【全86件】「長崎県」で採用に使える補助金は?対象の経費と契約の条件を解説!

「長崎県 採用 補助金」で調べて、県と自分の市のページを開いてみた。求人広告費もホームページ制作費も対象経費に並んでいる。ところが自社が当たるのかが、金額の欄をいくら見ても読み取れない……。

そう見えるのは、長崎県の枠が所管の違う課と別ドメインのサイトに分かれてあるからです。県と21市町の公表資料を確認し直したところ、確認できた枠は86件ありました。何が判定を分けているのかも、1件ずつ開くと見えてきます。

本文の数値と要件は2026年8月時点の公表内容です。まず、県内に何件あるのかから並べます。

この記事でわかること

  • 長崎県内で事業者が受け取れる枠は何件あり、県と市町にどう割れているのか?
  • 枠を確認できたのはどの市町で、確認できなかったのはどこか?
  • 募集や採用活動そのものの費用に費目名を持つのは、どの枠なのか?
  • 雇った人数そのものに付く単価は、1人あたりどこまで開くのか?
  • 費目が合っていても対象から外れるのは、どこで決まるのか?

根拠にしたのは、県と市町が公開している制度のページ、交付要綱、募集要項、申請の手引き、申請様式、実績報告のチェックリストです。県が1冊にまとめている「令和8年度(2026年度)長崎県産業支援制度のご紹介」も開いています。

1件ずつの申請の進め方は、制度ごとの記事に譲ります。運営は株式会社リーピー、メディア名は「地方採用ワークス」です。

目次

長崎県で採用に使える補助金は86件

開いたのは、県の雇用労働政策課と未来人材課、企業振興課、地域づくり推進課、長寿社会課です。各市町の側も、商工担当課と企業立地の担当課、長寿介護・障がい福祉・こども・農林水産の各課を順に開きました。

県が49事業を1冊に集約した産業支援制度の資料と、県の企業立地ガイドが別ドメインで出している市町の優遇制度の一覧も全文で確認しています。採用の費用・人材確保・定着に関わる枠として、2026年8月時点で内容を確認できたのは86件です。

区分 数と内訳
制度の合計 86件(県22件・市町64件)
制度を確認できた自治体 18市町(13市すべてと、8町のうち5町)
制度を確認できなかった自治体 3町(時津町・川棚町・佐々町)
件数の多い自治体 長崎市・佐世保市が各7件。対馬市・壱岐市が各6件。五島市5件
募集の費用に費目名がある枠 19件(県4件・市町15件)
2026年8月時点で募集を終えている枠 4件

この86件は、県内にある枠の下限として読んでください。佐々町、川棚町、小値賀町、新上五島町の4町は、町のサイトそのものまで開けていません。この4町に枠が無いのではなく、こちらが届かなかった側です。

自分の町がこの4つに入っているなら、下の表で見つからなくても無いとは決めず、町の商工担当課に一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。

条例1本はメニューが複数でも1件

1件と数えたのは1つの事業です。1つの条例や要綱のなかにメニューが複数あるものは、まとめて1件にしました。

対馬市企業誘致に関する条例は雇用奨励金・人財確保奨励金・人財育成奨励金を並べていますが、条例で1件。西海市企業立地奨励条例の雇用奨励金・技術研修支援奨励金・技術指導者招聘奨励金も同じ扱いで1件です。表でこの2市の行を見つけたら、中に3つ入っていると思って開いてください。

この記事の対象は、事業者が受け取る側に立っていて、採用活動費・雇用そのもの・人材確保・職場定着のいずれかを目的か対象経費に持つ枠です。設備投資だけのもの、創業補助金一般、用地の取得だけの枠は数えていません。

税の優遇しかない枠も、雇う人数が交付の条件に入っているものだけ数に入れました。壱岐市企業誘致条例(常時使用従業員15人以上で固定資産税相当額を3年間)と、新上五島町工場等設置奨励条例(常時使用従業員10名超)の2件です。

費用が動かない無料の支援も、件数の外に置きました。県の採用力向上支援事業、県内就職応援サイトのエヌナビ、Nぴか認証、ながさき移住サポートセンターの無料職業紹介、育児休業取得促進アドバイザーの派遣、Nはーと認証、ながさき介護現場サポートセンターの伴走支援です。

お金は動きませんが、補助金の枠が閉じていても使える窓口として残ります。予算の切れ目に当たってしまった方は、こちらを先に確かめるのが早いはずです。

県と市町の両方で数えている枠もあります。雇用機会拡充事業は有人国境離島法にもとづく県の制度ですが、申請の窓口が7市町に分かれ、対馬市・壱岐市・五島市・小値賀町・新上五島町は市町の名前を冠した要綱を自前で持っています。

県の側で1件、窓口を持つ市町の側でも1件ずつ、あわせて8件と数えました。外国人材受入・定着促進補助金も、県の枠と、実施主体になる長崎市・佐世保市・雲仙市の枠を別に数えています。市の3件は補助率も上限も市ごとに違うためです。

86件は制度の数ではなく、申請の窓口の数です。同じ事業を1件にまとめ直すと、雇用機会拡充事業で7件、県の外国人材の枠で1件減って78件になります。自分の市町にあるかどうかで探す記事なので、窓口の側から数えた86件を看板にしました。

受け取るのが本人でも、企業に勤めることが条件で求人票に書ける枠は数に入れました。対馬市奨学金返還支援補助金、五島市ばらかもん奨学助成金、南島原市奨学資金償還補助金、小値賀町おぢカモン支援事業、新上五島町若者新規就労支援奨励金、佐世保市の奨学金等返還サポート制度の6件です。

反対に、就職や資格取得のたびに本人へ渡る祝金・応援金と、自治体が学生に貸して返済を免除する型の奨学金は数えていません。大村市の介護人材確保・定着応援金、介護福祉士資格取得応援金、保育士等就職祝金、保育士等継続応援金の4件と、波佐見町ものづくり奨学金です。

