【全61件】「福岡県」で採用に使える補助金は?対象の費用と補助率をまとめて紹介!

採用サイトを作り直したい。費用の半分でも補助が出ないか。そう考えて、市のサイトの「産業・ビジネス」を開き、補助金の一覧を上から下まで見て、そのまま閉じる。福岡県内でこの順番をたどると、たいてい空振りに終わります。

制度が無いからではありません。採用サイトの制作費を名指しで見ている枠は介護や宿泊の一覧にありますし、県内でいちばん数が多い枠は、商工でも福祉でもなく企業誘致の担当課のページにあるからです。

以下は2026年8月時点で県と市町村が掲げていた内容です。まず、どこに何件あるのかから見ていきます。

この記事でわかること

  • 事業者の側が受け取れる採用まわりの枠は、福岡県内に何件あるのか?
  • いちばん数が多い枠は、どの担当課のページにあるのか?
  • 採用サイトの制作費に費目名がある5件は、商工と福祉のどちらの一覧にあるのか?
  • 補助率まで確かめられた枠で、率はどこからどこまで開いているのか?
  • 枠を確認できなかった28市町村は、制度が無いと言えるのか?

年度が替われば要件も金額も動きますし、予算の上限に届けば受付はその時点で閉じます。動くと決めたら、担当課のページで今の状態を確かめてください。

目次

福岡県で採用に使える補助金は61制度

県の商工・労働と福祉の一覧、市町村の商工・雇用・介護・観光・企業誘致のページを、60市町村すべてについて開きました。事業者や法人の側がお金を受け取れる採用まわりの枠として、2026年8月時点で内容を確認できたのは61件です。

区分 数と内訳
確認できた制度 61件(県9件・市町村52件)
制度を確認できた自治体 県と32市町村(23市・9町)
福岡県の市町村数 60市町村(29市29町2村。政令指定都市が2)
件数の多い自治体 北九州市と久留米市が各5件。宗像市4件、福岡市と直方市が各3件。柳川市・大川市・飯塚市・うきは市・遠賀町が各2件、ほか22市町が各1件
直接開けた枠 43件。残る18件は企業立地の索引にしか名前が出てきません

この61件は、県内にある枠の全部ではありません。索引にしか名前が出てこない枠が18件あり、事業者向けの一覧まで届いていない自治体が28あります。以下の件数は、そこまで届いた下限として読んでください。

索引でしか名前を確認していない18件は、金額と要件を自社で各自治体のページから取り直します。

国の助成金は、この61件とは別の枠組みで動きます。窓口も、動ける時期の決まり方も重なりません。県と市町村の枠に自社の費目が見当たらないなら、国の側まで広げて全体像から確かめるほうが早いはずです。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

この記事が数えたのは会社に入るお金

この記事の対象は、募集の露出・採用ツール・採用活動の経費に費目名がある枠と、雇用や人材確保・定着を目的に掲げて事業者に出る枠です。しかも、受け取るのが事業者・法人の側であるものに限りました。

雇った人数に応じて出る奨励金も1件として数えています。「新しく雇った市民1人につき何万円」という形で、会社の口座に入るお金だからです。このどこまでを数えるかで、県内の件数は大きく動きます。

逆に外したのは、求職者本人・移住者本人・受講者本人に渡るお金です。表に名前が出てくる自治体でも、交付の通知が本人あてに届く枠しか無ければ、この記事の対象には入っていません。

自社が探しているお金が、会社に入るものか働く人に入るものか。そこだけ先に分けてから一覧を開きましょう。

県の9件は商工と福祉と立地に散る

県の枠は9件です。ひとまとめのページには並んでいません。

制度 上限と採用まわりの費目
奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業補助金 2分の1以内・1企業50万円。従業員の奨学金を会社が代理返還した額
長期有償型インターンシップ受入支援補助金 2分の1以内・上限5万円。受け入れた学生に払う賃金
ものづくり企業オープンファクトリー化受入環境整備支援補助金 2分の1以内。工場を見せるための受入環境の整備
副業・兼業人材活用促進事業費補助金 10分の8以内・上限50万円。紹介手数料・報酬・交通費
よかパパ育休助成金 定額10万円。男性従業員の育休取得
外国人材受入企業支援補助金 2分の1以内・上限30万円。技能実習生獲得に向けたPR動画、パンフレットの作成費用
訪問介護サービス人材確保事業費補助金 1事業者グループ150万〜200万円。人材募集や一括採用、職場の魅力発信
外国人留学生奨学金等支援事業費補助金 介護施設等が外国人留学生に支給する奨学金等
企業立地促進交付金の雇用分 県民1名につき30万円。交付申請の様式に「人材採用経費内訳書」がある

