【上限10万円】福島県「えるぼし・くるみん取得支援事業」は現金が出る?対象経費と認証を取る順番を解説!

「えるぼし・くるみん取得支援事業」で検索して福島県のページを開いたものの、名前に補助金とも助成金とも入っていないため、お金が出る話なのかどうかが分からないまま止まっていませんか。

本記事では、2026年8月時点の県の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!

この記事でわかること

  • どんな会社が申請できるのか?
  • 何に使えるのか?
  • いくら戻ってくるのか?
  • いつまでに、どう申請すればいいのか?
  • 認証を取ると、ほかに何が開くのか?

福島県内には、採用に使える制度がほかにもあります。市町村の制度まで含めると、この記事のものを含めて65件あるので、見比べたい方は県内を自治体別に整理した記事からどうぞ。

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採用サイトを作り直したい。費用の半分でも補助が出ないか。そう考えて市の「産業・ビジネス」を開き、補助金の一覧を上から下まで見て、そのまま閉じる。福島県内でこの順番をたどると、たいてい空振りです。 制度が無いからではありません。県の枠は商工の一覧ではなく、先に取っておく認証のページから枝分かれしてい

えるぼし・くるみん取得支援事業の概要

福島県の公式サイトにある「えるぼし・くるみん取得支援事業について」の案内ページ。えるぼし・くるみん認定を取得した企業への助成金交付を説明し、上限15,000円や助成金額の図解イラストと助成対象者の要件が示されている。

出典: 福島県「えるぼし・くるみん取得支援事業」のページ(2026年9月時点)

えるぼし・くるみん取得支援事業は、県の認証と国の認定をそろえた会社に、取得にかけた費用の4分の3と、認定そのものへの50万円が現金で出る制度です。

まず、全体像です。

補助金名 えるぼし・くるみん取得支援事業
相談先 福島県 商工労働部 雇用労政課
補助対象 認定取得前の社会保険労務士等の専門家の相談・支援に係る経費/認定取得後の広告掲載、企業案内のパンフレット作成及び配布、名刺やHP作成などの経費/えるぼし認定・くるみん認定の取得に対する奨励金
補助上限(補助率) 専門家派遣費は1回1万5千円・最大5回(対象経費の4分の3以内)・広報費は10万円(対象経費の4分の3以内)・奨励金は50万円(定額)。合わせて67万5千円
期限 当該年度の3月10日まで。専門家派遣費は認定取得前1年以内、広報費は認定取得後1年以内にかかった経費。奨励金の申請期間は認定された日から1年以内

申請できるのは、福島県次世代育成支援企業認証と、国のえるぼし認定またはくるみん認定を両方持っている会社だけです。どちらか片方しか持っていない会社は対象になりません。

「認証も認定も、うちにはまだない」と感じた方は、個別の制度を当たるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

ここから、対象になる会社、費目の中身、申請の期限と順番まで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。

対象は県の認証と国の認定を両方持つ会社

交付要綱の第3条は、対象事業者を「次の各号のいずれにも該当するもの」と定め、第1号に福島県次世代育成支援企業認証の取得、第2号にえるぼし認定またはくるみん認定の取得を置いています。「いずれにも」なので、県の認証と国の認定が両方そろって初めて申請できます。

第3条第2項は、暴力団または暴力団員等と、県税に未納がある者は交付申請ができないと定めています。一方で、資本金や従業員数、業種で対象を絞る条文は、この要綱にありません。

規模で外れる心配はしなくてよいと思われます。要綱が絞っているのは、認証と認定をそろえているかどうかの1本だけだからです。

トライくるみん認定は要綱が除いている

第3条第2号には、読み落とすと申請そのものができなくなる但し書きが付いています。

ただし、次世代育成支援対策推進法施行規則(平成15年厚生労働省令第122号)第4条第1項第3号の規定に基づく「トライくるみん認定」を除く。

省令の条番号まで挙げて名指しで除かれているのは、トライくるみん認定の1つだけです。くるみん認定を目指す途中でトライくるみんを取っている段階では、この助成金の対象にはなりません。

