【全97件】「秋田県」で採用に使える補助金は?対象経費と関門の6つの型を整理

秋田県の補助金を開いて、対象経費の欄に「ホームページの制作・改修」を見つけた。ところがその少し上、対象者の欄に置かれた条件で足が止まってしまう……。

県内の制度を1件ずつ当たっていくと、この止まり方が何度も出てきます。金額や経費より手前に関門があり、しかもその関門は補助金のページの外にあることが多いのです。

そこで今回は、県と25市町村の枠を当たり直したうえで、その関門の側から引ける形に置き直しました。

この記事でわかること

  • 秋田県内で採用に関わる制度は何件あり、県と市町村にどう割れているのか?
  • 25市町村のうち、枠があるのはどこまでか?1人あたりの額が付く町村はあるのか?
  • 交付申請より前に通っておく関門は、どんな型に分かれるのか?
  • 97件のうち、採用サイトの制作費を費目に名指ししている制度はいくつあるのか?
  • お金の出ない県の登録が、市の補助金の要件になるとはどういうことか?

本文の制度名・補助率・上限額・期限は、2026年8月時点で各自治体と実施機関が公表していた内容です。1件ずつの要件や様式は、制度ごとの記事に譲ります。

目次

秋田県で採用に使える補助金は97制度

秋田県内の自治体を1つずつ当たって採用に関わる制度を拾うと、2026年8月時点で97件になりました。内訳は県が23件、市町村が74件です。25市町村のすべてに、何かしらの枠があります。

区分 数と内訳
制度の合計 97件(県23件・市町村74件)
制度を確認できた自治体 26(県と25市町村すべて)
秋田県の市町村数 25(13市9町3村)
市町村の内訳 13市に47件、9町3村に27件(このあと出てくる雇用そのものに出る枠27件とは別の27です)
件数の多い自治体 秋田市8/美郷町7/能代市6/大館市5

この97件は、県内にある枠の下限として読んでください。商工の担当課以外が枠を持っている自治体があり、置き場所は自治体ごとに違います。県の23件のうち6件が健康福祉部にあるのが、その一例です。

条例に基づく枠の単価は、更新の時期がそろっていません。制度そのものは各自治体の商工ページで裏が取れますが、令和8年度(2026年度)にいくら出るかは担当課に確かめる必要があります。単価の表は目安として読み、自社の自治体の現在の額を当たってから計画に入れてください。

この記事が数えているのは、自治体が原資を出している補助金です。厚生労働省の雇用関係助成金とは、お金の出どころも申請できる時期も別の話になります。

国の助成金と自治体の補助金のどちらを先に調べるか決めかねている方は、両者の使い分けと入金までの立て替えを先に押さえておくと、このあとの絞り込みが速くなります。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

奨学金や融資は数に入れていない

1件と数えたのは、事業者が受け取る側で、採用活動の費用・雇用そのもの・人材確保・職場定着のどれかを目的または対象経費に持つ枠です。

採用が目的として書かれていなくても、雇用の人数が交付要件に組み込まれている立地の奨励措置は数に入れました。

この記事の対象から外したものも挙げておきます。求職者・学生・移住者だけに渡るもの(秋田県奨学金返還助成制度、潟上市と三種町の奨学金返還助成金、仙北市雇用対策事業費補助金、大仙市保育士就労奨励金など)、融資と保証、表彰、無料の相談窓口や研修だけのものです。

費目に広告宣伝費があっても、目的が売上や販路にある枠は数えていません。潟上市の中小企業等稼げる力創出補助金、美郷町のインターネット販売販路開拓支援事業補助金、県の地域収益力向上支援事業とものづくり経営戦略強化支援事業がこれに当たります。

秋田市のアンダー40正社員化促進事業補助金は、制度そのものが新規受付を終えているので外しました。逆に、年度内に予算が尽きた三種町の地域雇用創出推進事業補助金と、今年度の募集が締め切られた県の中核人材確保・定着環境整備支援事業は、来年度も同じ枠が立つ可能性があるので97件に残しています。

1つの補助金でも、区分ごとに対象経費も上限額も申請の流れも別立てになっているものは分けて数えました。能代市首都圏等人材採用支援補助金の2つの支援分と、県のあきた企業立地促進助成事業の3つの型がこれに当たります。

逆に、1つの申請のなかの内訳になっているものは、まとめて1件です。横手市採用活動応援補助金の3事業は合計して上限20万円まで、大仙市人材獲得応援補助金の(A)(B)(C)も、それぞれ1件として数えています。

1件だけ、この線から外れるものを入れています。秋田市の採用面接に係る交通費などの助成は、受け取るのが県外に住む求職者本人で、会社の口座には入りません。住所地に応じて1万円から3万円までです。

求人票に書ける材料になるので97件に算入しましたが、事業者が申請する枠の表には入れていません。県外の候補者を呼ぶ予定があるなら、旅費の見積を作る前に押さえておかれるとよいでしょう。

