【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!
採用にかけられる予算が限られているなか、助成金を調べ始める。ところが出てくるのは、「特定求職者雇用開発助成金」、「キャリアアップ助成金」……と制度名が並んだページばかりで、自社が使えるのかどうかまでは分かりません。
本記事では、2026年8月時点の国と自治体の公表内容をもとに、制度を網羅するのではなく、自社が対象かどうかと、自社の財布からいくら出るかで選べるように整理しました。
応募を増やすには条件を競合よりよくする必要があるため、採用の制度ではない職場環境や賃金の制度も扱います。まずは、助成金と補助金の違いから見ていきましょう。
この記事でわかること
- 助成金と補助金は、どちらを見ればいいのか?
- 自社が対象から外れるとしたら、どの条件で外れるのか?
- 何に使いたいかで、候補になるのはどの制度か?
- 補助率と上限額から計算すると、手出しはいくら残るのか?
- 自分の地域の制度は、どこをどう探せば見つかるのか?
助成金と補助金は別物。国と自治体で分けて見る
助成金と補助金は、返済不要という点では同じです。ただし管轄も目的も、審査の性質も違います。この区別が、後半の手出し計算の前提になります。
管轄・目的・審査・募集時期の4点で性質が分かれる
違いは次の4点に整理できます。
| 観点 | 助成金 |
|---|---|
| 管轄 | 厚生労働省。申請先は都道府県労働局・ハローワーク |
| 目的 | 雇用の維持、新規の雇い入れ、雇用環境の整備、労働時間や賃金の改善 |
| 審査の性質 | 要件を満たした事業者には原則給付される |
| 募集時期 | 制度ごとに申請期間が定められている |
| 観点 | 補助金 |
|---|---|
| 管轄 | 経済産業省・中小企業庁、および各自治体 |
| 目的 | 設備投資、デジタル化、販路開拓、事業承継など産業側の取り組み |
| 審査の性質 | 採択件数が決まっていることが多く、申請しても採択されない場合がある |
| 募集時期 | 一か月程度の公募期間を設けるのが一般的 |
審査の性質は、公的機関もはっきり書き分けています。中小企業基盤整備機構は、申請30社に採択予定10社なら20社は落ちる計算だと説明しています。
助成金は要件さえ満たせば受け取れると安心されがちですが、募集時期には注意が要ります。「業務改善助成金」の案内も、予算の範囲内で交付するため申請期間内に募集を終了する場合があると注記しています。
「働き方改革推進支援助成金」も同じです。申請期限は令和8年11月30日ですが、国の予算額に制約され、期日前でも予告なく受付が締め切られる場合があります。
通年募集に見えても、いつでも申請できるとは限りません。使う見込みがあるなら、年度の早いうちに動いておかれると安心です。
国の助成金は雇用に、自治体の補助金は活動費に出る
採用に関して言えば、この2つはそもそも対象にしているものが違います。国の助成金が支払われるのは、人を雇ったこと、雇い続けたことに対してです。
特定求職者雇用開発助成金は継続雇用を前提に雇い入れる事業主へ支給され、金額も1人あたりで決まります。求人媒体にいくらかけたかは関係しません。
一方、自治体の補助金は採用活動にかかった費用そのものが対象です。東海地方の制度では、対象経費が次のように書かれています。
- 就職情報サイトへの掲載料、市外で開催される合同企業説明会の出展料(愛知県知立市)
- 採用情報を掲載するウェブページの作成、企業紹介パンフレットの作成・配布、企業紹介映像の制作、就職情報サイトへの掲載費(岐阜県関市)
求人サイトの掲載費を抑えたい会社が、国の助成金の一覧だけを見て用途に合わないと離れてしまうことがあります。採用活動の費用を実際に補助しているのは、自治体の側です。
この2つは併存するもので、どちらか一方を選ぶ関係ではありません。ただし同じ経費での二重受給はできず、関市も国・県その他の団体からの重複交付を受けていないことを条件にしています。
自治体の制度は、県によって数も設計も違います。岐阜県で事業所を構えている方は、県内を自治体別に整理した記事から、自社の市町村に枠があるかを先に確かめていきましょう。
参考記事:『【全74件】「岐阜県」で採用に使える補助金は?対象の費用と上限額をまとめて紹介!』
自社が対象かどうかは、弾かれやすい条件で決まる
