【全57件】「茨城県」で採用に使える補助金は?対象の費用と上限額をまとめて紹介!

市の補助金一覧を開いても、並んでいるのは設備投資と販路拡大ばかり。採用に使えそうな行が見当たらない……。

そう見えるのは、採用に効く枠が商工の担当課だけにあるわけではないからです。県内を1自治体ずつ確かめ直すと、制度は思っていたよりずっと多く残りました。

この記事では、拾えた制度を担当課と地域と用途から引ける形に並べ直しました。では見ていきましょう。

この記事でわかること

  • 茨城県で事業者が受け取れる制度は、県と市町村に何件あるのか?
  • 商工課の補助金一覧から引けない枠は、どこの担当課にあるのか?
  • 自社の市町村に、事業者向けの枠は残っているのか?
  • 採用サイトや求人の掲載料は、どの枠が拾うのか?
  • 採用の枠と販路の枠は、同じ年度に両方使えるのか?

ここから並べる金額・補助率・期限・制度の名前は、県と44市町村が2026年8月時点で公表していた内容によります。要件や様式の中身は、1本ずつの記事に譲ります。

茨城県で採用に使える補助金は57制度

企業が受け取れる採用まわりの制度を数え上げると、2026年8月時点で57件が残りました。内訳は県が8件で、市町村が49件。44市町村すべてについて、商工・雇用労働・企業立地・福祉の各ページを当たった結果です。

区分 数と内訳
制度の合計 57件(県8件・市町村49件)
制度を確認できた自治体 29市町村(23市4町2村)と県
件数の多い自治体 日立市6件。笠間市・鉾田市・水戸市・つくば市・常陸太田市が各3件

県のページと商工課の補助金一覧を順に追うだけでは、57件の多くに届きません。企業誘致と福祉はここと担当する課が違うため、一覧のページからはたどり着けない場所にあります。

並べているのは、いずれも自治体が原資を出している制度です。国が出す雇用関係の助成金は、原資も窓口も動き出せる時期も別になります。

国の助成金と自治体の補助金のどちらから調べるか決めかねている方は、先に全体像を見ておくほうが早いはずです。受け取るまで自社で立て替える点も、そちらで触れています。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

数え方は雇用に連動する奨励金も1件

1件と数えるのは補助金・奨励金の名前の単位で、1つの補助金の中に事業区分がいくつあっても1件です。そのうえで、事業者が受け取る側にいて、採用活動費・雇用・人材確保・人材育成・職場定着のいずれかを持つものを数えました。

大きいのが、企業立地の条例に伴って出る雇用促進奨励金の扱いです。「新しく雇った市民1人につき10万円」という形で交付されるので、雇用そのものに出る枠として1件に数えています。

逆にこの記事の対象から外したのは、求職者や従業員の本人だけに渡るもの、国の助成金を紹介しているだけのページ、融資や保証料の補給、固定資産税相当額だけを交付する企業立地奨励金です。同じ「奨学金返還支援」でも、会社が受け取るのか本人が受け取るのかで扱いが分かれます。

名前が似ていても交付先が本人か会社かで別の制度になるので、自社が受け取る側に立てるかは、制度名より先に交付先の欄で確かめるほうが早いはずです。

県の8件は労働と産業と福祉に散る

県の制度は8件です。ひとまとめのページには並んでいません。

制度 対象と上限
茨城県企業支援型奨学金返還支援事業 従業員の奨学金返還を支援した額の2分の1・1人年6万円
茨城県副業・兼業人材活用促進補助金 副業・兼業人材の報酬と紹介手数料。10分の8以内・上限50万円
茨城県デジタルスキル習得支援事業補助金 従業員の研修受講料・講師招聘費。2分の1・上限10万円
いばらき賃上げ支援金 35円以上の賃上げで正規1人5万円・非正規1人3万円
いばらき業務改善奨励金 国の業務改善助成金を使ったときの自己負担額を助成
茨城県外国人介護人材獲得強化事業費補助金 特定技能1号等の外国人介護人材を雇う事業者の受入経費
茨城県福祉人材確保・定着バックアップ事業 事業所等が連携して行う人材確保・定着・キャリアアップ支援
茨城県介護分野外国人留学生奨学金貸付支援事業費補助金 留学生を将来雇用する介護サービス事業者の負担軽減

