【全65件】「福島県」で採用に使える補助金は?対象の経費と認証の要否を解説!

採用サイトを作り直したい。費用の半分でも補助が出ないか。そう考えて市の「産業・ビジネス」を開き、補助金の一覧を上から下まで見て、そのまま閉じる。福島県内でこの順番をたどると、たいてい空振りです。

制度が無いからではありません。県の枠は商工の一覧ではなく、先に取っておく認証のページから枝分かれしているからです。紹介手数料や障害者雇用の枠は、商工とは別の課にあります。

以下は2026年8月時点で県と市町村が掲げていた内容です。まず、何件あるのかから見ます。

この記事でわかること

  • 事業者が受け取れる採用まわりの枠は、福島県内に何件あるのか?
  • 県の3制度が求める福島県次世代育成支援企業認証とは、どういう1枚なのか?
  • 南相馬市で、認証を持っていると閉じてしまう枠はどれか?
  • 人材紹介会社に払う紹介手数料は、どの課のどの枠で見てもらえるのか?
  • 企業立地・企業誘致の条例に付く雇用の枠は、いくつの自治体にあるのか?
  • 採用サイトや動画の制作費に費目名を持つ枠は、県内のどこにあるのか?
  • 対象経費を読む手前にある欠格事由とは、何なのか?

個々の申請の段取りは、制度ごとの記事に譲ります。

福島県で採用に使える補助金は65制度

福島県で採用に使える枠は、県の雇用労政課・経営金融課・企業立地課と、市町村の商工・産業振興・企業誘致・福祉の各課に散っています。事業者・法人の側が受け取れる採用まわりの枠として、2026年8月時点で確認できたのは65件でした。

区分 数と内訳
制度の合計 65件(県11件・市町村54件)。確認できた範囲の下限
制度を確認できた自治体 県と34市町村(12市19町3村)
福島県の市町村数 59市町村(13市31町15村)
件数の多い自治体 郡山市4件。いわき市・白河市・二本松市・南相馬市・南会津町が各3件

65件は下限で、18市町村は一覧そのものを開けていません。国の助成金は別の枠組みで動き、窓口も動ける時期も重なりません。

県の枠も市町村の枠も自社には遠いと感じた方は、国の助成金まで広げて全体像から入るほうが早いはずです。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

枠を確認できたのは県と34市町村

13ある市のうち枠を確認できなかったのは本宮市だけで、残る12市すべてにありました。31ある町では19町、15ある村では3村(西郷村・玉川村・飯舘村)です。

個別に開いても事業者向けの枠が無かったのは、本宮市・桑折町・大玉村・天栄村・磐梯町・泉崎村・中島村の7つです。

このほかに、事業者向けの一覧まで開き切れていない自治体が18あります。檜枝岐村・北塩原村・湯川村・柳津町・昭和村・会津美里町・矢祭町・塙町・鮫川村・平田村・古殿町・小野町・広野町・楢葉町・富岡町・川内村・葛尾村・新地町です。

つまり、この記事に名前が出てこない市町村は無いと確かめたのではなく、公開されている範囲から取れなかったほうです。自社の町村がこの18に入っているなら、役場に枠が残っていないか当たってみる価値はあります。

数えたのは事業者側が受け取る枠

この記事の対象は、募集の露出・採用ツール・採用活動の経費に費目名がある枠と、人材確保や定着を目的に掲げて事業者に出る枠です。受け取るのが事業者・法人の側であるものに限り、制度の単位は交付要綱1本としています。

表に探しに来て見つからないものも挙げておきます。県の奨学金返還支援事業は、支援を受けるのが県内で働く本人なので対象の外です。移住支援金や介護資格の取得助成も、県内では受給者が本人の設計が主流でした。

固定資産税相当額だけの立地奨励金も、雇用が交付要件にとどまるため入れていません。名前で見当たらない制度は、受け取るのが会社ではなく本人向けだと判断して、次の枠へ移るのが早いはずです。

窓口は商工の一覧に収まらない

65件を、案内ページがある窓口ごとに分けると、こうなります。

窓口の系統 制度の数
県 商工労働部 雇用労政課 7件
県 商工労働部 経営金融課 3件
県 商工労働部 企業立地課 1件
市町村 商工・産業振興・企業誘致の課 37件
市町村 福祉・企画・交通・農林など商工以外の課 10件
市町村 要綱や条例だけがあり課名の記載がないもの 7件