県の23件は4つの部に散る

県の枠は23件です。ひとまとめに並んだページはありません。

制度 所管と上限
プロフェッショナル人材活用促進事業費補助金 産業労働部 商工業振興課。2分の1以内・通常枠50万円/DX人材枠100万円
副業・兼業人材活用促進事業費補助金 商工業振興課。通常枠15万円/DX枠30万円/新規利用枠は10分の8・50万円
外国人材定着支援事業費補助金 雇用労働政策課。2分の1・50万円
中核人材育成支援事業 雇用労働政策課。2分の1・100万円
中核人材確保・定着環境整備支援事業 商工業振興課。4分の3・750万円・最長3年
若年女性に魅力ある職場づくり加速化事業費補助金 人口戦略部 男女共同参画推進課。2分の1以内・100万円
秋田県えるぼしチャレンジ支援金 男女共同参画推進課。10分の10・50万円
地域公共交通人材確保・運行効率化支援事業費補助金 観光文化スポーツ部 交通政策課。1事業者150万円または500万円
多様な人材採用手法導入支援事業費補助金 観光文化スポーツ部 観光戦略課。宿泊事業者向け
情報関連産業立地促進事業 産業労働部 産業集積課。年3,000万円・3年間
あきた企業立地促進助成事業(設備投資支援型) 産業集積課。5億円(既存立地は3億円)
あきた企業立地促進助成事業(事業集約支援型) 産業集積課。20%・2,000万円
あきた企業立地促進助成事業(環境・エネルギー型、資源素材型) クリーンエネルギー産業振興課。5億円(既存立地は3億円)
本社機能等移転促進事業 産業集積課。40%(首都圏と同等給与なら50%)・4,000万円
デジタル牽引企業創出支援事業 雇用労働政策課ほか。2分の1・年500万円・最長3年
あきた賃上げ緊急支援事業 産業労働部。正規5万円・短時間正規や非正規3万円/人・上限50万円
障害者職場実習促進事業 雇用労働政策課。実習3日以上15日を限度
秋田県外国人介護人材誘致促進事業費補助金 健康福祉部 長寿社会課。10分の10・1法人50万円
秋田県外国人介護人材受入施設等環境整備事業補助金 長寿社会課。交付要綱による
介護人材確保・職場環境改善等補助金 長寿社会課。交付要綱による
秋田県介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業 長寿社会課。案内による
秋田県訪問介護等サービス提供体制確保支援事業補助金 長寿社会課。案内による
秋田県介護テクノロジー活用支援事業費補助金 長寿社会課。案内による

23件のうち6件は、健康福祉部の長寿社会課にあります。産業労働部の労働・雇用のページだけを開くと、この6件は手元に残りません。しかも中身は採用そのものです。

秋田県外国人介護人材誘致促進事業費補助金は、補助対象事業に「海外現地での説明会開催等の採用・広報活動」が入り、対象経費の例に多言語リーフレット作成費が挙がっています。補助率は10分の10で、1法人あたり50万円です。

県の側をまとめて見たいなら、産業労働部 商工業振興課とあきた企業活性化センターが出している「令和8年度 中小企業等支援施策の手引き」が近道になります。県と外郭団体の78制度が1冊に入っていて、人材確保・育成の枠はその一部の番号帯にまとまっています。

ただし企業立地の枠だけは、県サイト本体にありません。「こちらあきた企業立地サポートガイド!」という別のサイトにまとまっているので、工場や事業所の新設を考えている会社は、そちらも開いておきましょう。

なお中核人材確保・定着環境整備支援事業は、令和8年度(2026年度)の募集がすでに終わり、採択された8社が公表されています。当初予算は約1,191万円で、補助率4分の3・限度額750万円・補助期間は最長3年という条件でした。

来年度も同じ形で立つとは限りませんが、県にこの規模の枠があることは押さえておく価値があります。

市町村の74件は25自治体にある

市町村側は74件でした。13市に47件、9町3村に27件です。

件数 自治体
秋田市 8件 求人情報発信支援事業補助金、新卒者地元就職応援金、外国人材受入奨励金、なでしこ環境整備補助金、資格取得助成事業補助金、日本語資格取得助成事業補助金、商工業振興条例の雇用促進助成金、採用面接に係る交通費などの助成
美郷町 7件 雇用機会創出支援事業補助金、企業人材獲得支援事業(複数企業型インターンシップ事業)、雇用促進支援金、商工業振興奨励金交付事業、企業誘致条例の町内居住者常時雇用奨励金、本社機能移転促進事業、中小企業の仕事と子育て両立支援応援事業
能代市 6件 制度名はこのあとの節で挙げます
大館市 5件 制度名はこのあとの節で挙げます
鹿角市 4件 産業人材育成支援事業費補助金、外国人材受入態勢支援補助金、女性・若者魅力ある企業づくり支援事業、企業立地促進条例の雇用奨励金
北秋田市 4件 外国人材確保支援事業補助金、外国人介護人材定着奨励金、産業振興条例の雇用奨励金、雇用促進交付金
にかほ市 4件 制度名はこのあとの節で挙げます
3件 横手市・湯沢市・由利本荘市・潟上市・三種町・八峰町・羽後町
2件 男鹿市・上小阿仁村・八郎潟町・井川町
1件 大仙市・仙北市・小坂町・藤里町・五城目町・大潟村・東成瀬村

3件以下の自治体の制度名は、このあとの用途別の節で挙げます。

制度の数と自治体の規模は、そろっていません。人口2万人規模の美郷町の7件が、秋田市の8件に迫ります。逆に、規模の大きい市で枠が1件どまりのところもあります。

雇用や募集の費用ではなく、働き続ける側を見る枠もあります。八郎潟町の福利厚生助成事業は、常時従業員の定期健康診断の受診費を5年間、全額みます。

羽後町は製造業等健康診断経費助成金と寒冷地経費助成金を置いていて、後者は従業員5人以上17人未満なら1事業所5万円、17人以上なら従業員1人につき3千円です。美郷町の中小企業の仕事と子育て両立支援応援事業も、ここに含まれます。

探しにくい枠が2件あります。にかほ市の中小企業等人材確保支援事業費補助金は上限50万円で、市内で新たに採用する人材を対象とした求人活動のための支出が対象です。

ところがこの枠は、市の補助金・助成金の一覧にも、商工政策課の支援・助成の一覧にも出てきません。令和8年度(2026年度)の受付状況は、商工政策課への確認が要ります。

もう1件は井川町の中小企業退職金共済の掛金助成で、こちらは中退共の全国索引にだけ載っていて、町のサイトからはたどれません。自社の市町村で見つからないときは、一覧に無い枠があると考えて担当課に当たるほうが早いはずです。

名前に採用が入るのは5件だけ

制度名を97件ぶん書き出して数えると、「採用」の2文字を持つのは5件でした。

名前に含まれる語 件数
採用を含む 5件
人材を含む 26件
どちらも含まない 69件

両方を含むものが3件あるので、縦に足すと97を超えます。5件の中身は、県の多様な人材採用手法導入支援事業費補助金、秋田市の採用面接に係る交通費などの助成、能代市首都圏等人材採用支援補助金の求人情報発信力強化支援分と人材獲得サービス利用支援分、横手市採用活動応援補助金です。

