【全10件】「富山県」で採用に使える補助金は?対象の費用と出し先の条件を解説!
採用動画を作る費用に補助が出ると読めた。補助率も上限額も書いてある。ところが、いざ見積もりを頼もうとすると、この動画をどこに載せる前提なのかが分からない……。
富山県内の枠を1件ずつ開いていくと、この引っかかりが何度も出てきます。市町村の8件のうち4件が、そうなっています。条件は対象経費の欄ではなく、作ったあとの要件として定められているからです。
県と市町村が2026年8月に掲げていた資料だけを並べました。まず、何件あるのかから見ていきます。
この記事でわかること
- 富山県内で企業が使える採用まわりの枠は何件あり、県と市町村にどう割れているのか?
- 市町村の8件のうち、採用動画だけを見る枠と、採用ホームページまで見る枠はそれぞれ何件か?
- 作った動画や求人情報をどこに載せるかが要件に入るのは、8件のうちどれなのか?
- その「出し先」の条件は、どの紙を開けば書いてあるのか?
- 採用活動の代行にかかる委託費を見てくれる枠は、10件の中にあるのか?
制度名・補助率・上限額・期限は、いずれも2026年8月に県と市町村が公表していた内容です。1件ずつの申請の段取りは、制度ごとの記事のほうに置いています。
国の助成金は、この10件とは別の枠組みで動きます。窓口も、動ける時期の決まり方も重なりません。自治体の枠と国の枠のどちらを先に調べるか決めていない方は、先に両方の並びを見ておくほうが遠回りになりません。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
富山県で採用に使える補助金は10制度
県の産業・しごとのページと、市町村の商工・雇用のページを順にたどりました。企業や事業者団体の側がお金を受け取れる採用まわりの枠として、2026年8月時点で内容を確認できたのは10件です。内訳は県が2件、市町村が8件でした。
| 区分 | 数と内訳 |
|---|---|
| 制度の合計 | 10件(県2件・市町村8件) |
| 制度を確認できた自治体 | 県と7市1町 |
| 富山県の市町村数 | 15(10市4町1村) |
| 自治体別の内訳 | 南砺市・氷見市・黒部市・小矢部市・砺波市・滑川市・射水市・朝日町が各1 |
枠を置いているのは10市のうち7市
枠を確認できたのは、10ある市のうち7市でした。残る3市のうち、富山市・高岡市・魚津市には、採用の露出に使える枠が見当たりません。
富山市の雇用支援のページに並ぶ事業主向けの助成は、技能技術者の育成、子育て連携テレワーク施設の整備、ひとり親のトライアル雇用と雇用、女性活躍環境づくり、障害者雇用と就業体験、奨学金の代理返還です。採用サイトや採用動画の費用を持つ枠は入っていません。
高岡市の産業企画課が並べているのは人材育成、カーボンニュートラル対策、産業スマート化、創業・事業承継、ものづくりステップアップ、新時代販路開拓、女性の働く環境改善など。魚津市の労働のページも、内職紹介、企業ガイド、県の奨学金返還助成、職業能力開発支援と並び、採用の費用は出てきません。
ただし高岡市の「新時代販路開拓事業支援補助金」には「新規ホームページ等の宣伝広告費」「写真・動画等の宣材作成費」という費目があります。
数に入れていないのは費目が無いからではなく、補助対象事業が「国内及び国外の潜在的顧客を対象とした販路開拓事業」に限られ、広報費のみの申請も対象外とされているためです。費目の側は届いていて、目的の側で外れる型になります。
高岡市でホームページや動画の費用にこの枠を当てようと考えている方は、外れる関門のほうを先に見ておいてください。
参考記事:『【上限10万円】「高岡市新時代販路開拓事業支援補助金」は採用に使える?使える費用と申請の順番を解説!』
4つの町のうち、枠を持っていたのは朝日町の1町でした。「がんばる事業者応援事業補助金」が、就職イベントの出展経費と、就職情報サイト等の利用経費・求人ポスター及びチラシ等の作成経費を見ています。
上市町・立山町・入善町の事業者向け一覧には、採用の露出に使える枠が見当たりません。舟橋村は事業者向けの一覧そのものが公式サイトに無いため、10件という数字は、拾える範囲で数えた最小の数だと思っておいてください。
数えたのは採用の露出に名前がある枠
数え方を先に断っておきます。1件と数えたのは、採用サイト・採用動画・求人広告・説明会出展のいずれかに費目名がある枠までです。