雇用労政課の一覧に並ぶのは、県が持つ11件のうち7件です。残る4件は経営金融課と企業立地課にあり、雇用労政課のページからは出てきません。市町村の側も、商工以外の課が持つ枠が10件、要綱や条例からしか辿れない枠が7件ありました。

採用の枠を探すときは、商工の一覧を2周するより、自社が採りたい相手から課を選んで開くほうが早く着きます。

問題はその先です。雇用労政課の7件のうち3件には、ページを開く前に済ませておくものがあります。

県の3制度は認証を持つ企業に限られる

雇用労政課の7件は、ふくしま産業復興雇用支援助成金の雇入費と住宅支援費、企業内子育て支援施設整備事業費補助金、ふくしま人材確保支援事業と、以下の3件です。産業復興雇用支援助成金は、雇入費と住宅支援費で出る額の立て方が違うため、ここでは2件として扱っています。

残る3件を上から読むと、同じ一文が繰り返し出てきます。福島県次世代育成支援企業認証を取得していること。

制度 認証の要求のされ方
働きやすい職場環境づくり推進助成金 認証企業に助成金を交付する。4事業のうち3・4は「働く女性応援」中小企業認証かつ認証要件3つ以上
企業の魅力アップ奨励金 対象事業主の要件の1つ目が、2種類の認証のいずれかを取得している事業主であること
えるぼし・くるみん取得支援事業 助成対象者は、認証の取得とえるぼし認定またはくるみん認定の両方に該当するもの

県の11件のうち3件が、この認証の上に積まれています。金額は、働きやすい職場環境づくり推進助成金が4分の3以内で50万円から200万円、企業の魅力アップ奨励金が定額10万円から30万円です。

えるぼし・くるみん取得支援事業は3区分に分かれていて、専門家派遣費が4分の3以内・1回1万5千円で最大5回、広報費が4分の3以内・上限10万円、奨励金が定額50万円。3つを足すと67万5千円になります。

えるぼし認定やくるみん認定まで取るつもりのある方は、67万5千円の内訳と、現金が振り込まれる条件を先に見ておくとよいでしょう。

参考記事:『【上限10万円】福島県「えるぼし・くるみん取得支援事業」は現金が出る?対象経費と認証を取る順番を解説!

認証は2種類で入れる会社が違う

認証は1種類ではありません。名前が似ているので、自社がどちらに当たるかを先に見ておくと迷いません。

認証の種類 対象と基準
「働く女性応援」中小企業認証 県内に所在し常時雇用労働者300人以下の事業所。一般事業主行動計画を次世代法・女性活躍推進法の両方で策定し、認定要件ア〜オのうち2項目以上を達成
「仕事と生活の調和」推進企業認証 県内に所在する事業所(従業員数の上限は付きません)。取組状況チェック表の基礎項目をすべて満たし、評価項目45ポイント以上

従業員数の条件があるのは「働く女性応援」のほうだけです。300人を超える事業所はこちらに入れません。

制度の側も使い分けていて、企業の魅力アップ奨励金はどちらの認証でも申請できますが、働きやすい職場環境づくり推進助成金の人材育成・労働環境整備・オフィス改革の3事業は働く女性応援中小企業認証が条件です。300人を超える規模は、「仕事と生活の調和」推進企業認証を使います。

認証そのものからは1円も出ない

ここが分かりにくいところです。認証は補助金ではなく、取ってもそれ自体でお金が振り込まれません。

県が挙げている認証のメリットは、社会的な評価、ウォリバーマークの使用、3つの助成金、県の制度融資、物品等調達での優先選定、入札での加点、総合評価方式での評価項目化、東邦銀行と8信用金庫の金利優遇です。

採用の話としてポイントになるのは3つめの助成金です。認証を取ってはじめて、県の3制度の申請書が書けます。認証企業は令和7年度第4四半期現在で延べ1,453社。1社が2種類の認証を取ると2社で数える集計なので、実際の社数はこれより少ないと思われます。

認証そのものを目的にすると空振りします。県の3制度のどれかを取りに行くと決めてから、その入場券として取りにいくほうが順番としては正しいでしょう。

審査は四半期ごとにしか動かない

もう1つ、日程の話があります。認証は書類を出したら翌週に下りるものではありません。受付は地方振興局で四半期ごとに区切られ、4月から6月の受付分は7月に訪問審査を経て7月末に認証。7月から9月の受付分は10月審査で10月末、10月から12月は1月、1月から3月は4月と続きます。