募集がすでに終わっている枠も、86件に入れています。年度が替われば同じ名前で立つことがあるからです。2026年8月時点で受付が閉じているのは、長崎市の人材確保支援費補助金と女性活躍職場環境改善補助金、県の介護現場デジタル改革推進事業補助金の3件でした。

佐世保市の外国人IT人材雇用促進補助金は、令和8年度分が出ているかどうかを外から判断できません。終了と決まったわけではないので、商工労働課に確認する枠として表に残しています。

探すときに開く資料が3本ある

86件の大半へ届く道は、県の補助金一覧にはありません。県は市町の制度を1枚に並べた表を持っているのですが、商工・労働の担当課からは1本もページがつながっておらず、いずれも別のドメインか別の部局にあります。

  1. ながさき企業立地支援ガイドの優遇支援制度。県2制度と9市の優遇制度を市ごとの概要資料で並べたもので、運営は長崎県産業振興財団の企業誘致推進本部。県の本体サイトとは別のドメインにあります
  2. 日本立地センターの「都道府県・市町村の企業立地優遇措置」長崎県 市町村編。21市町のうち20市町を収録し、雇用奨励金の単価と限度額を条例名つきで載せています
  3. 未来人材課の「県内各市町の奨学金返済支援制度等のご案内」。佐世保市・大村市・対馬市・壱岐市・五島市・西海市・雲仙市・南島原市・波佐見町・小値賀町・新上五島町の11市町分

これとは別に、県が自分の支援施策を1冊にまとめた令和8年度(2026年度)長崎県産業支援制度のご紹介があります。収録は49事業で、そのうち採用・人材確保に関わるものが11事業。県の枠を探すなら、課ごとのページより先にこの資料を開くほうが早いです。

市町の枠まで見比べる予定があるなら、上の3本を先にブックマークしておくと、途中で探し直さずに済みます。

Tips|県の一覧に出ない枠の拾い方

自社の市町名に「補助金 一覧」を足して商工のページを開いたら、企業立地・企業誘致、長寿介護、障がい福祉、農林のページも別々に開きます。長崎県では諫早市と大村市の雇用奨励金が企業誘致の側、南島原市の外国人雇用支援が農林課にありました。雇用・人材・確保のどれかが名前に入る行を書き出してから、費目を見にいく順番です。

21市町のうち枠があるのは18

長崎県の市町は13市8町の21あります。採用まわりの枠を確認できたのは、13市すべてと、長与町・東彼杵町・波佐見町・小値賀町・新上五島町の5町、あわせて18市町でした。

見つからなかったのは時津町、川棚町、佐々町の3町です。3町とも工場等設置奨励条例は持っていますが、確認できた範囲では税の優遇にとどまり、雇った人数に対して払う枠が見当たりませんでした。

ただし、この3町に枠が無いと言い切れるところまでは届いていません。3町に事業所がある方は、条例の本文だけでも町に取り寄せておかれると安心です。

商工の一覧だけを開くと、ここでも取り落とします。諫早市と大村市の雇用奨励金は企業誘致の担当課にあり、商工業と雇用・労働の一覧には出てきません。

諫早市は諫早市工場等設置奨励条例で正規雇用者1人につき50万円、大村市は大村市企業立地奨励補助金で正社員1人につき25万円です。部署が変わるとページがつながらなくなるので、商工の一覧を見て無いと決めないでください。

国の助成金は別の担当課で動く

国の助成金は、この86件と重なりません。出す先も、いつから動けるかの決まり方も別です。

県と市町の枠を調べるか、国の助成金を調べるかを決めかねている方は、先にどちらの範囲を見るかだけ決めておくと二度手間になりません。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

県の22件は雇用労働の課に3件だけ

県の枠は22件です。ひとまとめに並んだページはありません。

制度 所管と要点
長崎県魅力ある職場づくり推進補助金 雇用労働政策課。3分の2以内・上限300万円・下限30万円
人材確保・定着に向けた職場環境改善支援事業 雇用労働政策課。アドバイザーと講師の派遣(企業負担なし)
長崎県地域活性化雇用創造プロジェクト 雇用労働政策課。令和8〜10年度(2026〜2028年度)。企業向けメニューあり
副業・兼業人材活用促進補助金 未来人材課。報酬・交通費・宿泊費。宿泊費は1泊1万円まで
長崎県プロフェッショナル人材戦略拠点事業 未来人材課。県外のプロ人材を無料でマッチング
外国人材受入・定着促進補助金 未来人材課。実施は長崎市・佐世保市・雲仙市
外国人材スキルアップ支援補助金 未来人材課。3分の2・上限10万円
産業人材育成奨学金返済アシスト事業 未来人材課。返済額の2分の1以内・限度150万円
ながさきジョブシフト・チャレンジ事業 未来人材課。紹介予定派遣とオンライン就職フェア
誘致企業工場等設置補助金 企業振興課と県産業振興財団。限度30億円
オフィス系企業誘致事業補助金 同上。限度3億円
地場企業工場等立地促進補助金 企業振興課 成長産業育成班。限度30億円
雇用機会拡充事業 地域づくり推進課 離島振興班。4分の3・最大1,200万円
地域産業雇用創出チャレンジ支援事業補助金 地域づくり推進課。2分の1以内・上限200万円
特定地域づくり事業協同組合制度 地域づくり推進課。組合が雇って事業者に派遣する
長崎県外国人介護人材居住環境整備支援事業補助金 長寿社会課。令和8年度(2026年度)は対象者を拡大
外国人留学生(介護人材)への奨学金等支給支援事業 長寿社会課。事業所が留学生に出す奨学金等を支援
介護現場デジタル改革推進事業補助金 長寿社会課。2026年8月4日に募集終了
訪問看護ステーション人材確保事業補助金 医療人材対策室。訪問看護の未経験者を雇う事業所へ
医療勤務環境改善支援事業補助金 医療政策課。医療従事者の勤務環境改善
長崎県薬剤師奨学金返還支援制度 薬務行政室。対象施設に就業する薬学生へ
障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業費補助金 障害福祉課。2026年8月5日掲載

