【上限30万円】「日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金」は併願できる?申請の流れを解説!

「日立市 採用 補助金」で検索して本制度に行き当たったものの、制度名に「人的資本経営」とあるせいで、自社の採用の費用が乗るのかどうか分からないまま止まっていませんか。

本記事では、2026年8月時点の市の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!

この記事でわかること

  • 補助対象になるのはどんな会社か?
  • 何に払ったお金が対象になるのか?
  • いくらまで戻ってくるのか?
  • どんな取組なら申請できるのか?
  • 求人広告や採用サイトの費用は使えるのか?

日立市には、採用に使える制度がほかにもあります。この記事のものを含めて6件あるので、見比べたい方は茨城県内を自治体別に整理した記事からどうぞ。

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市の補助金一覧を開いても、並んでいるのは設備投資と販路拡大ばかり。採用に使えそうな行が見当たらない……。 そう見えるのは、採用に効く枠が商工の担当課だけにあるわけではないからです。県内を1自治体ずつ確かめ直すと、制度は思っていたよりずっと多く残りました。 この記事では、拾えた制度を担当課と地域と

日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金の概要

日立市の公式サイトにある「日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金」の申請案内ページ。人材の力の強化や活用促進に取り組む中小企業を支援すると説明し、競争力強化・課題解決支援金とは1事業者1つのみ申請可能と注記されている。

出典: 日立市「日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金」のページ(2026年9月時点)

「日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金」は、人材の力を強くする取組や外部人材の活用にお金を使ったとき、その3分の1(上限30万円)が戻ってくる制度です。

まず、全体像です。

補助金名 令和8年度 日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金
相談先 日立市 産業経済部 商工振興課 工業振興係
補助対象 旅費、謝金、備品費、研修訓練費、委託・外注費、その他諸経費(通信運搬費、人材紹介手数料、印刷製本 等)
補助上限(補助率) 30万円(補助対象経費の3分の1以内・千円未満切捨て)
期限 令和8年11月30日まで(先着順・期日前に締め切る場合あり)。事業を実施したあとでも申請できる

注意したいのは、募集要領が並べる経費の区切りに、求人広告費や求人サイトの掲載料に当たる費目が無いことです。採用サイトの制作費も名前が挙がっていないので、募集の露出にかけたお金はこの制度の対象から外れると見ておくほうが安全です。

「うちの採用の話とは少しずれていそうだ」と感じた方は、個別の制度を当たるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

ここから、対象になる会社や使える取組の中身、申請の順番や予算まで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。

対象は中小企業者と各種組合等

対象は、中小企業基本法で定める中小企業者と、各種組合等です。中小企業等協同組合、協業組合、商工組合、商店街振興組合、生活衛生協同組合、農業協同組合、漁業協同組合、森林組合などが、組合の側に並びます。

市税を滞納していないことも条件です。申請書には、市の職員が市税の収納状況を確かめることへの同意欄が付いています。

もう1つ、大企業から出資を受けている会社は、中小企業の大きさでもみなし大企業として外れます。線は、発行済株式の総数か出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が持つ場合と、3分の2以上を大企業が持つ場合です。

株主に大企業がいない会社であれば、会社の大きさで外れる心配はしなくてよいでしょう。

対象経費は人材紹介手数料に名前がある

補助対象経費は、募集要領が次のように区切っています。

経費区分 募集要領の記載
旅費 事業を行うために必要な国内出張及び海外出張に係る経費(交通費、宿泊費)
謝金 事業を行うために必要な謝金(外部専門家、研修講師等に対する謝金)
備品費 事業を行うために必要な物品の購入、製造、リース・レンタルに必要な経費
研修訓練費 研修訓練機関等に支払う受講料、資格試験の際の受験料
委託・外注費 ほかの事業者に委託・外注するために必要な経費
その他諸経費 事業を行うために必要な上記以外の経費(通信運搬費、人材紹介手数料、印刷製本 等)

