【全44件】「栃木県」で採用に使える補助金は?費用と人数と待遇の3種類を整理して紹介!

補助率は2分の1、上限は50万円、締切は2月末。ここまで読んで、手帳の2月末に印を付けた……。

栃木県内の枠を1つずつ開いていくと、その印が実際の締切とずれることが何度も出てきます。そもそも、どの一覧を開いたかで拾える枠の数が変わります。県と25市町が2026年8月に掲げていた資料だけを並べ直しました。

まず、何件あるのかから見ていきます。

この記事でわかること

  • 栃木県で採用に使える枠は何件あって、県と市町にどう分かれるのか?
  • 44件は、かけた費用・採った人数・雇ったあとの待遇のどこに出るのか?
  • 自社の採用ページや求人広告の費用に、費目名を持つ制度はどれか?
  • 期限の決まり方は何通りあって、カレンダーに転記できる枠はどれか?
  • 手帳に日付を書いただけでは間に合わない枠は、どこで先に閉じるのか?

根拠にしたのは、県と市町が公開しているページ、交付要綱、条例、申請様式、電子申請フォームの表示です。個々の申請の段取りは、制度ごとの記事に置いています。

栃木県で採用に使える補助金は44制度

県の労働政策課・産業政策課の一覧、県の企業立地ガイドが持つ25市町の突合表、市町の商工・雇用・企業誘致・福祉の各課のページを、1自治体ずつ当たりました。

企業や事業者の側が受け取れる採用まわりの枠として、2026年8月時点で確認できたのは44件です。内訳は県が6件、市町が38件でした。44件は下限で、数え漏れがあれば増える方向です。制度そのものが年度で入れ替わる話とは別で、こちらは調査の精度の話です。

区分 数と内訳
確認できた制度 44件(県6件・市町38件)
枠を確認できた自治体 県と20市町(12市8町)
枠が無いと確かめた自治体 さくら市・大田原市・上三川町・芳賀町
資料を開けなかった自治体 茂木町
自治体別の内訳 宇都宮市6・矢板市4・日光市3・小山市3・真岡市3・鹿沼市2・那須塩原市2・那須烏山市2・益子町2・足利市1・栃木市1・佐野市1・下野市1・市貝町1・壬生町1・野木町1・塩谷町1・高根沢町1・那須町1・那珂川町1

この44件にたどり着くには、一覧を2か所開く必要があります。県の労働政策課と市町の商工課が並べる補助金の一覧と、県の企業立地ガイドが「優遇制度」のページの末尾から張っている、25市町分のPDFです。

商工の一覧と企業立地の索引は、片方からもう片方へたどれません。自社の市町の枠を数えるなら、市町名に「補助金 一覧」を足して商工の担当課から入り、企業立地の索引も別に開くのが確実です。所管は商工・産業振興・企画・福祉に分かれるので、労働の部署だけを追うと抜けます。

国の助成金は、この44件とは別の仕組みで動きます。窓口も、動ける時期の決まり方も重なりません。国の制度の説明はこちらです。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

数えたのは企業が受け取れる枠

1件と数えたのは、補助金・奨励金の名前の単位です。そのうえで、受け取るのが企業や事業者の側であること、採用活動の費用・雇った人数・人材の確保や定着のいずれかを目的か対象経費に持つこと、という条件で絞りました。

この条件は、同じ制度の中でも効きます。宇都宮市の「UJIターン人材確保支援補助金」は、インターンシップの受入分は事業者に出ますが、就職活動での受入分は大学生等に出ます。数えたのは前者だけです。

奨学金の返還支援も同じです。栃木市と県の枠は企業が受け取るので数え、宇都宮市・鹿沼市・足利市・益子町の枠は交付先が従業員本人なので数えていません。固定資産税相当額だけが戻る企業立地奨励金や、設備投資・販路開拓だけのものも外しました。

この条件で並べ直すと、44件は性質で3つに分かれます。

何に対して出るか 件数
採用にかけた費用 9件
採った人数 22件
雇ったあとの待遇や制度 11件
名前までしか取れなかった枠 2件(益子町・塩谷町)