受付の締切から認証まで、おおむね1四半期分の待ちがあります。しかも訪問審査が入り、書類を郵送して終わりではなく県の担当者が事業所に来ます。

添付書類も軽くありません。「働く女性応援」なら、一般事業主行動計画の策定届と行動計画の写しを次世代法と女性活躍推進法の両方で出し、就業規則の写しと実績資料も添えます。行動計画をまだ労働局へ出していない会社は、そこからさかのぼって日程を組む必要があります。

認証後も2年に1度、取組状況報告書の提出が求められます。採用サイトの公開日が決まっているなら、認証にかかる期間だけは先に確かめておかれると安心です。

南相馬市では認証が外す側に回る

ここまで読むと、認証は取っておいたほうがよく見えます。ところが県内には、認証を持っていると入れなくなる枠があります。

要綱が認証の無いことを条件に置く

南相馬市の魅力ある職場環境づくり事業補助金です。市内の事業所が魅力ある職場づくりに取り組む経費に、市が予算の範囲内で交付する制度で、4つの枠を持っています。

その交付要綱第3条第3号は、対象となる中小企業者の要件をこう定めています。本社または事業所において、福島県次世代育成支援企業認証制度の認証を取得していないこと。

県では入場券だったものが、この市では除外の条件になっています。理由は要綱に書かれていませんが、市の枠は認証に届いていない事業所を引き上げる位置にあるのだと思われます。県と市で役割を分けている形です。

例外は情報発信の1枠だけ

ただし、同じ号にただし書きが付いています。就職情報発信支援事業については、この限りでない。

南相馬市の4枠 認証企業の扱い
就労者やりがい創出事業(上限30万円) 対象外
労働環境整備事業(上限100万円) 対象外
就職情報発信支援事業(上限10万円) 対象となる
働き方改革推進事業(定額10万円) 対象外

認証を持つ企業に開いているのは、4枠のうち情報発信の1枠だけです。しかも上限10万円と、4枠の中でいちばん低い設定です。認証を取って県の枠を開けにいくと、この市では枠が広いほうの3つが閉じます。

なお、この枠は同じ要綱にある労務管理研修を実施しないと対象事業になりません。交付件数は令和5年度が3件、令和6年度は計画5件に対して1件で、枠が埋まって落ちる型ではありません。

ただし要綱そのものが令和9年3月31日限りで効力を失うと附則にあります。南相馬市で情報発信の枠を使うつもりの方は、研修とセットになる条件と2費目の中身を先に見ておきましょう。

参考記事:『【上限10万円】「南相馬市魅力ある職場環境づくり事業補助金」は研修とセット?対象経費を解説!

認証の向きは制度ごとに読む

認証を持つ企業が就職情報発信支援事業へ出すときは、様式第4号(交付要件確認書兼誓約書)の書き方を担当課に当ててから出しましょう。誓約書の側には、要綱にあるただし書きが載っていません。

だとすると順番はこうなります。まず自社が認証企業かどうかを決めてから、対象経費の表を読む。制度が認証をどちら向きに使うかは、その次です。金額から入ると要件のところで戻ります。

商工の一覧に載らない枠を拾う

ここからは商工の課が持っていない枠を見ます。県の4件と市町村の10件は、金額の幅も用途も別物です。

紹介手数料は県の経営金融課にある

人材紹介会社を使った採用は、成功報酬を自社で抱える前提で組む会社が多いところです。ただ、紹介手数料を自社で持つしかない費用だと決める必要はありません。県が紹介手数料そのものを対象経費に書いた補助金を2本持っています。同じ拠点が扱う枠がもう1本あり、そちらは交通費と宿泊費の側です。

制度 補助対象経費と額
福島県プロフェッショナル人材確保支援事業補助金 プロ人材の雇用に係る登録人材ビジネス事業者への紹介手数料。2分の1・プロ人材1人あたり100万円(1事業者2人まで)
福島県副業・兼業プロフェッショナル人材活用促進事業補助金 登録人材ビジネス事業者への紹介手数料と、プロ人材の交通費・宿泊費。10分の8以内・1人50万円(1事業者1人まで)
福島県県外副業・兼業プロフェッショナル人材交通費等補助金 県外から県内への移動に伴う交通費と宿泊費。2分の1・1人50万円(1事業者2人まで)