所管は労働政策課、産業人材育成課、福祉人材・指導課に分かれます。労働政策課の雇用促進対策室まわりだけを見ると、手元に残るのは表の上2件です。

デジタルスキル習得支援事業補助金は、市や町のサイトに旧名の「中小企業人材育成支援事業補助金」のページが残っています。旧名で検索すると別の窓口に当たるので、県のページで名前を確かめてから問い合わせるほうが確実です。

募集は令和8(2026)年4月15日から令和9(2027)年1月29日まで。先着順で、予算が満額に達した時点で終わります。研修の予定があるなら、年度の前半に確かめておきましょう。

確認できなかったのは15市町村

44市町村のうち、事業者向けの採用・雇用系の制度を確認できなかったのは15でした。土浦市、古河市、結城市、高萩市、取手市、牛久市、潮来市、筑西市、かすみがうら市、茨城町、城里町、河内町、五霞町、境町、利根町です。

いずれも事業者向けの一覧、商工・産業振興、企業立地、雇用労働の各ページを開いた結果です。古河市と結城市と筑西市の企業立地奨励金は、交付額が固定資産税相当額だけでした。

ただし、制度が無いのではなく、公開されている範囲では確認できなかった、というのが正確です。要綱だけがあって案内を作っていない、商工会に窓口を置いて役場のサイトには載せない、ということは実際にあります。

自社の市町村がこの15に入っていても、要綱だけが先に走っていて案内が出ていない例は珍しくないので、無いと決めるのはまだ早いでしょう。担当課へ一度電話で確かめてみてください。

予算と実績を両方出す市がある

57件はどれも予算の範囲内での交付で、上限に達した時点で受付が終わります。2026年8月17日の時点で、令和8年度の受付を終えている市がありました。

自治体 市の案内の掲示
水戸市 令和8年度の申請額が予算額に達したため、すべての受付を終了しました
ひたちなか市 予算枠に達したため、すべての事業において受付を終了いたしました
常陸太田市 事業区分によっては、令和8年度の予算が残りわずかとなっています(令和8年7月現在)
常総市 雇用促進奨励金の令和8年度の受付期間は令和8年9月30日まで

水戸市は本来の期限が令和9年1月31日、ひたちなか市は令和9年2月26日必着でした。どちらも期限の半年近く手前で閉じています。

残りの枠が読めるかは制度によって差があります。水戸市は令和8年度当初予算で中小企業振興支援事業に1,500万円を計上し、受付予定件数を示したうえで、令和6年度の交付実績を46件・1,431万8千円と公表しています。

常陸太田市は人材確保支援事業費の当初予算が年40万円で、令和6年度の交付は3社・25万円でした。日立市の2,760万円と笠間市の300万円は予算額だけです。

年度の途中で残りの枠を示す自治体は見当たらないので、締切からさかのぼって日程を組む動き方は危なくなります。要件をそろえても交付が決まるとは限らないので、動き出す前に担当課へ残りを確かめておかれると安心です。

制度の担当課は商工と誘致と福祉に分かれる

ここからが本題です。57件を所管でまとめ直すと、担当課が3か所に分かれます。探す場所を決めた時点で、拾える枠の桁が決まってしまいます。

担当課 何を持っているか
商工・産業振興の担当課 採用活動にかかった費用に出る補助金。上限10万〜80万円
企業立地・企業誘致の担当課 雇った人数に連動する奨励金。1人10万〜30万円・限度500万〜3,000万円
福祉の担当課 障害者雇用の奨励金と、介護・福祉分野の人材確保補助