所管は中小企業経営支援課、商工政策課、女性活躍推進の担当、高齢者地域包括ケア推進課、企業立地課に分かれます。県だけでも5つの課に分かれていて、1本の一覧では追えません。

「外国人材受入企業支援補助金」は、窓口が県ではなく福岡県中小企業団体中央会です。申請期限は令和8年11月30日必着、予算に達し次第終了と案内されています。

県の枠を当たるなら、9件のうち3件が福祉と立地の側にしかないので、産業のページだけで終わらせないほうが取りこぼしがないと思われます。

28市町村は事業者向けの一覧まで届いていない

60市町村のうち、事業者向けの採用・雇用まわりの枠を確認できたのは32でした。確認できなかったのは6市・20町・2村の28です。市は中間市・春日市・大野城市・福津市・嘉麻市・朝倉市。

町は宇美町・篠栗町・志免町・須恵町・新宮町・久山町・粕屋町・芦屋町・水巻町・岡垣町・鞍手町・桂川町・大刀洗町・大木町・広川町・香春町・添田町・川崎町・大任町・みやこ町。村は東峰村と赤村です。

ただし、この28に一律の意味はありません。下の表は「どこまで当たれたか」の記録で、性格の違いを表したものではありません。同じ町が2行に出てくることがあります。

どこまで当たれたか 自治体
企業立地の索引に載っているが、固定資産税の課税免除だけで奨励金の記載が無かった 中間市・宇美町・芦屋町・水巻町・岡垣町・鞍手町・桂川町・大刀洗町・大木町・香春町・添田町・川崎町・みやこ町・東峰村
索引に企業誘致の施策は出ているが、雇用に出る枠かどうかを現行ページで確認できていない 春日市・福津市・嘉麻市・朝倉市・新宮町・志免町・久山町・篠栗町・大任町
事業者向け支援制度の一覧そのものに到達できていない 宇美町・篠栗町・志免町・須恵町・新宮町・久山町・粕屋町・赤村・広川町

糟屋郡の宇美町・篠栗町・志免町・新宮町・久山町は、索引では名前が出るのに一覧に届いていないので、上の表に2回出てきます。取りこぼしが残っているとすれば、まず糟屋郡です。

大野城市はどの行にも入りません。介護職員初任者研修の受講費を見る枠は見つけましたが、交付の通知が受講者本人あてに届くため、この記事の数え方からは外れます。

いずれも、無いと確かめたのではなく、公開されている範囲から取れなかった、という意味になります。自社の市町村がこの28に入っていても、枠が無いと決まったわけではないので、市町村のページで事業者向けの一覧を探すのが先です。

市町村の枠は県の一覧からは辿れない

市町村の枠を1枚で見比べたいと思っても、県の側からは辿れません。福岡県企業立地情報サイトの優遇制度一覧には、「市町村の優遇制度(補助金・融資)」「市町村の優遇制度(税)」という一覧表への案内があります。

ところがどちらもリンク先が入っておらず、クリックしても何も起きません。県が市町村の枠を1枚に並べた表を持っていながら、事業者の側からは開けない状態です。

窓口をまたぐとページからたどれなくなる。その切れ方が、いちばん上流の県の一覧でも起きています。61件を下限としか書けない理由も、ここに戻ります。

県の一覧が直るのを待つより、自社の市町村のページを1つずつ開くのが早道です。

Tips|自分の市町村の枠を探すとき

福岡県内の担当課は、商工・産業振興・企画と名前が揃っていません。市町村名に「補助金 一覧」を足して事業者向けのページを開き、費目が出ていなければ交付要綱のPDFまで開きます。企業誘致の枠は補助金の一覧に出てこないことがあるので、別に確かめてください。

制度の担当課は誘致と商工と福祉に分かれる

61件を、制度の根拠と窓口の担当課でまとめ直すと、4つに分かれます。探す場所を決めた時点で、拾える枠の性格が決まってしまいます。

担当課 制度
企業立地・企業誘致の条例に付く枠 33件(県1件・市町村32件)
商工・経済・雇用の担当課 22件(県6件・市町村16件)
福祉(介護保険・障害福祉・高齢者地域包括ケア) 5件(県2件・市町村3件)
観光の担当課 1件(福岡市)