雇用労働政策課のページだけを開くと、手元に残るのは3件です。残りは未来人材課に6件、企業振興課と県産業振興財団に3件、地域づくり推進課に3件、長寿社会課に3件、医療人材対策室・医療政策課・薬務行政室・障害福祉課に1件ずつの計4件、と分かれてあります。

看板の22件から差し引くところも書いておきます。人材確保・定着に向けた職場環境改善支援事業と長崎県プロフェッショナル人材戦略拠点事業は、企業の持ち出しが出ない派遣とマッチングです。

この2件だけを無料の支援から件数に入れたのは、申請の前に通る手続きとして指定されているためです。プロフェッショナル人材戦略拠点は副業・兼業人材活用促進補助金を申請する前段にあたり、職場環境改善支援事業のアドバイザーはNぴか認証を通る過程で入ります。

どちらもお金は動きませんが、お金が動く枠にたどり着くまでの経路にあります。お金が動く枠に限れば県は20件です。

企業誘致の3件に求人広告と紹介手数料

県の22件のうち3件は、企業誘致と企業立地の担当です。誘致企業工場等設置補助金、オフィス系企業誘致事業補助金、地場企業工場等立地促進補助金です。前の2件は県の本体サイトではなく、長崎県産業振興財団の企業誘致推進本部が別ドメインで運営する「ながさき企業立地支援ガイド」に載っています。

誘致企業工場等設置補助金は限度30億円で、雇用の欄が新規雇用者1人あたり50万円から100万円。オフィス系企業誘致事業補助金は限度3億円で、新規雇用者1人あたり30万円から100万円です。

地場企業工場等立地促進補助金は投資額の3%から20%に新規雇用1人あたり50万円を足す形で、限度30億円のうち雇用の割増分が5億円までと決まっています。

前の2件には、雇用の単価とは別の行が付いています。「高度人材確保」の欄で、全国紙や専門誌等への求人情報の掲載に要した経費の50%と、有料職業紹介事業者を介した採用に要した経費の75%を見ます。

人材紹介の手数料を4分の3まで見る枠が、県の企業誘致の担当にあります。求人広告のほうは半分までです。ただし対象になるのは工場やオフィスを新設する場合なので、欠員の補充で使えるのは新設や増設の計画を持っている会社だけだと思われます。

離島の枠は窓口が自治体ごとに違う

雇用機会拡充事業は、有人国境離島法にもとづく県の制度です。補助率は4分の3で、上限は創業450万円、事業拡大1,200万円、設備投資を伴わない事業拡大900万円。

対象経費の運転資金の欄が、採用の費用を正面から見ています。先頭が「広告宣伝費(人材確保にかかる経費を含む)」で、人件費、従業員の教育訓練費、島外からの事業所・雇用従業員の移転費が続きます。「人材確保にかかる経費を含む」という括弧書きは、こちらの解釈ではなく県の資料にそのまま書かれている文言です。

申請の窓口は県庁ではなく、対馬市の政策企画課、壱岐市の商工振興課、五島市の商工雇用政策課、新上五島町の観光商工課、小値賀町の産業振興課、佐世保市の宇久行政センター産業建設課、西海市の島の暮らし支援室に分かれます。制度名で検索しても、自分の島の窓口にたどり着けるとは限りません。

対象になるのは雇用増を伴う創業か事業拡大で、欠員を補うための採用活動には使えません。それでも、通ったあとに動かせるのは採用の費用です。

県の資料には、平成29年度から令和7年度(2017年度から2025年度)までの雇用計画者数の累計が1,764人と載っています。これは交付を受けた事業者が計画に書いた人数の合計で、実際に採用に至った人数ではありません。

9年で1,764人ということは、7市町を合わせて年に200人前後の計画が通っている規模です。対象の島に事業所がある方は、県庁ではなく自分の島の窓口を先に確かめるのが早いはずです。

福祉と医療の課に7件ある

県の22件のうち7件は、産業労働部ではなく福祉保健部にあります。長寿社会課が3件、医療人材対策室・医療政策課・薬務行政室・障害福祉課が1件ずつです。

長寿社会課の3件は、外国人介護人材居住環境整備支援事業補助金、外国人留学生(介護人材)への奨学金等支給支援事業、介護現場デジタル改革推進事業補助金。このうち介護現場デジタル改革推進事業補助金は2026年8月4日に募集を終えています。

医療人材対策室の訪問看護ステーション人材確保事業補助金は、訪問看護の未経験者を雇う事業所が対象です。

医療政策課の医療勤務環境改善支援事業補助金は勤務環境の改善、薬務行政室の薬剤師奨学金返還支援制度は対象施設に就業する薬学生、障害福祉課の障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業費補助金は従事者の処遇改善に出ます。

介護と医療の枠は、商工のページからは1件もたどれません。あわせて、長寿社会課はNはーとという認証も持っています。県は、この認証を受けた事業所が介護人材の確保・定着に関する補助金等の採択で優遇されると書いています。

費用が動かないので件数には入れていませんが、先に取っておくと差が出る認証です。介護や医療で人を採る予定があるなら、商工のページを閉じて福祉保健部の担当課から開きましょう。