制度ごとに要件は違いますが、外れるとしたら大半は同じ3か所で外れます。ここでは弾かれやすい順に確認します。
ここで大きく外れていれば、この先で対象になる制度はほとんど残りません。
- 雇用保険の適用事業所になっているか
- 採用の経路をハローワークや職業紹介事業者に通せるか
- 自社は雇用関係助成金でいう中小企業に当たるか
ほぼすべての雇用関係助成金に共通する3つの条件
労働局は受給対象となる事業主として、雇用保険適用事業所の事業主であること、申請期間内に申請をおこなうこと、支給のための審査に協力すること、を挙げています。
3つ目の審査に協力するは、形式的に見えて中身は具体的です。書類の整備・保管、労働局やハローワークからの提出要請への対応、実地調査への協力が例として示されています。
書類の水準はさらに細かく決まっています。キャリアアップ助成金の案内によれば、出勤簿や賃金台帳は事業場で作成している原本かその複写である必要があります。
原本から加工・転記したものや、別途作成した書類だと判明した場合は不支給です。特定求職者雇用開発助成金でも、令和8年4月以降の申請分から、賃金台帳の提出が確認できなければ不支給になることが明記されました。
このほか、労働保険料を納めていること、支給申請日の前日から過去1年間に労働関係法令の違反をおこなっていないこと、過去に不正受給がないことも条件に入ります。
不正受給をおこなった場合は5年間、雇用関係助成金を受給できません。制度を調べるより先に、自社の労務書類が申請に耐える状態かを見ておくほうが早いはずです。
ハローワーク経由かどうかで使える制度が変わる
人を雇い入れたことに対して支払われる制度の多くは、採用の経路を条件にしています。特定求職者雇用開発助成金も「トライアル雇用助成金」も、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介による雇い入れを支給要件に挙げています。
自社サイトからの直接応募や知人紹介での採用は、これらの制度の対象になりません。経路の条件は、後から取り返しがつきません。採用してから助成金を調べ始めると、この条件だけで候補が消えます。
一方で、経路を問わない制度もあります。「早期再就職支援等助成金」の「中途採用拡大コース」はハローワーク経由以外の雇い入れも対象で、キャリアアップ助成金の「正社員化コース」は新規採用を前提にしていないため経路の要件自体がありません。
さらに、経路の前に手続きが要る制度もあります。特定求職者雇用開発助成金は令和8年5月1日以降、対象労働者であることを明示した職業紹介を経た場合のみ申請できます。
特定求職者雇用開発助成金を候補に入れている方は、対象になる人の類型と支給額の内訳を解説記事で先に確かめてください。
参考記事:『【240万円】「特定求職者雇用開発助成金」はいまの求人で使える?対象になる採り方と支給額を解説!』
キャリアアップ助成金も、各コースの実施日の前日までにキャリアアップ計画の提出が必要です。自治体の補助金も同じで、岐阜県各務原市の補助金は交付決定日以後でなければ事業に着手できないとしています。
制度を使う可能性があるなら、募集を出す前に順序を決めておきましょう。
Tips|募集を出す前に決めておくと、後戻りしなくて済む
先に決めておきたいのは、応募をハローワークや職業紹介事業者に通すかどうかです。通さないと決めた時点で、雇い入れ系の助成金はほぼ候補から外れます。計画の提出や交付決定が先に必要な制度もあるので、求人の公開日と申請の順序を同じ紙に並べておくと取りこぼしません。
中小企業に当てはまるかで支給額が変わる
同じ制度でも、中小企業かどうかで支給額が変わり、中小企業のほうが手厚いことがほとんどです。判定は資本金の額または常時雇用する労働者の数でおこないますが、基準は業種ごとに違います。
労働局が雇用関係助成金の案内で示している範囲は、次のとおりです。
| 産業分類 | 資本金の額・出資の総額、または常時雇用する労働者の数 |
|---|---|
| 小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 または 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 または 100人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 または 100人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 または 300人以下 |