企業誘致の条例に付くのが33件

いちばん数が多いのがこれです。市町村の側は32件あり、うち31件が雇用奨励金・雇用促進奨励金という名前、残る1件が遠賀町の従業員転入奨励金。県の企業立地促進交付金の雇用分を足して33件になります。

この32件を置いているのは31市町で、2件あるのは遠賀町だけです。市は北九州市・福岡市・大牟田市・久留米市・直方市・飯塚市・田川市・柳川市・八女市・筑後市・大川市・行橋市・豊前市・小郡市・筑紫野市・宗像市・古賀市・うきは市・宮若市・みやま市・糸島市・那珂川市の22市。

町は遠賀町・小竹町・筑前町・糸田町・福智町・苅田町・吉富町・上毛町・築上町の9町です。

金額には幅があります。現行のページや市町の規則まで開けた側では、遠賀町が新規雇用の従業員1人につき20万円・上限200万円、筑紫野市が1人20万円・上限1,000万円、苅田町と田川市と行橋市が限度額3,000万円、宮若市と築上町が1人50万円。

限度額の3,000万円は、採用活動費に出る枠の上限とは桁が2つ違います。一方で、索引でしか名前を確認していない側には、那珂川市の1人10万円・上限100万円のように小さい枠も並びます。

事業所の新設や増設の予定があるなら、商工より先に企業誘致の担当課へ当たるのが近道です。

商工の窓口には22件が並ぶ

商工・経済・雇用の担当課にあるのが22件。県の6件と市町村の16件で、市町村の側は北九州市4件、久留米市4件、直方市2件、福岡市・飯塚市・柳川市・大川市・宗像市・うきは市が各1件です。

中身は採用活動そのものの費用に出る補助金と、奨学金の返還支援、副業・兼業人材の活用、外国人材の受入環境の整備です。

金額の桁は誘致の枠と違います。上限は15万円から50万円に集まり、補助率も2分の1が中心。ただし費目の書かれ方は、こちらのほうが採用の実務に近いところまで降りてきます。

求人掲載の費用、合同説明会の出展費、人材紹介手数料といった名前が、対象経費の欄に直接出てきます。今年の募集費用を軽くしたいなら、まずこの22件の側から確かめてください。

福祉と観光の担当課は業種で決まる

残る6件は、産業やビジネスの階層にありません。市の介護保険課と福祉政策課、県の高齢者地域包括ケア推進課、市の観光産業課のページにあります。

探しにくい理由は単純で、業種の側から入らないと辿り着けないからです。

業種 開く一覧
介護サービス・障害福祉サービス 市の介護保険課・福祉政策課。県は高齢者地域包括ケア推進課
宿泊業(旅館業) 市の観光の担当課
製造業 県の商工政策課。協議会への加入が前提の枠が2件
外国人材を雇用している事業者 県の中小企業経営支援課と、市の国際政策の担当課
事業所を新設・増設する事業者 市町村の企業誘致・企業立地の担当課
上記に当たらない中小企業 市町村の商工・雇用の担当課

自社が介護・障害福祉・宿泊・製造のどれかに当たるなら、商工の一覧より先に業種の担当課のページを開きましょう。

誘致の枠は採用の費用には出ない

数がいちばん多く、金額もいちばん大きい。それなら誘致の枠から当たればいい、とはなりません。性格が違うからです。

この33件は、採用にいくら使ったかではなく、何人雇ったかに対して出ます。筑後市は新設・増設に併せて3人以上、飯塚市は5人以上、豊前市は市民10名以上という人数の下限を置いています。

その多くが「1年以上継続して雇用し、1年以上その市町村に住んでいること」を条件にしていて、交付は雇用から1年後という設計です。

今年の募集費用を軽くする枠ではありません。ただ、事業所を建てる計画が動いているなら、採用の人数がそのまま交付額に効きます。設備投資と採用計画を別々に立てている会社ほど、この枠は落ちます。