商工課の一覧に載るのは一部だけ

事業者向けの支援制度一覧に並ぶのは、たいてい商工振興課が持つ中小企業向けの補助金です。水戸市中小企業振興支援補助金、日立市の3つ、ひたちなか市中小企業事業活性化補助金、笠間市中小企業支援補助金、常陸太田市の2つ、鉾田市の2つ。採用活動そのものの費用に出るのは、ほぼここです。

補助率は3分の1から3分の2、上限は10万円から80万円です。ここで採用活動の費用を拾えるのは、上に挙げた6市だけでした。企業誘致の奨励措置も福祉の枠も、ここには出てきません。

日立市の3つは、名前のうえでは別々の補助金に見えます。ただし申請書の実物は「日立市中小企業経営基盤強化支援事業補助金」の1枚で、競争力強化・課題解決・人的資本経営は括弧書きのメニュー名です。

同じ年度に2つ出す形は想定されていないので、どのメニューで出すかを先に決めることになります。人的資本経営の枠には人材紹介手数料が例示で入るので、募集の外注費を当てたい会社は、まずここを検討してください。

日立市でどのメニューに当てるか決めかねている方へ。人的資本経営支援事業補助金の対象事業と、併願がどこまで効くかはこちらに置いています。

参考記事:『【上限30万円】「日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金」は併願できる?申請の流れを解説!

企業誘致の奨励措置に15自治体

一覧に出てこない枠のうち、いちばん数が多いのがこれです。企業立地や企業誘致の条例が定める奨励措置の中に、雇用促進奨励金という項目があります。

水戸市、日立市、龍ケ崎市、下妻市、常総市、常陸大宮市、那珂市、行方市、鉾田市、つくばみらい市、小美玉市、大子町、東海村、美浦村、阿見町の15自治体で確認できました。

ここで数えた15件は、企業立地・企業誘致の条例が根拠になっているものです。石岡市の企業誘致雇用促進奨励補助金、常陸太田市市民雇用奨励金、稲敷市市内定住従業者雇用促進補助金、桜川市の奨励金のように、条例に紐づかない単独の雇用奨励金は、この15には入れず地域別の表で扱っています。

金額は新規雇用者1人あたり10万円から30万円、限度額は500万円から3,000万円。1人あたりの単価も限度額も、商工の担当課が持つ補助金より桁が1つ大きくなります。所管は企業誘致課・まちづくり推進課・企画課で、補助金一覧のページからはたどり着けません。

ただ、条件は重めです。多くは事業所の新設・増設に伴う雇用が前提で、その市町村に住んでいる人を1年以上続けて雇うことを求めます。今年の募集費用を軽くする性格のものではありません。

拠点を建てる予定が無いなら、多くが新設・増設に伴う雇用を前提にしている以上、この担当課の枠は当面の候補から外して構わないでしょう。逆に増設や移転を控えているなら、額が違う分だけ先に確かめる値打ちがあります。

福祉の担当課に障害者雇用と介護

もう1つ落ちやすいのが、福祉部局の枠です。産業やビジネスの階層にはないので、商工のページから辿り着けません。

商工の一覧からも企業誘致の側からも辿れない枠もあります。日立市の外国人留学生学費等支給支援事業補助金は介護保険課が持っていて、補助率3分の1・上限30万円です。

ただし市の案内は令和6年1月の更新で止まっています。令和8年度に動いているかまでは確かめていないので、この記事の57件には数えていません。

障害者雇用の奨励金は、つくば市、鹿嶋市、神栖市、阿見町、日立市の5自治体にありました。つくば市の雇用促進交付金は1人5万円から20万円で年度2名まで、鹿嶋市は1人あたり月額5,000円を最大24か月。いずれも国の特定求職者雇用開発助成金の支給が終わったあとに、自治体が上乗せする作りです。

介護・福祉分野の人材確保は、県の3件に加えて、笠間市外国人介護人材受入支援事業補助金、守谷市介護人材確保対策事業助成金、大洗町介護人材研修費等助成事業助成金がありました。

守谷市の助成金は申請手続きを勤務先の事業所が行う設計で、実務者研修は職員1名につき年7万円です。医療・福祉の現場で使える枠は、産業のページではなく福祉のページにあります。