どちらか一方を満たせば中小企業に該当します。資本金等のない事業主は、常時雇用する労働者の数で判定します。
なお常時雇用する労働者とは、2か月を超えて使用され、週の所定労働時間が通常の労働者と概ね同等である人を指します。
従業員80人の会社でも、小売業なら中小企業に当たらず、サービス業なら当たる、ということが実際に起こります。うちは中小企業だからと読み進める前に、自社の業種でどちらの列に入るかを確かめておかれるとよいでしょう。
何に使いたいかで選ぶ
制度は数が多いのですが、何に使いたいかで見る場所は絞れます。ここでは用途を4つに分け、どんなときに使えるかと、いくら規模かまでを示します。
- 人を雇い入れるとき
- いま働いている人を正社員に変えるとき
- 働く条件そのものをよくするとき
- 地域や移住に関わる採用をするとき
人を雇い入れるときに使えるもの
それぞれの場面で使える制度と規模感は、次のとおりです。
- 就職が難しい状況にある人を雇うとき(特定求職者雇用開発助成金):対象は高年齢者(60歳以上)・母子家庭の母等・身体・知的・精神障害のある方などの類型です。中小企業の場合、高年齢者や母子家庭の母等(短時間労働者以外)で60万円、重度障害者等を除く身体・知的障害者なら120万円。6か月ごとの支給対象期に分けて支払われます
- 見極めてから本採用したいとき(トライアル雇用助成金):無期雇用への移行を前提に、原則3か月の試行雇用をおこなう制度です。支給額は1人につき月額最大4万円(対象労働者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合は5万円)。対象は過去2年以内に2回以上離職・転職している人や、離職期間が1年を超える人などです
- 中途採用を増やすとき(早期再就職支援等助成金・中途採用拡大コース):雇用管理制度を整備したうえで中途採用率を前年同期比5ポイント以上上昇させ、雇い入れた人の賃金を前職より5%以上上げることが条件です。支給額は1人につき20万円(1事業所1年度あたり20人まで)
対象になるかどうかを決めるのは、雇う人の状況です。人を雇えばもらえる制度ではなく、自社が採りたい人物像と、制度が想定している対象が一致していなければ使えません。
見極めてから本採用したい方は、トライアル雇用助成金の対象者の条件と支給の流れを解説記事で確かめてください。
参考記事:『【最大12万円】「トライアル雇用助成金」はいまの採り方で使える?対象になる条件と期限を解説!』
採りたい人物像を起点に考えると、候補は数個に絞れると思われます。制度の側から並べていくと、最後の対象者の類型で落ちることが多いからです。
いま働いている人を正社員に変えるときに使えるもの
キャリアアップ助成金の正社員化コースは、有期雇用や派遣で働いている人を正社員に転換したときに使えます。厚生労働省は、正社員化や処遇改善の取り組みをおこなった事業主への助成と説明しています。
支給額は、中小企業が有期雇用労働者を正社員に転換した場合、重点支援対象者なら80万円、それ以外なら40万円です。重点支援対象者とは、雇入れから3年以上の有期雇用労働者、派遣労働者、母子家庭の母等を指します。
正社員転換制度を新たに規定すれば20万円、勤務地限定や職務限定など多様な正社員制度を新たに規定すれば40万円が、いずれも事業所単位で加算されます。
ただし、転換すれば自動的に受け取れるわけではありません。正社員転換後6か月分の賃金を支払う必要があり、その賃金は転換前6か月と比べて3%以上増えていることが求められます。
この制度が他の用途と決定的に違うのは、新しく採用しなくても使える点です。
募集をかけても人が集まらない状況なら、すでにいる人の処遇を変えるほうが条件を満たしやすいと思われます。相手の経歴も勤務ぶりも分かっているぶん、要件の確認が早く済むからです。
有期や派遣の方を正社員へ上げる予定がある方は、コースの中身と加算の要件を解説記事で押さえてください。
参考記事:『【最大80万円】「キャリアアップ助成金」は自社も使える?対象になる取組とコースを解説!』
働く条件そのものをよくするときに使えるもの
ここで扱う制度は採用の制度ではありません。それでも取り上げるのは、応募が集まらないときの打ち手の順序に関わるからです。
応募が来ないとき、まず競合の条件を調べ、次に自社の条件をそれよりよくします。それでも動かせない部分は事情ごと正直に書く、という順番です。
