成金・奨励金にしました。6つの補助メニューを持つ中野区人材確保総合支援事業補助金も、3つの枠を持つ板橋区の包括補助も1件です。

対象にしたのは、お金を受け取るのが企業になっている枠です。求職者本人や従業員本人にだけ渡るものは外しました。大田区の奨学金返還支援は就業者本人へ、西東京市の介護人材確保対策事業補助金は受講者本人へ渡ります。

相談や専門家派遣だけの事業も、この108件には数えていません。北区中小企業人材確保支援事業、練馬区人材確保支援事業、品川区人材アシストマネージャー派遣事業がここに当たります。

北区は「企業PR動画の作成も無料で行うことができます」と案内しています。お金は動きませんが、動画の制作費を自社で抱えずに済むという意味では、補助金に近い枠だと思われます。

都の枠はしごと財団の12件で終わらない

都の枠を探すと、まず出てくるのが「東京しごと財団」の一覧です。「人材の確保・育成を図りたい」と「障害者の雇用を図りたい」の2つのカテゴリに12件が並びます。

お金の出方 制度(計12件)
実習後に採用し、定着したら奨励金 若者正社員チャレンジ、ミドルチャレンジ「Jobトライ」、就職チャレンジ多摩、緊急就職支援
人材紹介の成功報酬型手数料 専門・中核人材確保助成金(女性幹部人材は3分の2・170万円)
在籍や福利厚生に対して出る 中小企業人材確保のための奨学金返還支援(年10万円から50万円を最大3年)、ES(従業員満足度)向上による若手人材確保・定着
研修・リスキリングと障害者雇用 中小企業人材スキルアップ支援、リスキリング・キャリアデザイン応援、職場内障害者サポーター、職場体験実習助成金、障害者雇用ナビゲート

採用サイト制作費、求人広告費、求人媒体の掲載料、採用パンフレット制作費。この12件のどれにも、この4つの費目はありません。

12件は実習と在籍に出ている

12件をお金の出方で見ると、はっきりした癖があります。しごと財団の12件のお金は、人が動いたあとに出ます。

上の4件は、実習後に採用して6か月定着したところで奨励金が出ます。奨学金返還支援は技術者が1年間継続して在籍したところから始まり、ES向上の枠は住宅の借上げなど福利厚生に出ます。求人票を書いて媒体に載せ、応募を待つ段階には届いていません。

ただし、都の一覧をここで閉じないでください。産業労働局の雇用就業部と労働環境課、観光部、福祉局、東京都福祉保健財団まで足すと、企業が受け取れる都の枠は23件あります。

しごと財団の12件に足されるのは11件です。働きやすい職場環境づくり推進奨励金、女性活躍のための施設整備助成金、次の節で見る観光関連事業者向けの補助金と訪問介護の採用経費支援などが入ります。人材確保のカテゴリの外にあるので、一覧をたどるだけでは届きません。

募集の費用は観光と介護の側に

都で募集そのものの費用に費目を持つ枠は、産業労働局の観光部と福祉局にありました。都に募集の費用の枠が無いのではなく、人材確保の一覧の外にあります。

1つ目は、観光部と「東京観光財団」が出している観光関連事業者による旅行者受入対応力強化支援事業補助金です。補助対象事業の「人材の確保に関する事業」に、転職エージェント等を活用した人材仲介と求人広告掲載、求人・転職等イベントの開催・出展、採用サイト・イメージ動画の作成が並びます。

補助率は中小企業で3分の2以内、1事業者あたり上限300万円、うち求人広告掲載は50万円まで。募集は令和8年4月1日から令和9年3月31日です。

対象は都内に本店又は支店を持ち、旅行者向けに事業を営む旅館・ホテル、旅行事業者、飲食事業者、免税店等の小売、観光バス・タクシー事業者に絞られます。この5業種のどれかに当たるなら、都の枠では上限がいちばん大きい候補になります。

2つ目は東京都福祉局です。令和7年度の訪問介護採用経費支援事業補助金は、対象経費が求人媒体への掲載費用、チラシの印刷経費、ネット広告料、就職フェア出展費用、採用事務アウトソーシング費用で、1法人最大80万円・補助率10分の10でした。