採用の実務で差が出るのは、いちばん下の行です。その他諸経費の例示に、人材紹介手数料がそのまま入っています。紹介手数料を対象外と定める制度が多いなかで、名前を出して拾っている書き方です。

もう1つが委託・外注費で、「ほかの事業者に委託・外注するために必要な経費」とだけ書かれています。委託先を市内の事業者に限る、登録事業者に限るといった条件は、募集要領にも申請様式にもありません。

ただし、どの経費も後で見る5つの取組のどれかに載る事業であることが前提です。費目に名前があるかどうかより先に、どの取組として出すかを決める順番になります。

戻るのは税抜経費の3分の1・上限30万円

補助率は補助対象経費の3分の1以内で、上限は30万円です。掛ける相手は税抜の金額になります。募集要領の経費に関する注意事項に、補助事業において支払う消費税は補助対象外と書かれているためです。

上限の30万円に届くのは、税抜90万円の経費を積んだときです。補助率が2分の1の制度なら60万円で届く水準なので、同じ30万円を受け取るのに、ひと回り大きい事業を組む形になります。

例えば、人材紹介会社へ紹介手数料を税抜60万円払ったなら、戻るのは3分の1の20万円です。千円未満は切り捨てで、事業計画書の交付申請額の欄にも「Aの1/3以内(千円未満切り捨て)」と刷り込まれています。

市が公表している事業計画書の記載例は、謝金80万円と委託外注費130万円で合計210万円を積み、交付申請額を30万円としています。補助率と上限の両方が効く形を、公式の記載例そのものが示しています。

30万円は小さく見えても、外部人材や研修にもともと出す年なら取りに行く価値はある

補助率が3分の1なので、満額を取るには税抜90万円の事業が要ります。新しく予算を作ってまで組む額ではありません。ただ、専門家に助言をもらう、社員に資格を取らせる、紹介会社を使って人を迎える。そのどれかを今年やると決めている会社なら、負担の3分の1が戻る事実はそのまま効いてきます。

使えるのは5つの取組に載る事業だけ

補助対象事業は「中小企業を支える人材の力の強化や、外部人材の活用により、企業活動を活性化させる事業」です。募集要領は、例として次を挙げています。

# 補助対象事業の例
副業兼業人材の活用により、課題解決や企業活動の活性化を図る取組
メンタルヘルスケアなど、健康的に働ける職場環境づくりに向けた医師や専門家の指導・助言を受ける取組
性別・年齢・国籍問わず誰もが働きやすい職場づくりへの設備導入・施設改修等
技能訓練、資格取得、組織マネジメント研修など、人材の育成を図る取組
人材の定着や育成を目的とした人事評価制度の整備を図る取組

並べてみると、採用そのものを名指しした取組が1つもないことに気づきます。それでも採用の文脈で使えるのは、事業計画書の数値目標の記入例に「新規で〇人採用」が挙がっているからです。採用人数を目標に置く書き方は、公式の様式が想定しています。

募集要領が掲げる目的も、販路開拓や売上づくりではなく人材の育成や確保にあります。募集が集まらない会社も、入った人が続かない会社も、打ち手はこの5つのどこかに置けるはずです。

研修の受講が対象になるのは従業員だけ

人材の育成で使うなら、研修訓練費でどこまでが対象かを先に見ておきます。対象になるのは従業員が受講した場合に限られ、役員は外れます。

参考図書やビデオ教材、技能訓練に使う加工部材も対象外です。ただし研修機関から購入する教材は対象になります。普通自動車免許のような、事業以外でも使える資格も外れます。

未経験で採って育てる方針に切り替えるなら、この枠が受け皿になります。誰がどの研修を受けるかを先に決めておきましょう。

設備や施設に使うなら新規雇用を書く

③の設備導入・施設改修には、条件が付いています。募集要領にも市の案内にも「※③を実施の場合、従業員の新規雇用について事業計画で明記すること」という注記があります。