この2番目、条件をよくするところに原資が要ります。その原資として使えるのが、次の3制度です。「人材確保等支援助成金」は、同じコースの中で制度導入と機器等導入に分かれます。
業務改善助成金
| 何に使えるか | 事業場内最低賃金を50円以上引き上げ、併せてPOSレジ導入や業務フロー見直しのコンサルティングなど生産性向上に資する設備投資等を行う |
|---|---|
| 助成率 | 事業場内最低賃金1,050円未満は5分の4、1,050円以上は4分の3 |
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
| 何に使えるか | 年次有給休暇の計画的付与制度の新規導入などを成果目標に、労務管理用ソフトの導入や外部専門家によるコンサルティングを行う |
|---|---|
| 助成率 | 経費の4分の3(常時使用する労働者30人以下で、労務管理用ソフトウェア・機器やデジタル式運行記録計の導入・更新、労働能率の増進に資する設備・機器などの導入・更新にかかる所要額が30万円を超える場合は5分の4) |
| 上限額 | 年次有給休暇の計画的付与制度の新規導入、または時間単位の年次有給休暇制度と特別休暇を1つ以上新規導入する場合のいずれも25万円 |
人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)
| 何に使えるか(制度導入) | 賃金規定制度・諸手当等制度・人事評価制度、または職場活性化制度・健康づくり制度を導入する |
|---|---|
| 助成額(制度導入) | 賃金規定制度・諸手当等制度・人事評価制度は各40万円(賃金要件充足時50万円)、職場活性化制度・健康づくり制度は各20万円(同25万円)。上限額80万円(同100万円) |
| 何に使えるか(機器等導入) | 業務負担軽減機器等の導入で職場の仕組みを整える |
| 助成額(機器等導入) | 対象経費の2分の1(賃金要件充足時62.5/100または75/100)。上限額150万円(同187.5万円または225万円) |
※人材確保等支援助成金は、制度導入・機器等導入のいずれも、離職率を計画提出前より1%ポイント以上下げることが受給の条件です。
助成金を採用にかかる費用の補填としてだけ見ていると、この選択肢は視野に入りません。応募が来ない原因が条件そのものにあるなら、採用費用を補填しても状況は変わりません。
採用の予算とは別に、条件を動かすための原資として見ておかれるとよいでしょう。
地域や移住に関わる採用で使えるもの
雇用機会が少ない地域で事業所を設け、その地域に住む人を雇う場合には、「地域雇用開発助成金」があります。事業所の設置・整備費用と対象労働者の増加数に応じて助成され、1年ごとに最大3回支給されます。
ただしこの制度は対象地域が限られ、地域雇用開発促進法に基づく厚生労働大臣同意の地域雇用開発計画がある地域だけが対象です。
東海地方では静岡県に島田・榛原地域雇用開発計画があり、対象は牧之原市・島田市・榛原郡吉田町・川根本町、計画期間は令和7年10月1日から令和10年9月30日までです。
移住者の採用については注意が必要です。東京圏からの移住者を雇い入れた事業主に採用活動の経費を助成する制度が国にありましたが、厚生労働省はこの助成金が令和7年度をもって終了したと明記しています。
この制度が扱っていたのは、採用パンフレットの作成や自社サイトの改修、就職説明会の開催といった採用活動の経費でした。つまり雇ったこと自体への支給ではなく、活動費への助成です。
同じ性質の支援を今から探すなら、国ではなく自治体の補助金のほうを見ます。
手出し額は、自治体と国で計算方法が違う
支給額が分かっても、自社の財布からいくら出るかは別の話です。自治体の補助金と国の助成金では計算の考え方が違い、どちらも原則は後払いです。
自治体の補助金は、補助率と上限額で手出しが分かる
自治体の補助金は、対象経費に補助率を掛けた額と上限額のうち、低いほうが支給されます。補助率と上限額さえ分かれば、手出しは計算できます。
東海地方で、対象経費・補助率・上限額の3点が公表されている制度を並べます。
補助率と上限額
| 自治体・制度名 | 補助率と上限額 |
|---|---|
| 岐阜県各務原市 若者人材確保のためのWeb対策支援補助金 | 2分の1・上限25万円 |
