【上限10万円】「鳥取市地元企業人材確保助成金」は動画だけ?4つの対象事業と申請の順番を解説!
「鳥取市 採用 補助金」で検索して本制度に行き当たったものの、市のページがPR動画の話から始まっていて、動画を作る予定のない自社にも使えるのか分からないまま止まっていませんか。
本記事では、2026年8月時点の市の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!
この記事でわかること
- 対象になるのはどんな会社か?
- 何の費用が対象になるのか?
- いくらまで戻ってくるのか?
- 採用サイトの制作費には使えるのか?
- いつまでに申請すればいいのか?
鳥取市には、採用に使える制度がほかにもあります。この記事のものを含めて4件あるので、見比べたい方は鳥取県内を自治体別に整理した記事からどうぞ。
【全34件】「鳥取県」で採用に使える補助金は?対象の費用と申請の下限を解説!
求人にかける費用の何割かでも補助が出ないか。そう考えて鳥取県内の商工や雇用のページを開くと、上限額より先に目に入る数字があります。下限のほうです。 県と19市町村を1件ずつ当たり、採用や人材確保に関わる枠が34件ありました。2026年8月時点の公表内容です。そのうち、求人広告や採用ツールのように作
鳥取市地元企業人材確保助成金の概要

出典: 鳥取市「鳥取市地元企業人材確保助成金制度」のページ(2026年9月時点)
鳥取市地元企業人材確保助成金は、新規学卒者等を迎えるために使った費用について、その支出の4分の3(上限10万円)が戻ってくる制度です。
まず、全体像です。
| 補助金名 | 鳥取市地元企業人材確保助成金 |
|---|---|
| 相談先 | 鳥取市 経済観光部 経済・雇用戦略課 雇用政策係 |
| 補助対象 | PR動画作成(外部委託・自社作成)、就職イベント参加事業、就職情報サイトへの掲載、採用コンサルティング事業(それぞれの費目は本文の節) |
| 補助上限(補助率) | 10万円・かがやき企業の認定を受けている事業者は20万円(助成対象経費の4分の3以内・消費税を除く・千円未満切り捨て) |
| 期限 | 申請は事業に着手する前(交付決定後に着手し、交付決定があった日の属する年度の末日までに完了)。受付期間の日付は市の資料に記載がありません |
条件で分かれるのは金額ではなく、採る相手です。市内を主な勤務地とする新規学卒者等の採用予定があることが要件なので、中途採用だけを考えている会社は、この一行で対象から外れます。
「新規学卒者の枠ではなさそうだ」と感じた方は、個別の制度を当たるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
ここから、対象になる会社や事業ごとの費目、申請の回数や予算まで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。
対象は市内に本社か支社がある中小企業
要綱第3条は、鳥取市内に本社または支社が所在する事業者であることを前提に、次の条件を全て満たすよう求めています。規模を決めているのは中小企業基本法で、同法第2条第1項各号の中小企業者か、同条第5項の小規模企業者が対象です。
入れるのは会社の形をした事業者だけではありません。社会福祉法人、医療福祉法人、特定非営利活動法人、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人、学校法人、農事組合法人、組合、有限責任事業組合(LLP)も要綱に名前が並んでいます。
このほかに、当てはまると対象から外れる条件があります。
- 暴力団・暴力団員でなく、暴力団と密接な関わりのある事業者でもないこと
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項・第5項に該当する営業を行う事業者でないこと(これらの営業の一部を受託する営業も不可)
- 交付申請の日または交付決定の日に、破産・再生・更生の各手続開始の申立てがなされていないこと
- 市税・下水道使用料・下水道受益者負担金を滞納していないこと
風営法の適用範囲は、飲食や接客を伴う業態なら自社が当たるかどうかを先に読んでおきましょう。市税だけでなく下水道使用料と下水道受益者負担金まで見られるので、納付の状況もあわせて洗っておくと安心です。
採る相手は新規学卒者等に限られる
対象になる条件は「市内を主な勤務地とする新規学卒者等の採用予定があること」です。ただし、この「等」がどこまでを指すのかを要綱は定義していません。
実施計画書は採用予定の種別に丸を付けさせる作りになっていて、並んでいるのは大卒(大学院を含む)・短大卒・専門学校卒・高卒です。高専卒や既卒者の扱いは、要綱にも様式にも書かれていません。
助成の対象は4事業に限られる
別表1が並べているのは次の4事業です。動画を作る予定がなくても、残りの事業で申請できます。