令和8年度は訪問介護等サービス提供体制確保支援事業へ引き継がれ、「介護人材・利用者確保のための広報活動に関する支援」が定められています。ただし中身はまだ出ていません。訪問介護の事業者は、昨年度と同じ条件で組まずに、福祉局の続報を待つほうが安全です。

採用の枠は介護保険課と障害福祉課にもある

区市町村の85件を開いて分かったのは、制度が無いのではなく、担当課が想定と違うということでした。産業振興課の一覧を上から下まで見ても、採用活動費の助成にたどり着かない区がいくつもあります。

産業の一覧から切れている7区

新宿区、文京区、台東区、品川区、世田谷区、渋谷区、豊島区。産業の一覧からたどると空振りしやすい7区ですが、この7区すべてに企業が受け取れる枠があります。

所管は介護保険課・障害福祉課・男女共同参画課に寄っています。品川区と豊島区のように産業側の課が持っていて、名前が採用と結びつかないために一覧の中で見落とされる枠もあります。

区と制度 所管
世田谷区 介護人材採用活動経費助成事業ほか 高齢福祉課/障害福祉部
台東区 介護・障害福祉サービス等人材採用活動経費助成 介護保険課/障害福祉課
台東区 人材確保支援(助成金) 台東区産業振興事業団
新宿区 パパサポート企業奨励金/介護サポート企業奨励金 男女共同参画課
文京区 中小企業等障害者職業体験受入れ助成事業 障害福祉課
品川区 魅力ある職場づくり支援事業助成金 地域産業振興課(人材確保担当)
渋谷区 福祉人材支援手当事業(介護) 介護保険課
豊島区 としま賃上げ促進支援金 生活産業課

採用活動費の助成が、産業振興課ではなく介護保険課や障害福祉課にあります。同じ形の枠は江東区と杉並区にもあります。新宿区にいたっては、区の産業振興の補助金のページに並ぶのが省エネ機器の補助と国の助成金の紹介だけです。

部署をまたいだ時点で、産業の一覧からはたどれなくなります。逆に、調布市・小平市・東村山市・多摩市は都の事業一覧に人材確保の事業名が載りますが、中身は求職者向けの委託事業で、企業が受け取る枠ではありませんでした。

事業名に人材確保とあっても、お金の宛先が企業とは限りません。名前で当たりを付ける前に、対象が事業者か求職者かを先に見ておきましょう。

Tips|自社の区市町村で枠を見つけるまでの順番

区の補助金一覧を産業のページで閉じず、介護保険課・障害福祉課・男女共同参画課の事業者向けページを続けて開きます。それでも出てこなければ、区政情報のページにある予算概要を「採用」「人材確保」で検索します。名前に採用の2文字が無い枠のほうが多いので、事業者向けと書かれた表は全部開くつもりで見ていくと取りこぼしが減ります。

多摩と町村にも市町の枠がある

多摩と島しょも、市や町のサイトを開かないと見えません。八王子市のほかにも、自前の交付要綱を持つ枠がありました。

自治体と制度 補助率と上限
青梅市 おうめものづくり等支援事業(人材確保事業) 2分の1以内・上限50万円。就職面接会等の採用活動
青梅市 中小企業等奨学金返還支援補助金 2分の1・1人10万円、1事業所100万円限度
羽村市 中小企業人材育成及び人材確保支援助成金 2分の1・1社1年度20万円。採用試験や広告料等
瑞穂町 中小企業成長支援事業補助金(人材確保支援事業) 2分の1・上限10万円。製造業・建設業・運輸業・郵便業
八丈町 雇用機会拡充事業補助金 公募要領のとおり。島内の雇用機会拡充事業
檜原村 企(起)業誘致優遇制度(雇用促進助成金) 新規雇用者1人につき20万円、限度200万円

多摩と島しょの枠は、市と町と村が自分の交付要綱で持っています。所管は青梅市が商工業振興課、瑞穂町が産業経済課、八丈町が企画財政課、檜原村が産業環境課。瑞穂町の経費区分には動画作成委託料、求人広告掲載費、就職・転職サイト掲載費が並びます。

窓口が役所とは限りません。三鷹市の中小企業等産業活性化補助金は三鷹商工会が実施していて、「賃上げや人材確保に資する事業」の枠があります。市のサイトで見つからない多摩の事業者は、地元の商工会にも当たってみてください。