名前までしか取れなかった2件は、益子町の雇用支援奨励金と、塩谷町の企業立地促進条例第9条にある塩谷町民正規雇用補助です。どちらも金額が公表されていないので、額は町の担当課で取り直すことになります。

「採用の補助金」と一括りにできるのは名前だけで、9件と22件は動く時期が別です。片方は見積もりを取ってから動き、もう片方は拠点を構える計画と一緒に動きます。自社がどちらを探しているのかを先に決めておくと、開く一覧が1つに絞れます。

採った人数に出る22件は1人あたりで決まる

ここから3節は、拠点を構えるか、雇ったあとに出る枠の話です。募集にかけた費用そのものを探しているなら、「費用に出る9件」まで飛ばして構いません。

22件は、企業立地や企業誘致の条例・要綱にぶら下がります。新設・増設・オフィス開設に伴って人を雇うと、1人あたりいくらという形で出ます。

1人あたりの額 自治体と制度
50万円 高根沢町 企業立地促進補助金(上限1億円・200人分)
30万円 矢板市 企業立地優遇制度の雇用奨励金(限度額なし)/壬生町 産業振興奨励金の雇用奨励金(限度額なし)/那珂川町 雇用促進奨励金(1年度1,500万円)
25万円 小山市 企業立地雇用促進奨励金(限度2,500万円)/真岡市 企業立地雇用促進補助金/真岡市 オフィス進出等促進補助金(上限10人)
20万円 下野市 雇用奨励金交付制度(同一年度100万円まで)/益子町 企業誘致優遇制度の雇用奨励金(町民3名以上)/市貝町 企業誘致促進条例の雇用奨励金/那須町 地域雇用創出奨励金(常用雇用者5人以上)
12万円 足利市 雇用促進事業補助金(新規学卒者は6万円上乗せ)
10万円 矢板市 正規雇用支援金/那須塩原市 雇用促進奨励金(限度1,000万円)/野木町 企業誘致奨励金制度の雇用促進奨励金
5万〜20万円 日光市 雇用創出奨励金(限度1,000万円)
単価の公表なし 県 女性活躍オフィス立地・拡大補助金/宇都宮市 雇用創出奨励金(国の助成金の2分の1または3分の1)/宇都宮市 オフィス企業立地支援補助金/宇都宮市 本社機能立地支援補助金/鹿沼市 雇用創出補助金/那須烏山市 雇用促進奨励金

1人あたりは5万円から50万円まで開き、限度額は100万円から1億円まで開きます。矢板市と壬生町のように限度額を置かない枠がある一方、下野市は同一年度100万円で止まります。額は単価と人数と限度額の掛け合わせなので、単価だけを見ても順番は付きません。

対象になる場面も共通しています。工場やオフィスを新しく構えるとき、増設するとき、本社機能を移すときです。雇う相手を市民・町民・市内在住者に限る枠が多く、那須町は常用雇用者5人以上、矢板市は新規雇用者10人以上と、人数の下限を置く枠もあります。

募集にいくらかけたかは、この22件では一度も問われません。拠点を動かす計画が無い年なら、この22件は見なくてよいと考えて、費用に出る9件へ進むのが早道です。

雇ったあとの待遇に出る11件

3つ目は、採用そのものではなく、雇ったあとの待遇や制度に出る枠でした。

何に出るか 制度
退職金共済への加入 宇都宮市中小企業退職金共済制度加入促進補助金(商工振興課)/佐野市中小企業退職金共済制度加入促進事業(産業政策課)/鹿沼市中小企業退職金共済制度加入促進補助金(産業振興課)/小山市中小企業退職金共済制度普及補助金(工業振興課)/矢板市中小企業退職金加入促進補助金(商工観光課。掛金月額の20%・上限5,000円)/那須塩原市中小企業退職金共済制度加入促進補助金(商工政策課)
奨学金の返還支援 県 とちぎ奨学金返還企業応援事業(企業負担額の2分の1・従業員1人年9万円)/栃木市 中小企業者等奨学金返還支援事業費補助金(従業員1人年10万円・1社年30万円)
男性の育児休業 県 とちぎ男性育休推進企業奨励金(20万円。初回加算で最大50万円)
人材の育成 小山市 ものづくり人材育成事業助成金
従業員の住まい 日光市 林業従事者等賃貸住宅家賃等支援補助金(事業主の負担分)