| 助成対象事業 | 助成対象経費 |
|---|---|
| PR動画作成 | 外部委託なら委託料(シナリオライター費、取材・撮影費等)。自社作成なら撮影機材等のレンタル料、動画編集等ソフトウェアの購入費用、撮影・動画データの保存に必要な消耗品・資材の購入費用、効果音・BGM等の著作権料、ナレーション・字幕・レポーター等を外部に依頼した謝金または委託料 |
| 就職イベント参加事業 | 企業説明会等(オンライン形式含む)への出展費・参加費、交通費、高速道路使用料、宿泊費 |
| 就職情報サイトへの掲載 | 就職情報サイトの掲載料 |
| 採用コンサルティング事業 | 委託料(採用戦略、選考体制、内定者のフォロー構築等) |
動画は外注しても自社で撮っても対象になります。著作権料には「助成対象事業終了後も継続して利用できるものに限る」という条件が付いているので、契約期間が切れると使えなくなる素材は外れる、という意味だと思われます。
就職イベントは移動と宿泊まで見てもらえます。公共交通機関は最も合理的な経路の運賃が上限で、グリーン席やビジネスクラス以上の料金は除かれます。車で行く場合は1キロメートルにつき25円という単価が別表1にあり、市の職員等の旅費の支給に関する規則の規定に準じた額です。
宿泊費の1人1泊の限度額は、鳥取県を除く46都道府県が11段階に分かれています。どの都市で開かれる説明会に出るかで、自己負担の出方は変わります。
掲載料は媒体を絞らず、代行は例示に無い
就職情報サイトへの掲載について、別表1が書いているのは掲載料の一行だけです。媒体の種類も求人の職種も絞る記述が無いので、一般に使われている就職情報サイトへの掲載料なら乗ると思われます。実施計画書もサイト名・契約先・掲載予定日期間を書かせるだけで、媒体を選ぶ条件は置いていません。
一方、採用コンサルティング事業の委託料は、要綱が中身を「採用戦略、選考体制、内定者のフォロー構築等」と例示しています。設計や体制づくりが並ぶ一方で、求人票の作成や媒体運用、応募者対応といった募集そのものの代行は例示に出てきません。
この枠で見てもらえるかどうかは公表資料だけでは決着しないので、見積書を作る前に経済・雇用戦略課へ当てておきたい論点です。実施計画書も委託先と委託内容を書かせるので、依頼の中身を決めてから様式に向かうほうが早いはずです。
営業を兼ねた動画は対象から外れる
実施計画書の最後には「助成の対象となる事業は次に掲げる条件をすべて満たすものです」として、チェック欄があります。「人材採用を目的とするものである。」と「公序良俗に反するもの又は営業、政治若しくは宗教を目的としたものでない。」の2行です。
商品やサービスの紹介を兼ねた動画は、この欄で外れます。採用を目的とした内容であることが書類の上でも問われるので、企画の段階でシナリオの向きを決めておきましょう。
戻るのは経費の4分の3・上限10万円
補助率は助成対象経費の4分の3です。上限10万円から割り戻すと、税抜13万3,334円の支出で上限に届きます。消費税および地方消費税は助成対象経費に含まないので、見積書の税抜金額で数えます。
千円未満は切り捨てです。例えば、就職情報サイトへ税抜12万円で掲載するなら、4分の3の9万円が戻ります。税抜10万円の支出なら7万5,000円。上限に届かない額であれば、そのまま4分の3が交付額になります。
4事業を全部やっても、1回の申請で交付されるのは合わせて10万円までです。枠が小さいぶん、どれに使うかの判断が先に来ます。
かがやき企業の認定で上限は20万円に開く
上限額は一律ではありません。要綱第5条は、鳥取市男女共同参画かがやき企業の認定を受けている事業者を20万円、それ以外を10万円と分けています。同じ経費でも、認定の有無で交付額は倍まで変わります。
かがやき企業は、男女共同参画や女性の活躍推進に取り組み、仕事と家庭の両立に配慮した職場づくりを進めている企業を市が認定する制度です。認定期間は3年で、令和8年度の申請期間は4月1日から10月16日まで。審査は書類の内容とヒアリングで行われます。
鳥取県男女共同参画推進企業の認定を受けていれば、調査票と添付書類を省略できます。認定月は年3回の予定ですが、県の認定をまだ持っていない会社は11月の認定です。交付申請には認定証の写しを添えるので、認定が申請より後になれば、その年度は10万円の枠での申請になります。
採用サイトの制作費はどの事業にも無い
別表1の4事業には、自社の採用サイトを作る費用も、会社のホームページを直す費用も名前がありません。要綱には対象外経費を並べた条項も無いので、名指しで外されているのではなく、費目に入っていないという形で外れます。
人材紹介の手数料や、パンフレット・チラシの印刷費も同じです。費目に無いので、対象から外れると見ておくほうが安全です。鳥取県内を見渡しても、採用サイトの制作費に費目名を置いた枠は県にも市町村にも見当たらないので、サイトの制作費はこの助成金とは切り離して考えるのが早道です。