一方、プラチナくるみん認定・プラチナえるぼし認定を持つ会社がこの号を満たすのかは、要綱が触れていません。名指ししているのは女性活躍推進法第9条と次世代育成支援対策推進法第13条の認定で、特例の認定に当たる条文が無いためです。

県の認証は書類を出した翌週には下りない

いま認証を持っていない会社にとっては、ここからの日程が読みどころになります。認証は、書類を出した翌週に下りるものではありません。

受付は事業所の所在地を所管する地方振興局で、四半期ごとに区切られています。4月から6月の受付分は7月に訪問審査を経て7月末に認証、7月から9月の受付分は10月審査で10月末。以降も同じ間隔で続きます。

提出書類は2部で、次世代法・女性活躍推進法の両方の一般事業主行動計画の写しと、労働局の受付印または収受印がある策定届の写しを添えます。行動計画をまだ労働局へ出していない会社は、そこからさかのぼって日程を組む必要があります。認証を受けたあとも、2年に1度の取組状況報告書の提出が求められます。

採用の予定を立てるなら、認証の受付時期を先に確かめておきましょう。

対象経費は専門家への相談と広報の費用

出るお金は3つに分かれていて、そのうち経費を積み上げて請求するのは前の2つです。

1つ目は、認定を取る前に社会保険労務士などの専門家へ相談した費用です。要綱第4条第1号は「認定取得前の社会保険労務士等の専門家の相談・支援に係る経費」を対象とし、4分の3以内・1回あたり上限1万5千円・最大5回と定めています。

名前は「専門家派遣費」ですが、県が専門家を送り込んでくれる制度ではありません。費用を払うのは会社の側で、そのうちの4分の3が戻ってくる形です。様式第2号(請求額内訳)も、会社が払った経費を自分で書き込む欄になっています。

2つ目が広報費で、認定を取った後1年以内にかかった費用が対象です。こちらも4分の3以内で、上限は10万円。専門家への相談は認定の前、広報は認定の後と、時期で分かれています。

3つ目の奨励金は50万円の定額です。様式第2号でも、奨励金の行は所要経費も助成額も「――」で、請求額の欄にだけ500,000という数字が入っています。領収書を積み上げて請求する枠ではありません。

広報費の費目にHP作成とパンフレットがある

ここからが採用の担当者にとっての本題です。3つの枠のうち、採用にかけた費用に届く可能性があるのは広報費だけで、上限は10万円です。

要綱第4条第2号が名前を挙げている費目は、広告掲載、企業案内のパンフレット作成及び配布、名刺、そしてHP作成。ホームページの作成費が、要綱に費目名として書かれています。同じ並びは様式第1号の別紙にもあり、添付書類例として「HPの写し」が挙がっています。

ただし、この費目に掛かっている柱書きは「えるぼし・くるみん認定取得後の広報費」です。認定を取ったことを社外に伝える広報物、という位置づけになります。対象外の経費を並べた条文や別表は、要綱にも様式にもありません。

採用サイトの制作費が丸ごとこの広報費に入るのか、認定を紹介する部分だけなのかを切り分ける記述は、要綱にも様式にもありません。

とはいえ、採用目的だから外すという条文も見当たりません。認定を伝える面を採用ページの中に作る費用なら、広報費として出す余地はあると思われます。見積を取る前に、雇用労政課へ一度当てておかれると安心です。

戻るのは経費の4分の3・上限は67万5千円

補助率は、専門家への相談費用も広報費も、対象経費の4分の3以内です。様式第2号の注記は、経費は消費税を除いて数え、請求額の合計は千円未満を切り捨てると定めています。