どちらも含まない69件には、職場づくり、担い手確保、雇用促進、雇用奨励、機会創出、資格取得支援といった名前が並びます。「秋田県 採用 補助金」で目当てのものが出てこないのは、そこに無いからではありません。名前のほうが中身を隠している、というだけです。

検索窓に入れる語を「人材確保」へ変えると、当たりは増えます。それでも69件は取りこぼすので、最後は自治体の補助金一覧と企業立地のページを上から追う作業が残ります。

Tips|秋田県内で自社に当たる枠を探す順番

  • 県の枠は「令和8年度 中小企業等支援施策の手引き」から開く。企業立地の枠だけは県サイト本体に無く、別のサイトにまとまっている
  • 市町村は商工の担当課のページを上から追う。にかほ市のように、補助金の一覧に出てこない枠がある
  • 介護・宿泊・交通の会社は、商工ではなく所管の課を当たる。県の23件のうち6件は健康福祉部にある

予算の上限で年度の途中に終わる

対象も金額もばらばらの97件に、1つだけ共通する条件があります。どれも交付は予算の範囲内で、枠が尽きればその時点で受付が止まります。

どの自治体も、予算額に達した時点で受付を止めると書いています。県の女性活躍向けの2件は申請書の先着順に交付決定、秋田市は「予算に達し次第、受付終了」、横手市は「期間内に予算上限に達した場合はこの限りではありません」。

予算額は制度のページではなく、当初予算の資料の側に載っています。県の若年女性向けの枠は、令和8年度当初予算の概要45ページに約1,013万円。

横手市の採用活動応援補助金は、当初予算の概要の205番に「若年者等人財育成・地元定着支援事業」として約1,525万円が計上され、拡充の印が付いています。一方で、いま何件まで交付されたかを出している制度はほとんどありません。

年度の途中で締まった実例もあります。三種町の地域雇用創出推進事業補助金は、予算終了に伴い令和8年6月30日(2026年6月30日)で受付を停止しました。

予算が付いていることと、年度末まで受け付けていることは別だと思われます。同じ年度のうちに止まった枠が、現にこうしてあるからです。

受付の方式もそろっていません。先着順と明記していたのは県の2件で、横手市は先着ではなく審査会の採択です。宿泊業向けの県の制度は、申請額が予算額を上回った場合に按分すると書いています。

要件を満たしても交付が決まるとは限らないので、動く前に各自治体の公式ページで現在の内容を当たっておかれると安心です。

雇用そのものに出る枠が27件

この記事が分けた用途のなかで、いちばん数が多いのは募集の費用ではありません。人を雇ったこと自体に、1人あたりいくらという形で出る枠です。18の市町村に27件ありました。

内訳は9市に16件、9町村に11件。名前は雇用奨励金、雇用促進奨励金、雇用助成事業、操業開始時支援金と分かれていて、置き場所の多くは商工や企業立地の担当課です。

9市の条例に雇用奨励金がある

市の側の16件を、単価まで書き出します。

制度 単価と要件
秋田市 商工業振興条例 雇用促進助成金 正規雇用1人50万円・非正規雇用1人25万円ほか。企業立地雇用課
秋田市 外国人材受入奨励金 外国人材を新たに雇用し6か月以上継続で1人10万円。1事業者3人まで
能代市 商工業振興促進条例 雇用奨励金 用地取得助成金や土地建物賃借料助成金と並ぶ奨励措置の1つ。商工労働課
能代市 外国人材受入推進助成金 新たに外国人材を雇用する市内事業者が対象。商工労働課
横手市 企業振興条例 雇用奨励金 新規常勤雇用者1人につき30万円。商工労働課
横手市 IT・ソフトウエア関連企業立地優遇制度助成金 新規雇用1人30万円。3名以上の新規正規雇用が要件
大館市 工場等設置促進条例 操業開始時支援金 従業員1人につき10万円・限度500万円。商工課 企業集積係
大館市 工場等設置促進条例 雇用奨励金 10人を超える地元従業員を雇用した場合、11人目から1人10万円
大館市 工場等設置促進条例 障害者雇用奨励金 市内に住所を有する障害者を新規雇用し2年以上継続で1人10万円
男鹿市 商工業振興促進条例 雇用奨励金 市内在住の常勤従業員1人につき年30万円。男鹿まるごと売込課
鹿角市 企業立地促進条例 雇用奨励金 市内に住所を有する新規雇用従業員1人30万円。限度額1億5,000万円
由利本荘市 工場等立地促進条例 雇用奨励金 新規雇用者1人につき年10万円・3年間で3,000万円限度。商工振興課
由利本荘市 工場等立地促進条例 障がい者雇用分 障がい者を2年以上雇用した認定事業者に10万円
潟上市 工場等設置奨励条例 雇用奨励金 市内在住の常勤雇用者1人年10万円・3年間・限度500万円
北秋田市 産業振興条例 雇用奨励金 工場等の新設に伴う雇用に3年間。商工観光課
北秋田市 雇用促進交付金 新たな正規雇用者1人につき年10万円。市内で法人格を有する事業者が対象

北秋田市の雇用促進交付金は、この16件のなかでは毛色が違います。工場の新設や増設が前提ではなく、市内で法人格を有する既存の事業者でも指定を受けられます。

その代わり、公共職業安定所を通じて前年度末の正規雇用者数を超えて雇い入れることが、指定の基準に入っています。工場を建てる予定が無い会社でも手の届く、数少ない枠だと思われます。ほかの多くは立地の指定が前提だからです。