名前はどれも似ていますが、要綱の目的の書き方は分かれます。鹿沼市は「中小企業の人材確保および人材の定着を目的として」、佐野市は「加入促進と従業員の福祉増進、雇用の安定を図ることを目的に」と書いています。

金額を公表していたのは矢板市だけで、ほかの5市は掛金の一部としか出していません。採用の費目は持ちませんが、求人票に書ける条件を作る側から人を集めにいく枠だと思われます。

県の6件は商工の外にも出る

県の枠は6件で、1つのページには並んでいません。

制度 対象と上限
とちぎ奨学金返還企業応援事業 企業が負担した返還支援額の2分の1・従業員1人上限9万円
副業・兼業プロフェッショナル人材活用促進事業費補助金 人材紹介手数料など。一般型は上限5万円、特別型は10分の8以内・上限50万円
県外副業・兼業人材活用補助金 県外のプロ人材が就業場所へ移動する費用。上限25万円
とちぎ男性育休推進企業奨励金 男性従業員に通算1か月以上の育休を取得させた中小企業事業主へ20万円
訪問介護人材確保体制構築支援事業費補助金 令和8年度から中山間地域等での採用活動の支援を追加
女性活躍オフィス立地・拡大補助金 女性雇用の創出に向けたオフィス設置・拡大

所管は労働政策課、産業政策課、プロフェッショナル人材戦略拠点、高齢対策課に分かれます。「採用活動の支援」というメニューを持つ県の枠は、高齢対策課の担当です。訪問介護事業所に限られる枠で、労働政策課の一覧をいくら追っても出てきません。

介護の事業所なら、商工の一覧より先に高齢対策課のページを開く必要があります。

費用に出る9件は費目で決まる

44件のうち、かけた費用に補助率をかけて出るのは9件です。採用サイトを作りたい、求人広告を出したいという目的で探している場合に当たるのは、この9件です。

自治体 制度
栃木県 副業・兼業プロフェッショナル人材活用促進事業費補助金
栃木県 県外副業・兼業人材活用補助金
栃木県 訪問介護人材確保体制構築支援事業費補助金
宇都宮市 中小企業人材確保支援補助金
宇都宮市 UJIターン人材確保支援補助金
日光市 中小事業者等デジタル情報発信事業費補助金
真岡市 えるぼし・くるみん認定取得奨励金
矢板市 就業イベント等催事出展補助金
那須烏山市 経営課題解決事業費補助金

やることごとに費目名を持つ制度を並べ直すと、こうなります。

やること 費目名を持つ制度
自社ホームページ・採用ページの制作や改修 日光市・那須烏山市の2件
求人広告・求人情報の掲載料 宇都宮市・那須烏山市・矢板市の3件
合同企業説明会などへの出展 宇都宮市・矢板市・那須烏山市の3件
採用動画・SNSコンテンツの制作 宇都宮市・矢板市の2件
会社案内・採用パンフレットの制作 宇都宮市・矢板市の2件
人材紹介手数料 県のプロ人材の枠・那須烏山市の2件
採用活動の代行にかかる委託費 費目名を持つ制度は無い

1つの制度が複数の費目に名前を出すので、縦に足しても9件にはなりません。逆に、この表に出てこない枠もあります。真岡市は認定を社外へPRする広告掲載費に絞られ、県の残る2件は移動費と、訪問介護事業所向けの体制づくりです。

採用ページの制作費は2件で名指しされる

自社ホームページの制作・改修に費目名があるのは、日光市と那須烏山市の2件だけです。

日光市の中小事業者等デジタル情報発信事業費補助金は、対象事業の1つ目が自社ホームページ制作(新規・改修)で、税抜経費の2分の1・上限20万円です。制度の目的そのものに人材確保が置かれ、市が配っているQ&Aは改修の例として「採用・求人専用ページやコンテンツの追加」を挙げています。

那須烏山市の「経営課題解決事業費補助金」は、対象経費の区分3「広告宣伝費」に、具体例として自社HP構築・改修費が書かれています。2分の1以内・上限20万円です。

ただし下限もあります。対象経費が20万円に満たないと申請自体ができず、市は「従って、補助金は10万円から20万円の範囲で支給されます」と書いています。20万円未満で収まる改修なら、この枠の対象から外れます。