設備投資の計画があるなら、採用の人数を計画に書き込む段階で誘致の担当課に確かめておかれると安心です。

採用サイトの制作費に名前が付くのは5制度

やることごとに、費目名を持つ制度がいくつあるかを数えました。数えられるのは対象経費まで開けた枠だけで、誘致の33件は要綱のPDFまで開いていないものが残ります。下の数はいずれも下限です。

やること 費目名を確認できた制度
採用サイト・採用ページの制作や改修 5件(宗像市の介護と障害福祉/太宰府市/福岡市の宿泊/北九州市の団体向け)
求人広告・求人媒体の掲載料 4件(宗像市の介護と障害福祉とがんばる/福岡市の宿泊)
合同説明会・就職フェアへの出展 5件(久留米市/宗像市の介護と障害福祉とがんばる/福岡市の宿泊)
職場見学・職業体験の受け入れ 1件(柳川市のオープンカンパニー等支援)
採用動画・パンフレット等の採用ツール 4件(福岡市の宿泊/北九州市の団体向け/宗像市の障害福祉/県の外国人材受入企業支援)
人材紹介手数料 3件(太宰府市/県の副業・兼業/直方市の副業・兼業)
スポットワーク事業者への手数料 2件(宗像市の介護と障害福祉)
採用活動の代行にかかる委託費 0件(名指しの記載を確認できず)

縦に足しても61件にはなりません。1つの制度が複数の費目に名前を出しますし、そもそも対象経費まで読めた枠しか数えていないからです。

採用サイトの制作費に名前がある5件のうち、商工の一覧にあるのは北九州市の1件だけです。

宗像の2件は求人広告費まで名指しする

採用サイトの制作費に費目名がある5件を、書かれ方ごとに並べます。

制度 採用まわりの費目の書かれ方
宗像市 介護人材確保・定着事業補助金 ホームページ等の新規作成、改修又は運用を専門業者に委託する費用/介護職員の求人に係る広告宣伝費用
宗像市 障害福祉人材確保・定着事業補助金 法人または施設・事業所のホームページ等の新規作成や改修、運用を専門業者に委託する費用/求人にかかる広告宣伝費用
太宰府市 介護人材確保定着事業補助金 ホームページ改良費用(採用のための改良であること)
福岡市 宿泊事業者受入環境充実支援補助金 採用広報ツール制作/求人広告/人材募集イベント出展
北九州市 中小企業人材確保支援助成金 委託料の内容に「チラシ・ホームページ等の作成」

宗像市の2件は、市の福祉政策課と介護の担当が所管しています。サイトの制作費と求人の広告費が、同じ表のなかに並びます。

介護のほうには就職フェア等への出展費用とスポットワーク事業者への手数料まで入り、後者は1会計年度あたり5万円が限度です。

障害福祉のほうには、費目に条件が1行付いています。ホームページ等は「ページ内で宗像市内の施設・事業所の求人情報が確認できるものに限ります」。

法人のコーポレートサイトを作るだけでは足りず、求人情報が載っている状態が求められます。申請は窓口への持参のみで、郵送はできません。

宗像市で介護か障害福祉の事業所を運営しているなら、この2件を当たるだけで足ります。

太宰府は採用のための改良と条件を付ける

太宰府市の枠は、条件の付き方がさらにはっきりしています。人材確保魅力発信のPRに必要な経費の筆頭が「ホームページ改良費用」で、そこに「採用のための改良であること」という要件が添えられています。

これは、商工に並ぶ枠と正反対の書き方です。ホームページの制作費を見る補助金は目的要件に販路開拓やPRを置くものが多く、そうなると採用ページは対象から外れます。

所管は健康福祉部の介護保険課で、原則として事業の実施前に申請が要ります。

同じ枠には人材紹介手数料も入っていますが、発注先が指定されています。厚生労働省の適正な有料職業紹介事業者の認定を受けた事業者であること。費用の名前だけでなく、支払う相手まで見られます。

太宰府市で当てにいくなら、採用のための改良だと説明できる形に見積を分けておくのが先です。

福岡市の枠は宿泊税を財源にしている

福岡市の「宿泊事業者受入環境充実支援補助金」は、対象事業が6つに分かれていて、そのうち5つ目が「人材確保・育成」です。対象経費の例に、人材募集イベント出展、採用広報ツール制作、求人広告、社内研修開催、社外研修参加が並びます。