ホームページ補助9件は目的が販路とPR

採用サイトを作る費用と言われて、まず思い浮かぶのはホームページ作成費の補助金です。23区でこれを9件当たりました。

制度 目的の欄に書かれていること
中央区 中小企業ホームページ作成費補助金 交付要綱第1条は「区内中小企業の情報化を支援し、もって区内中小企業の振興に資する」
江東区 中小企業ホームページ作成費補助 PRや販路拡大のため、初めて開設する場合
港区 創業・スタートアップ支援事業補助金 広報費は販路開拓のための広告宣伝
杉並区 創業スタートアップ助成事業 創業に伴うホームページ作成の委託料
杉並区 中小企業等デジタル化推進事業助成 業務効率化や生産性向上、新事業の創出等
荒川区 ホームページ作成補助金 要綱別表の対象事業欄は「販路開拓、経営基盤強化等を目的とし、自社又は自社商品を広報するためのHPの作成」
江戸川区 販路拡大支援事業助成金 交付要綱第1条は「受発注の拡大」。第3条各号のうちホームページだけ用途の限定が無い
葛飾区 ホームページ作成費補助金交付事業 販路拡大等のため、製品や技術等を広くPRする手段
足立区 ホームページ作成・更新補助金 開設したことがない、活用できていない事業者

9件のどれにも、目的の欄に採用の字がありません。ただし書かれている目的は同じではありません。7件は販路開拓かPR、中央区は情報化、江戸川区は受発注の拡大です。

目的が販路やPRに置かれた枠で採用ページを作れるかどうかは、公表されている資料だけでは決まりません。目的に販路もPRも書いていないのは中央区だけなので、9件のなかでは中央区がいちばん当たりやすいと思われます。

中央区で会社のサイトを作り直すつもりなら、上限30万円のこの枠の要件から確かめてみてください。

参考記事:『【上限30万円】「中央区中小企業ホームページ作成費補助金」は採用サイトに使える?対象経費を解説!

荒川区と葛飾区は、目的の議論に入る前に外れます。どちらも、既に自社のホームページを持っている場合を公表資料が外しているためです。荒川区は交付要綱の別表で、葛飾区はよくあるお問合せのQ6で「既に自社のホームページをお持ちの場合は補助金の対象外」と答えています。

同じことが都にも当てはまります。「東京都中小企業振興公社」に並ぶのも製品開発、販路拡大、知的財産、生産性向上、創業の助成金です。中央区のように上半期で受付を終え、下半期を10月から先着順で始める枠もあり、予算額に達し次第で終わります。

目的の欄と、そこに書かれた題材が割れる例もあります。荒川区の魅力発信動画制作補助は、対象事業の欄が「販路開拓、経営基盤強化等を目的とし」で始まりながら、効果的に説明する特長の例示に「経営者や従業員の熱意・企業風土」を挙げています。

目的は販路開拓のままで、題材のほうだけが採用動画の中身に重なる形です。この枠に「採用」「求人」「人材」の語は、要綱にも申請様式にも出てきません。採用動画として出すなら、目的の欄をどう書くかを先に詰めておきましょう。

ホームページ作成費補助金という名前が付いていない枠にも、同じ形があります。目黒区ビジネスチャレンジ補助金は創業向けの枠ですが、別表の広告費のうち①が「販路開拓のための広告宣伝費」と用途を書いているのに、②の「ホームページの作成に要する経費」には用途が書かれていません。

江戸川区の第3条各号と同じ構造が、名前の違う枠にも入っています。制度名で探すと出てこないので、創業の枠まで開いて別表を見ておく値打ちがあります。

募集の費用に費目があるのは19件

108件のうち、募集そのものの費用に費目を与えているのは19件でした。求人広告や求人サイトへの掲載料、採用サイトの制作費、採用パンフレット、説明会の出展料、人材紹介の成功報酬。このどれかを対象経費に書いた枠で、内訳は都2件・区13件・市3件・町1件です。