税抜10万円の支出なら7万5千円が戻る計算で、補助率としては手厚いほうです。ただし枠ごとに上限があり、広報費は10万円で頭を打ちます。

上限を足すと、専門家への相談費用が1万5千円×5回で7万5千円、広報費が10万円、奨励金が50万円。合わせて67万5千円が、1社が受け取れる上限です。

例えば、認定を取ったあとに会社案内のパンフレットを税抜13万3千円で作り直したとします。4分の3は9万9,750円で、千円未満を切り捨てて9万9千円。上限10万円の手前にちょうど収まる額です。

名刺の刷り直しまで足せば上限に頭を打つので、はじめから10万円の枠に何を載せるかを決めてから見積を取るとよいでしょう。

10万円でも、認定を伝える面を作る年なら取りに行く価値はある

上限10万円は、採用サイトを1本作る費用には届きません。ただ、認定を取った年に名刺と会社案内を刷り直し、既存サイトに認定を紹介する面を足す程度の支出なら、その4分の3がそのまま戻ります。同じ申請書で奨励金50万円が並ぶことまで考えれば、広報費の10万円だけを見て小さいと切り捨てるのは、もったいないところです。

求人広告と人材紹介手数料に費目名は無い

採用の予算に載っている費用のうち、この制度で名前が確認できるものと、できないものを分けると次のようになります。

採用でかかる費用 この制度での扱い
採用サイト・ホームページの制作費 「HP作成」の費目名がある。柱書きは認定取得後の広報費
採用パンフレット・会社案内 「企業案内のパンフレット作成及び配布」の費目名がある
採用動画 費目名は無い
求人広告費・求人サイトの掲載料 費目名は無い。「広告掲載」はあるが、柱書きは認定取得後の広報費
人材紹介手数料 費目名は無い
採用活動の代行の委託費 費目名は無い
合同説明会の出展料 費目名は無い

この制度に載せられるのは、作って伝える側の費用だけです。人を集めるために外へ払う費用には、費目名が用意されていません。

求人サイトへの掲載料や人材紹介手数料はこの枠では見てもらえないと考えて、別の枠を当たるほうが早いはずです。

期限は当該年度の3月10日まで

要綱第5条は、当該年度の3月10日までに様式第1号で申請すると定めています。ただし年度の締切だけを見ていると、もう1つの期限のほうで落ちます。

枠ごとに、別々の1年が走っているためです。

経費や申請に付く期間
専門家への相談費用 認定を取得する前1年以内にかかった経費
広報費 認定を取得した後1年以内にかかった経費
奨励金 申請期間は認定された日から1年以内

認定日を基準に、前へ1年・後ろへ1年の窓が開く形です。年度の3月10日という締切とは別に、この1年の窓のほうが先に閉じることがあります。

Tips|認定が下りたら控えておくもの

認定の日付(前後1年の起算日になります)、専門家へ払った分と広報物へ払った分を分けた領収書、そして作った広報物そのものの写し。これらを認定の日から1か所にまとめておくと、申請書を書く段になって探し直さずに済みます。

申請は1回限りで添付書類は7点

要綱第5条には、金額より先に読んでおきたい一文が付いています。

なお、対象事業者が行うことのできる申請は、1回限りとする。

1回限りというのは、専門家への相談も広報費も奨励金も、別々には請求できないという意味です。様式第1号の助成金等の区分欄には「Ⅰ 認定取得前の専門家派遣費」「Ⅱ 認定取得後の広報費」「Ⅲ 認定取得奨励金」が並びます。

注記は「対象となる区分に〇をつけること 複数ある場合は複数に〇をつける」。1枚でまとめて出す設計です。

ここで順番を誤ると、取り返しがつきません。認定が下りた直後に奨励金50万円だけで申請してしまうと、そのあとに作った広報物の費用を足す機会は残らないと思われます。要綱に、出し直しを認める書き方が無いからです。

様式第1号は「交付申請書兼実績報告書」という名前のとおり、申請書と実績報告書を兼ねています。支出を済ませてから、実績にもとづいて申請する形です。交付決定を待って着手する制度ではありません。