名前が独立していれば、その内側にメニューがいくつ立っていても1件のままにしました。3つの補助事業を持つ南砺市の制度も、3つの補助事業を持つ朝日町の制度も、これで各1件です。
働きやすさや定着の側だけを見る枠は、10件に入れていません。氷見市の労働環境改善助成金と高岡市の女性の働く環境改善促進事業支援補助金は、女性用のトイレ・更衣室等の工事費と備品が対象で、採用の露出には使えません。黒部市の働きやすい職場づくり推進事業奨励金は認定の取得そのものへの奨励金です。
受け取るのが働く本人だけのものも外しました。富山市の奨学金代理返還支援事業補助金は企業が受け取る形ですが、対象は代理返還した額なので採用の費用ではありません。県の奨学金返還助成制度にいたっては、企業は助成対象経費の2分の1を県の基金へ出す側に回ります。
残額を数字で出す制度は無い
10件はいずれも、その年の予算の枠内で交付する制度です。そのうえで、残りがいくら残っているかを金額で公表している制度は1件もありませんでした。
閉じ方をはっきり書いているのは3件です。県の「建設業次世代応援プロジェクト補助金」は「申請は先着順とし、申請額の累計が予算額に達し次第、受付を終了します」、「建設業担い手確保支援補助事業」は「予算には限りがあるため、原則として、補助金交付申請書の受付順に補助金の交付事務を進めます」。
射水市の「求人採用活動支援事業補助金」も先着順で、「提出順に審査の上10件程度交付予定」と件数の目安まで出しています。
残る制度のうち、要綱に「予算の範囲内において」の一文を置いているのは氷見市と滑川市の2件。砺波市の要綱にこの一文は無く、南砺市・黒部市・小矢部市は交付要綱そのものが公開されていません。
要件を満たしたことと、交付を受けられることは別です。動くと決めた月に担当課へ一度電話で確かめておくのが確かだと思われます。いま枠がいくら残っているかは、10件のどこからも見えないからです。
費目は採用動画に大きく寄っている
件数の次は中身です。やることごとに、費目名を持つ制度がいくつあるかを数えました。
| やること | 費目名がある制度の数 |
|---|---|
| 採用動画・企業PR動画の制作 | 7件 |
| 採用ホームページの新規作成・改修 | 3件 |
| 求人サイト・就職転職情報サイトの掲載料 | 3件 |
| 合同企業説明会などへの出展料 | 3件 |
| SNS・インターネットを活用した採用広告 | 1件 |
| 採用活動に参加する学生の交通費・宿泊費 | 1件 |
| 採用パンフレット等の印刷費 | 2件 |
| 人材紹介手数料・採用活動の代行の委託費 | 0件 |
1件だけの2つは、どちらも南砺市の「若者・女性に選ばれる企業への変革応援補助金」です。7区分ある対象事業のうち、④がSNS・インターネットを活用した採用に関する広告宣伝、⑤が採用活動に参加する学生の交通費及び宿泊費で、宿泊費は1泊9,800円までと決まっています。
数えたのは市町村の8件です。1つの制度が複数の費目に名前を出すので、縦の合計は8に収まりません。県の2件は建設業に閉じているので、この表からは外しています。
動画だけを見る枠が4件ある
市町村の8件のうち、対象経費が採用動画の制作費だけで組まれている枠が4件あります。
| 自治体 | 補助率と上限 |
|---|---|
| 黒部市 人材確保企業PR動画作成支援事業補助金 | 3分の1・10万円 |
| 小矢部市 企業紹介PR動画制作支援補助金 | 2分の1・10万円 |
| 砺波市 企業等魅力発信動画制作費補助金 | 2分の1・5万円 |
| 滑川市 採用動画制作支援事業補助金 | 2分の1・5万円 |
4件のうち3件は、商品やサービスを売る目的の動画を対象から外しています。小矢部市は「専ら自社の商品又はサービスを販売又は提供する目的の動画は対象に含みません」、黒部市は「人材確保のための採用に関する動画を対象とし、商品やサービスを販売又は提供する目的の動画は対象に含まない」。
砺波市も要綱の対象経費で同じ線を引いています。滑川市だけは、要綱にもチラシにもこの除外がありません。
上限は5万円から10万円です。補助率2分の1の枠(小矢部市・砺波市・滑川市)で上限に届かせるには、税抜で10万円から20万円の制作費が要ります。動画1本にかける費用としては、まず全額をまかなう額にはなりません。