自社が医療・介護・福祉のどれかに当たるなら、商工のページは閉じて、福祉部局の一覧から開き直すほうが早いはずです。

Tips|自社の市町村で担当課を開く順番

  • 市のサイトで「商工・産業振興」を開き、雇用・人材の語が入った補助金を書き出す
  • 続けて「企業立地・企業誘致」を開き、奨励措置の中に雇用促進奨励金があるか見る
  • 最後に「福祉・介護」を開き、障害者雇用と介護人材の枠を確かめる
  • どれも空振りだったら、担当課へ一度電話で確かめて要綱だけ先にできていないかを聞く

自治体別に引く市町村の49制度

茨城県の地域区分にあわせて5つに分けたので、自社の所在地が入る表だけを見れば足ります。内訳は県北13件・県央11件・鹿行7件・県南12件・県西6件。確認できなかった15市町村は載せていません。

制度があったのは44市町村のうち29、内訳は23市・4町・2村です。町と村にも枠はあり、大子町と阿見町は2件ずつ持っています。残る八千代町、大洗町、東海村、美浦村も1件ずつです。

県北は5市町の13制度

制度 金額と要点
日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金 3分の1以内・上限30万円
日立市中小企業競争力強化支援事業補助金 3分の1以内・上限80万円
日立市住宅手当支給支援事業補助金 10分の10・月2万円で年24万円
日立市工業雇用促進奨励金 増えた市民従業員1人につき30万円
日立市本社機能雇用創出奨励金 1人30万円・各年度3,000万円
日立市障害者特別雇用奨励金 金額は障害福祉課へ要問合せ
常陸太田市人材確保支援事業費補助金 2分の1で10万〜20万円、3分の2で20万円
常陸太田市市民雇用奨励金 雇用1人あたり15万円・3年度まで
常陸太田市ビジネスチャレンジ事業費補助金 事業区分ごとに設定
北茨城市第1次産業外国人技能実習生受入事業補助金 予算資料で計上を確認
常陸大宮市雇用促進奨励金 1人年10万円・3年間
大子町地域人材育成事業補助金 新規雇用1人15万円・1企業年度200万円
大子町雇用促進奨励金 新規雇用1人年15万円・各年度750万円限度

日立市の6件が県内で最も多い数です。ただし人的資本経営支援事業補助金と競争力強化支援事業補助金は、課題解決支援事業補助金と合わせた3つのうち1つしか選べません(後述)。課題解決支援事業補助金は採用の費目を持たないので、この記事の対象には数えていません。

大子町の地域人材育成事業補助金は、未就職者を正規雇用して育てる町内の事業者に出る枠で、社外研修の授業料や、指導にあたる既存従業員の賃金まで対象です。北茨城市の枠は予算・決算資料で確認したもので、実施状況は商工観光課へ確かめてください。

県北で募集の費用を軽くしたいなら、当たるのは日立市と常陸太田市の枠です。どちらの市に拠点があるかで、選べるメニューの形がまるきり違います。

県央は7市町村の11制度

制度 金額と要点
水戸市中小企業振興支援補助金 2分の1以内。上限は事業により100万円と20万円に分かれる。5事業から1つを選ぶ形で、同じ年度に2つは採択されない
水戸市企業立地促進補助制度の雇用奨励金 新規雇用1人につき年30万円
水戸市雇用奨励補助金 中心市街地で市民3人以上の雇用に定額100万円
笠間市中小企業支援補助金 2分の1・上限20万円。販路拡大と人材確保で各1回
笠間市外国人材受入支援事業補助金 2分の1以内・1人10万円・年度2人まで
笠間市外国人介護人材受入支援事業補助金 受入初期費用。金額は交付要綱に定め
ひたちなか市中小企業事業活性化補助金 2分の1・15万〜50万円。3事業で各1回
那珂市企業立地促進雇用奨励補助金 1人年10万円・1事業者年300万円
小美玉市市民雇用奨励金 1人年10万円・1事業者1,000万円限度
大洗町介護人材研修費等助成事業助成金 研修受講費用等の一部を助成
東海村産業活性化奨励金の雇用促進奨励金 1人年10万円・上限100万円