制度 募集の費用の書かれ方
都 観光関連事業者向け補助金(人材確保の取組支援) 求人広告、イベント出展、採用サイト・動画、人材仲介
都 専門・中核人材確保助成金 連携人材サービス事業者へ払う成功報酬型手数料
港区 中小企業人材確保支援事業補助金 求人広告、説明会の出展料・装飾費、成功報酬
台東区 人材確保支援(産業振興事業団) 求人広告・求人サイト掲載、出展小間料、採用ホームページ
台東区 介護・障害福祉サービス等人材採用活動経費助成 求人情報の掲載、出展、採用ホームページ、採用促進用品
江東区 介護事業者採用活動費補助金 求人誌・求人サイト、求人情報ページの構築改修、動画
江東区 障害福祉サービス事業者採用活動費補助金 同型
世田谷区 介護人材採用活動経費助成事業 同型(掲載費は別枠上限)
世田谷区 障害福祉人材採用活動経費助成事業 同型
杉並区 介護人材採用活動経費助成金 求人誌・求人情報サイト掲載費、求人情報ページの構築改修
杉並区 新規開設保育施設等人材確保事業費補助金 職員の募集に直接必要な広告宣伝費・印刷製本費・手数料・委託費・会場借料・講師等謝金
足立区 区内中小企業人材採用支援助成金 求人サイト等の掲載費、求人チラシ、動画、成功報酬
板橋区 中小企業魅力向上支援包括補助事業助成金 印刷物、広告費、動画、求人専用Webサイト、成功報酬
江戸川区 人材確保支援助成金 求人広告費、求人検索エンジン利用料、採用サイト作成改修費
中野区 人材確保総合支援事業補助金 採用動画の撮影・編集等の委託経費
八王子市 人材確保・定着支援補助金 採用ウェブサイト、採用動画・パンフレット、求人広告、合同説明会
青梅市 おうめものづくり等支援事業(人材確保事業) 就職面接会等の採用活動、採用のコンサルティング
羽村市 中小企業人材育成及び人材確保支援助成金 企業説明会や就活イベントの参加費、採用試験や広告料
瑞穂町 中小企業成長支援事業補助金(人材確保支援事業) 求人広告掲載費、転職サイト掲載費、就職説明会、人材紹介

108件のうち89件は、募集そのものの費用を見ていません。目的が販路開拓や職場環境整備や人材育成、雇用そのものにあります。やろうとしていることから引くと候補が絞れますが、1つの制度が複数の費目にまたがるので、下の数を足しても19にはなりません。

やること 19件のうち当たる数
求人広告・求人サイトに出す 15件
就職説明会や合同企業説明会に出る 14件
採用サイト・採用ページを作る 11件
人材紹介の成功報酬を払う 8件

同じ費目でも、拾う枠と外す枠が逆になります。台東区の2件は、どちらも人材紹介の成功報酬を対象外と書いています。産業振興事業団は対象外欄に「人材紹介サービスに係る経費」「成功報酬」を挙げ、介護・障害福祉の側は「紹介料、成功報酬等を除く」と入れています。

逆に板橋区は成功報酬を拾いますが、求人サイトへの掲載料が7費目から抜けています。費目の名前が似ていても、自社が使う1つが入っているかどうかは枠ごとに見るしかありません。

足立区で求人サイトの掲載料や採用動画を通すつもりなら、外れる2つの経費のほうから確かめてみてください。

参考記事:『【上限40万円】足立区「区内中小企業人材採用支援助成金」はサイト制作に使える?対象になる費用を解説!

港区は広告費と紹介料を分ける

19件のうち、中小企業向けでいちばん組み立てが分かりやすいのが港区です。港区中小企業人材確保支援事業補助金は産業振興課が所管し、窓口は区立産業振興センターです。

区分 補助率と上限
人材紹介会社を利用した成功報酬型の採用経費 3分の2・上限100万円(区のワーク・ライフ・バランス推進企業認定は4分の3・125万円)
求人広告費及び企業(採用)説明会への出展経費 3分の2・上限40万円(同認定企業は4分の3・50万円)
両方に申請した場合 合計の上限100万円(同125万円)

港区は求人広告と人材紹介に、別々の天井を立てています。求人広告の例示は転職サイト、求人検索エンジン、有料求人情報誌、フリーペーパー、折り込み求人紙、新聞の求人欄。説明会の側は出展料にブース位置指定料や座談会の開催料まで含みます。

募集枠は200者程度で予算の範囲内、申請は令和9年1月31日まで、1事業者1回だけです。1回しか使えないので、広告と紹介のどちらに寄せるかを決めてから出すほうが取りこぼしが少なくなります。