期限は交付決定のあとの着手と年度内の完了
要綱第4条第3項は、助成対象事業を交付決定の後に着手し、交付決定があった日の属する年度の末日までに完了しなければならないと定めています。発注や契約が交付決定より前になると、その事業は対象から外れます。
受付期間の日付は市の資料に記載がありません。年度の末日までに完了できることが実質の締切なので、動画のように制作期間の読みにくいものほど、年度の早いうちに交付申請まで済ませておきたいところです。
Tips|見積を取ったら、発注の前にいったん止める
- 見積書は取る。ただし注文書や契約書は、交付決定の通知が届くまで出さない
- 実施計画書に書くのは、動画なら公開予定媒体、掲載なら契約先とサイト名、コンサルなら委託先と委託内容
- 完了も額の確定も年度内に収める設計なので、年度末から前へ日程を引く
申請は事前に1回・受け取りは精算払い
申請は交付決定の前に1回だけです。着手届の提出は要りません。交付申請に添えるのは次の書類です。
- 実施計画書(様式第1号)
- 企業の概要が分かる書類
- 経費の金額を明らかにする書類(業者見積書等)
- 事業の内容が分かる関係書類
- 市税等納付状況確認同意書
上限20万円の適用を受けるなら、ここに鳥取市男女共同参画かがやき企業認定証の写しが加わります。要綱第6条には「その他市長が必要と認める書類」もあるので、この5点で打ち止めとは限りません。見積書は取るが発注はしない、という状態で申請することになります。
実績報告は事業完了後速やかに行い、事業報告書・収支決算書と、経過または成果を証する書類・写真等を添えます。PR動画については公開媒体(自社ホームページか動画サイト)と公開日まで書かせるので、納品された時点では報告が埋まりません。
受け取りは精算払いです。市が額を確定して通知したあとに補助金等交付請求書を出して、ようやく入金されます。増額に至る変更と事業の中止・廃止にはあらかじめ市の承認が要り、収入と支出を明らかにした帳簿・書類は、事業が完了した年度の翌年度から起算して5年間の保存が必要です。
使えるのは年に1度・予算は90万円
要綱第4条第2項は、助成金の交付を1年度1事業者につき1回と定めています。動画で1回、イベントでもう1回という数え方はできません。実施計画書は実施する事業のみを記入する作りで、複数の事業を並べて書けます。同じ年度に複数の事業をやるなら、1回の申請にまとめて出す形です。
事業ごとの回数は別表1の備考にあります。
| 助成対象事業 | 使える回数 |
|---|---|
| PR動画作成 | 令和5年度まで実施していた「鳥取市地元企業就職PR動画作成助成金」を含め1回限り |
| 就職イベント参加事業 | 各年度1回とし、最大3回まで |
市の令和8年度の当初予算では、この助成金に90万円が計上されています。積算は一般企業の枠3件と、かがやき企業の枠3件です。要綱第5条は「予算の範囲内で交付する」と定めているので、条件を満たしても枠が埋まれば交付は止まります。
もっとも、市が公表している交付実績は令和6年度が1件、令和7年度が見込みで2件です。積算の半分にも届いていない枠なので、殺到して尽きる性質ではないと思われます。年度の途中で残りが気になるなら、経済・雇用戦略課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。
問い合わせ先は経済・雇用戦略課
本制度の所管は、鳥取市の経済観光部 経済・雇用戦略課 雇用政策係です。提出は同課へメールで行い、押印が要る書類はカラースキャンを添える形になっています。
申請の前に確かめておきたいのは、公表されていない次の点です。
- 採用コンサルティング事業の委託料で、求人票の作成や媒体運用など募集そのものの代行まで見てもらえるか(上の見立てのとおりですが、見積書を作る前に)
- 「新規学卒者等」の「等」に、高専卒や既卒者が含まれるか
- 令和8年度の受付がいまも続いているか
どれも様式を埋める前に決まっていれば、申請と発注の順番を1本にそろえられます。
10万円の使い道は、動画を選ぶ前に決まる
本制度の上限は10万円で、補助率は4分の3。税抜13万3,334円までなら、その4分の3が戻ります。PR動画なら制作費の一部、就職情報サイトなら短い掲載1本分です。要綱が掲げるのは市内企業の広報と人材確保、そして大学生等の市内就職で、採用はその真ん中にあります。
そのかわり、使える回数は強く絞られます。交付は年に1度、動画は前の制度の分まで通算して一度きり。交付決定より前に発注すれば、その事業はまるごと外れます。ここまで絞られると、今年度どの採用に一度きりの枠を当てるのかを先に決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。