水戸市の3件は所管がすべて別で、商工課、企業誘致、中心市街地の空き店舗活用の枠に分かれます。笠間市も商工の2件と介護の1件が別のページです。同じ市の中でも、制度は1か所にまとまっていません。

水戸市で今年の募集費用に当てたい方へ。人材確保・育成事業がどこまで求人媒体を見てくれるかは、こちらで書いています。

参考記事:『【上限20万円】「水戸市中小企業振興支援補助金」は採用に使える?2つの事業の対象経費を解説!

鹿行は4市の7制度

制度 金額と要点
鹿嶋市障害者雇用奨励金 障がい者1人あたり月額5,000円・最大24か月
鹿嶋市高等学校卒業者雇用奨励金 高校卒業者を雇用した事業主へ。金額は記載なし
神栖市障害者雇用促進奨励金 国の助成金の支給満了後も雇用を続ける事業主へ
行方市雇用促進補助金 市民1人20万円または10万円・年上限1,000万円
鉾田市販路開拓・拡大支援事業補助金 上限10万円
鉾田市中小企業等人材育成事業補助金 1名5万円・2名まで
鉾田市企業立地及び雇用促進奨励制度の雇用促進奨励金 1人20万円・500万円上限

鹿行では、商工の担当課に事業者向けの補助金を2つ持つのが鉾田市だけでした。ただしどちらも費目は販路と育成で、採用活動の費用には名前が付いていません。鹿嶋市と神栖市の枠はどちらも障害者雇用で、担当は福祉の側になります。

鹿行の7件は雇ったあとに効く枠が中心なので、今年の募集費用を当てにした計画は立てにくいと思われます。

県南は8市町村の12制度

制度 金額と要点
石岡市企業誘致雇用促進奨励補助金 新規雇用1人12万円・1事業所1,000万円
龍ケ崎市雇用促進奨励金 常時雇用者1人10万円・限度1,000万円
つくば市男性育児休業取得促進奨励金 定額10万〜45万円+代替社員確保経費の50%
つくば市雇用促進交付金の障害者一般型 1人5万〜20万円・1事業者年度2名まで
つくば市雇用促進交付金の障害者学生アルバイト型 1人につき5,000円から25,000円
守谷市介護人材確保対策事業助成金 2分の1・実務者研修は職員1名年7万円、他は年5万円
稲敷市市内定住従業者雇用促進補助金 市内在住の従業員数×100万円・上限1,000万円
稲敷市社宅整備促進補助金 社宅1戸20万円・賃借10万円・1法人200万円限度
つくばみらい市雇用促進奨励金 該当従業員1人15万円・上限300万円
阿見町障害者雇用促進奨励金 障がい者を雇う町内の事業者へ。金額は要綱に定め
阿見町雇用促進奨励金 町内在住の継続雇用者数×10万円を3年度分
美浦村企業立地奨励金の雇用促進奨励金 村民の正社員1人10万円・上限1,000万円

つくば市の3件のうち2件は障害者雇用の交付金です。稲敷市は従業員の住居に出る枠を2つ持ち、社宅を建てても借り上げても対象です。日立市の住宅手当だけが唯一の住居支援というわけではありません。

県南で採用そのものより定着に困っている会社なら、稲敷市の住居まわりの枠を調べてみましょう。

県西は5市町の6制度

制度 金額と要点
下妻市雇用促進奨励金制度 1人10万円・1事業者3,000万円限度
常総市雇用促進奨励金 対象雇用者1人10万円。令和8年度の受付は9月30日まで
常総市雇用拡大奨励金 新規1人10万円・転入1人15万円・上限500万円
坂東市工業団地企業社宅整備補助金 社宅の整備。金額は交付要綱に定め
桜川市の未来を担う新規就職者雇用奨励金 30歳未満の新規就職者を正規雇用した事業主へ
八千代町社宅・社員寮整備支援事業助成金 整備した事業者へ。金額は要綱に定め