日光市は制度そのものを情報発信に絞り、採用を目的の側に置いています。那須烏山市は計画に位置づけられた費用なら何でも見る形で、採用はその一部です。

ホームページの制作費を見る枠なら、さくら市の経営活性化支援事業補助金など県内にほかにもあります。ただし広報費を「商品及びサービスの広報を目的としたものに限る」と書くように、目的要件で外れます。

Web制作費が対象に入っていることと、採用サイトが対象になることは別の話です。採用のページを作る前提で見積を組むなら、目的の欄に採用が書かれているかを先に見るのが確実です。

日光市の枠で採用ページを作りたい方は、Q&Aと様式まで開いて条件を並べた記事からどうぞ。

参考記事:『「日光市中小事業者等デジタル情報発信事業費補助金」は採用ページも対象?対象経費を解説!

求人広告と説明会出展は3件ずつ

募集の露出そのものに費目名があるのは3件です。宇都宮市の中小企業人材確保支援補助金は、交付要綱別表第2に「求人広告掲載」「合同企業説明会出展」と書いています。

那須烏山市は対象経費「従業員の採用活動費用」に求人情報掲載費と企業説明会参加負担金を挙げ、矢板市の「就業イベント等催事出展補助金」は出展料・小間料と出展に伴うウェブ掲載費を並べます。

矢板市の枠は、対象経費の7区分のうち5区分が「出展に係る」「出展に伴う」「出展に要する」で括られています。出展という行事があって初めて、動画もパンフレットもウェブ掲載も対象に入る形です。

補助率2分の1以内・上限5万円(千円未満切捨て・予算の範囲内)で、1事業者につき1年度1回。国や県の補助金を受けているときは、その額を差し引いた残りが対象経費になります。

那須烏山市の採用活動費用には、留意事項が1行付いています。欠員補充のための採用活動に要する費用は対象外、と書かれています。辞めた人の穴を埋める募集ではなく、計画に基づく採用であることが求められる読み方になります。

欠員の補充で見積を組んでいるなら、那須烏山市の枠は外して考えるほうが損がありません。

人材紹介手数料に名前がある2件

紹介手数料は、多くの制度で費目名を持ちません。栃木県内で名前があるのは2件です。

那須烏山市は、採用活動費用の具体例に「人材紹介サービス利用料」を挙げています。

県の副業・兼業プロフェッショナル人材活用促進事業費補助金は、一般型の対象経費が拠点に登録された民間人材ビジネス事業者への人材紹介手数料だけです。特別型はそこに、副業・兼業人材への報酬と、交通費・宿泊費が加わります。

こちらは副業・兼業の形で受け入れる人材に限られ、対象件数は一般型・特別型とも1社1人です。

正社員の採用にかかる紹介手数料を正面から見る枠は、費用に出る9件の中にはありません。紹介会社に払う手数料は、自社で持つ前提で組むほうが早く済みます。

採用活動の代行の委託費に費目名が無い

一方で、費目名が1つも見つからなかったものがあります。採用活動の代行にかかる委託費です。

「委託費」という費目自体は複数の制度にあります。ただし宇都宮市は別表第2にも別表第3にも委託の語が無く、日光市の外部委託費は制作の委託、那須烏山市の業務委託は専門家への委託です。

県の訪問介護向けの枠だけは「中山間地域等における採用活動の支援」というメニュー名を持ちますが、費目の内訳は交付要領のページにあり、県のページからは読み取れません。

募集を外に任せる費用は、いまのところ自社で持つ前提で組む形です。

期限の決まり方が3通りに割れる

ここからは、いつまでに出すかの話です。1人あたりで出る22件は、申請の時期が条例や要綱のページにあり、市町のページからは読み取れませんでした。

残る22件のうち、期限の書かれ方まで公表資料で確かめられたのは10件です。あとの12件は、市町のページにも要綱にも申請の期限が見当たらないか、要綱そのものにたどり着けませんでした。

