【400万円】「令和8年度かごしま中小企業DX推進事業費補助金」は採用サイトに使える?対象経費を解説!
「鹿児島県 採用 補助金」で検索してこの制度に行き当たったものの、DXという言葉の幅が広くて、採用サイトの制作費が入るのかどうか分からないまま止まっていませんか。
本記事では、2026年8月時点の県の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!
この記事でわかること
- 対象になるのはどんな会社か?
- 対象経費に採用の費用は入るのか?
- いくらまで戻ってくるのか?
- 採用サイトの制作費はどこで止まるのか?
- 申請の期限と予算はどう決まっているのか?
鹿児島県内には、採用に使える制度がほかにもあります。県と市町村の枠を合わせると72件あるので、見比べたい方は自治体別に整理した記事からどうぞ。
【全72件】「鹿児島県」で採用に使える補助金は?対象の費用と上限額をまとめて紹介!
採用ページを作り直したい。求人媒体の掲載料に補助が出ないか。そう思って鹿児島県と市町村の商工のページを開くと、並んでいるのは数件です。 探す場所を変えると、数が変わります。県と地域振興局、そして43市町村を1つずつ調べ直すと、事業者が受け取れる枠は72件まで増えました。額のいちばん大きい枠は、商工
かごしま中小企業DX推進事業費補助金の概要

出典: 鹿児島県「令和8年度かごしま中小企業DX推進事業費補助金」のページ(2026年9月時点)
「かごしま中小企業DX推進事業費補助金」は、デジタル技術を入れて仕事の進め方を変えたとき、かかった費用の3分の2(上限400万円)が戻ってくる制度です。
まず、全体像です。
| 補助金名 | 令和8年度かごしま中小企業DX推進事業費補助金 |
|---|---|
| 相談先 | 鹿児島県 商工労働水産部 産業立地課 新産業創出室(申請の窓口はかごしま中小企業DX推進事業事務局) |
| 補助対象 | ソフトウェア等購入費/クラウドサービス利用料/機械装置等購入費/試作・改良費/専門家の招へい経費/研修費/その他 |
| 補助上限(補助率) | 400万円(対象経費の3分の2以内) |
| 期限 | 令和8年度の受付は終了(1次は5月18日〜6月19日、2次は7月17日〜8月19日)。交付決定日より前に発注・納品・支払いをしたものは対象外 |
注意したいのは、採用サイトの制作費も求人媒体の掲載料も、7費目のどこにも名前が無いことです。ホームページ・広告・パンフレット・動画のいずれの語も、対象経費の別表には出てきません。採用にかける費用は、この制度の費目に無いということです。
「DXの枠ではなさそうだ」と感じた方は、個別の制度を当たるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
ここから、対象になる会社や対象経費の中身、申請の期限や予算まで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。
対象は県内に事業所がある中小企業
補助の対象は、県内に事業所を有する中小企業です。規模を区切っているのは中小企業支援法第2条第1項で、業種ごとに資本金と従業員数で線を置く条項です。申請は原則として1法人につき1件までで、国や県の補助事業で同じテーマの採択を受けていると、この補助金とは併せて使えません。
気を付けたいのは法人格です。医療法人・社会福祉法人・NPO法人・一般社団法人・公益財団法人は、業種を問わず対象になりません。1次募集で交付決定した152件には医療・福祉の会社も並んでいるので、切っているのは業種ではなく法人の形だと思われます。
対象経費は7費目でウェブは条件付き
対象になるのは、上の表に並べた7つの費目です。機械装置等購入費と試作・改良費には、単なる導入や販売目的の試作を対象から外す但し書きが付いていて、費目に当てはまるだけでは足りません。ウェブに関する県の見解は、Q&Aの2-10に1問だけ残っています。
ECサイトの構築やリニューアルは補助対象経費となりますか。サービスやビジネスモデルの変革につながると認められる場合は対象となります。
サイトを作る費用そのものが、費目から外れているわけではないと思われます。ただし「変革につながると認められる場合」という条件が付きます。何がこの条件を満たすのかは、次の節で様式を開くと見えてきます。
戻るのは経費の3分の2・上限400万円
補助率は対象経費の3分の2以内で、上限は400万円です。交付要綱の第5条第2号は「1補助事業者に付き、上限4,000千円」という書き方をしています。例えば600万円の支出なら400万円で上限に頭を打つので、この制度が軽くするのは600万円までの3分の2だと考えておけばよいでしょう。
月額・年額で使用料金が定められている製品の利用料とクラウドサービス利用料、それらに係る保守費用は、事業期間内に支払いを終えたものに限って最大2年分が対象です。毎月払う形の道具を入れるなら、2年分をまとめて1回の申請にまとめられるということです。
経営課題に採用は書けても解き方の3択に無い
県が用意した事業計画書の記入例は、現在の経営課題の書き方として「従業員の高齢化と新たな人材の獲得に悩んでいる」を挙げています。人が採れないことは、県自身が補助事業で解くべき経営課題として挙げています。ところが解き方を書く欄は、次の3つから1つを選ぶ形です。
| 事業計画書の選択肢 | 採用の話が入るか |
|---|---|
| 製品やサービスの変革(新製品や新サービスの開発等) | 自社の製品・サービスの話で、採用は入らない |
| ビジネスモデルの変革(新たなビジネスモデルの創出等) | 稼ぎ方の話で、採用は入らない |
| 既存業務の変革(労働生産性の向上等) | 選考の事務を減らす取組なら寄せられる |