市町の64件は13市と5町にある

市町の側は64件でした。13市に54件、5町に10件です。

自治体 件数と中身
長崎市 7件。人材確保支援費と女性活躍職場環境改善(ともに2026年8月13日に募集終了)、外国人材受入・定着促進、企業連携型奨学金返還支援、企業立地奨励金、若年者等技能向上奨励金、海洋産業人材育成支援費
佐世保市 7件。西九州させぼ広域都市圏内就職促進、中小企業等人材育成支援、外国人材受入・定着促進、外国人IT人材雇用促進(令和8年度分が未掲載)、企業立地促進条例の雇用奨励金、奨学金等返還サポート、雇用機会拡充事業(宇久)
対馬市 6件。雇用機会拡充支援、インターンシップ人材確保支援、働き方改革推進、働きやすい職場認定制度奨励金、企業誘致に関する条例、奨学金返還支援
壱岐市 6件。雇用機会拡充事業、企業立地促進事業補助金の人件費補助、企業誘致条例、地域包括ケア人材確保支援、介護人材確保対策事業と介護人材支援事業、ふるさと就職支援事業
五島市 5件。雇用機会拡充支援、インターンシップ支援、企業立地及び雇用促進条例、中小企業退職金共済の掛金助成、ばらかもん奨学助成金
松浦市 4件。企業等PR動画制作支援、介護人材確保支援、企業立地奨励条例の雇用奨励金と情報処理産業奨励金
雲仙市 4件。商工業活性化推進の雇用対策事業、外国人就労環境等整備、障害者職場実習促進、工場等設置奨励に関する条例の雇用奨励金
新上五島町 4件。雇用機会拡充支援、情報通信関連企業立地促進の人件費補助、工場等設置奨励条例、若者新規就労支援奨励金
島原市 3件。企業立地の促進及び雇用の創出に関する条例、雇用拡大支援事業、サテライトオフィス等開設支援
平戸市 3件。企業立地奨励条例の雇用促進奨励金、中小企業等人材育成支援、オフィス開設支援
西海市 3件。企業立地奨励条例、雇用機会拡充事業(江島・平島)、介護人材確保対策事業
南島原市 3件。企業等設置奨励条例の雇用奨励金、外国人雇用支援、奨学資金償還補助金
大村市 2件。企業立地奨励補助金の雇用奨励補助金、中小企業者等人材育成支援
長与町 2件。企業立地促進助成条例の雇用促進助成金と建物等賃借助成金
小値賀町 2件。雇用機会拡充事業、おぢカモン支援事業
諫早市 1件。工場等設置奨励条例の雇用奨励金
東彼杵町 1件。工場等設置奨励条例の雇用相当分
波佐見町 1件。企業立地促進条例の雇用奨励金

長崎市と佐世保市の14件だけで、市町の64件の2割を超えます。自分の市町を探すときは、この表のあとに続く単価の節と、介護・外国人材の節まで見てください。1つの自治体の枠が2つの節に分かれて出てきます。

雇用の人数に単価が付くのが県と17市町

いちばん数が多いのは、雇った人数そのものに単価が付く枠です。県に3件、市町に18件、あわせて21件ありました。市町の側は17市町に及びます。載せたのは、企業立地や企業誘致の条例にもとづく枠です。

表は自治体ごとに1行なので17行で、松浦市だけが企業立地奨励条例の雇用奨励金と情報処理産業奨励金の2件を持っているため、行数より1件多くなります。

自治体 1人あたりの単価
県(誘致企業工場等設置・オフィス系企業誘致) 50万〜100万円/30万〜100万円
県(地場企業工場等立地促進) 50万円
長崎市 正社員50万円・非正規30万円・短時間15万円。障害者は50万円・30万円・20万円の加算
佐世保市 50万円(短時間15万円)。新卒者又はUIJターン者は10万円の加算
島原市 正社員50万円・短期雇用者25万円
諫早市 正規雇用者50万円
大村市 正社員25万円・正社員以外10万円
平戸市 30万円・20万円・10万円の3段階。採用時に30歳未満なら10万円の加算
松浦市 50万円(情報処理産業は平均雇用者数×50万円)
対馬市 正社員30万円・パート15万円。市内高卒者・移住者・障害者は10万円の加算
壱岐市 月額2万円×12か月の人件費補助
五島市 正規50万円・正規の新規学卒者60万円・非正規25万円・非正規の新規学卒者30万円
西海市 新規雇用従業員50万円(短時間25万円)・新規学卒雇用従業員50万円
雲仙市 30万円(正社員以外15万円)または20万円(同10万円)
南島原市 30万円
長与町 50万円(雇った合計人数から1人を除いた人数に付く)
東彼杵町 30万円
波佐見町 10万円(短時間労働者5万円)
新上五島町 15万円(情報通信関連の人件費補助)

雇った人数そのものに出る枠に限れば、1人あたりの単価がいちばん大きいのは100万円です。県の誘致企業工場等設置補助金とオフィス系企業誘致事業補助金が新規雇用者1人あたり最大100万円、長崎市企業立地奨励金は正社員50万円に障害者の加算50万円を足して100万円まで届きます。

次が60万円で、五島市の新規学卒者の正規雇用と、佐世保市の50万円に新卒者又はUIJターン者の加算10万円を足した額。正社員の基本の単価どうしで比べると、いちばん小さいのは平戸市・大村市・波佐見町の10万円です。このうち波佐見町は短時間労働者なら5万円まで下がります。

条例の外にも1件あります。島原市雇用拡大支援事業補助金は、新規学卒者1人につき5万円、UIターン者にも出る枠で、所管は商工振興課。企業立地の条例とは別立てなので、上の21件には数えていません。

この単価は、条例の指定を受けた新設や増設に伴う雇用に付くものです。長与町は操業開始の前後6か月の新規雇用で、町内に1年以上住み1年以上働き続けることが条件。波佐見町は5名以上を雇って1年以上継続すること、大村市は10人以上(コールセンターは20人以上)の雇用が条件です。

いま人を1人雇い足すだけでは、どれも届きません。単価の大きさを見比べるより、自社が条例の指定を受ける計画を持っているかどうかを先に決めておかれるとよいでしょう。

介護と外国人材は商工の外にある

産業のページからはたどれない担当課が、介護・福祉と外国人材の2つあります。

介護と福祉の側は、松浦市介護人材確保支援事業補助金(長寿介護課。人材紹介会社の紹介手数料と介護職員初任者研修費を新規雇用1人につき2分の1以内・上限50万円)、西海市介護人材確保対策事業補助金(長寿介護課。初任者研修と実務者研修の受講費用)。