補助率は2分の1以内で、上限額は客室数で決まります。1室から29室で40万円、150室以上で300万円。

採用活動そのものの費用に出る枠に限れば、この300万円が県内でいちばん大きい上限です。誘致の枠には限度額3,000万円のものがありますが、あちらは経費ではなく雇った人数に対して出るお金なので、同じ列には並びません。

ただし対象は狭く、旅館業を営み、かつ福岡市宿泊税条例に基づく納入申告書を提出している事業者に限られます。所管は経済観光文化局の観光産業課。

宿泊税の申告をしている事業者なら、商工の一覧を探すより観光産業課のページを開くほうが早いです。

商工の窓口の枠は求人を出す費用で止まる

では商工の側に何も無いのかというと、そうではありません。ただ、費目の届く範囲が違います。

宗像市の「がんばる中小企業者応援補助金」は、人材活用に係る経費というまとまりに「求人掲載に係る費用」を名指しで置いています。一方で、採用サイトの制作費は8つある経費のまとまりの例示に名前がありません。

北九州市の「中小企業人材確保支援助成金」は委託料に「チラシ・ホームページ等の作成」を置いていますが、申請できるのは中小企業団体だけです。

久留米市の人材確保支援事業費補助金は、対象が合同会社説明会・就職面談会等への出展費用だけです。柳川市のオープンカンパニー等支援事業補助金は、職場見学や職業体験の受け入れに補助率2分の1・上限20万円。

うきは市は令和8年4月に新設した雇用支援補助金で、市外から採用して市内に住民登録した従業員1人につき50万円を出します。

商工の窓口の枠は、募集を出す費用までは見ます。その先の、応募が来たあとに見られる受け皿の費用には名前がありません。北九州市でホームページの作成費に補助を当てたい方は、団体の要件と対象事業の7区分をこちらで確かめてください。

参考記事:『【上限40万円】北九州市「中小企業人材確保支援助成金」は自社で使える?対象になる事業と経費を解説!

補助率は2分の1から10分の10まで動く

窓口が変わると、費目だけでなく金額の出方も変わります。

率まで確かめられたのは19件

61件のうち、補助率が数字で書かれていることを確認できたのは19件でした。残りは率ではなく、1人あたりの単価や1グループあたりの基準額、あるいは上限額だけで決まります。

補助率 制度
10分の10 3件。宗像市の介護と障害福祉、太宰府市の介護
10分の8 1件。県の副業・兼業人材活用促進
3分の2 2件。北九州市の企業型奨学金返還支援、飯塚市の外国人材受入環境整備
2分の1 11件。県4件(奨学金返還助成・インターンシップ・オープンファクトリー・外国人材受入企業支援)と市町村7件(北九州市の中小企業人材確保支援、福岡市の宿泊と奨学金返還、宗像市のがんばる、直方市の副業・兼業と企業型奨学金返還支援、柳川市のオープンカンパニー)
定額 2件。県のよかパパ育休10万円、久留米市の奨学金代理返還導入奨励金30万円

表の数え方だけ書いておきます。宗像市のがんばるは市内事業者への発注分だけ3分の2に上がりますが、原則の2分の1で1件と数えました。県の訪問介護と北九州市の「65歳超雇用応援補助金」は、経費に対する率では決まらないので19件の外です。

自社の見積に率を当てる前に、その枠が経費で出るのか人数で出るのかを見ておくと早く済みます。

福祉の3件は経費の全額を見る

宗像市の福祉の2件は、経費の全額が対象になる10分の10の補助率です。上限額は介護が30万円、障害福祉が20万円。介護は市内で3か所以上の事業所を運営していれば40万円まで上がります。

上限に届く範囲では自己負担が出ない書き方で、県内の他の枠とは前提が違います。

太宰府市の枠も、率で切らずに経費の合計を見る形です。交付規則の第5条が「補助金の額は、別表に掲げる補助対象事業のうち、当該法人等が取り組む事業に必要な経費の合計とし、200,000円を限度とする」と定めています。

上限の20万円までなら、かかった費用はそのまま戻る枠だと読めます。市のページに出ているのは上限額だけなので、率を2分の1と決めつけると見積を読み違えます。

率が10分の10なので、介護と障害福祉の事業所であれば、上限の手前までは全額が戻る前提で見積を組んでよいと思われます。

同じ県内で金額は600倍開く

上限額の幅も広く取られています。いちばん小さいのは県の長期有償型インターンシップ受入支援補助金の上限5万円。いちばん大きいのは田川市・行橋市・苅田町の限度額3,000万円で、600倍の開きです。