採用ホームページは3件で名指しされる
自社の採用ホームページの制作・改修に費目名があるのは、南砺市・氷見市・射水市の3件です。このうち南砺市と氷見市は、交付要綱の別表に条文として置いています。
射水市は令和8年度から「採用に関するホームページ」を対象ツールに加えた形です(2分の1・上限10万円・税抜。受付開始は令和8年8月24日)。条文まで確かめられた前者の2件を、下に並べます。
- 南砺市 若者・女性に選ばれる企業への変革応援補助金(魅力発信事業)… 対象事業の1つ目が「採用ページを含む自社ホームページの新規作成又は改修」で、対象経費は委託費。「採用ページの作成費・改修費を含む必要あり」という注記が付きます
- 氷見市「若者・女性が活躍する企業づくり支援事業補助金」… 交付要綱の別表が「採用に関するホームページの新規作成または改修」を挙げ、対象経費は「専門業者に外注する際の費用」と書かれています
この2件は、制度の名前と目的が採用の側から書かれています。他県では、Web制作費が販路開拓やDXの枠にあり、採用のサイトを対象にしてよいのか読み切れないことがよくあります。
富山県内でこの形に近いのは高岡市の新時代販路開拓事業支援補助金で、広報費に新規ホームページ等の宣伝広告費が入っていますが、目的は「自社の技術及び製品の販路の多角化」。採用サイトが対象という記載は無く、広報費のみの申請もできません。
県の側では、建設業次世代応援プロジェクト補助金の対象経費に「ウェブサイト製作」が例示されています。ただしこちらは対象が建設業の団体で、個社は入れません。
上限20万円の南砺市の枠は、採用ページの制作費・採用動画・求人サイトの掲載料が同じところに並ぶ、県内でもっとも幅の広い枠です。この1本に当てるつもりなら、7区分の中身と、市のページに出ていない補助要件まで先に押さえておいてください。
参考記事:『【上限20万円】「南砺市若者・女性に選ばれる企業への変革応援補助金」はなんとジョブへの掲載が必須?』
求人サイトの掲載料は3件だけ
求人サイトや就職・転職情報サイトの掲載料に費目名があるのは、南砺市・氷見市・朝日町の3件です。
南砺市は「初期登録料、掲載料及び原稿作成等に係る費用」と細かく並べたうえで、対象を導入年度分のみに限り、成果型報酬サイトの成功報酬およびそれに類するものを外しています。氷見市は「掲載する際の費用」とだけ書いています。
合同企業説明会などへの出展料も同じ3件です。氷見市のほうは、市外で開催されるものに限られます。市内で開かれる説明会は、要綱の文言の外に出ます。
県の建設業担い手確保支援補助事業も求人情報掲載費と会社説明会等への出展料を見ますが、対象は県または県内市町村の建設工事競争入札参加資格を持つ企業です。
パンフレットと採用代行に費目名が無い
一方で、10件のうち8件には出てこない費目があります。印刷費・製本費という費目が無く、採用パンフレットや会社案内の制作費は、多くの制度で対象とも対象外とも書かれていません。
例外は2件で、朝日町が「求人ポスター及びチラシ等の作成経費」を、射水市が令和8年度から「採用イベントで使用するPRツール(チラシや座席カバー等)」を見ています。近いところでは滑川市のインターンシップ受入促進事業補助金も印刷製本費を見ますが、対象はインターンシップの実施にかかった経費です。
採用活動の代行にかかる委託費と人材紹介の手数料は、10件のどこにも費目名を持ちません。県には「副業・兼業人材活用促進事業費補助金」があり、登録人材紹介会社に支払う経費を10分の8以内・50万円まで見ますが、対象は副業・兼業で使うプロフェッショナル人材で、正社員の採用とは別の枠組みです。
出し先を決めないと要件を満たさない
ここからが本題です。10件を並べて効いてきたのは、対象経費の欄ではなく、作ったものをどこに出すかが要件に入っているところでした。
| 制度 | 出し先についての条件 |
|---|---|
| 黒部市 | KUROBEST WORK 上から企業PR動画を閲覧できるようにすること |
| 砺波市 | ウェブ上で公開する動画であること |
| 南砺市 | なんとジョブに求人情報を掲載していること |
| 氷見市 | 企業PR動画をWeb上で広く公開すること |
| 滑川市・小矢部市・射水市・朝日町 | 条件の記載なし |
市町村の8件のうち4件で、出し先そのものが条件になっています。