ほかに壱岐市の地域包括ケア人材確保支援事業補助金・介護人材確保対策事業・介護人材支援事業(市民福祉課)、雲仙市障害者職場実習促進事業(福祉課)。障害者雇用を後押しする雲仙市の枠は、商工の一覧には出てきません。

外国人材の側は、長崎市外国人材受入・定着促進補助金(産業雇用政策課。2分の1・上限50万円、地域交流等促進事業のみ上限10万円)、佐世保市外国人材受入・定着促進補助金と佐世保市外国人IT人材雇用促進補助金(商工労働課。後者は令和8年度分の掲載を確認できていません)。

加えて雲仙市外国人就労環境等整備事業補助金(商工労政課)、南島原市外国人雇用支援事業補助金(農林課)。県の外国人材受入・定着促進補助金は、長崎市・佐世保市・雲仙市が実施主体になります。

長崎市は、申請できる補助金が全部閉じたわけではありません。人材確保支援費補助金と女性活躍職場環境改善補助金が2026年8月13日に募集を終えた一方で、外国人材受入・定着促進補助金は同じ月の時点で受け付けています。

外国人材の枠を見るなら、県と市の両方に同じ名前の枠がある前提で探すほうが取りこぼしません。

町の側にも10件ある

8町のうち5町に、あわせて10件ありました。新上五島町4件、長与町2件、小値賀町2件、東彼杵町1件、波佐見町1件です。

新上五島町は4件です。雇用機会拡充支援事業補助金(観光商工課。4分の3、創業450万円・事業拡大1,200万円・設備投資を伴わない事業拡大900万円)と、情報通信関連企業立地促進補助金の人件費補助(1人あたり15万円、1事業者3年間で1,000万円限度)。

残る2件が工場等設置奨励条例と、地域づくり課の若者新規就労支援奨励金です。

長与町は企業立地促進助成条例の雇用促進助成金(産業振興課。上限300万円)と建物等賃借助成金(賃借料の2分の1・上限100万円)で、後者は新たに雇った常時雇用従業員が使う施設の賃借料に出ます。

小値賀町は雇用機会拡充事業(産業振興課。令和8年度=2026年度の第1回公募は4月7日から5月29日)とおぢカモン支援事業。東彼杵町は工場等設置奨励条例で町内に住所を有する新規雇用者1人につき30万円、波佐見町は企業立地促進条例で雇用者1名につき10万円です。

町だから枠が無いと当たりを付けると、10件をまとめて見落とします。町に事業所がある方は、町のサイトの例規と商工のページを両方開いてみてください。

募集の費用に費目名があるのは19件

86件を、やろうとしていることの側から引き直します。募集や採用活動そのものにかかる費用に費目名を持つ枠は19件でした。県が4件、市町が15件です。

やること 費目名がある枠
求人広告・募集の広告宣伝費 12件。県の魅力ある職場づくり、誘致企業工場等設置、オフィス系企業誘致、雇用機会拡充事業と、その窓口を持つ7市町、雲仙市
採用サイト・自社求人ページの制作 2件。県の魅力ある職場づくり、雲仙市
採用動画・採用パンフレットの制作 3件。県の魅力ある職場づくり、長崎市の人材確保支援費(2026年8月13日に募集終了)、松浦市の企業等PR動画制作支援
就職イベント・合同説明会への出展 3件。県の魅力ある職場づくり、佐世保市の西九州させぼ、雲仙市
人材紹介手数料 3件。県の誘致企業工場等設置、オフィス系企業誘致、松浦市の介護人材確保支援
インターンシップの受け入れ 2件。対馬市、五島市
採用のための受講料・受験料 1件。対馬市の企業誘致に関する条例の人財確保奨励金
採用活動の代行にかかる委託費 0件

1つの制度が複数の費目に名前を出すので、縦の合計は19に収まりません。重ならないように数え直して19件です。

看板の19件から、対象を絞る条件を差し引いておきます。7件は雇用機会拡充事業の窓口を持つ7市町の分で、有人国境離島地域に限られます。県の誘致企業工場等設置補助金とオフィス系企業誘致事業補助金は工場やオフィスの新設が条件、雇用機会拡充事業は創業か事業拡大が条件です。

県の魅力ある職場づくり推進補助金は職場環境を直すハード経費が必須で、長崎市の人材確保支援費補助金は2026年8月13日に募集を終えています。佐世保市の西九州させぼは3事業者以上の実行委員会が申請者です。

1社の名前で、募集そのものの費用だけを並べて計画が組めるのは2件でした。雲仙市の上限30万円と、松浦市の上限25万円です。

対馬市の人財確保奨励金は企業誘致に関する条例の枠なので市の指定を受けることが条件で、対馬市・五島市のインターンシップの枠は受け入れが対象なので、募集の費用だけでは組めません。介護に限れば、松浦市の紹介手数料の枠がもう1件加わります。

金額を比べるときは、何に付いた上限かを見てください。19件の限度額を並べると次のようになります。

制度 限度額
誘致企業工場等設置補助金(県) 30億円。設備投資を含む補助金全体の額で、採用の費用に付いた上限ではない
オフィス系企業誘致事業補助金(県) 3億円。同じく補助金全体の額
雇用機会拡充事業(県と7市町) 創業450万円・事業拡大1,200万円・設備投資を伴わない事業拡大900万円
魅力ある職場づくり推進補助金(県) 300万円・下限30万円。発信の費用はハード経費の額を超えられない
対馬市人財確保奨励金 2分の1・1か年200万円
松浦市介護人材確保支援事業補助金 新規雇用1人につき2分の1以内・50万円
西九州させぼ広域都市圏内就職促進事業費補助金(佐世保市) 3分の1以内・30万円
雲仙市商工業活性化推進事業補助金の雇用対策事業 2分の1以内・30万円
松浦市企業等PR動画制作支援事業補助金 2分の1・25万円

対馬市・五島市のインターンシップの枠は、限度額を確かめられませんでした。長崎市人材確保支援費補助金のほうは、区分1・2が20万円、区分3・4が50万円で、それぞれ申請できるので合わせて70万円です。