ただし、この両端を比べる意味は薄いものです。5万円は学生を10日以上受け入れたときの賃金で、3,000万円は事業所を新設して市民を何十人も雇い続けたときの上限です。

採用活動の費用に出る枠だけで並べ直すと、上限は県の5万円から福岡市の300万円に収まります。桁を見るなら、まず自社が経費で当てにいくのか、人数で当てにいくのかを決めてからです。

申請の前に済ませておく手続きが並ぶ

費目が合っていても、そこから先に進めない枠があります。少なくとも7件は、申請書を出す前に別の手続きが挟まります。

制度 申請より前に要るもの
県 長期有償型インターンシップ受入支援補助金 県が事務局を務める協議会等への加入
県 ものづくり企業オープンファクトリー化受入環境整備支援補助金 同上(交付要綱第2条に16の協議会等を列挙)
県 副業・兼業人材活用促進事業費補助金 福岡県プロフェッショナル人材戦略拠点を通じた受入であること
県 よかパパ育休助成金 子育て応援宣言企業への登録
北九州市 65歳超雇用応援補助金 国の65歳超雇用推進助成金の支給決定通知
北九州市 中小企業人材確保支援助成金 4以上の事業者で構成する中小企業団体であること
福岡市 宿泊事業者受入環境充実支援補助金 宿泊税条例に基づく納入申告書の提出

県の4制度は先に入る器が決まっている

県の枠のうち4件は、申請の前提が「どこかに名前を置いていること」です。インターンシップとオープンファクトリーの2件は、県が事務局を務める協議会等への加入が交付対象者の要件で、しかも日本標準産業分類のE製造業に限られます。

副業・兼業の枠は、県のプロフェッショナル人材戦略拠点を通じて初めて副業・兼業人材を受け入れる場合が対象です。補助率は10分の8以内・上限50万円と県内でいちばん厚く、対象経費に紹介手数料が正面から入っています。

ただし契約期間は6か月が上限で、2回目以降は使えません。

よかパパ育休助成金は、子育て応援宣言企業への登録が給付対象の要件です。登録そのものに費用はかからないので、当たる枠が無いと分かった年度に登録だけ済ませておく、という順番が取れます。

今年に使える枠が見つからなくても、登録と加入だけは先に済ませておきましょう。

北九州の1件は国の決定通知が先に要る

北九州市の65歳超雇用応援補助金は、性質が違います。国の65歳超雇用推進助成金の支給決定を受けた事業場に、その支給決定額の2分の1(上限25万円)を上乗せする制度です。

市の申請書に、国から届いた支給決定通知書の写しを添えることになっています。国の助成金の審査が先にあり、そこを通らないと市の枠には手が届きません。

令和8年度に新設された枠で、申請は令和8年5月1日から令和9年3月10日必着です。

こうした上乗せ型は、国の側の日程がそのまま自社の日程になります。定年の引上げ等の実施日から4か月以内に国へ申請し、支給決定を受け、それから市へ。さかのぼって日程を組む起点は市ではなく国の窓口です。

発注先まで指定されている費目がある

費用の名前が合っていても、支払う相手で外れる書き方もあります。

太宰府市の人材紹介手数料は、厚生労働省の認定を受けた職業紹介事業者への支払いに限られます。県の副業・兼業の枠はプロ拠点が紹介する人材が対象で、直方市の副業・兼業人材活用支援補助金も、実績報告に人材紹介事業者への申込みを証する書類を求めます。

飯塚市の外国人材受入環境整備事業費補助金は委託料の中身が「外国人材の母国語への翻訳料等」で、ホームページの制作や採用広報の費用は対象経費に挙がっていません。

どの費用がどの費目に当たるかを決めるのは、制度を持つ県と市町村の担当課です。見積を取る前に交付要綱を開いて、担当課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。

4月に始まって5月に閉じた枠がある

もう1つ、日程の面で差が出ることがあります。ほとんどが、予算の範囲内で交付する書き方をしています。そのうえ、枠そのものが小さい制度があります。

北九州市の中小企業人材確保支援助成金は上限40万円ですが、令和8年度の当初予算は70万円。2団体が上限まで使えば埋まります。宗像市のがんばる中小企業者応援補助金は令和8年度の予算が1,100万円で、令和6年度は16件・572万6千円を交付しました。