効いてきたのは、対象経費でも回数でもなく「いつまでに出すか」の書かれ方でした。

制度
カレンダーの日付で閉じる 栃木市・日光市・那須烏山市・宇都宮市(人材確保)・県(プロ人材)・県(奨学金返還企業応援)
ある出来事から数えて閉じる 宇都宮市(UJIターン)・県(男性育休)
期限が示されず着手前という条件だけがある 矢板市・真岡市

日付で閉じるのは6件

日付が明示されているのは6件です。

制度 公表されている期限
栃木市 中小企業者等奨学金返還支援事業費補助金 令和8年8月31日まで
那須烏山市 経営課題解決事業費補助金 令和8年10月30日まで
県 副業・兼業プロフェッショナル人材活用促進事業費補助金 令和8年12月25日まで
宇都宮市 中小企業人材確保支援補助金 当該事業年度の1月末日まで
県 とちぎ奨学金返還企業応援事業 令和9年1月4日から2月26日まで
日光市 中小事業者等デジタル情報発信事業費補助金 令和9年2月26日まで

このうち栃木市の枠は、いま動くかどうかがそのまま結果に響く位置にあります。受付は令和8年8月31日で閉じます。しかも市のページは、予算の上限に達した場合は期間内でも終了すると続けます。

従業員1人につき年10万円、1事業者につき年30万円までで、初めての申請は商工振興課中小企業支援係への事前相談が必須です。相談から書類の取りまとめまでを8月中に収める日程になります。

出来事から数えて閉じる2件

残る2件は、カレンダーに転記できません。

宇都宮市のUJIターン人材確保支援補助金は、県外の大学生等をインターンシップで受け入れて交通費や宿泊費を負担した事業者に、その2分の1が出る枠です。上限は通常で1人25,000円・1企業60,000円、専門的なもので1人70,000円・1企業150,000円です。

交付要綱第12条の提出期限は、補助事業が完了した日から60日を経過した日と当該事業年度の3月末日の、早いほうです。受け入れた時期によって、期限が会社ごとに違う日になります。

とちぎ男性育休推進企業奨励金も同じです。受付期間は令和8年5月11日から令和9年3月13日と示されますが、実際の期限は育児休業から原職等に復帰した日から2か月以内と3月13日の早いほうです。

「まだ3月まである」と読める書き方の下に、会社ごとの期限が隠れています。10月に復帰した従業員がいれば、その会社の期限は12月に来ます。

ただしこの2か月は「原則」です。令和8年5月10日までの復帰は令和8年7月10日まで、令和9年3月14日から3月31日の復帰は3月13日までに申請を完了させる、という例外が定められています。インターネット申請の締めは3月13日23時59分です。

育休から復帰した人がいる会社は、その復帰日から2か月を自社のカレンダーに書き込んでおきましょう。

動き出した日が期限になる2件

矢板市と真岡市の枠には、受付期間の記載がありません。

矢板市の就業イベント等催事出展補助金は、交付要綱第5条が「事業着手より前に」提出すると定めるだけです。真岡市のえるぼし・くるみん認定取得奨励金も、市の案内が「事業実施前に、商工観光課窓口までご申請ください」と書くにとどまります。

真岡市の枠は、認定を受けた企業が社外へPRするための広告掲載費に、対象経費の3分の2以内・最大10万円が出るものです。

期限が示されないことは、期限が緩いことではありません。動き出した日が過ぎた時点で、その年度の申請権が消える書き方です。出展を決めた日、認定の申請を出した日が起点になります。

出展や認定を決めたら、申請書を書く前にその日付を控えておかれると安心です。

予算で閉じる書き方が重なる

日付とは別に、残高で閉じる書き方も並んでいます。

日光市は「抽選ではなく先着順」で、予算額に達し次第終了。那須烏山市は「申請が予定額に達し次第、期限前に申請受付を打ち切ることがあります」と書きます。とちぎ男性育休推進企業奨励金も受付は先着順です。

栃木市・県の奨学金返還企業応援事業・県のプロ人材の枠も、予算上限や予算の状況によって期間内でも終了すると書いています。

予算で閉じると書いている枠では、公表された日付は最も遅い可能性であって、締切そのものではありません。

実際、県の副業・兼業プロフェッショナル人材活用促進事業費補助金は、県のページが令和8年12月25日という提出期限を掲げたまま、申請窓口である栃木県プロフェッショナル人材戦略拠点のお知らせが「【特別型受付終了】」と見出しに立てています。