9町村にも1人あたりの額が付く

町村の側は11件です。

制度 単価と要件
小坂町 産業振興促進条例 雇用奨励金 新卒者・町内転入者1人30万円/短時間労働者10万円/その他15万円。3箇年度で500万円限度
上小阿仁村 工場誘致条例 雇用促進奨励金 従業員1名20万円、村内居住者は30万円を3年間。限度額1,000万円
上小阿仁村 工場新設並びに増設の奨励に関する条例 雇用促進奨励金 対象従業員1人につき年20万円、村内居住者は年30万円を3年間
藤里町 広域連携雇用奨励金交付要綱 新設は1人10万円(上限50万円)、増設は1人5万円(上限25万円)を3年間
三種町 地域雇用創出推進事業補助金の雇用助成金(令和8年6月30日で受付停止) 新卒者・転入者・35歳未満の離職者は年36万円、35歳以上の離職者の正規社員は年24万円、非正規社員は年12万円。1人3年間まで
八峰町 産業振興促進条例 雇用奨励金 常時雇用者1名あたり年20万円・3年間・上限500万円
五城目町 企業振興条例 雇用奨励金 新規地元学卒者・転入者1人につき年5万円・2年間・限度500万円
八郎潟町 企業誘致促進条例 雇用助成事業 新たに採用された町内在住の常時従業員の数に20万円を乗じた額を1年間。上限200万円
井川町 商工業振興条例 奨励金 増加した常用雇用者のうち町内在住者1人につき10万円を限度に、事業開始から3年間
美郷町 企業誘致条例 町内居住者常時雇用奨励金 5人を超える町内居住常時雇用者1人あたり5万円。2年間で500万円限度
美郷町 雇用促進支援金 町民を正社員として6か月継続雇用した場合、新卒者1人15万円/中途採用者は1人10万円

町村だから枠が無いと当たりを付けると、この11件を丸ごと落とします。単価だけを見れば、三種町の年36万円(今年度は受付が止まっています)や上小阿仁村の年30万円は、市の側に並ぶ額と変わりません。

美郷町の雇用促進支援金は令和9年3月31日(2027年3月31日)が申請期限で、国のトライアル雇用助成金の支給決定を受けた人を雇った場合も対象に入ります。国の助成金を使う予定があるなら、町の枠と重ねられないかを先に確かめておきましょう。

条例の指定が前提になる

金額だけを見て走ると、ここでつまずきます。27件のうち23件は、条例や要綱の指定を受けたうえでの雇用分です。工場や事業所の新設・増設について町や市の指定を受け、投下固定資産や新規雇用の人数といった要件を満たして初めて、単価の欄が効いてきます。

男鹿市は投下固定資産2,300万円超と増設時の新規雇用、潟上市は新設で新規常勤雇用10人以上・増設で5人以上、藤里町は投下固定資産3,000万円超と新規雇用6人以上。単価の欄だけで自社に当てはめると、指定の要件で外れます。

工場や事業所の新設・増設の指定が要らないのは4件です。秋田市の外国人材受入奨励金、能代市の外国人材受入推進助成金、北秋田市の雇用促進交付金、美郷町の雇用促進支援金。

ただし北秋田市の雇用促進交付金は、立地の指定が要らない代わりに、交付金そのものの指定を受ける必要があります。公共職業安定所を通じて雇い入れることが、その指定の基準です。いま人を1人雇い足す話でこの類型に当たるのは、この4件からになります。

1人あたりの額は付かないものの、雇用の人数が交付の条件に入っている立地の奨励は、ほかにもあります。湯沢市の工業等振興条例 用地取得補助金は用地取得額の50%・上限5,000万円で、操業開始日までに新規雇用20人(増設は10人)以上。

同じ湯沢市の情報関連企業誘致促進補助金は2分の1・上限1,500万円で、操業開始後1年以内に新規常用雇用者5人。にかほ市の企業立地促進条例とIT・ソフトウェア関連企業立地促進補助金、仙北市の企業立地促進条例 固定資産相当額奨励金も同じ形です。

羽後町の商工業振興条例 工場設置助成金(新設は常時雇用従業員5人以上)、大潟村の企業誘致促進条例 奨励金、東成瀬村の工場誘致条例 奨励金(新設・増設とも従業員20人以上)にも、雇用の人数が条件として入っています。

ここまでで24市町村になります。残る大仙市は、条例の雇用奨励ではなく人材獲得応援補助金の1本で採用を支えている形です。

条例の枠しか置いていない自治体では、人を雇う前に指定の手続きが要ると考えて、担当課に順番を聞くほうが早いはずです。

申請より前に通る関門が制度で違う

対象経費の欄を見て「これなら使える」と思っても、そこでは決まりません。秋田県内の制度を要綱まで開いていくと、交付申請の手前に、済ませておかないと申請ができない手続きがあります。

この記事の要はここです。以降ではそれを関門と呼びます。用途の話ではなく、申請書を書き始める前に片付けておく手続きのことです。

しかもその手続きは、補助金の担当課ではないところにあることが多い。労働局だったり、県の別組織だったり、外部の就職情報サイトだったりします。1つ前の章で見た条例の指定も、この関門の1つです。残る5つを1つずつ見ていきます。

労働局への届出が一段目になる

県の若年女性に魅力ある職場づくり加速化事業費補助金は、上限100万円のうちホームページの制作・改修に50万円まで出る制度です。ところが対象者の欄には、女活法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)の一般事業主行動計画を策定している中小企業、という条件が付いています。

行動計画を出す先は県庁ではなく、秋田労働局になります。しかも添付書類には条件が足されていて、届出書の写しは、秋田労働局の受付印が押印されているものに限られます。

令和8年度(2026年度)の事業名は「男女ともに活躍できる職場づくり加速化事業」に変わっていますが、補助金の名称はそのままです。

行動計画に手を付けていない会社は、制作会社より先に労働局へ用があることになります。サイトの見積を取る前に、計画の数値目標をどう置くかから始めておきましょう。

県の拠点が取り次いだ紹介に限る

人材紹介の手数料を見る県の制度は2件あります。プロフェッショナル人材活用促進事業費補助金と、副業・兼業人材活用促進事業費補助金です。

前者は県外に居住するプロフェッショナル人材(企業の成長戦略を担う経験・知見を持つ人)を、移住が伴う形で正規雇用したときの紹介手数料が対象です。補助率2分の1以内で、上限は通常枠50万円・DX人材枠100万円。

後者は副業・兼業の形で受け入れるときの紹介手数料と旅費が対象で、上限は通常枠15万円・DX人材枠30万円。初めて利用する場合の新規利用枠は、補助率10分の8以内・上限50万円です。

どちらも、秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点を通した紹介であることが条件です。前者は「拠点が求人票を取り次いだ人材紹介事業者から紹介を受けた者」と書かれています。自社で探した紹介会社へ払う手数料は、この2件には乗りません。