正社員として迎える場合が1本目です。対象経費は、その年度の4月1日から2月末日までに支払った紹介手数料。補助率2分の1でプロ人材1人あたり100万円まで出ます。

2本目は副業・兼業で受け入れる枠で、紹介手数料に交通費と宿泊費まで含みます。10分の8以内は県内で確認できた中でいちばん高い補助率でした。3本目の交通費等補助金は名前のとおり移動費の枠で、紹介手数料は入りません。

いずれも福島県プロフェッショナル人材戦略拠点(公益財団法人 福島県産業振興センター内)を通して確保することが前提で、拠点に登録された人材ビジネス事業者への支払いが対象です。飛び込みで契約した紹介会社の請求書を後から持ち込む形にはなりません。

所管は経営金融課で、雇用の一覧を追っても出てきません。紹介会社を使う予定があるなら、会社を選ぶ前に拠点への登録の有無を確かめておきましょう。

女性の新規雇用に人件費が出る

企業立地課にも1件あります。女性活躍オフィス立地促進事業補助金です。県内在住の女性を正規で新たに雇い6か月以上働いてもらうことを伴う、オフィスの新設・増設が対象。その女性の人件費に1人あたり上限30万円(1社5名まで)、賃貸費用に年額上限200万円が付き、期間は最大2年です。

女性の新規雇用に付く人件費の補助は、企業立地課にあります。名前に「立地」と入るため採用の文脈では引っかからず、雇用労政課の一覧にも載りません。オフィスの新設や増設を考えている会社なら、採用の予算と並べて見ておく価値があります。

福祉と企画と交通の課にも枠がある

市町村の側でも、商工以外の課に10件ありました。

自治体と所管 制度
金山町 保健福祉係 障がい者雇用奨励金。事業主に給与月額の2分の1・上限3万円
石川町 保健福祉課 仕事・子育て両立支援奨励金。国の両立支援等助成金への上乗せ
会津若松市 企画調整課 第二種運転免許取得等支援事業補助金。免許取得経費と就職支度金・入社支度金に1人5万円
相馬市 企画政策課 第二種運転免許取得等支援事業補助金。バス・タクシー事業者の運転手確保
二本松市 交通担当 第二種免許取得等支援事業費補助金。免許取得経費と雇用時の一時金
いわき市 都市建設部 公共交通担い手確保支援事業費補助金。免許取得経費と採用時の一時金
南会津町 農林課 林産業雇用促進事業補助金。技術職員を雇った林業事業体に1人月額5万円を12か月
三島町 地域政策課 起業・雇用創出支援事業補助金。正社員1人月額10万円以内
下郷町 総合政策課 企業誘致助成措置の雇用促進奨励金。町外在住の従業員1人5万円を3箇年
大熊町 ゼロカーボン推進課 就労サポート補助金。従業員の通勤費と人材育成の取組

障害者雇用の奨励金は、商工ではなく町の保健福祉係にあります。石川町の育児休業の上乗せ奨励金も保健福祉課のページです。運転手の確保にいたっては企画・交通の側に4件。業種で採用に困っている会社ほど、商工のページから離れた場所に枠があります。

Tips|採りたい相手から課を選ぶ

人材紹介会社を使うなら経営金融課、女性を新規雇用してオフィスを開くなら企業立地課。市町村なら、障害者雇用は福祉の課、運転手の確保は企画や交通の課です。会津若松市のように案内ページへ予算額と予算残額を載せている自治体もあるので、課を決めたら、その年度に残っている額まで見ておきましょう。

費目名から引くと当たる枠が絞れる

ここからは費目の話です。やることごとに、費目名を確認できた制度を並べます。

やること 費目名を確認できた制度
採用サイト・ホームページの制作や改修 郡山市 奨学金代理返還制度導入促進補助金/南相馬市 就職情報発信支援事業/国見町 魅力発信支援事業
求人情報サイトへの掲載料 南相馬市 就職情報発信支援事業/白河市 人材確保推進補助金
採用動画・パンフレット等の採用ツール 棚倉町 地元企業魅力PR動画作成支援助成金/白河市 人材確保推進補助金/国見町 魅力発信支援事業
合同企業説明会・就職面接会への出展 白河市 人材確保推進補助金
人材紹介会社に払う紹介手数料 県 経営金融課の3制度
採用活動の代行にかかる委託費 確認した範囲では見当たらず