採用サイトに費目があるのは11件

自社の採用ページの制作・改修費を対象経費に書いた枠は11件です。都1件・区9件・市1件。同じ会社サイトの下の採用ページが、区によって対象になったり外れたりします。

対象経費の書かれ方 当てはまる制度(計11件)
自法人のホームページの求人情報ページに係る構築及び改修の委託 江東区2件、世田谷区2件、杉並区1件
採用ホームページの構築・改修。対象外欄は「採用ページ以外」 台東区2件
求人専用のWebサイト・ページに限る 板橋区、江戸川区(区のQ&Aは、ホームページの作成そのものは販路拡大支援事業助成金へ回すと案内している)
専用かどうかを分ける記述が無い 八王子市
採用サイト・イメージ動画の作成 都の観光関連事業者向け補助金

板橋区は対象外経費に「独立した専用サイトではないWebサイトの一部に記載する経費」を置き、江戸川区はQ&Aで「求人専用のサイトを作成した場合のみが対象です」と答えています。逆に江東区・世田谷区・杉並区は、会社サイトの中の求人情報ページを名指しで対象にしています。

会社サイトの下に採用のページを1枚増やす形は、板橋区と江戸川区では母数に乗らず、江東区・世田谷区・杉並区と台東区では乗ります。独立した採用サイトを作るか、いまのサイトに足すかは、自社の区の書き方を見てから決めることになります。

江東区でこの書き方をしているのは介護事業者採用活動費補助金と障害福祉サービス事業者採用活動費補助金の2件で、同じ区のホームページ作成費補助のほうではありません。

金額も締切も揃いません。台東区の介護・障害福祉の枠は10分の10で上限160万円、江東区は20万円で期限が令和9年2月26日、杉並区は1事業所20万円・1法人80万円で令和8年10月30日、世田谷区の締切は令和8(2026)年8月31日です。

江戸川区で採用ページの制作費を出すつもりなら、求人専用と認められる3つのグループの線から見ておかれると安心です。

参考記事:『【上限10万円】「江戸川区人材確保支援助成金」は求人専用サイトに使える?対象になる費用を解説!

重なったときの扱いが3つに割れる

費目に届く枠が見つかったあとに、もう1つ関門があります。区市町村の枠を開くと、対象者の要件か対象外経費のどこかに、国や都から助成を受けていないこと、という一行がほぼ必ずあります。

重なりの条項まで読めたのは18件で、その書き方が3つに割れました。この18件は、前の章で見た「募集の費目がある19件」とは別の集まりです。重なりの一行を条文で確かめられた制度を集めています。

数と中身
経費や事業が重なったときだけ外れる 10件。「同種」「同様」「類似」「同一趣旨」といった限定が付く
東京都と公社を名指しで外す 5件。東京都、または東京都中小企業振興公社が条文に書かれている
交付決定額を差し引く 3件。外さずに、受けた額を引いた残りが補助対象経費になる

同種と書いて範囲を絞る10件

いちばん多いのがこの型です。

絞り方 当てはまる制度(計10件)
「同種」「同様」の助成を受けていないこと 中央区、杉並区のデジタル化推進事業助成、江東区のホームページ作成費補助
「類似する補助金」「類似の委託料や助成金」 足立区のホームページ作成・更新補助金、江東区の介護事業者採用活動費補助金
「同一趣旨」「同一の事由」に限る 葛飾区、八王子市
申請予定の経費・申請する事業に限る 港区の中小企業人材確保支援事業補助金、瑞穂町
制度名を挙げて外す 港区の創業・スタートアップ支援事業補助金

この10件では、都の枠と区の枠が別の経費に当たれば、両方に手が届く読み方になります。八王子市の「同一の事由で交付される」が、10件のなかではいちばん狭い書き方です。

ただし、江東区のホームページ作成費補助はこの読み方が通りません。交付要綱第5条第3項が「国、東京都、江東区、公益財団法人東京都中小企業振興公社その他の団体」と名指ししているので、都の枠と併せるつもりなら、この枠は外れると見ておくほうが安全です。

そして、その「同種」が何を指すのかを書いた制度は1つもありません。都の紹介手数料の助成と区の採用サイトの助成が同種かどうかは、窓口の判断に委ねられていると思われます。