添付するのは次の7点です。

  1. 請求額内訳(様式第2号)
  2. 事業実績を確認できる資料
  3. 経費の支出を確認できる領収書等の写し
  4. 振込先が分かる通帳の写し
  5. 暴力団排除に関する誓約書
  6. 県税に未納がないことを証明する納税証明書
  7. その他知事が必要と認める書類

交付は予算の範囲内で決まる

要綱第6条は、知事が申請内容を審査し、必要に応じて現地調査を行ったうえで交付の可否を通知すると定めています。要件を満たしていることと、交付が決まることは別の話です。

第2条には「予算の範囲内で助成金等を交付する」という一句も入っています。予算である以上、枠が埋まれば交付は止まります。

交付を受けたあとも、経費の収支を明らかにした書類・帳簿を、交付決定の通知を受けた日から5年間保存することが第11条で求められます。1回きりの申請が、5年残る記録になります。

同じ認証で開く枠はほかにもある

ここまで読んで「認証を取るところからか」と思われたかもしれません。その1枚で開くのは、この事業だけではありません。

福島県次世代育成支援企業認証制度のページは、認証のメリットの3番目に「『働きやすい職場環境づくり推進助成金』、『企業の魅力アップ奨励金』、『えるぼし・くるみん取得支援事業』を利用できます。」と書いています。

認証で開く制度 額と条件
働きやすい職場環境づくり推進助成金 4事業。すべての認証企業が対象の働きやすい職場環境づくり事業は4分の3以内・上限50万円。「働く女性応援」中小企業認証かつ認証要件3つ以上なら、社内の労働環境整備事業が上限100万円、オフィス改革事業が上限200万円。受付は第1期5月・第2期9月・第3期1月
企業の魅力アップ奨励金 3コース。女性活躍支援コースの「女性の積極採用」は、採用した労働者のうち女性の割合が20%以上で20万円。男性の育児休業取得促進は期間に応じて10万円から30万円。令和8年度分の申請は令和9年3月31日まで

国の認定というもう1段が要るのは、この3つのうちえるぼし・くるみん取得支援事業だけです。他の2つは認証だけで申請でき、額もこちらのほうが大きく取れます。

採用そのものが制度の中身に出てくるのも、企業の魅力アップ奨励金の「女性の積極採用」のほうです。この事業だけを狙って認証を取る会社は、そう多くないだろうと思われます。認証を先に置いて、開いた枠を順に見ていくほうが実態に合います。

問い合わせ先は県の雇用労政課

この事業の所管は、福島県商工労働部の雇用労政課です。認証の受付は事業所の所在地を所管する地方振興局ですが、助成金そのものの相談先はこの課になります。

申請の前に確かめておきたい点は、次の3つです。

  1. 採用サイトの制作費は上の見立てのとおり広報費に当てはまる余地があるが、どこまでが「認定取得後の広報」として認められるか
  2. 3つの枠を1枚で出すとき、認定が下りてからどのタイミングで申請するのが安全か
  3. プラチナくるみん認定・プラチナえるぼし認定を持っている場合に、第3条第2号を満たすものとして扱われるか

どれも要綱の条文だけでは決まらず、県の運用で決まる部分です。申請書を書き始める前に、この3点をまとめて雇用労政課へ当てておくとよいでしょう。

10万円の使い道より、認証を取る順番が効く

採用の費用に届くのは、上限10万円の広報費です。名刺と会社案内を刷り直す一式か、既存サイトに認定を伝える面を足すくらいの額で、採用サイトを1本作る費用には届きません。この助成金が支えているのは、人を集める費用ではなく、認定を取ったことを社外に伝える費用のほうです。

そのうえ、県の認証と国の認定をそろえ、3つの枠を1枚の申請書で1回だけ出す設計です。その手間まで含めて考えると、10万円の使い道を探すより、認証を取る時期と採用の予定を先に並べるほうが、返ってくるものは大きいはずです。

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この記事を書いた人
【上限10万円】福島県「えるぼし・くるみん取得支援事業」は現金が出る?対象経費と認証を取る順番を解説! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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