委託費や委託料という費目名そのものは、白河市にも南相馬市にも郡山市にもあります。ただし対象事業の側が先に決まる書き方で、費目が合っても事業の欄で外れます。

採用サイトに名前があるのは3件

3件は書かれ方が違います。郡山市の枠は交付要綱の別表2でウェブサイトの作成費用を名指ししていますが、「制度を導入していることを明示するための」という限定が付いています。サイトを丸ごと作る費用がそのまま通る書き方ではありません。

補助率は2分の1で上限は20万円。令和8年度の当初予算はこの事業に100万円で、概要は内訳を「20万円(定額)×5社」と書いています。事前相談の予定額が予算額に達した時点で受付は終わります。

さらに、事前相談をしていないと交付対象外になり、交付後5年以上、代理返還制度を続けることを誓約します。郡山市でこの枠に費用を当てたい方は、奨学金の代理返還まで会社として入れる気があるかを先に決めておきましょう。

参考記事:『【上限20万円】「郡山市奨学金代理返還制度導入促進補助金」は自社サイト費も出る?対象経費を解説!

南相馬市の1件は事業名がそのまま「就職情報発信支援事業」で、対象事業は自社ホームページの作成と有料求人サイトへの掲載の2行。販路開拓やPRといった目的要件が付かず、補助対象経費は委託費と手数料の2費目です。

国見町の魅力発信支援事業は、対象経費に自社ホームページ制作費とチラシ・パンフレット作成費が明記されています。ただし目的の欄が「販路開拓・商圏拡大・新規顧客獲得や自社の訴求力アップ」で、採用目的での利用は明記されていません。

止まるのは費目ではなく様式のほうです。第2号様式が書かせるのは「補助事業で新たに行う販路開拓(新規顧客獲得)や売上アップの取組内容」だけで、対象経費のほうは媒体で切られていて用途では切られていません。対象外経費にも採用を止める条件はないので、分かれ目は書く欄のほうだと思われます。

国見町で申請を考えている方は、採用サイトを販路開拓の取組として書けるかどうかを、商工会の事前審査で当ててみるとよいでしょう。

参考記事:『【上限30万円】「国見町中小企業・小規模企業振興事業補助金」の魅力発信支援事業は採用に使える?

棚倉町だけが人材採用と書く

町の側にも、採用そのものを正面から扱う枠があります。棚倉町の地元企業魅力PR動画作成支援助成金です。

交付要綱の目的は「町内事業者が自社の魅力、特徴及び人材採用等について広報する動画の作成に係る経費の一部を助成するため」。第2条は助成対象動画を「自社のPR及び人材採用を目的とするものであること」と定めています。

対象経費は動画の委託料で、シナリオライター費、取材・撮影費、動画編集及びデータ作成費が例示されています。助成率は2分の1以内で上限15万円です。

要綱の目的に人材採用と書いた動画の補助は、県内でここだけです。採用サイトの3件でさえ、採用目的が正面から書かれているのは南相馬市の1件でした。棚倉町に事業所がある会社なら、動画を採用の側から組んで取りに行く価値があります。

求人と説明会は白河市に集まる

白河市の中小企業ステップアップ支援事業補助金は3つのメニューを持ち、そのうち人材確保推進補助金が採用の費用を正面から扱います。

対象事業 中身
説明会・面接会 合同企業説明会、就職面接会等への参加
広報媒体 求人、採用等に関する企業広報動画、パンフレット等の作成
求人媒体 求人情報サイトの新規活用
外国人材 外国人材を対象とした求人活動
自社開催 会社説明会の主催またはインターンシップの受入等

対象経費は出展費、会場設営費、旅費、委託費、印刷製本費。1回の申請につき20万円まで、年度内に1回まで。補助率は中小企業者が3分の2、小規模事業者が4分の3です。

5つ並ぶ対象事業に、ホームページ制作は入っていません。広報媒体の例示は動画とパンフレットで止まり、求人情報サイトは「新規活用」と書かれています。提出先は商工会議所または商工会です。すでに出している求人サイトの継続分は外れると見ておくほうが安全でしょう。