県西の6件のうち5件は、企業立地か従業員の住まいに紐づいた枠でした。採用活動そのものの費用に出る補助金は、この地域では確認できていません。残る1件、桜川市の奨励金は立地と紐づかず、30歳未満の新規就職者を正規雇用した事業主へ出ます。

県西は拠点や社宅に紐づく枠が5件を占める分、工場や社宅を建てる予定が無い会社に残るのは桜川市の枠だけになると思われます。

用途から引くと当たる枠が絞れる

制度名から探すと通り過ぎるので、やろうとしていることから引くほうが早く辿り着きます。1つの制度が複数の用途にまたがるので、下の数を足しても57にはなりません。

やること 当たる制度
就職・転職情報サイトへの掲載料 少なくとも4市
合同企業説明会・就職面接会の出展料 少なくとも4市
採用動画・採用パンフレットの制作費 少なくとも2市
人材紹介の手数料 少なくとも3件(県1・市2)
インターンシップ・職場体験の受入 水戸市・ひたちなか市・笠間市
Web説明会・面接ツールの導入 少なくとも1市
ホームページの作成・改修費 少なくとも6市。いずれも販路や生産性の枠
従業員の住居・社宅の整備 少なくとも4市町
雇った人数そのもの 15自治体の雇用促進奨励金

「少なくとも」と書いているのは、この数が上限ではなく下限だからです。対象経費の別表まで開けたのは商工の担当課が中心で、企業誘致と福祉の担当課は費目まで突き合わせていません。これ以上あっても不思議ではない前提で読んでください。

採用サイトという語は県内に無い

名前の側から確かめます。開けた範囲では、「採用サイト」「採用ホームページ」という語は対象経費に1度も出てきませんでした。制度名に「採用」の2文字を持つものも、県内には見当たりません。

「人材」まで広げると、県の副業・兼業人材活用促進補助金など少なくとも10件が当たります。自社の市町村で探すときも、「採用」ではなく「人材」「雇用」で引くほうが取りこぼしが減ります。

大事なのは、対象と書かれていないだけでなく、対象外とも書かれていないという点です。全国には、交付要綱の対象外経費に「ホームページ制作」と書き切っている制度が実在します。県内の57件は、そこまで踏み込んでいません。

採用サイトの制作費は、対象とも対象外とも書かれていない以上、判定を窓口に預かってもらう位置にあると思われます。持ち込む先の目的要件と折り合うかは、見積を取る前に担当課へ当たっておきましょう。

ホームページの費用は販路側にある

「ホームページの作成・改修・製作」を対象経費として名指しする枠は、少なくとも6市にありました。出てくる場所は次のとおりです。

自治体 ホームページの費用が入る枠と、その目的
水戸市 中小企業振興支援補助金の販路拡大事業。目的は広報活動等による販路の拡大
日立市 中小企業競争力強化支援事業補助金。例示は販路開拓のための展示会出展やHP開設等
ひたちなか市 中小企業事業活性化補助金のビジネスマッチング事業。販路開拓に関連したホームページの作成
笠間市 中小企業支援補助金の販路拡大のために実施する事業
常陸太田市 ビジネスチャレンジ事業費補助金のDX促進支援事業。導入費の例にホームページ製作費
鉾田市 販路開拓・拡大支援事業補助金。対象経費の6番目にホームページ作成・改修費

6市とも、入っているのは販路や生産性の側の枠です。採用の枠にホームページの費用を置く市は、確認した範囲にありません。

では採用の枠に名前があるものは何かというと、動画と紙です。笠間市とひたちなか市の人材確保の枠は、対象経費に「求人、採用等に関する企業広報動画、パンフレット等の広報媒体の作成に要する経費」をほぼ同じ文言で置いています。

同じ広報の費用でも、紙と映像には名前があり、ウェブには名前がありません。採用サイトを作るなら、販路の枠で目的を通すか、名前のある動画やパンフレットの側から組み立てるかの二択になるでしょう。

笠間市の場合、販路拡大と人材確保のどちらで出すかで対象経費が総入れ替えになります。どちらで出すか決めかねている方は、2事業の対象経費を並べたこちらから見比べてみてください。

参考記事:『【上限20万円】「笠間市中小企業支援補助金」は採用に使える?対象経費と申請の順番を解説!