黒部市は市のサイトへの掲載が申請要件
いちばんはっきりしているのが黒部市です。「人材確保企業PR動画作成支援事業補助金」の案内ページは、補助対象者・申請要件を4つ並べています。
市内に本社を有する中小企業者であること、市税の滞納がないこと、暴力団等の統制下にないこと。そして4つ目が、黒部市就職支援・企業情報サイト「KUROBEST WORK」上から企業PR動画を閲覧できるようにすることです。
会社の属性を並べた欄の最後に、作ったものの置き場所が入っています。実績報告の添付書類にも「制作した動画の掲載場所及びURL」が挙がっているので、公開して終わりではなく、どこに載せたかを示すところまでが工程です。
このサイトへの掲載手続きは、補助金の申請とは別に必要になります。動画の納品時期と掲載の段取りを、制作会社と話す前に商工観光課へ確かめておきましょう。
砺波市は要綱の定義に公開が入る
砺波市は、条件の置き方がもう一段深い場所にあります。「企業等魅力発信動画制作費補助金」の交付要綱は、第1条の目的からこう始まります。
人材確保を目的として市内中小企業者がその魅力を幅広く周知するためにウェブ上で公開する動画(以下「魅力発信動画」という。)の制作を支援するために実施する
補助の対象が「動画」ではなく「ウェブ上で公開する動画」と定義されています。
さらに第2条で、魅力発信動画を「企業概要や業務内容、職場の雰囲気や具体的な仕事の風景、働く社員の人柄などの情報を、視覚的に分かりやすく伝えることができる動画」と定めています。何を映すかと、どこに置くかの両方が、定義の側で決まっている形です。
対象経費は「魅力発信動画の制作に係る外注費(税抜き)」で、補助率2分の1・限度額5万円、1事業者につき1回限り。ちなみにこの要綱には終わりの日が書かれていて、令和10年3月31日限りで効力を失います。
南砺市の要件はなんとジョブの1行
南砺市の魅力発信事業には、補助要件が1行だけ付いています。交付申請時または実績報告時までに、市の就職支援サイト「なんとジョブ」に求人情報を掲載していること。この1行は市のページの「補助要件」欄と公募要領の両方にあります。
ポイントになるのは「交付申請時または実績報告時までに」という書き方です。掲載が申請の前提ではないので、まだ登録していない会社でも先に交付申請へ進めます。ただし実績報告の添付には掲載が確認できる写真が挙がっているので、最後には載った状態を見せます。
氷見市の公開条件は様式にだけある
氷見市は、条件が書かれている場所がさらに奥です。交付要綱の別表には、企業PR動画の対象経費が「専門業者に外注する際の費用」とだけ書かれています。ところが事業計画書(様式第2号)の末尾に、短い注記が1行添えられています。
制作する企業PR動画はWeb上で広く公開する必要があります
要綱にも市のページにも無い条件が、様式にだけあります。社内研修用に作る動画や、会社説明会の会場でだけ流す動画は、この一文から外れます。
実績報告の様式でも「動画の構成や掲載先がわかる資料等」を求めているので、どこに載せるかは制作を始める前に決めておく項目になります。
氷見市の枠も上限20万円で、採用ホームページ・企業PR動画・就職転職情報サイトへの掲載・市外開催の求人合同企業説明会が対象です。動画をこの枠に当てるつもりなら、要綱と様式にしか無い条件のほうを先に確かめておいてください。
参考記事:『【上限20万円】「氷見市若者・女性が活躍する企業づくり支援事業補助金」はどこまで出る?対象事業を解説!』
出し先が書かれる場所は4件で割れる
ここまでの4件を並べると、条件そのものより、それがどこに書いてあるかのほうが厄介だと分かります。
| 自治体 | 出し先の条件が書かれている紙 |
|---|---|
| 黒部市 | 案内ページ(補助対象者・申請要件の④) |
| 砺波市 | 交付要綱(第1条の目的と第2条の定義) |
| 南砺市 | 案内ページ(補助要件の欄)と公募要領 |
| 氷見市 | 申請様式(様式第2号の注記) |
同じ県内の似た制度でありながら、開くべき紙が4件とも違います。制度のページだけを読んで見積もりを取りにいくと、砺波市と氷見市の2件では条件を見落とします。逆に、要綱を探しにいっても、氷見市の条件は様式のほうにあります。