この年度の実例が1件あります。北九州市の職場環境整備助成金は、令和8年4月6日から随時受付を始め、令和9年2月26日までという日付が示されていました。

ところが2026年5月27日の更新で、予算に達したため募集を終了した旨が掲示されています。受付開始から2か月経たずに閉じた計算です。

日付が残っていても、そこまで受け付けられるとは限りません。年度の後半に検討を始めるなら、まず担当課に受付の状況を聞くところからです。宗像市で求人掲載の費用に補助を当てたい方は、交付決定より前に着手してよい2つの事業をこちらで確かめてください。

参考記事:『【上限20万円】宗像市「がんばる中小企業者応援補助金」は交付決定前に着手できる?対象になる経費を解説!

入社したあとの人に付く枠が8制度ある

最後に、費目のうえでは採用の外にあるのに、採用の話として相談が来る枠を挙げておきます。

奨学金返還支援は県と5市にある

制度 補助率と上限
県 奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業補助金 2分の1以内・1企業あたり50万円
北九州市 企業型奨学金返還支援補助金 3分の2以内・年間60万円(人数の制限なし)
福岡市 中小企業奨学金返還支援事業補助金 原則2分の1・1年度あたり1企業50万円
久留米市 奨学金代理返還支援制度導入奨励金 定額30万円(制度を新たに導入した事業者へ)
直方市 企業型奨学金返還支援事業補助金 2分の1・1事業者あたり年間15万円
大川市 奨学金代理返還企業応援金 1人あたり年間最大10万円・1事業者あたり年間50万円

奨学金返還支援は県と5市の6件。雇用奨励金を別にすれば、いちばん数が多い類型です。

北九州市は令和8年度から補助率を3分の2に引き上げていて、対象は採用後3年以内の正社員です。大川市は目的に「市内中小企業等の採用力強化」と書き、求人票に『奨学金支援制度あり』と記載できる点まで案内に載せています。

いずれも、明文化された社内規定や就業規則で返還支援の制度を設けていることが前提になります。制度を作ってから使う枠で、募集を出す時点では手元にありません。

来年の募集に間に合わせるなら、規定の整備から先に動く必要があります。

久留米は県との併用を明記している

久留米市の奨励金は、制度を新たに導入したこと自体に30万円が出る形です。市の案内には、県の補助金とあわせて申請できる旨が書かれています。

一方で、対象から外れる条件が付いているところもあります。北九州市の枠は、支援対象となる従業員の要件に「他の団体から重複して奨学金返還支援を受けていない者」を挙げています。

久留米市の奨励金も、同一年度内に他の導入支援の交付金等を受けていないことが交付対象者の要件です。会社の側で重ねられる話と、従業員1人の側で重ねられる話は、別に読んでおく必要があります。

採用の予算には足せない

この6件に、県の長期有償型インターンシップ受入支援補助金と遠賀町の従業員転入奨励金を合わせると8件です。県のインターンシップは、対象経費が学生に払う賃金の総支給額です。

遠賀町の枠は、事業所の新設等に伴って既存の正規雇用の従業員が町内へ転入した場合に1人20万円・上限200万円が出ます。いずれも、募集にいくら使ったかではなく、入った人にいくら払ったかで金額が決まります。

だとすると、当て方も変わります。求人媒体の見積書を持って窓口へ行っても、この8件には届きません。効くのは求人票の側です。

奨学金の返還を会社が肩代わりする、という一行を条件欄に書けるかどうか。補助が付くのは制度を作ったあとの負担で、その制度を作るかどうかは補助金とは別の判断です。

採用サイトの5件より、どの担当課に当たるかが先

福岡県内で拾えた61制度のうち、採用サイトの制作費が費目に入るのは5件です。上限は20万円から40万円に並び、客室数で決まる宿泊の枠だけが300万円。補助率は3件が10分の10、2件が2分の1です。どれも予算の範囲内で、枠が尽きれば期限を待たずに止まります。

ただし全額が戻る3件は介護と障害福祉の事業所に限られ、上限がいちばん大きい枠は旅館業だけ。商工の一覧にある1件は、中小企業団体でなければ申請できません。制作費に補助が付くかより、自社がどの担当課に当たるのかを先に決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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【全61件】「福岡県」で採用に使える補助金は?対象の費用と補助率をまとめて紹介! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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