東京都と公社を名指しする5件

2つ目は、相手を書いてしまう型です。ここに当たると、経費が違っていても止まる可能性があります。

制度 条文の書かれ方
江戸川区 人材確保支援助成金 適用除外に「対象事業が国、東京都(公益財団法人東京都中小企業振興公社を含む。)における助成等を利用する場合。」
江戸川区 労働環境整備助成金 「対象の事業について、東京都等から補助金、助成金等の支援を受けていないこと。」
江戸川区 販路拡大支援事業助成金 交付要綱第6条第1項。人材確保支援助成金と同じ型で、国と東京都(公社を含む)の助成等を利用する場合を適用除外に置く
墨田区 人材確保・定着支援補助金 「国、東京都、他の自治体、公益財団法人東京都中小企業振興公社その他の公的機関等が実施する補助金・助成金等を利用していないこと。」
板橋区 中小企業魅力向上支援包括補助事業助成金 「国・自治体・(公財)東京都中小企業振興公社等から助成を受けていない又は受ける見込みがないこと」

東京都と公社が名前で書かれているのは、この18件のうち5件でした。掛かっているのは対象事業や申請した経費なので、別の事業まで止まるとは書かれていません。

それでも、都の枠を先に押さえてから区の枠を申請するつもりなら、先に読んでおきたい一行です。この5件に当たったら、あきらめる前に窓口へ当てる順番になります。別の事業で出せば通ることもあります。

交付決定額を差し引く3件

3つ目は、外さずに引く型です。中野区の応募要項は「国・都・その他の団体等から補助金の交付を受ける場合、その交付決定額を差し引いた金額が補助対象経費となります」と置きます。

江戸川区の人材育成支援助成金も「同補助相当額を控除した額の範囲内で助成します」と書き、杉並区の創業スタートアップ助成金も交付要綱第7条第2項でこの型です。

同じ区の同じ係でも、型は逆を向きます。杉並区は創業スタートアップ助成金が差し引き型で、デジタル化推進事業助成のほうが「同種」で外す型でした。区の名前で覚えると外します。

申請そのものは通りますが、補助率を掛ける相手が小さくなります。そして、いちばん驚いたのがここでした。江戸川区の同じ課が持つ4つの助成金で、扱いが3通りに分かれています。

人材確保支援助成金と販路拡大支援事業助成金は東京都と公社を名指しで外し、労働環境整備助成金は東京都等から支援を受けていないことを要件に置き、人材育成支援助成金は控除した額の範囲内で助成する。同じ課が持つ4件が、都との重なりを3通りに処理しています。

型に収まらないものも1件ありました。足立区の区内中小企業人材採用支援助成金です。交付申請書の確認事項は「本助成金の上記事業の実施に際し、他の機関から助成を受けていません」で、絞る語が無いぶん、18件のなかではいちばん広い書きぶりです。

中野区の枠を差し引き型と知ったうえで当てるなら、採用で効く2枠がどれかを先に押さえておかれると安心です。

参考記事:『【上限20万円】「中野区人材確保総合支援事業補助金」は採用に使える?対象になる2つの費用を解説!

区は登記を見て市は事業所を見る

重なりの見当が付いたら、その手前に会社そのものの条件があります。ここが23区と多摩で分かれます。

23区は本店登記か本社を求める

読んだ区の枠は、ほとんどが登記や本社の所在地を見ます。

区と制度 要件の書かれ方
港区 中小企業人材確保支援事業補助金 区内に本店登記と主たる事業所があり、1年以上営むこと
足立区 人材採用支援助成金ほか 区内に本店登記かつ主たる事業所を有すること
中央区 ホームページ作成費補助金 法人は区内に本店登記、個人事業主は区内に主たる事業所
江戸川区 3件とも 区内に本社(個人事業者は住所及び主たる事業所)があること
墨田区 人材確保・定着支援補助金 区内に1年以上主たる事業所。法人は本店登記地も区内
杉並区 デジタル化推進事業助成 区内に主たる事業所(法人は本店登記)があり1年以上営むこと
中野区 人材確保総合支援事業補助金 主たる事業所または本店の所在地が区内
板橋区 包括補助 区内に本社または事業所があり、おおむね1年以上営むこと