田村市の緊急新規雇用・離職者対策支援金は、求人活動・人材育成・福利厚生・企業のPR活動に要する経費等と、費目ではなく目的で括ります。個人給付と介護・福祉事業所は対象外で、市内で3年以上の事業継続が要件です。令和8年度の申請期限は令和8年5月29日でした。

対象経費の手前に欠格事由がある

費目の表より前に、確認しておきたい条件があります。暴力団排除条例と風営法です。

制度 欠格事由の置かれ方
棚倉町 地元企業魅力PR動画 要綱第3条第2項が、棚倉町暴力団排除条例と風営法第2条第1項・第5項に当たる者を外す
郡山市 奨学金代理返還制度導入促進 要綱第3条第2項が郡山市暴力団排除条例第2条を引く
南相馬市 魅力ある職場環境づくり 要綱第3条第4号・第5号。様式第4号でも誓約する
玉川村 雇用確保支援 要綱第2条が政治・経済・文化団体や宗教団体でないことと、村の暴力団排除条例を置く
会津坂下町 企業誘致補助金 旅館・ホテル営業を加える際、風営法第2条第5項の性風俗関連特殊営業を除く

対象経費を読む前に、暴力団排除と風営法の要件に当たっていないか。宿泊や飲食を含む業種では、ここで先に止まることがあります。見積もりを整える前に、自社と代表者が要件表のどこにも当たらないことを確かめるほうが早く済みます。

なお、書類そのものを外に頼むなら相手は限られます。報酬を得て申請書類を作成できるのは、行政書士または行政書士法人です。

自治体別に引く市町村の54制度

市町村の54件を所在地から引けるように分けました。県北と県中で20件、会津と南会津で16件、県南といわきで10件、相双で8件です。

企業立地・企業誘致の条例に付く雇用の枠は、福島市・郡山市・いわき市・白河市・喜多方市・二本松市・南相馬市・伊達市・会津若松市・只見町・川俣町・三春町・猪苗代町・会津坂下町・鏡石町・下郷町・矢吹町・南会津町・西郷村・浪江町・双葉町・飯舘村の22自治体にあります。

1人あたりの額は5万円から数十万円まで開いていて、立地の枠だから大きいとは限りません。いわき市のように1人あたり数十万円規模になるところもあれば、鏡石町や猪苗代町のように1人5万円のところもあります。

ただし多くは事業所の新設・増設に伴う雇用が前提で、その市町村に住む人を1年以上続けて雇うことを求めます。採用の費用を見るつもりで開くと、話が事業所の新設計画のほうへ移ることになります。

県北と県中は市の枠が厚い

自治体 制度と額
福島市 企業立地促進助成制度の雇用奨励助成金=新規地元常用雇用者1人20万円を3年間/オフィス開設支援の転入支援助成金=転入従業員1人20万円
二本松市 事業所等人材育成補助金/工場等立地促進の雇用促進奨励金=1人10万円/第二種免許取得等支援事業費補助金
伊達市 雇用促進奨励金=新規正規雇用者1人に1年ごと50万円を3年間
国見町 中小企業・小規模企業振興事業補助金=魅力発信30万円・人材育成10万円・設備投資50万円の3メニュー。各上限の範囲内で複数申請でき、合計は最大90万円
川俣町 企業立地支援の雇用支援助成金=正規雇用1人20万円
郡山市 奨学金代理返還制度導入促進補助金/インターンシップ等受入体制構築支援/企業立地の雇用促進補助金=正社員1人10万円/人材育成補助金
須賀川市 中小企業等人材育成事業補助金
田村市 緊急新規雇用・離職者対策支援金=1人15万円上限/新規雇用企業等支援金交付事業
鏡石町 企業立地促進条例の雇用奨励金=5人を超える従業員1人5万円
石川町 仕事・子育て両立支援奨励金
玉川村 雇用確保支援事業補助金=補助対象従業員1名1万円・上限50万円
浅川町 若年者雇用促進助成金=町内出身の若年者1人10万円
三春町 雇用促進奨励金=一般雇用1人20万円・新卒者雇用1人30万円

郡山市の4件が県内で最多です。従業員の研修費を見る枠も、二本松市・須賀川市・郡山市とこの2方部に集まります。県北・県中に事業所があるなら、町村より先に市の枠を開くほうが見つかりやすいでしょう。