掲載料と出展料を拾うのは4市

募集を外に出す費用となると当たりは増えます。就職・転職情報サイトへの掲載料を対象にしているのは、水戸市、ひたちなか市、笠間市、常陸太田市の4市。合同企業説明会の出展料を持つのも同じ4市でした。

ただし書きぶりがそろいません。水戸市は「民間の就職支援事業の利用に係る経費」の例示にマイナビとリクナビを実名で書き、常陸太田市は事業名が「就職・転職情報サイト会社情報掲載事業」で、求人票ではなく会社情報を載せることを指します。

ひたちなか市は、求人情報サイトの活用を新規に契約する場合に限っています。毎年更新している媒体の掲載料は、この枠には乗りません。

説明会のほうで分かれるのは開催地です。常陸太田市は事業名が「県外で開催される合同企業説明会等参加事業」で、県内の合説は入りません。笠間市とひたちなか市は開催地を限定していません。

いま使っている媒体の更新料を軽くしたい方は、新規契約に限っていない市かどうかだけ、契約を更新する前に確かめておかれると安心です。

紹介手数料の3件には条件が付く

紹介の手数料まで見る制度は全国的に多くありませんが、県内では3件が費目に名前を持っていました。

制度 手数料の書かれ方
茨城県副業・兼業人材活用促進補助金 民間事業者へ支払う人材紹介手数料。10分の8以内・上限50万円
日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金 その他諸経費の例示に人材紹介手数料。上限30万円
笠間市外国人材受入支援事業補助金 登録支援機関・監理団体・人材紹介会社への初期費用。2分の1以内・1人10万円

3件とも、手前に条件があります。県の制度は茨城県プロフェッショナル人材戦略拠点を通じた契約に限られます。笠間市の制度は、交付申請の前に茨城県外国人材適正雇用推進宣言を県へ申し出ておく必要があります。

自社で見つけた紹介会社に払う手数料をそのまま持ち込めるのは、日立市の枠だけになります。ただし日立市は排他の制約がかかるので、紹介手数料に当てるなら上限30万円の枠を選んだことになる、と考えて進めて問題ありません。

年度に選べる枠の数は市で分かれる

費目の置き場が分かったら、次は回数です。同じ市の中に採用の枠と販路の枠が並んでいても、年度に1つしか選べない市がありました。

自治体 年度内の選び方
日立市 3つの補助金のうち1つのみ
水戸市 5事業のうち1つのみ。使うと翌年度は申請できない
常陸太田市 人材確保支援事業費補助金の7事業のうち1事業
笠間市 販路拡大と人材確保でそれぞれ年度1回
ひたちなか市 3事業でそれぞれ年度1回
鉾田市 販路開拓・拡大と人材育成は別々の補助金。ただしそれぞれ1事業者1回

上の3市と下の3市で、向きが逆です。上の3市では、採用サイトを販路の枠で出すと、その年度は採用の枠が使えません。下の3市は、販路の枠とは別にもう1つの枠が立っています。ただし鉾田市のもう1つは採用ではなく人材育成です。

日立市は3つの補助金から1つ

日立市の制約が県内でいちばん強く出ています。市の案内と募集要領が、人的資本経営支援事業補助金、競争力強化支援事業補助金、課題解決支援事業補助金は1事業者につきいずれか1つのみ申請が可能、と書いています。

上限は人的資本経営が30万円、競争力強化と課題解決が80万円。採用の費用に名前があるのは、上限の小さいほうの制度になります。人材紹介手数料が例示に入るのは人的資本経営で、HP開設という語が出るのは競争力強化のほうです。