額がいちばん大きい枠の上限額は、採用の費用に付いた数字ではありません。30億円や3億円の行を見て期待を上げると、採用の費用に戻ってくる額との落差で読み違えます。

県の枠は採用目的のホームページ制作費を名指し

長崎県魅力ある職場づくり推進補助金は、補助率3分の2以内、上限300万円・下限30万円。所管は産業労働部の雇用労働政策課で、申請期間は令和8年(2026年)6月1日から9月30日までです。

対象経費は3分類あり、そのうち3つ目が「人材確保に関する発信強化経費」です。申請の手引きが挙げている例示を並べます。

例示されている経費 書かれ方
採用サイト 採用を目的としたHPの制作・改修費
採用ツール 採用を目的としたPR動画や企業パンフレット、TVCMの制作費
求人広告 求人広告掲載やSNS運用代行に係る経費(事業期間内のものに限る)
求人媒体 就職ナビサイトの登録料
就職イベント 就職イベントへの出展費、参加料
設計まわり 発信強化、企業ブランディング、採用戦略、選考フロー、選考体制、内定者や入社後のフォローなどの構築に関する外部コンサルティング費

対象とならない経費の例示には「『売上増・販路拡大』等採用目的以外の広告宣伝・制作に係る経費」と書かれています。採用目的であることが対象の条件で、販路拡大のほうが外れる、という並びです。

県の枠で採用サイトや採用動画を作りたい方は、見積書の件名を採用目的と読める書き方にしてもらうところから始めておかれると安心です。

同じ県の枠でも、令和8年度(2026年度)長崎県デジタル力向上支援事業費補助金は反対です。申請の手引きの対象とならない経費の事例に「ホームページ、WEBアプリ、スマートフォンアプリ、社内システム等の開発・制作」の外注費用が並びます。

県の一覧に2件並んでいても、ホームページの扱いは真逆になります。ウェブまわりの費用は、制度ごとに見るしかないと思っておいてください。

県の上限300万円はハード経費に縛られる

同じ枠の対象経費は、①職場環境改善に関するハード経費 ②職場環境改善に関するソフト経費 ③人材確保に関する発信強化経費、の3分類です。募集要項には、①の実施が必須で、②と③はその合計額が①を超えない範囲で対象にできる、と書かれています。

組み方 対象になるか
採用サイトの制作費だけで申請する ハード経費が無いため成立しない
休憩室の改修100万円と採用サイト80万円 成立する(②と③の合計が①以下)
休憩室の改修50万円と採用サイト80万円 発信強化の側が①を超えるため、超えた分は対象外

採用の発信にいくら使えるかが、自社が入れる備品と工事の金額で決まります。ハード経費に当たるのは、職場環境の改善または労働者の負担軽減のための備品・機械装置・工具・器具の購入や改修、建築(改修)工事、機器のリース料です。

事務用のパソコンやスマートフォンなど汎用性が高いものは対象外と明記されています。

裏を返せば、職場を直す工事と採用の発信を1本の計画にまとめられる設計でもあります。上限300万円・下限30万円という幅は、その組み合わせを前提にした数字です。

採用サイトの制作費だけを単体で出す予定なら、この枠は初めから外して考えるほうが早いはずです。県の枠で採用サイトが対象になる条件を確かめたい方は、制度1本の側から読んでみてください。

参考記事:『【300万円】「長崎県魅力ある職場づくり推進補助金」は採用サイトに使える?必須条件と対象経費を解説!

雲仙市は求人広告費と自社求人サイトを見る

市町の側で、募集の費用をいちばんそのまま見ているのが雲仙市です。商工業活性化推進事業補助金には7つのメニューがあり、そのうち4つ目が雇用対策事業です。

対象事業は「市内事業者の雇用対策(採用活動、求人情報の発信等)に関する事業」。補助対象経費の例示は、求人広告費、自社求人ホームページの作成、就職説明会のブース出店費用です。補助率は2分の1以内、上限は30万円で、所管は商工労政課になります。

同じ補助金の創業支援事業や持続化支援事業は、雲仙市商工会の推薦書が要ります。雇用対策事業は推薦の対象に挙がっていないため、書類の作り方が別になります。申請受付は先着順で、予算額に到達した時点で終了です。

制度名からは採用の枠だと分かりません。7つのメニューのなかに埋め込まれているので、市の助成金・補助金の一覧を開いて初めて出てきます。

雲仙市で募集の費用だけを見てほしい方は、制度名で検索せず一覧から7つのメニューを開くのが確実です。

紹介手数料に費目があるのは3件

人材紹介の手数料は、自治体の補助金では対象外になることがほとんどです。長崎県内で費目を確認できたのは3件でした。

2件は県の企業誘致の担当です。誘致企業工場等設置補助金とオフィス系企業誘致事業補助金は、どちらも高度人材確保の欄に「有料職業紹介事業者を介した採用に要した経費×75%」と書いています。ただし対象になるのは工場やオフィスの新設で、欠員の補充には使えません。

3件目が松浦市介護人材確保支援事業補助金の、介護人材雇用支援事業のほうです。法人向けの枠で、補助対象経費は「人材紹介会社を利用した場合の紹介手数料」と、法人が負担した介護職員初任者研修の費用。新規雇用1人につき補助対象経費の2分の1以内、上限50万円です。

要件は1年以上の継続雇用で、申請期限は雇用してから1年を経過した日の翌日から6か月以内。先に払って、1年働いてもらってから申請する順番です。所管は長寿介護課の介護保険係で、商工の窓口ではありません。

介護職の採用で紹介会社を使う予定があるなら、雇い入れの前にこの枠を見ておきましょう。

採用活動の代行は対象外と書かれている

採用活動の代行にかかる委託費に費目名を持つ枠は、86件のなかにありませんでした。しかも1件は、対象外だと名指しで書いています。

長崎市人材確保支援費補助金の採用コンサルティング事業です。対象経費は採用戦略・選考フロー・選考体制・内定者や入社後のフォローなどの構築に関するコンサルティング費で、その末尾に「(採用代行に係る費用は対象外)」と付いています。