設備や施設に手を入れるなら、それが誰の雇用につながるのかまで事業計画に書くという設計です。女性用の更衣室を整える、外国人材が読める表示にする、高齢の従業員でも扱える機器に替える。新しく人を迎えるための工事として書けるなら、この取組に載ります。

備品費には別の条件もあります。汎用性があり目的外使用になり得るものは対象外で、事務用のパソコンやタブレット端末、デジタル複合機などが例示に並びます。補助事業のみに使うことが明らかなものは除く、という但し書きも付いています。

いま働いている人のための改修として書くと、注記との整合が取りにくくなると思われます。採用につながる工事として組み立てておきましょう。

求人広告と採用サイトの費用は費目にない

募集要領の経費の並びには、求人広告費や求人サイトの掲載料に当たる費目がありません。その他諸経費は「上記以外の経費」という受け皿ですが、例示に挙がるのは通信運搬費・人材紹介手数料・印刷製本です。募集の露出そのものにお金を出す制度ではないと思われます。

採用サイトの制作費も同じで、募集要領にも申請様式にも、ホームページやウェブサイトという語が費目として挙がっていません。委託・外注費は中身を限定していないので載せる筋がまったく無いわけではありませんが、載せる先の取組を5つの中から選ぶ必要があり、採用サイトの制作をそのまま置ける取組は並んでいません。

人を集めるための制作費は、この制度より別の枠を確かめるほうが早いと思われます。見積を固める前に、商工振興課へ一度確認しておかれると安心です。

同じ日立市には、上限80万円の中小企業競争力強化支援事業補助金があります。そちらの補助対象事業には「自社の商品・サービス・技術の販路を開拓するための展示会出展やHP開設等」という例示が入っています。

HP開設という語が出るのは、人的資本経営支援ではなく競争力強化支援のほうです。ただしその例示は「販路を開拓するための」という目的とセットで書かれていて、採用のためのサイトがそちらに載るかどうかまでは決まりません。

採用サイトの制作費を当てたい方は、上限の大きい競争力強化支援のほうから確かめておくと、判断の順番がつかみやすいはずです。

参考記事:『【上限80万円】「日立市中小企業競争力強化支援事業補助金」で採用サイトは対象?対象になる費用を解説!

3つの補助金から選べるのは1つだけ

この制度でいちばん先に効く制約は、対象経費でも金額でもありません。日立市の3つの補助金は、1事業者につきどれか1つしか申請できません。市の案内と募集要領の1頁目に、同じ内容の注記があります。

制度名 補助上限額
日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金 30万円
日立市中小企業競争力強化支援事業補助金 80万円
日立市中小企業課題解決支援事業補助金 80万円

補助率はいずれも3分の1以内で、申請期間も令和8年5月11日から11月30日までで共通です。違うのは上限額と、対象になる事業の中身になります。

排他になっているのは、交付申請書の補助事業の名称が「日立市中小企業経営基盤強化支援事業(日立市中小企業人的資本経営支援事業)」で、同じ要綱の下にあるためです。制度が3つ並んでいるのではなく、1つの制度にメニューが3つあると見るほうが近いところです。

選ぶ順番は、金額ではなく、その事業をどちらの目的で説明できるかになります。採用そのものを目的に書くなら、受け皿は上限30万円のこの制度に絞られると考えてよいでしょう。

期限は11月30日・発注日で切られる

申請の受付は令和8年5月11日から11月30日までです。ただし日付だけを見てさかのぼって日程を組むと足をすくわれます。市は申請期間に「(先着順)」と添えたうえで、先着順なので期日前に募集を締め切る場合がある、と注記しています。

実際の締切は、11月30日か予算が尽きた日か、早いほうです。

もう1つ、補助対象期間は令和8年4月1日に始まって令和9年2月28日に終わります。そのうえで募集要領の委託・外注費には、補助対象期間外に発注・契約・購入を行った経費はいかなる理由があっても対象外となる、と書かれています。