要綱はもともと庁内の事務のために定める文書なので、公開を前提にした市のページとは役割が違います。読む側から見ると、対象経費を確かめ、見積もりを頼み、それから紙を探しにいって、そこで初めて公開の条件に気づく、という順番になりがちです。
当てようとしている枠が、この4件のどれと同じ形なのかを先に見ておくと、その順番をひっくり返せます。
Tips|出し先の条件を落とさずに拾う順番
対象経費と上限を確かめたら、同じページの補助対象者・申請要件の欄を最後まで読みます(黒部市はここ)。次に交付要綱のPDFを開いて第1条の目的と第2条の定義を見ます(砺波市はここ)。申請様式をダウンロードして事業計画書の注記まで確かめ(氷見市はここ)、公募要領が別に出ていれば補助要件の欄も開きます(南砺市はここ)。
会社の属性で決まる条件もある
出し先が「作ったあと」の条件だとすると、「作る前」の側にも条件があります。こちらは経費とは関係なく、会社の属性で決まります。
県の2件は建設業に閉じている
県の2件は、いずれも建設業向けです。
建設業担い手確保支援補助事業の対象は、申請年度における富山県建設工事競争入札参加資格または県内市町村建設工事競争入札参加資格を持ち、主たる営業所を県内に有する企業です。
求人情報掲載費、求人に関するテレビCMの作成費用、会社説明会等への出展料、学校訪問等の旅費が対象で、補助率2分の1以内・上限40万円。ただし実施要領に条件が付いています。
新たに取り組む活動を補助対象とし、技術関係職員(技術者、技能者等)の処遇向上を行うことを条件とします
求人の費用を出す代わりに、働く条件のほうを動かすことが求められています。処遇向上は交付決定日以降に始めて年度内に取り組むもので、休日数や給与の増、職場環境の改善、柔軟な働き方の推進、福利厚生の充実などが例示されています。
実施が次年度からであっても、年度内にホームページや求人情報などで公表するか社内規定を整えれば「年度内の処遇向上」とみなす、という書き方です。ここでも公表が条件充足の証拠になります。
もう1件の建設業次世代応援プロジェクト補助金は、上限100万円と大きい枠ですが、対象が建設企業等で構成する一般社団法人・協議会等の団体で、個社では申請できません。
採用活動につながるPR媒体の制作・発信等が対象で、ウェブサイト製作も動画もテレビCMも入ります。ただし「イメージアップだけのPR媒体は除く」と添えられています。
射水市は商工会議所の会員に限られる
射水市の求人採用活動支援事業補助金は、実施主体が市ではなく「射水市雇用対策推進協議会」です。受付窓口は新湊地区が射水商工会議所、それ以外が射水市商工会。交付対象者は、射水商工会議所または射水市商工会の会員に限られます。
申請様式も市のサイトではなく、商工会議所のサイトにあります。
回数の切り方も独特です。令和8年度は、過去に申請しようとする採用ツールと同一の区分に関する本補助金を受けていないことが条件になりました。動画で一度使っても、種類が違う採用ホームページなら次に回せます。
令和7年度まで付いていた「過去に採用活動に関する動画を作成した経験がある者は対象外」という除外は、令和8年度版では外れています。去年これで無理だと判断した会社も、除外が消えた以上、もう一度確かめてみる価値があるでしょう。
一度使うと次が無い枠が並ぶ
回数の制限は、10件のほぼ全部に入っています。
| 自治体 | 回数の条件 |
|---|---|
| 黒部市・小矢部市・砺波市・滑川市 | 1事業者につき1回限り |
| 射水市 | 採用ツールの種類ごとに1回 |
| 氷見市・朝日町 | 同一年度において1回 |
| 南砺市 | 補助事業ごとに同一年度1回。同じ事業の2年連続申請は不可 |
| 県 建設業担い手確保 | 同補助金の交付を受けていないもの |
動画だけを見る4件は、すべて生涯1回きりです。採用動画を作り直すたびに使える枠ではありません。今ある素材で1本作るのか、採用計画が固まってから作るのかで、1回の重みが変わります。
動画だけを見る4件のなかでは、上限10万円の黒部市がいちばん大きい枠です。その1回をここに使うか決める前に、4つの申請要件と実績報告の添付まで見ておいてください。
参考記事:『【上限10万円】「黒部市人材確保企業PR動画作成支援事業補助金」は何に使える?費目と流れを解説!』
交付決定より前の発注は10件で外れる
紙と会社の側の条件が見えたら、最後は順番と金額です。ここは10件でおおむねそろっています。