設計を手伝ってもらう費用は見るが、実務を代わりにやってもらう費用は見ない。ただし県の魅力ある職場づくり推進補助金は、ここが違います。外部コンサルティング費に加えて、広報費の側に「SNSでのPR強化(広告、投稿代行等)」が入っています。

運用を代わりにやってもらう費用が、名前で挙がっているということです。代行のうち、発信の実務は見て、採用の実務は見ない、という使い分けだと思われます。

ただし、募集の実務を外に出す費用がまったく見られていないわけではありません。県の誘致企業工場等設置補助金とオフィス系企業誘致事業補助金は、有料職業紹介事業者を介した採用の経費を4分の3まで見ます。人を探して連れてくる部分の外注費は、県の企業誘致の枠でだけ動かせる、ということです。

対象を決めているのは見積書でなく契約書

ここからが本題です。費目が合っていても、契約の形が違うと対象から外れます。長崎県内では、その条件が4つの制度でそれぞれ別の書面に書かれていました。

県は成果物が自社に帰属することを求める

長崎県魅力ある職場づくり推進補助金の対象経費の表には、委託料と工事費の欄に同じ注記が繰り返しあります。

「委託内容、金額等が明記された契約書等を締結し、委託する側である補助事業者に成果物等が帰属する必要がある」

口頭やメールでの発注では足りず、成果物が自社のものになる契約であることまでが条件です。申請の手引きの側にも「財産取得となるものは、所有権の帰属を明確にできる経費」という共通条件があり、実績報告では契約書(注文書及び請書)の写しを提出します。

制作の現場では、著作権を制作会社に残したまま利用許諾だけを受ける契約も普通にあります。金額が同じでも、その形だと帰属の要件に当たるかどうかが読めません。見積の比較に入る前に、権利の扱いをどう書くかを決めておく話になります。

もうひとつ、この枠には「一過性のものと認められるような支出が補助対象経費の大半を占める場合は、本事業の対象になりません」という条件があります。

単発の露出だけで組んだ計画は、この一文で引っかかる余地があると思われます。採用サイトのように残るものと組み合わせておくほうが安全です。

松浦市は媒体を絞った許諾を対象から外す

松浦市企業等PR動画制作支援事業補助金は、人材確保のためのPR動画の制作費を補助率2分の1・上限25万円で見る枠です。所管は産業振興課の企業・エネルギー係。ここでは、権利の条件が正面から書かれています。

補助対象経費の備考にこうあります。「著作権等により制作した動画素材がホームページや展示会での使用、動画サイト掲載など他の媒体や活用方法で使用できない場合は補助対象事業としない」

加えて、補助対象事業の要件に「松浦市が補助対象動画を使用することについて同意すること」が入ります。作った動画を市も使い、なおかつ自社が他の媒体でも使える。その両方が成立する契約でないと、動画が完成しても対象から外れます。

制作会社の見積では、使用範囲を絞った条件が標準のこともあります。テレビCM用の素材はCM放映の期間だけ、という形です。

撮影で使った音楽や出演した方の肖像も同じで、金額だけを比べて安いほうを選ぶと、あとから権利処理で止まります。松浦市で採用動画を作る予定の方は、5つある要件のどこで落ちやすいかを先に見ておいてください。

参考記事:『【上限25万円】「松浦市企業等PR動画制作支援事業補助金」は外注が必須?満たすべき5つの要件を解説!

佐世保市では契約の名義が団体になる

西九州させぼ広域都市圏内就職促進事業費補助金は、契約の主語そのものが変わる枠です。交付要綱第3条が求めるのは、市内企業を含む3事業者以上が主催者となって組織する実行委員会であること。1社の名前では申請書が出せません。

申請様式の第1号様式は「申請者住所/団体名/代表者氏名」の構成で、事業概要書の冒頭は実行委員会の代表事業所を書く欄になっています。チラシも看板も、発注するのは自社ではなく団体です。補助率は3分の1以内、限度額は30万円で、佐世保市を除く圏域内の企業が参加すると1市町ごとに5万円が上乗せされます。

対象経費は運営費・会場費・広告費の3区分9費目で、広告費に入るのはポスター及びチラシ作成費、フリーペーパー等への掲載費、看板制作費。イベントを開くための制作物は見ますが、自社の採用サイトや求人媒体の掲載料には費目がありません。

圏域の同業と一緒に合同説明会を開く構想がある方は、実行委員会の組み方から確かめておくと動きやすくなります。

参考記事:『【上限30万円】佐世保市「西九州させぼ広域都市圏内就職促進事業費補助金」は1社で申請できる?条件を解説!

雲仙市は3種類の書類の宛名を照合する

雲仙市は、契約の形をチェックリストで確かめる作りです。商工業活性化推進事業補助金の実績報告時チェックリストは公表されていて、納品書・請求書・領収書のそれぞれに同じ2項目が並びます。

確認される項目 3種類の書類での書かれ方
名義 宛名(振込名義)が申請者名義になっているか
日付 交付決定日以降かつ申請時の事業計画期間内の日付か

同じことを3回確かめる構成になっています。代表者の個人名で発注していた、グループ会社の名義で請求書が来ていた、といったずれは、ここで止まります。

書類の順番も決められていて、実績報告書の補助事業の実施期間は「発注日から納品日もしくは支払日のいずれか遅い方」と書く決まりです。発注書のない取引だと、この欄が埋まりません。

口頭で頼んで請求書だけ受け取る進め方は、この枠では通らないと思っておきましょう。

着手より前に条件がある

契約の中身と並んで差が出るのが、いつ契約したかと、契約の前に何を済ませていたかです。

交付決定より前の正式発注は外れる

86件を通して共通するのは、交付決定の前に着手した経費を対象外とする書き方でした。

雲仙市は「補助金交付決定前に事業着手(物品購入、工事の契約等)をした場合、補助対象となりません」。

長崎市は「事業着手(正式発注や契約、参加申し込み)前に交付申請を行っていただく必要があります」としたうえで、交付決定まで約2週間かかるため、着手の2週間前までの申請を求めています。