登記だけ別の区にあって、その区には作業場や店舗しか無い。この形の会社は、費目に届く前に対象者の条件で止まります。23区で事業所があればよいと書いているのは、板橋区と葛飾区でした。板橋区は倉庫やバーチャルオフィスなど実態がない場合を除きます。

葛飾区でこの書き方をしているのは人材確保・人材定着支援事業費助成で、交付要綱第2条第3号が事業所等を「事業所、営業所、支店、工場及び店舗」と定義しています。

ただし同じ区でも枠ごとに対象者の条件の広さが割れます。葛飾区のホームページ作成費補助金は「区内に主たる事業所」と「区内で引き続き1年以上」の2つを求めていて、事業所等の定義は使っていません。デジタル化支援と産業人材育成支援も主たる事業所の側です。区名だけで対象者の条件の広さを覚えないほうが安全です。

八王子市と羽村市は事業所を見る

多摩では書き方が変わります。八王子市人材確保・定着支援補助金の補助対象者は「市内に事業所等を有し、当該事業所等において事業を営んでいること」と「市税の滞納がないこと」の2つだけ。羽村市も「現に市内で事業所を有すること」です。

どちらも本店登記も本社の所在地も求めていません。八王子市は採用ウェブサイトに費目があって補助率3分の2、上限は単独区分30万円・複数区分50万円で、各区分の事業費額が10万円を超えることが条件です。

羽村市は採用試験や広告料等が対象で2分の1・1社1年度20万円。多摩の26市5町8村のうち、対象経費に「採用ウェブサイト」と書いている枠は八王子市だけでした。本社が都心にあって多摩に工場や営業所を持つ会社は、23区の枠より先にこちらを見ておく値打ちがあります。

窓口を先に通す制度が8件ある

最後に順番です。申請書を出す前に窓口や専門家を通すことを条件にした制度が、8件ありました。

制度 手前に置かれている手続き
板橋区 包括補助(人材獲得支援) 交付申請前に公社が指定する専門家派遣等を受けること
足立区 ホームページ作成・更新補助金 ウェブ活用アドバイザーへの事前相談と事後相談
墨田区 人材確保・定着支援補助金 すみだビジネスサポートセンターで事業計画書を確認
台東区 人材確保支援(産業振興事業団) 中小企業診断士との面談を受けてから申請
八王子市 人材確保・定着支援補助金 申請書を提出する前に産業振興課へ連絡
中野区 人材確保総合支援事業補助金 事業実施前の申請と事前相談
港区 創業・スタートアップ支援事業補助金 産業振興課の商工相談を受けて創業計画書を作成
都 専門・中核人材確保助成金 人材戦略マネージャーによる企業訪問とマッチング支援

見積を取るより先に、窓口や専門家への相談を挟む制度が並んでいます。板橋区が指定する専門家派遣は5つあり、うち1つは東京都中小企業振興公社の事業です。区の助成金の要件を満たすために、都の公社の事業を先に受ける形になります。

締切も動きます。板橋区は9月上旬に今年度の受付を締切ると告知していて、制度は年度ごとに組み直され、配れる総額もその年の予算で決まります。今年度に間に合わせたい方は、補助金の締切ではなく手前の手続きの締切から予定を組んでください。

自社が対象に入るかどうかを決めるのは、最後は窓口の側です。候補が1つに決まったら、見積を取る前に交付要綱を開いて、担当課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。

板橋区の包括補助で専門家派遣から入るなら、7つの費目のどれで出すかを決めてから予定を押さえてください。

参考記事:『【上限50万円】板橋区「中小企業魅力向上支援包括補助事業助成金」は専門家派遣が必須?使える費用を解説!

補助金より先に、自社の担当課を決める

都と62区市町村の108制度のうち、採用ページの制作費に費目があるのは11件でした。上限は区の枠で20万円から160万円、都の観光の枠で300万円。補助率も3分の2から10分の10までそろいません。どれも予算の範囲内で、板橋区のように9月上旬で受付を閉じる枠もあります。

その11件のうち7件は、介護・障害福祉・観光の事業者に宛てた枠です。業種を問わずに採用ページの費用を見るのは、台東区・板橋区・江戸川区・八王子市の4件だけでした。制度を探すより先に、自社の担当課を決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。

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この記事を書いた人
【全108件】「東京都」で採用に使える補助金は?対象の費用と上限額をまとめて紹介! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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