採用管理のシステムを入れて選考の事務を減らす筋なら、3番目に寄せられます。一方で、サイトを作って応募を増やす話には、3択のどこにも受け皿がありません。1次募集の152件のテーマにも、採用・求人・募集の語は1件もありませんでした。組み立てを決める前に、事務局へ一度当てておかれると安心です。
数値計画は従業員数が分母に入る
申請には「数値計画(付加価値額・労働生産性向上計画)」の添付が要ります。基準年度と3年分を書き込む様式で、労働生産性は次の式で自動計算されます。
労働生産性 = 売上総利益 ÷(従業員数 × 従業員一人当たりの年間平均労働時間)
従業員数は分母にあり、人が増えれば売上総利益が同じ率で伸びない限り指標は下がります。付加価値額の側は営業利益と人件費と減価償却費の合計なので、人件費が増えた分は効きます。人を増やして伸ばす計画ではなく、同じ人数でこなせる量を増やす計画を書かせる作りだと思われます。
事業計画書はITベンダーか支援機関と共同で作る
事業計画書は、自社だけで書いて出す書類ではありません。交付要綱の第3条第6号が、ITベンダーまたは認定経営革新等支援機関と共同で作ることを要件にしています。ITベンダーは日本標準産業分類のソフトウェア業などに当たる事業者で、Q&Aの3-1が該当する業種を挙げています。
事務局による指定は無く、県外の事業者でも個人事業主でも構いません。ただし対象外経費に「補助事業を一括して委託する経費」があり、募集要領も、申請を完全に代行していると見受けられる場合は受け付けないとしています。組む相手は要るが丸ごと任せる形は外れる、という線です。
採用の露出に費目名が付く県の枠は別にある
採用の露出そのものに費目名が付く枠は、県の側に別にあります。鹿児島地域振興局の中小企業魅力発信支援事業は、求職者へ企業の魅力を発信する動画やチラシの制作費に2分の1以内・上限25万円。北薩地域振興局の北薩地域UIJターン就労促進事業補助金は、県外の企業説明会の出展料に上限20万円です。
どちらも対象になる市町村が決まっていて、県内のどこからでも使える枠ではありません。令和8年度の募集は、鹿児島地域振興局の枠が7月7日で終わっています。採用の露出にかける費用から考えるなら、この2件を先に当たるほうが早いはずです。
令和8年度の受付は1次・2次とも終了
令和8年度は、1次募集が5月18日から6月19日まで、2次募集が7月17日から8月19日まででした。2次募集は審査中です。次年度の実施は公表されていないので、動くと決めた時点で県のページで最新を確かめてください。
事業実施期間は交付決定日から令和9年2月26日まで。交付決定より前の発注・納品・支払いは対象になりません。実績報告書の提出期限は令和9年2月5日で、最終期限が2月26日です。受け取った後も、取得価格50万円以上のものは耐用年数の間、処分や他の用途に回すのに承認が要ります。
Tips|契約の前に申請を通しておく
この制度は、交付決定を待ってから発注する形です。ベンダーと話を進めるときは、見積を受け取る段階と発注書に判を押す段階を分けておきましょう。先に契約してしまうと、同じ買い物でも補助の外に出ます。
申請は事前に1回・審査は8項目
申請は事前の1回で、交付申請書に事業計画書と数値計画を添えて出します。募集要領が挙げる主な審査項目は8つです。
- 社内のデジタル教育・人材育成の状況
- 現在の経営課題
- 経営課題解決の実施内容
- 経営課題解決の期待効果
- 事業推進体制
- 事業推進スケジュール
- 事業終了後のDX推進計画
- 収支計画
1番目の人材育成は社内のデジタル教育のことで、人を採る話ではありません。審査で考慮される6つの認定のうち3つは、働き方と子育ての認定です。かごしま「働き方改革」推進企業、かごしま子育て応援企業、イクドリ!宣言。認定を取る過程で整えたものは、そのまま求人票に書ける材料になります。
予算6億円は上限で割ると150社分
制度単位の予算は、県の財政課が公表した令和8年度の実施計画に載っています。かごしまDX推進プロジェクト事業として、負担金補助及び交付金が6億円。上限400万円で割ると150社分で、1次募集の交付決定は152件です。上限まで使わない会社が混ざれば、その分だけ件数は増えます。
県は「補助金の予算上限に達した場合、募集を予定より早めに締め切る場合がございます」と書いており、予算である以上、枠が埋まれば交付は止まります。次の年度に動くつもりなら、公示を待つより先に計画のほうを組んでおくほうが確実です。
問い合わせ先は産業立地課 新産業創出室
所管は鹿児島県 商工労働水産部 産業立地課 新産業創出室で、申請の窓口はかごしま中小企業DX推進事業事務局です。県は別に無料の相談窓口も持っていて、県中小企業DX支援プラットフォーム事業のサイトに相談フォームがあります。現況の把握からベンダーの紹介までを、申請書を書く前に相談できる窓口です。
申請の前に確かめておきたいのは、次の点です。
- 次の年度も同じ制度が実施されるか
- どこまでを相手に任せると「補助事業を一括して委託する」に当たるか
- 交付決定を待たずに進めておける準備の範囲
いずれも、事務局に一度聞けば済む話です。
400万円の枠より、採用を補助の外に置く設計が先
本制度の上限は400万円です。この制度が軽くするのは、デジタル技術に払う600万円までの3分の2で、採用にかける費用はその費目に入っていません。DXを進めるための制度で、人を採る話は経営課題の欄までしか入らない作りです。
申請には、ITベンダーか認定経営革新等支援機関と組んで事業計画書を作り、3択のどれかに丸を付け、3年分の数値計画を出す手間がかかります。そこまでやるなら、人を増やして解く話と、同じ人数でこなす量を増やす話を分けるほうが、返ってくるものは大きいはずです。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。