先に決まるのは、どの紹介会社を使うかより、拠点に求人票を出すかどうかのほうです。順番を逆にすると、支払いが済んだあとで対象外だと分かります。

指定の就職情報サイトに載せる

市町村の制度には、特定の就職情報サイトへの掲載を要件にしているものがあります。

横手市の採用活動応援補助金は、補助対象者の条件に「就職情報総合ポータルサイト横手JOBナビに登録し採用活動を行っている、または行う予定であること」を置いています。提出書類にも、そのサイトで常勤の新卒・既卒採用を行っていることが分かる画像が入ります。

大館市のインターンシップ支援事業費補助金は、対象要件が「秋田県就活情報サイトKocchAke!に該当のインターンシップ情報を掲載すること」。こちらは県が運営するサイトです。補助額は実施1日につき1万円で上限5万円、1事業者につき同年度1度までです。

どちらも掲載料はかかりません。横手JOBナビは市の運用サイトで、掲載料は一切かからないと案内されています。要るのはお金ではなく、載せる手間と載せる中身のほうです。

横手市の枠を当てにしている方は、登録から審査会の採択までの順番を先に見ておかれるとよいでしょう。

参考記事:『【上限20万円】「横手市採用活動応援補助金」は先着?審査会で決まる採択の条件を解説!

業種と事業区分で関門が決まる

対象者を業種で切る制度は、県の側に厚みがあります。介護、宿泊、交通、情報関連と、分野ごとに別の課が枠を持っている形です。

県の地域公共交通人材確保・運行効率化支援事業費補助金は、対象が県内の路線バス・コミュニティ交通の運行事業者と第三セクター鉄道事業者です。

バス側は申請の添付書類に一般旅客自動車運送事業許可証の写しが入っていて、許可の有無が書類の側で確かめられる作りになっています。第三セクター鉄道事業者には、道路運送法の許可という要件はかかりません。

求人誌や求人サイトへの掲載費が補助対象経費の1番目に置かれ、上限は1事業者150万円または500万円と大きい制度です。

多様な人材採用手法導入支援事業費補助金は、県内で宿泊施設を経営する事業者に限られます。対象経費はマッチングサービスの利用料等で、求人広告費や制作費は入りません。

介護の側では、長寿社会課の6件がいずれも介護サービス事業所と介護人材に対象を絞っています。情報関連産業立地促進事業は、新規雇用者の人材育成費を1人あたり年50万円まで見ますが、対象は情報関連産業の立地です。

なお交通の制度は、別表1に貸切バス事業者とタクシー事業者まで入っています。路線バスと鉄道だけの枠だと思って閉じる前に、自社の許可の種類で当たり直しておかれると安心です。

採る相手の条件が先に決まる

関門が、会社ではなく採る相手のほうで決まる制度もあります。

能代市の首都圏等人材採用支援補助金は、交付要綱の第3条第1号が補助対象事業を「秋田県外に居住する人材を採用するために行う求人情報の発信事業」と定めています。

名前は首都圏等ですが、線を引いているのは秋田県外という範囲のほうです。首都圏に限らず、県の外に住む人へ向けた募集であれば条件に当たります。

秋田市の求人情報発信支援事業補助金は、補助対象者の条件に「新規学卒者を対象に、勤務地が秋田市内である正規雇用の求人を行っていること」。

横手市は令和8または9年度(2026または2027年度)に期間の定めの無い常勤の新規学卒者・既卒者を採用する予定であることを求め、臨時とパートタイマーを括弧書きで外しています。

採る相手で切る型は、ほかにも2系統あります。1つは外国人材です。秋田市の外国人材受入奨励金、能代市の外国人材受入推進助成金、鹿角市の外国人材受入態勢支援補助金(2分の1・上限100万円の社宅整備費)。

同じ系統に、北秋田市の外国人材確保支援事業補助金、三種町の外国人材受入支援事業、八峰町の外国人材受入推進助成金が並びます。もう1つは障害者雇用で、県の障害者職場実習促進事業、大館市の障害者雇用奨励金、由利本荘市の障がい者雇用分がこれに当たります。

中途採用や有期の募集しか予定していない会社は、能代市と秋田市の2件の手前で外れます。誰を採るかが決まっていないと、申請書を書き始められない作りです。採用計画の人物像を先に固めるほうが、結局は早いはずです。

関門は6つの型に分かれる

ここまでを並べ直すと、申請より前に通る関門が6つに整理できます。

関門の型 実例
国の機関へ届け出る 若年女性に魅力ある職場づくり加速化事業費補助金(秋田労働局への一般事業主行動計画の届出。受付印のある写しが要る)
県の拠点に取り次いでもらう プロフェッショナル人材活用促進事業費補助金・副業・兼業人材活用促進事業費補助金(秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点)
指定の就職情報サイトに載せる 横手市採用活動応援補助金(横手JOBナビ)、大館市インターンシップ支援事業費補助金(KocchAke!)
業種・事業区分で決まる 地域公共交通人材確保・運行効率化支援事業費補助金(路線バスは道路運送法の許可、第三セクター鉄道事業者は許可要件なし)、多様な人材採用手法導入支援事業費補助金(宿泊業)、長寿社会課の6件(介護)
採る相手の条件が決まっている 能代市首都圏等人材採用支援補助金(秋田県外に居住する人材)、秋田市求人情報発信支援事業補助金(新規学卒者)、外国人材向けの6件、障害者雇用の3件
条例や要綱の指定を受けている 雇用そのものに出る27件のうち23件(工場・事業所の新設や増設についての指定と、投下固定資産や新規雇用の人数の要件)

6つの型のうち3つは、補助金の担当課に電話しても完結しません。労働局、県の拠点、就職情報サイトの事務局と、それぞれ別のところに用があります。

そして着手の順番も揃っていません。大館市は事業開始の14日前まで、由利本荘市と美郷町は10日前まで、大仙市は発注・申込・契約より前、能代市の求人情報発信力強化支援分は事業着手前、秋田市は事業完了後の申請は対象外と書いています。

どこまでを対象と読むかを決めるのは、制度を持つ自治体です。見積を取る前に交付要綱を開いて、担当課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。