この排他ルールの外側にある制度もあります。住宅手当支給支援事業補助金、工業雇用促進奨励金、本社機能雇用創出奨励金。後の2つは企業誘致の管轄で、市民1人を雇うごとに30万円が出ます。

日立市の会社は、紹介手数料に30万円を当てるか、HPを含む競争力強化の80万円を狙うかを、年度の初めに決めておきましょう。

水戸市は翌年度が空いてしまう

水戸市の中小企業振興支援補助金は、5つの補助事業を束ねた制度です。市の案内が、同一年度に二つ以上の事業を採択されることはないと書き、さらに一度利用すると1ヵ年度が経過するまで次を使えないと定めています。

「令和8年度利用の場合,次回は令和10年度以降」と具体例まで添えてあります。人材確保・育成事業も販路拡大事業も、補助率は2分の1以内で上限20万円。

2年に1度、20万円をどちらへ当てるかを決める制度だと読むほうが実態に近いところです。人材確保・育成事業には、対象経費の例示にマイナビとリクナビが実名で入っています。

水戸市で今年か再来年かを選べるなら、募集の山が来る年度に合わせて空けておくほうが無駄がないでしょう。

常陸太田市は7事業から1つ

常陸太田市の人材確保支援事業費補助金は、交付要項の別表に7つの補助事業が並び、第3条が一事業者の同一年度の申請を一事業と定めています。

補助率と上限は3通りで、就職・転職情報サイト掲載と県外の合同企業説明会が2分の1で10万円、Web説明会・面接ツール導入が2分の1で20万円、働き方改革推進支援が3分の2で20万円です。

同じ市には、令和8年度から複数の補助金を統合したビジネスチャレンジ事業費補助金があり、こちらも7つの事業に分かれます。ホームページ製作費が名前で入るのは後者のDX促進支援事業なので、どちらを開いているかを先に確かめてください。

常陸太田市でどれに当てるか迷っている方へ。人材確保支援事業費補助金の中身と、選ぶときの順番はこちらに書きました。

参考記事:『【上限10万円】「常陸太田市人材確保支援事業費補助金」はどれを選ぶ?7事業の対象経費を解説!

笠間とひたちなかと鉾田は別枠

同じ制約が無い市もあります。笠間市の中小企業支援補助金は、販路拡大と人材確保でそれぞれ年度内1度限り。両方を実施すれば合わせて最大40万円まで届きます。

ひたちなか市の中小企業事業活性化補助金も、ビジネスマッチング、技能訓練実施、人材確保推進の3事業でそれぞれ年度内1回まで。ただし複数実施した場合は、上限額が高い事業類型の上限額が適用されます。

鉾田市は、販路開拓・拡大支援事業補助金と中小企業等人材育成事業補助金がそもそも別の補助金です。ただし前者は交付要綱第5条第3項で1事業者1回、後者は第7条第2項で一事業者1回を限度と定めていて、それぞれの枠のなかでは選び直せません。

しかも鉾田市だけは、並んでいるのが人材確保ではなく人材育成(講習会等の受講料と受験料)の枠です。採る費用と販路の費用ではなく、育てる費用と販路の費用が別々に立っています。

自社の市町村がどちらの型かは、応募の準備を始める前に確かめておかれるとよいでしょう。

採用の費用に名前がある枠は6市しかない

茨城県内で拾えた57件のうち、ホームページの作成費に費目名があるのは6市でした。上限は10万円から80万円、補助率は3分の1から3分の2で、80万円が戻るのは240万円を動かしたとき。しかも6市とも販路や生産性の枠で、予算が尽きていれば交付されません。

採用の枠に名前があるのは動画と紙だけです。一方、雇った人数に出る奨励金は15自治体にあり、1人10万円から30万円が出ます。募集にかける費用には薄く、採ったあとの頭数には厚いのが茨城県の57件です。どちらを今年動かすかを先に決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人
【全57件】「茨城県」で採用に使える補助金は?対象の費用と上限額をまとめて紹介! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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