残額や執行状況は、宇都宮市の中小企業人材確保支援補助金(令和8年度当初予算で250万円)のように予算額まで出ている例を除けば、外からは分かりません。年度の後半に検討を始めるなら、まず担当課に受付の状況を聞くところからです。

手帳に書いた日付より早く閉じる4件

期限の型が分かったところで、もう一段面倒な話に入ります。この10件のうち4件は、公表された日付だけを見ていると間に合いません。

宇都宮はフォームが要綱より早く閉じる

宇都宮市中小企業人材確保支援補助金は、交付要綱も市のページもチラシも揃って「当該事業年度の1月末日まで」と書いています。

ところが申請の実体は宇都宮市電子申請共通システムのフォームで、そこに表示された交付申請フォームの受付終了日時は2027年1月29日0時00分です。

要綱の書く1月末日より前に、フォームのほうが閉じる設定になっています。0時終了なので、実務上の最終日はさらにその前日です。

条件も2段構えで、要綱別表第1の12の認定・登録区分のいずれかに当たること、栃木県よろず支援拠点の支援を受けて計画書を作ることが要件です。

宇都宮市で求人広告や説明会出展の費用を載せたい方は、対象者の12区分と別表第2の中身を並べた記事からどうぞ。

参考記事:『「宇都宮市中小企業人材確保支援補助金」はよろず支援拠点が必須?対象の取組を解説!

期限の日付は要綱とウェブページに分かれる

どちらの紙に日付があるかが、制度ごとに逆を向く枠が2件あります。

宇都宮市のUJIターン人材確保支援補助金は、市のページに提出期限の記載がなく、日付は交付要綱第12条にだけあります。

県の副業・兼業プロフェッショナル人材活用促進事業費補助金は逆で、交付要綱第7条の提出期限欄は「知事が別に定める日」と書かれているだけです。令和8年12月25日という日付は、県のウェブページ側にしかありません。

同じ県内で、片方は要綱を開かないと期限が分からず、もう片方は要綱を開いても分かりません。日付がどちらにあるかは、制度ごとに確かめる必要があります。

那須烏山は商工会の日程が先に来る

那須烏山市の経営課題解決事業費補助金は、申請期限の前にもう1つの日程が入ります。

この制度は、那須烏山商工会の支援を受けて経営課題解決事業計画を策定した事業者が対象で、申請も商工会を経由して市商工観光課へ出します。

そのための個別支援会は6月1日から10月19日までの全13回、すべて月曜日です。市は「個別支援会には複数回参加する必要があります」と書いています。

申請期限は10月30日。最終回の10月19日から数えると11日しかありません。計画づくりに複数回かかる制度なので、支援会の予定表が実質の締切を決めていると思われます。

この枠を狙うなら、見積より先に支援会の日程を押さえるのが先です。

4件の外に、まだ動けない枠がある

もう1件、性質の違う枠があります。「とちぎ奨学金返還企業応援事業」です。

助成の中身は公表されています。企業が令和8年1月1日から12月31日までに負担した支援額の2分の1、従業員1人あたり上限9万円、1社3名まで。令和8年度の新規募集数は60名程度で、募集期間も令和9年1月4日から2月26日と示されています。

ただし申請方法の欄には、栃木県電子申請システムから申請してくださいという案内に続けて、括弧書きで一言だけ添えられています。2026年8月18日時点で、そのフォームは「現在準備中」です。

募集が令和9年1月からなので、準備中なのは自然です。ただしこの制度は、要件のほうに時間がかかります。就業規則等の文書で奨学金返還支援を規定していることが要件だからです。