支払日ではなく、発注や契約の日で切られます。令和8年3月に発注して4月に支払った委託費は、支払いが期間内でも対象になりません。採用の取組は年度の切り替わりに合わせて動き出すことが多いので、期首の発注日だけは契約書の日付で確かめておきましょう。

Tips|発注に判を押す前に控えておくもの

  • 発注書や契約書に入れた日付(補助対象期間の中に入っているかを見ます)
  • 見積書と、その金額が税抜か税込か
  • 事業の実施・経費の支払い・報告までが令和9年2月末に収まるかどうか

申請は事前でも事後でもできる

補助金は交付決定より前に着手すると対象外になる制度が多いのですが、この制度には事業を実施したあとで申請する経路が用意されています。募集要領の補助事業の流れが、2通り並記されています。

経路 流れ
事業実施前に申請する場合 交付申請 → 審査手続き → 交付決定 → 事業の実施と経費の支払い → 実績報告 → 審査手続き → 補助金確定 → 補助金の振込
事業実施後に申請する場合 事業の実施と経費の支払い → 交付申請 → 審査手続き → 交付決定 → 補助金の振込

提出する書類も経路で変わります。事業実施前なら交付申請書(様式第1号)・事業計画書(様式第2号)・補助事業の金額及び内容が確認できる資料。事業実施後なら交付申請書・事業報告書(様式第3号)・支払いを証明できる資料です。

どちらの経路でも、いったん自社で全額を払ってから戻ってくる順序です。事業実施前の経路では、交付決定後に内容が変わるときに計画変更申請が要り、承認を経ずに実施した分は対象になりません。

すでに動き出している取組でも道が残っている点は、この制度の使いどころだと思われます。発注の日付さえ補助対象期間の中に入っていれば、後からでも拾えます。

予算は3制度あわせて2,760万円

市の令和8年度の当初予算では、3つの制度をまとめた経営基盤強化支援事業に2,760万円が計上されています。この制度の上限30万円で割ると92社分です。ただし3制度の合計なので、人的資本経営支援だけで92社分が確保されているわけではありません。

先着順である以上、枠が埋まれば受付は止まります。書類が整っていても、埋まったあとでは受け取れません。動くと決めた段階で、商工振興課へ受付状況を尋ねてみてください。

申請は同一年度内に1事業者あたり1回までです。なお、年度が変われば要件も金額も組み替えられます。申請へ進む前に、日立市の公式ページで最新の内容をご確認ください。

問い合わせ先は商工振興課 工業振興係

本制度の所管は、日立市 産業経済部の商工振興課 工業振興係です。

資料を読み込んでも決まらない箇所は残ります。申請の前に確かめておきたいのは、次の2点です。

  1. 正社員の採用で払った人材紹介手数料が、5つの補助対象事業のどれに載るか
  2. 国や県の制度と組み合わせるとき、どこまでを同一の経費と見るか

同じ経費を2つの制度に載せることはできませんが、経費が分かれていれば別々に出す余地はあります。どこまでを同一と見るかは運用で決まるので、組み合わせるつもりなら先に電話を入れておくほうが、手戻りは少なくて済みます。

30万円より先に、なぜ人が採れないのかを言葉にする

本制度の上限は30万円です。補助率は3分の1なので、この制度が軽くするのは税抜90万円までの支出の3分の1です。目的も人材の力を強くすることにあって、人を集めるための費用には費目の名前がありません。

申請には、経費の内訳より先に、自社の課題と数値目標を書く事業計画書が要ります。同じ年度に競争力強化支援も課題解決支援も選べないので、どのメニューで出すかも先に決まります。その手間まで含めて考えると、30万円の使い道を探すより、人が採れない理由を先に言葉にするほうが、返ってくるものは大きいはずです。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人
【上限30万円】「日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金」は併願できる?申請の流れを解説! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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