採用サイトの制作費が入るのは2制度

関門の話をひととおり押さえたところで、経費の側を見ていきます。97件の対象経費を1つずつ開いても、採用サイトの制作費を費目として書いている制度は2件だけでした。

制度 補助率と上限
若年女性に魅力ある職場づくり加速化事業費補助金(県) 2分の1以内・上限100万円。うちホームページの制作、改修は50万円
横手市採用活動応援補助金(求人情報発信事業) 税抜きの2分の1以内・上限20万円

県の枠はホームページに50万円まで

県の制度でソフト事業の例をたどると、いちばん上に自社ホームページの制作・改修が来ます。ホームページ制作費に出る補助金は全国にありますが、その多くは狙いを販路開拓やPRに置いています。

この制度は、狙いが最初から女性の採用と登用にあります。採用サイトを載せてよいかどうかで迷わずに済む枠だと思われます。目的の欄そのものが、採用の側を向いているからです。

ただし100万円がまるごと使えるわけではありません。うちホームページの制作・改修に充てられるのは50万円が上限です。2分の1を掛けた結果が50万円になるので、100万円の制作費で頭打ちになります。

横手市は対象経費の第1号に置く

横手市の求人情報発信事業は、対象経費が2つだけです。①採用に関する自社ホームページの新規作成やリニューアルを行う経費、②採用に関するPR動画等(パンフレット・チラシ類は除く)の制作を行う経費。

①が採用サイトそのもので、しかも対象経費の先頭にあります。その代わり①だけに注記があり、前年度に採択を受けた企業は同じ枠を続けて使えません。

税抜きの2分の1以内で、受け取れるのは最大20万円。3つの事業を組み合わせても合計20万円までです。2年続けてサイトに手を入れる計画なら、どちらの年に申請するかを先に決めておきましょう。

名前が無い制度は窓口の判断になる

残る制度は、どれも採用サイトという語を持っていません。書かれ方は3通りに分かれます。

秋田市の求人情報発信支援事業補助金は、補助対象事業が「採用に関する業務内容紹介動画の作成費用」だけです。ホームページ制作費も求人広告掲載料も、対象経費に記載がありません。

能代市の求人情報発信力強化支援分は、交付要綱の別表が3行しかありません。挙がっているのは、就職情報ウェブサイトとSNS等インターネット広告媒体への求人広告費、それに外注した動画の制作費の3つです。

言えるのは、この3行に採用サイトが入っていないという事実までです。かといって、対象外の経費を並べた欄も見当たりません。

大仙市の人材獲得応援補助金は、区分(A)求人活動の費目に「会場借上料、宣伝費、印刷製本費、その他求人活動費として適当と認められる経費」と書きます。

最後の包括の一言に採用サイトの制作費が収まるかは、事前相談で決まります。チラシ自体が申請前の相談を求めているので、そこが判断の分かれ目です。

大仙市で採用サイトの制作費を持ち込みたい方は、区分ごとの上限額と、名指しの無い経費の通し方を先に見ておくと、相談の場で話が早く進みます。

参考記事:『【上限30万円】大仙市「人材獲得応援補助金」に採用サイトは書いてある?対象経費を解説!

目的が売上向上なら採用は外れる

もう1つ、名前だけで手を伸ばすと外れる型もあります。潟上市の中小企業等稼げる力創出補助金は、対象経費に広告宣伝費と販売促進費が入っていて、上限も初回500万円と大きい制度です。

ただし対象事業は「売上を10%以上向上させることを目標とする事業の多角化等」で、申請にも売上向上10%以上の計画が要ります。目的が売上に置かれた制度で、採用サイトを主役に据えるのは無理があります。同じ市の中に採用向けの枠が別にあるなら、そちらを先に確かめるほうが手間は少なくて済みます。

募集にかける費用は市町の制度が拾う

制作費まで見る制度は2件どまりでしたが、募集を外に出す費用となると話が変わります。97件を、やろうとしていることの側から引き直します。

やること 当たる制度
求人広告・求人サイトの掲載料 5件。県の地域公共交通、大館市、能代市、大仙市、にかほ市
合同企業説明会・イベント出展 6件。横手市、大館市、潟上市、由利本荘市、大仙市、県の外国人介護人材誘致
採用動画の制作費 4件。秋田市、横手市、能代市、由利本荘市
採用サイト・ホームページの制作費 2件。県の若年女性向け、横手市
インターンシップの受入 8件。県の若年女性向けとえるぼしチャレンジ、横手市、大館市、大仙市、由利本荘市、美郷町の2件
人材紹介の手数料 4件。県のプロフェッショナル人材と副業・兼業人材、能代市、三種町
資格取得・研修の費用 13件。県の中核人材育成、秋田市2件、能代市2件、大仙市、男鹿市、湯沢市、鹿角市、潟上市、にかほ市、三種町、八峰町
雇ったこと自体に出る単価 27件。18市町村。前の章のとおり

1つの制度が複数の用途にまたがることもあれば、どの行にも入らない枠もあります。縦の合計と97件は、一致しません。

求人広告の掲載料は5制度が見る

求人広告費や掲載料を対象にしているのは、県の地域公共交通、大館市の地域産業担い手確保支援事業費補助金、能代市の求人情報発信力強化支援分、大仙市の人材獲得応援補助金、にかほ市の中小企業等人材確保支援事業費補助金の5件です。

このうち県の制度は、補助対象経費の6項目の1番目が「求人誌や求人サイトへの掲載等に係る経費」です。ただし別表2には柱書があり、「県内の公共交通の運行に必要な人材の採用及び育成に係る経費のうち」という限定が先に掛かります。

県が配る周知用資料の活用事例には、求人CMの制作・放映や有料人材紹介サービスの利用も挙がっています。

一方で、対象が交通事業者に限られる制度でもあります。上限の大きさと関門の狭さが、そのまま裏表になっています。

県外での募集は2通りに切られる

県外から人を採るための制度は2件ありますが、条件の当たる位置が違います。

制度 何をもって県外とするか
能代市首都圏等人材採用支援補助金 採用する人材の居住地が秋田県外であること
大館市地域産業担い手確保支援事業費補助金 募集の広告や企業説明会を秋田県外で実施したこと