制度を見つけた日に申請できるとは限りません。募集が開くまでの数か月を、規定を整える時間に充てておかれるとよいでしょう。

条件は会社の側にも付いている

期限が「出すとき」の条件だとすると、「出す前」の側にも条件があります。こちらは経費とは関係なく、会社の属性と、誰と組むかで決まります。

登録や認定が申請より前にある

申請の前に、別の手続きが挟まる枠があります。

制度 申請より前に要るもの
宇都宮市 UJIターン人材確保支援補助金 事業者登録認定申請書を出し、市の登録認定を受けること
県 とちぎ男性育休推進企業奨励金 とちぎ女性活躍応援団への登録と、雇用環境整備の措置を2つ以上実施していること
真岡市 えるぼし・くるみん認定取得奨励金 えるぼし認定またはくるみん認定を取得していること
宇都宮市 中小企業人材確保支援補助金 交付要綱別表第1の12の認定・登録区分のいずれかに該当すること

自社がどれにも当たらない場合、補助金の前にやることは登録や認定のほうです。登録そのものに費用がかかる制度ではないので、動き出す時期を早める効果もあります。

計画を作る相手が指定されている枠も2件あります。宇都宮市は経営計画書と人材確保に係る事業計画書を栃木県よろず支援拠点の支援を受けて作ったものに限り、那須烏山市は那須烏山商工会の個別支援会で計画を作ります。

よろず支援拠点は各都道府県に置かれた経営相談所で相談は無料、商工会の個別支援会は非会員も参加できます。どちらも、書類を書く時間より、相談の予定を押さえる時間を先に見ておく制度です。

Tips|相談の予定から埋める

よろず支援拠点も那須烏山商工会も、こちらの都合だけでは日程が決まりません。見積を取るより先に、相談の枠を確保しておきましょう。栃木市の奨学金返還支援も、初回は商工振興課中小企業支援係への事前相談が必須です。書類を書く時間より、人と会う予定のほうが先に埋まります。

一度使うと次が無い枠が並ぶ

回数の制限も、ほとんどの枠に入っています。

  1. 宇都宮市 中小企業人材確保支援補助金 … 一の補助対象者につき1回に限る
  2. 那須烏山市 経営課題解決事業費補助金 … 過去に交付を受けたことがある者は対象外
  3. 日光市 中小事業者等デジタル情報発信事業費補助金 … 1事業者あたり1回限り
  4. 県 副業・兼業プロ人材 … 対象件数は1社1人
  5. 矢板市 就業イベント等催事出展補助金 … 1事業者につき1年度当たり1回
  6. 真岡市 えるぼし・くるみん認定取得奨励金 … 1事業所につき年度1回限り

上の2件は年度ごとではなく、事業者につき一度きりです。日光市の「1回限り」は、生涯1回か年度1回かまで公表資料からは決められず、担当課への確認が要ります。

2回目を前提にした計画は立てず、いちばん効く年に1回使うと決めておくほうが早く済みます。

交付決定より前の発注はどこでも外れる

発注のタイミングは、この10件でほぼ揃っています。交付決定より前に契約した分・支払った分は対象から外れます。

日光市は交付決定前の着手を明確に外し、宇都宮市も交付決定後に着手するものが対象と書きます。矢板市の要綱は「事業着手より前に」申請すると定め、那須烏山市は「交付決定通知より前に、購入や支払等をしないようご注意ください」と念押しします。

県のプロ人材の枠も、申請、審査・交付決定、人材と契約締結の順に並んでいます。

そして、要件を満たすことと交付されることは別です。どの枠も予算の範囲内で交付する形なので、交付を前提にした資金繰りは組まないほうが安全です。

暴力団排除条項と風営法関連業種の除外も、ほぼすべての枠に共通して定められています。宇都宮市の要綱は第4条で、矢板市の要綱は第3条で市税の完納まで求めます。

見積を取る前に要綱を開いて、担当課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。

当たる担当課は、拠点を動かすかで変わる

44件のうち、かけた費用に出るのは9件です。自社ホームページや採用ページの制作費に費目名があるのは日光市と那須烏山市の2件で、どちらも2分の1・上限20万円。どの枠も予算の範囲内で交付する形なので、要件がそろっても交付は約束されません。

残る35件は、採った人数と雇ったあとの待遇に寄っています。制作費に費目名を持つ枠が2件しかない県で先に決めるのは、拠点を新しく構えるのか、いまの場所で募集を打つのかという向きだと思われます。当たる担当課も、期限の数え方も、そこで分かれます。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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【全44件】「栃木県」で採用に使える補助金は?費用と人数と待遇の3種類を整理して紹介! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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