税抜で数える制度が6件ある
補助率を掛ける土台を税抜と明記しているのは6件です。県の2件と、南砺市・氷見市・砺波市・射水市。税込44万円の見積もりを揃えても、計算に使われるのは税抜の40万円だけです。
千円未満の切り捨ても5件(南砺市・氷見市・砺波市・射水市・朝日町)で明記されています。見積もりを取るときに税抜の内訳が分かる形にしてもらっておくと、収支予算書の記入が楽になります。
他の補助金との切り方が制度で違う
併用の扱いは、制度ごとに幅があります。
| 書き方 | 制度 |
|---|---|
| 同じ経費についてだけ切る | 滑川市(補助の対象となる経費について国・県その他から補助を受けている者)/砺波市(対象経費と重複して他の補助金等の交付を受けているもの)/南砺市(市の他の補助金等の対象とされた経費) |
| 事業そのもので切る | 県 建設業次世代応援(補助事業について国又は地方公共団体等の他の補助金等の交付を受ける場合) |
| 幅広く読める書き方 | 氷見市(国、県又は氷見市以外の地方公共団体等から補助金の交付を受ける場合)/射水市(他の補助金との併用はできません) |
同一経費の二重取りを断つ話なのか、併用そのものを断つ話なのかは、文言だけでは決まりません。国の助成金や県の補助金と組み合わせて採用計画を立てているなら、順番を決める前に担当課へ併用できる範囲を確かめておかれると安心です。
予算が尽きた時点で受付が閉じる
発注のタイミングは、10件でほぼ同じです。交付決定より前に契約した分・支払った分は対象から外れます。県の2件はいずれも「事前や事後に発注・支出された経費は対象外です」と書き、南砺市は公募要領が対象経費を「交付決定日以降に着手した事業に係る経費」と定めています。
射水市も「交付決定が下りる前に着手した場合、申請ができません」。黒部市と小矢部市は申請書類の一覧を、動画を作る前と作った後に分けて並べています。
もうひとつ、明文そのものが無い制度もあります。10件の外になりますが、高岡市の新時代販路開拓事業支援補助金は交付申請を先に出して実績報告で締める形で、交付決定より前の着手を禁じる文言は市のページにも6点の様式にも見当たりません。
ただし、この10件の外には逆向きの設計もあります。滑川市のインターンシップ受入促進事業補助金は、事前に出すのが交付申請ではなく届出で、要綱第5条が実施の3日前まで。交付申請は終了後90日または年度末の早いほうで、審査で交付決定と額の確定を同時にやります。
先に決定をもらってから動く形ではありません。制度の名前が近くても発注の順番まで同じとは限らないので、学生の受け入れも考えている方は、届出の期限からさかのぼって日程を組んでください。
参考記事:『【上限5万円】「滑川市インターンシップ受入促進事業補助金」は誰に出る?対象の費用と届出の期限を解説!』
受付期間のほうは、制度によって公表の度合いが違います。県の2件は令和8年4月1日から令和9年1月31日、あるいは随時受付と日付が出ていて、射水市は令和8年8月24日受付開始・10件程度交付予定と件数まで出しています。
一方で、南砺市と氷見市は受付期間そのものが公表されていません。日付ではなく残高で閉じる形なので、動くと決めた時点で担当課のページを開きます。
なお、要件を満たすことと交付されることは別です。氷見市の交付要綱は、市が申請内容を審査して適当と認めたときに交付を決定すると定めています。
県の建設業担い手確保支援補助事業も「実施計画書等の内容により、『取組計画』や事業の効果などを確認したうえで、補助の可否を検討します」としています。交付を前提にした資金繰りは組まないほうが安全です。
出し先を決めてから見積を取る
富山県内で拾えた枠は、2026年8月の時点で10件。うち市町村が8件で、上限が分かるのは5万円から20万円です。10万円を受け取るには、補助率2分の1なら20万円を動かすことになります。そこまで積んでも、予算が尽きていれば交付はされません。
分布は動画に寄っています。市町村の8件のうち7件が動画の制作費を見る一方、採用ホームページまで届くのは3件、採用代行には費目名がありません。しかも出し先を要件にした4件は、開くべき紙が1件ずつ違います。当てる枠を選ぶより、作ったものをどこに置くかを先に決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。