| 岐阜県関市 中小企業等人材確保事業補助金 | 2分の1・上限20万円 |
| 愛知県知立市 中小企業人材確保支援補助金 | 2分の1・上限20万円 |
| 愛知県安城市 がんばる中小企業応援事業補助金(人材確保事業) | 50%・上限20万円 |
| 静岡県三島市 地域人材支援事業費補助金 | 2分の1以内・上限20万円 |
| 静岡県藤枝市 地元企業魅力発信事業費補助金 | 2分の1以内・上限20万円 |
50万円かけた場合の手出し
| 自治体 | 手出し |
|---|---|
| 岐阜県各務原市 | 25万円 |
| 岐阜県関市 | 30万円 |
| 愛知県知立市 | 30万円 |
| 愛知県安城市 | 30万円 |
| 静岡県三島市 | 30万円 |
| 静岡県藤枝市 | 30万円 |
見落とされやすいのは、補助率と上限額のどちらが先に効くかが、かける金額によって変わる点です。
補助率2分の1・上限20万円の制度なら、対象経費40万円までは半額が戻ります。50万円かけたときの手出しは25万円ではなく30万円で、上限を超えた10万円は戻りません。
2分の1補助という表示だけを見て予算を組むと、想定より手出しが増えます。
なお、対象経費から消費税を除く制度がほとんどで、関市・知立市はいずれも消費税及び地方消費税を除いています。交付回数も1年度につき1回とする制度が多く、各務原市は過去にこの補助金を受けたことがないことも条件です。
見積を取る前に、自社の市町村の上限額を確かめておくほうが確実です。
国の助成金は、1人あたりいくらの定額が中心
国の雇用関係助成金は、補助率ではなく1人あたりいくらという定額が中心です。トライアル雇用助成金は月額最大4万円、中途採用拡大コースは1人につき20万円というように、かけた費用の何割という考え方は通用しません。
したがって国の助成金は、支給額が採用にかかった費用のどこまでを埋めるかで見ます。求人媒体にかけた費用より支給額のほうが大きくなることもあれば、対象でなければゼロになることもあります。
支給額は、かけた費用に比例して増えるものではありません。
ただし、定額といっても上限がないわけではなく、次のような例外もあります。
- 特定求職者雇用開発助成金:支給対象期ごとの支給額は、その期に対象労働者が行った労働に対して支払った賃金額が上限
- 人材確保等支援助成金(雇用環境整備):対象経費の2分の1で上限150万円
- 業務改善助成金:助成率を掛けた額と上限額の低いほう
後者2つは、自治体の補助金と同じ計算方式です。国の制度がすべて定額というわけではなく、全額が一度に入るとも限りません。
特定求職者雇用開発助成金は最長で3年かけて6回に分けて支給され、キャリアアップ助成金の80万円も40万円ずつ2期に分かれます。
対象経費の2分の1という形で使える国の制度を探している方は、人材確保等支援助成金のコースの中身と助成額を解説記事で確かめてください。
参考記事:『【150万円】「人材確保等支援助成金」は自社も使える?対象になる取組と申請の順番を解説!』
どちらも後払い。全額を立て替える前提で見る
助成金も補助金も、採用したり費用を払ったりした後に申請し、審査を経て支給されます。支出の時点では、全額が自社の負担です。
公的機関もこの点をはっきり書いています。例えば総額300万円の事業で3分の1の補助がある場合、まず自社のお金で300万円を支出する必要があり、申請した事業総額と同額の資金を用意すべきだとしています。
順序で見ると、業務改善助成金も三島市の補助金も次のような流れです。
- 交付申請
- 交付決定(三島市は「決定通知」)
- 事業の実施・代金の支払い
- 実績報告
- 交付額の確定・受領(三島市は「支給」。支払方法は原則として完了後の一括払い)
雇い入れ系の助成金では、申請できるようになるまでの期間そのものが要件になっています。
早期再就職支援等助成金の雇入れ支援コースは雇入れ日から6か月経過した日の翌日から2か月以内、中途採用拡大コースは計画期間の終了日の翌日から6か月経過した日の翌日から2か月以内に申請します。
キャリアアップ助成金も、正社員転換後6か月分の賃金を支払った翌日から2か月以内です。つまり雇い入れてから申請するまで最短でも6か月は空き、そこから審査を経て入金されます。
支給が複数期に分かれる制度では、全額が入金されるまでの期間がさらに延びます。
立て替えが回収できない場合もあります。支給対象期の途中で対象労働者を雇用しなくなった場合、その支給対象期については原則として支給を受けられません。