能代市は採る相手を見て、大館市は募集をどこで打ったかを見ます。大館市は補助率2分の1以内で上限25万円、1事業者につき年度中1回まで。対象経費は広告費や企業説明会にかかる経費で、外国人労働者の募集活動に係る経費も含むとチラシに書かれています。

首都圏の求人サイトに出稿する場合、能代市なら県外の求職者へ届くかどうかが論点になり、大館市なら出稿という行為が県外での実施に当たるかが論点になります。同じ出稿でも、確かめる相手が変わるわけです。

大館市の対象経費は広告費と旅費が軸で、会場費や印刷製本費までを見るかどうかは、見積を組む前に商工課へ確かめておかれると安心です。

説明会とインターンは町にもある

説明会への出展と、インターンシップの受入は、規模の小さい自治体にも枠があります。

潟上市の企業移住者雇用イベント参加支援金は、就職説明会等への出展事業にかかる会場借上費・輸送費・旅費が対象で、補助率2分の1以内・上限5万円。対象は市内で事業を営む第2次・第3次産業の法人・個人事業主です。

今年度も同じ内容かどうかは、出展を決める前に商工観光振興課へ確かめておきましょう。

美郷町は2件あります。雇用機会創出支援事業補助金は、インターンシップを行う際の交通費と宿泊費のそれぞれ半額で、上限3万円・1年度に1回・3人分まで。

企業人材獲得支援事業は複数企業型インターンシップの枠で、補助率3分の2以内・一会計年度80万円と桁が上がります。若手従業員の定着や学生採用に向けた社内体制の整備まで含む事業です。

由利本荘市の働きやすいまちづくり支援事業費補助金は、人材確保支援の枠で上限15万円。市外在住者向けに開催される企業説明会への参加費、インターンシップの学生支援費と事業者準備費、そして自社のPR動画等の制作委託料が並びます。

学生支援費の上限は、県外の学生1人2万円、市外の学生1万円、市内の学生4千円と、住んでいる場所で三段になっています。

金額としては小さい枠が多い分野です。それでも、毎回そのまま自社負担になっていた出展料や交通費が半分に落ちる意味は、決して小さくありません。

動画は4制度で条件が分かれる

採用動画の制作費を見る制度は4件ですが、条件がそれぞれ違います。

制度 動画の条件
秋田市求人情報発信支援事業補助金 採用に関する業務内容紹介動画に限る。上限20万円
横手市採用活動応援補助金 採用に関するPR動画等。パンフレット・チラシ類は括弧書きで除外
能代市首都圏等人材採用支援補助金 人材獲得を目的とし、民間事業者へ外注するものに限る
由利本荘市働きやすいまちづくり支援事業費補助金 自社のPR動画等、人材確保に資する動画の制作

能代市の「民間事業者へ外注する」という限定は、社内で撮って編集する会社ほど効いてきます。逆に秋田市は業務内容の紹介という中身の条件が付き、横手市は紙媒体を外しています。作るものが同じでも、どこで作るか、何を映すかで判定が動きます。

秋田市で上限20万円をどこまで使えるか知りたい方は、動画だけに絞られた費目の中身を先に確かめておくと、見積の組み方が決まります。

参考記事:『【上限20万円】「秋田市求人情報発信支援事業補助金」は動画の制作費だけ対象?対象経費と申請を解説!

紙の広報物に費目名を置いているのは、県の外国人介護人材誘致促進事業費補助金です。補助対象経費の例に多言語リーフレット作成費が入り、補助率は10分の10。ただし対象は介護分野に限られます。

動画を外注する予定があるなら、どの制度の条件に当てるかを見積より先に決めるほうが早いはずです。

資格取得と研修は13制度が見る

いま働いている人の資格取得や研修に出る枠は、97件のうち13件でした。県の中核人材育成支援事業は、大卒者等の研修受講と資格取得の経費に加えて、研修期間中の人件費相当額まで対象に含めます。補助率2分の1・上限100万円です。

市町村の側は12件で、上限は10万円から20万円あたりに集まります。秋田市の資格取得助成事業補助金は求職者の雇用促進や正規雇用転換に伴う資格取得で上限10万円、鹿角市の産業人材育成支援事業費補助金は会社であれば最大20万円。

湯沢市のふるさと企業振興補助金は従業員1人10万円・1事業所30万円、三種町の資格取得支援事業は2分の1以内・上限10万円です。

潟上市のワーキングスキルアップ支援助成金は、男性が3分の1以内・5万円、女性が2分の1以内・8万円と額が分かれていて、令和8年度(2026年度)から男女すべての従業員が対象になりました。

ほかに秋田市の日本語資格取得助成事業補助金、能代市の地元企業人材育成支援制度と外国人材日本語能力向上助成金、男鹿市の就業資格取得支援助成金、にかほ市の企業人材育成支援事業、八峰町の資格取得支援事業、大仙市の人材獲得応援補助金の社員教育の枠が入ります。

いま在籍している人に資格を取らせる予定があるなら、募集の枠より先にこちらを当たるほうが近道です。

業種を選ばない枠は16件

97件と聞くと選び放題に見えますが、関門の絞りを差し引くと景色が変わります。業種で切られる枠(交通・宿泊・介護・情報関連)、条例の指定が前提の枠、法人格を求める枠、本人が受け取る枠を外していきます。

すると、特定の業種向けに作られていなくて、募集や採用活動の費用を自社の名前で申請できるものが残ります。1社の名前で募集の費用を申請できる枠は、97件のうち16件でした。