会津と南会津は町の枠が並ぶ

自治体 制度と額
会津若松市 第二種運転免許取得等支援事業補助金/企業立地奨励金の雇用分=新規雇用常勤従業員1人10万円
喜多方市 企業誘致の雇用促進助成金=市内居住者の新規雇用1人20万円
下郷町 企業誘致助成措置の雇用促進奨励金
只見町 雇用促進奨励助成金=社会保険料の事業主負担分の2分の1以内を12か月/企業誘致及び立地促進条例の地域雇用創出奨励金
西会津町 移住定住者雇用補助金=1人20万円/新規学卒者雇用補助金=1人20万円
猪苗代町 工場等立地促進条例の雇用促進助成金=被雇用者1人5万円/新規学卒者等就職支援奨励金
会津坂下町 企業誘致補助金の雇用促進奨励金=新規常時雇用者と転入者に各1人10万円
三島町 起業・雇用創出支援事業補助金=正社員1人月額10万円以内
金山町 障がい者雇用奨励金
南会津町 林産業雇用促進事業補助金/資格取得支援事業補助金/企業立地促進奨励金

町の側にこそ、採用そのものを対象にした枠があります。只見町の雇用促進奨励助成金は企業立地を要件にしません。西会津町は移住定住者と新規学卒者で枠を分け、どちらも1人20万円です。新しく事業所を建てる計画が無い会社でも入れる枠が、町の側に残っています。

県南といわきは桁の幅が広い

自治体 制度と額
白河市 中小企業ステップアップ支援事業補助金の人材確保推進補助金/企業立地優遇制度の雇用促進奨励金=市内居住者1人10万円/男性育児休業取得促進奨励金
西郷村 企業立地促進条例の雇用奨励金=村内在住の新規雇用者1人10万円
矢吹町 企業立地促進条例の雇用促進奨励金=町内在住の新規雇用者1人10万円/同条例の雇用定住奨励金
棚倉町 地元企業魅力PR動画作成支援助成金=2分の1以内・上限15万円
いわき市 本社機能移転等事業者奨励金=増加した従業員1人200万円を3年間/公共交通担い手確保支援事業費補助金/オフィス立地促進事業費補助金

上限15万円の棚倉町から、1人につき3年で600万円に届くいわき市まで、桁が3つ動きます。いわき市の枠は交付上限額の定めがなく、1人あたりの額が県内で最大でした。

ただし地方活力向上地域特定業務施設整備計画の認定が前提で、対象になる条件は絞られます。桁の大きい枠ほど条件も厳しいものとみて、自社が認定を受ける案件かどうかから確かめるのが早いはずです。

相双は避難地域の枠が並ぶ

自治体 制度と額
相馬市 第二種運転免許取得等支援事業補助金
南相馬市 魅力ある職場環境づくり事業補助金の4枠/外国人雇用事業者支援事業補助金=1人30万円/企業立地助成制度の雇用奨励助成金=1人20万円
大熊町 就労サポート補助金
双葉町 町内立地企業支援の雇用促進奨励金
浪江町 企業立地促進補助制度の雇用促進補助金
飯舘村 企業立地等支援制度=雇用奨励補助金1人30万円と定住支援補助金30万円を3年間

この記事に名前の無い25市町村のうち18は、開けていないだけです。相双でいえば広野町・楢葉町・富岡町・川内村・葛尾村・新地町が一覧まで届いていません。

金額も期限も、2026年8月時点で県と市町村が掲げていた内容です。補助金は年度で入れ替わり、出せる総額もその年の予算次第なので、見積を取る前に要綱を開いて、担当課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。

認証の向きを決めると、開く枠が変わる

福島県内で確認できた65件のうち、採用サイトの制作費が費目に入るのは3件です。上限は10万円から30万円、補助率は2分の1から3分の2。どれも予算の範囲内での交付なので、枠が埋まれば要件がそろっても出ません。

厚いのは雇ったあとの側です。企業立地・企業誘致の条例に付く雇用の枠が22自治体にあり、県の11件のうち3件は認証が無いと申請できず、南相馬市では認証があると3枠が閉じます。制作費の3件を追うより、自社が認証を取る側かを先に決めるほうが、開く枠は増えるはずです。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人
【全65件】「福島県」で採用に使える補助金は?対象の経費と認証の要否を解説! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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