もらえるから負担が減る、とは限りません。減るのは最終的な負担であって、当座の資金繰りは先に重くなります。入金までの半年を回せるかを、申請を決める前に見ておかれると安心です。
自分の地域の制度を探す
自治体の制度は数が多く、ここで全国分を並べても役には立ちません。自分の地域の制度に辿り着く道筋と、情報の鮮度の扱いを示します。
東海4県で採用活動費を補助する制度の探し方
探す場所は市区町村の商工担当課です。担当課の名称は商工振興課・商工課・産業振興課などさまざまで、安城市のように受付窓口が市内のビジネス支援センターにある例もあります。
上に並べた6制度は、いずれも市の公式サイトの事業者向け情報や産業・ビジネスの配下にありました。国の雇用関係助成金は都道府県労働局とハローワークが窓口です。
障害者関係や「65歳超雇用推進助成金」は、高齢・障害・求職者雇用支援機構が窓口になります。
検索するときは、語を変える必要があります。〈県名〉補助金で調べても、出てくるのは設備投資や省エネ、事業承継の制度が中心です。
国が公募中の補助金一覧に並ぶのも省力化投資補助金やものづくり補助金、デジタル化・AI導入補助金などで、採用活動費を対象にした補助金は載っていません。
市町村でも同じです。安城市の補助金は9種類あり、採用に関わるのは人材確保事業の1つだけでした。
手がかりになるのは制度名です。上の6制度はいずれも名称に採用を含まず、人材確保が使われていました。〈市名〉 人材確保 補助金で探すほうが見つかります。
制度ページでは、対象者、対象経費、補助率、上限額、募集期間、申請の順序の6点を確認してください。
弊社は東海地方の岐阜・愛知・三重・静岡を中心に採用支援をおこなっていますが、3点が揃った制度を確認できたのは岐阜県2件、愛知県2件、静岡県2件でした。地域によって制度の有無も設計も違います。
岐阜市で募集をかけている方は、市の採用ブランディング補助金の対象と申請の流れを別記事で確かめてください。
参考記事:『【岐阜市】採用ブランディング補助金とは?対象・補助額・申請の流れ』
まずは自社の市町村名に人材確保 補助金を足して、担当課のページを開いてみましょう。
年度が変われば要件も金額も変わる
この記事の内容は2026年8月時点のものです。年度替わりでは、次のような変わり方が実際に起きています。
- 早期再就職支援等助成金のUIJターンコースは令和7年度をもって終了
- 特定求職者雇用開発助成金は令和8年5月1日から高年齢者の要件を見直し
- 関市の補助金は令和8年度から上限額を10万円から20万円に増額
年度の途中で変わることもあります。キャリアアップ助成金の案内にも、年度の途中で助成金制度の要件等が変更になる場合があると書かれています。
確認先は、国の助成金なら厚生労働省と管轄の都道府県労働局・ハローワーク、自治体の補助金なら各市町村の商工担当課です。業務改善助成金には専用のコールセンター(0120-366-440、平日9時〜17時)もあります。
申請そのものの可否や手続きは社会保険労務士の領域なので、判断に迷う部分はそちらへ回すのが確実です。
なお、助成金の申請をめぐる勧誘には注意が要ります。厚生労働省は、受給額の無料査定をうたう書面の送付や電話勧誘について、労働局やハローワークがこうした勧誘に関与している事実はないと注意喚起しています。
申請事務を代理人に委ねていても、不正受給に該当すれば事業主も処分の対象になります。動く前に、公表元で最新の内容を確かめておかれるとよいでしょう。
使えるかどうかは、最初の3条件でほぼ決まる
自治体の補助金は東海の6制度とも補助率2分の1で、50万円かけて戻るのは20万円から25万円です。国の助成金は20万円から120万円まで幅がありますが、受け取れるかは雇用保険・経路・中小企業の3条件で決まります。
どちらも後払いで、雇い入れ系なら入金まで半年かかります。その手間まで含めると、制度を先に探すより、いまの求人票が競合の条件に負けていないかを確かめるほうが、返ってくるものは大きいはずです。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
助成金や補助金を使う前提でご依頼をいただくことも多く、制度を織り込んだうえで採用をどう組み立てるかは数を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。