制度 上限と要点
プロフェッショナル人材活用促進事業費補助金(県) 2分の1以内・通常枠50万円/DX人材枠100万円
副業・兼業人材活用促進事業費補助金(県) 通常枠15万円/DX枠30万円/新規利用枠は10分の8・50万円
若年女性に魅力ある職場づくり加速化事業費補助金(県) 2分の1以内・100万円。うちホームページの制作・改修は50万円
秋田県えるぼしチャレンジ支援金 10分の10・50万円。対象経費の例にホームページの制作・改修は無い
秋田市求人情報発信支援事業補助金 2分の1以内・上限20万円。業務内容紹介動画の作成費用のみ
横手市採用活動応援補助金 税抜2分の1以内。3つの事業の合計で上限20万円
能代市首都圏等人材採用支援補助金(求人情報発信力強化支援分) 2分の1・上限10万円・同一年度1回限り
能代市首都圏等人材採用支援補助金(人材獲得サービス利用支援分) 2分の1・上限20万円(35歳未満は30万円)・同一年度2人まで
大館市地域産業担い手確保支援事業費補助金 2分の1以内・上限25万円・年度中1回
大館市インターンシップ支援事業費補助金 実施1日につき1万円・上限5万円・同年度1度まで
大仙市人材獲得応援補助金 2分の1。求人活動30万円/社員教育20万円/入社準備は1人10万円
由利本荘市働きやすいまちづくり支援事業費補助金 人材確保支援の枠で2分の1以内・上限15万円
潟上市企業移住者雇用イベント参加支援金 2分の1以内・上限5万円
にかほ市中小企業等人材確保支援事業費補助金 上限50万円。市の補助金一覧に出てこない
美郷町雇用機会創出支援事業補助金 交通費・宿泊費のそれぞれ半額・上限3万円・3人分まで
美郷町企業人材獲得支援事業 3分の2以内・一会計年度80万円

この16件にも、業種の指定が残っているものがあります。大館市の2件と大仙市には対象外の業種があり、大仙市は農家(農業法人)が外れます。潟上市は第2次・第3次産業に限られます。

県の2件は女性の採用・登用を目的にしていて、若年女性向けの枠には労働局への届出が要ります。自社の市町村の行に何も無い場合は、県の4件と雇用そのものに出る枠を確かめておくとよいでしょう。

登録と認定が関門の広さを変える

もう1つ、補助金ではないものを挙げておきます。県は費用のかからない登録の窓口をいくつか持っていて、そのうちの1つは市の補助金の要件にそのまま組み込まれています。逆に、先に取ってしまうと補助金が使えなくなる認定もあります。

制度 内容
秋田県就活情報サイトKocchAke!への掲載 企業基本情報、採用情報、説明会の開催情報、企業紹介動画、インターンシップ情報、先輩の声、人事担当者のブログを無料で掲載できる
あきたジョブ(移住支援金対象法人への登録) 求人情報を掲載すると、最大8種の民間求人まとめサイトへ無料転載も可能
あきた企業連携型奨学金返還助成制度への登録 県と連携して支援額を負担する登録企業になる。最大6年間・助成上限は年20万円
秋田県奨学金返還助成制度の特定業種の確認 航空機・自動車・医療福祉機器・情報・新エネルギーの5業種。確認を受けた企業への就職者は助成率10分の10
秋田県介護サービス事業所認証評価制度 長寿社会課が所管。プラチナ認証を含む
外国人材受入サポートセンター 雇用労働政策課が所管。外国人材の受入を伴走で支援する

KocchAke掲載は補助金の要件になる

さきほど触れたとおり、大館市のインターンシップ支援事業費補助金は、KocchAke!への掲載を対象要件に置いています。県が用意した無料の関門が、市の補助金の関門を兼ねている形です。

掲載できるのは上の表の7項目。企業紹介動画や先輩の声、人事担当者のブログまで枠があるので、載せる中身をそろえること自体が採用情報の整理になります。企業会員登録は、県が主催する各種イベントへの応募要件にもなっています。

無料で使える伴走の窓口としては、雇用労働政策課の外国人材受入サポートセンターと、技術専門校が開いている在職者向けの講習(受講料無料)もあります。掲載そのものに費用がかからない以上、補助金を使うと決める前に手を付けておける作業だと思われます。

奨学金は登録と確認の2本がある

奨学金まわりは2本立てです。あきた企業連携型奨学金返還助成制度は、県と連携して支援額を負担する登録企業を募る仕組みです。

2026年8月時点では、令和10年度(2028年度)に就職する方を支援する企業を、令和9年5月31日(2027年5月31日)まで募集しています。

もう1本の秋田県奨学金返還助成制度は、県内に就職した方への助成です。企業が「特定業種」の確認を受けると、就職者への助成率が3分の2から10分の10に上がります。自社にお金が入る制度ではありませんが、求人票に添えられる条件が1つ増えます。

認定を先に取ると使えなくなる

順番の話をもう1つ。えるぼし認定(女性の活躍推進に取り組む企業が労働局長から受けられる国の認定)をめぐって、県は3つの制度を一本の流れとして案内しています。

①若年女性に魅力ある職場づくり加速化事業費補助金、②秋田県えるぼしチャレンジ企業認定、③秋田県えるぼしチャレンジ支援金という順です。

差が出るのは①の要件です。えるぼしチャレンジ企業の認定を過去に受けていないこと、が条件に入っています。そして③の支援金は補助率10分の10と条件が良い一方で、対象経費の例にホームページの制作・改修が入っていません。

県のお金でホームページに手を入れたいなら、動けるのは認定より手前の①だけです。制度を並べる順番が、使える枠の中身まで変えてしまう例です。

①を先に確かめると決めた方は、労働局への届出を含めた関門の条件を先に並べておくと、認定へ進む順番を間違えずに済みます。

参考記事:『【上限50万円】秋田県「若年女性に魅力ある職場づくり加速化事業費補助金」は行動計画が要る?経費を解説!

制度を選ぶ前に、自社が通れる関門を決める

秋田県内で拾えた97制度のうち、採用サイトを費目の名前で書いているのは2件でした。県の枠は上限100万円のうちホームページに50万円、横手市は20万円。補助率はどちらも2分の1で、三種町のように年度の途中で受付が止まった枠もあります。

残る95件は、費目に採用サイトの名前がありません。しかも関門のほうは、労働局への届出や指定サイトへの掲載のように、補助金の担当課の外へ6つの型で散っています。対象経費を突き合わせるより、自社がいま通れる関門から引くほうが、返ってくるものは大きいはずです。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

採用サイト制作のサービス詳細はこちら

この記事を書いた人
【全97件】「秋田県」で採用に使える補助金は?対象経費と関門の6つの型を整理 | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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