長崎県魅力ある職場づくり推進補助金は、交付決定日から令和9年(2027年)1月6日までに発注・納入・検収・支払いを終える設計です。

ただしこの枠には事前着手の特例があり、事前着手届出書(様式第5号)を交付申請書と一緒に出せば、令和8年(2026年)3月13日以降の経費が認められる場合があります。すでに発注した費用があるなら、あきらめる前にこの様式の有無を確かめてください。

五島市雇用機会拡充支援事業補助金は、さらに前に手続きがあります。応募を希望する場合は事前に必ず個別相談を受ける決まりで、完全予約制、相談時間は1時間以内。

令和8年度(2026年度)の第2回は6月1日から7月3日が相談受付で、締切は7月10日でした。相談の枠が埋まると申請そのものができないので、募集を見つけたらまず予約を確保しておきましょう。

県の申請条件にはNぴかと2つ以上の宣言がある

長崎県魅力ある職場づくり推進補助金には、費用の話に入る前の関門があります。補助対象者の要件のうち、2つが認証と宣言です。

  1. 「長崎県誰もが働きやすい職場づくり実践企業」認証制度(Nぴか認証)の認証を受けている、または3年以内に取得へ取り組む旨を宣言すること
  2. イクドリ!宣言・結婚子育て応援宣言・女性活躍推進企業・「健康経営」宣言・パートナーシップ構築宣言のうち2つ以上を宣言、またはくるみん・えるぼし・ユースエール・もにす認定・安全衛生優良企業認定・健康経営優良法人のいずれかの認定を受けていること

認証と宣言のどちらか片方だけでは、条件を満たせません。Nぴか認証は、県のページに「申請から認証までは早くても3〜4ヶ月以上を要します」と書かれており、未認証や申請中の場合は取得宣言書(様式第3号)を出す形になります。

2番目の宣言は、いずれも登録や申込で完了するものです。県のデジタル力向上支援事業費補助金でも、パートナーシップ構築宣言かNぴか認証のどちらかが条件に入っています。

採用の予定が固まっていない段階でも、宣言だけは先に済ませておける部分です。Nぴかは3〜4か月かかるので、県の枠を狙うなら取得宣言だけでも早めに出しておかれるとよいでしょう。

長崎市はエヌナビ新卒への登録を求める

長崎市人材確保支援費補助金は2026年8月13日に受付を終えていますが、対象になる条件はいま見ておく価値があります。年度が替われば同じ設計で立つ可能性があり、条件のほうは今日から満たしにいけるものだからです。

この補助金は、補助対象者の要件に「ながさき県内就職応援サイト『エヌナビ新卒』への企業情報の登録を行っていること」を挙げていました。

自社の求人を県のサイトに載せていることが、市の補助金を申請する条件になる形です。費目を確かめる前に、この登録が済んでいるかで対象かどうかが決まります。登録そのものに費用はかかりません。

県はこのエヌナビについて、リクルーティング・パートナーズ株式会社の採用マーケティングツールと連携し、Indeed等の求人検索エンジンにも配信されると書いています。無料で使える露出として、補助金とは別に効きます。

同じ市の枠では、実績報告の提出書類に「補助対象事業の契約日と契約内容を明らかにする書類」が入ります。加えて、補助金を使った年度の翌年度と翌々年度の4月に、事業の成果と新規学卒者等の採用状況を報告する決まりです。

1回の申請が3年つながる設計です。長崎市で採る予定があるなら、登録は無料なので年度の入れ替わりを待たずに済ませておくと安心です。

予算が尽きた時点で受付が終わる

期限が残っていても、枠が先に閉じます。長崎市の2件が、それを示しています。人材確保支援費補助金と女性活躍職場環境改善補助金は、どちらも申請期間が令和8年(2026年)4月1日から令和9年(2027年)2月28日まででした。

2026年8月13日時点では、いずれも見出し自体が「予算が上限に達しましたので募集を終了いたします」に変わっています。年度の半ばで、2月末を待たずに閉じたことになります。

他の枠も同じ書き方です。長崎県魅力ある職場づくり推進補助金は「予算額に達した場合は、申請受付を早期に終了することがあります」。雲仙市は先着順で予算額に到達した時点で終了、松浦市も予算の上限額に達した場合は受付を終了します。

県の魅力ある職場づくり推進補助金は、令和7年度3月補正(追加)予算(案)の概要に雇用労働政策課の事業として23億23百万円が載っています。財源は国の重点支援地方交付金です。

それでも、いま何割が埋まっているかを外から知る方法はありません。要件を満たしていても交付が約束されるわけではなく、公表された終了日は最も遅い可能性を示しているだけ、という前提で日程を組みましょう。

長崎市の枠を狙っていて2件とも閉じているのを見た方は、同じ設計が次の年度にどう立つかを制度1本の側から見ておいてください。

参考記事:『【上限50万円】「長崎市女性活躍職場環境改善補助金」は採用サイトに使える?対象になる費用を解説!

権利の行き先を決めてから発注する

長崎県内で確認できた86件のうち、採用動画や採用パンフレットの制作費に費目名があるのは3件でした。上限は松浦市の25万円から県の300万円まで開きますが、補助率は松浦市が2分の1、県が3分の2以内。予算の範囲内という条件も付くので、要件がそろっていても枠が埋まれば交付は出ません。

厚いのは、雇ったあとの側です。86件のうち21件が雇った人数そのものに単価を置き、その多くは条例の指定を受けることが条件でした。金額の欄を見比べるより、作ったものが誰に帰属し、どの媒体で使えるかを発注の前に決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人
【全86件】「長崎県」で採用に使える補助金は?対象の経費と契約の条件を解説! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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