採用面接のやり方|流れ・進め方と面接官の心得【中小企業向け】

「面接のやり方を、誰かに教わったことがない」——中小企業では、これが普通だと思います。社長や現場責任者が、自分が受けてきた面接の記憶を頼りに、感覚で面接をしている。それで採れていた時代もありましたが、いまは状況が変わりました。求職者は複数の会社を並べて比較し、面接での印象まで含めて応募先を選んでいます。面接は、こちらが見極める場であると同時に、こちらが選ばれている場でもあるわけです。

この記事では、採用面接のやり方を「準備 → 当日の流れ → 面接官の心得」の順に整理します。質問リストそのものは別記事に譲り、ここでは面接という時間をどう設計して進めるか、に絞ってお話しします。

採用面接の役割|見極めと志望度醸成の両立

採用面接の目的は2つあります。自社に合う人かを見極めること、そして応募者の志望度を上げることです。この2つは同時に追うものであって、どちらかを選ぶものではありません。見極めに偏った「品定めの面接」は応募者の心が離れ、口説きに偏った「良い顔だけの面接」はミスマッチを招きます。

とくに中小企業では、面接がほぼ唯一の接点になることが多く、ここでの体験がそのまま会社の印象になります。内定を出しても辞退される、という悩みの原因をたどると、面接時点の印象に行き着くケースが少なくありません。「落とすための面接」から「見極めながら選ばれる面接」へ。この前提を置いたうえで、具体的な流れに入ります。

採用面接の流れ|面接の質は前日までに決まる

当日のテクニックより先に効くのが準備です。やることは3つ。評価基準のすり合わせ、応募書類の読み込み、日程調整とリマインドです。

  • 評価基準をすり合わせる:何を見て合否を決めるのかを、面接前に言葉にしておきます。ここが曖昧だと、面接官ごとに評価がばらつき、「なんとなく良かった」で決める属人面接になります。評価項目の型は評価のばらつきを防ぐ項目の型で整理しています
  • 応募書類を読み込んでおく:当日その場で初めて履歴書を開くのは、思っている以上に応募者に伝わります。事前に読み、「この経歴のここを聞きたい」という当たりをつけておくだけで、面接の密度が変わります
  • 日程調整とリマインド:応募から面接までの間隔が空くほど、辞退や無断キャンセルは増えます。連絡は速く、前日に一本リマインドを。このあたりの実務は連絡設計とリマインドの実務が参考になります

当日の進め方|60分の基本形

当日の流れは、「アイスブレイク → 会社側からの説明 → 質問 → 逆質問 → クロージング」の5段構成が基本形です。時間配分の目安は60分。そして面接官が話すのは全体の2〜3割、残りは応募者に話してもらう。この比率だけでも意識すると、面接は大きく変わります。

  1. アイスブレイク(5分):来社のお礼、道中の話など、選考と関係ない雑談から入ります。目的は場を和ませること自体ではなく、正確な見極めのためです。緊張で固まった応募者からは、本来の姿が見えません
  2. 会社側からの説明(10分):事業と募集背景を簡潔に。ここで話しすぎないのがコツです
  3. 質問(25分):面接の中心です。ポイントは、意見ではなく過去の行動を聞くこと。「協調性はありますか」ではなく「前職でチームがうまく回らなかったとき、どう動きましたか」と聞き、答えに対して「そのとき何を考えましたか」と深掘りしていく。行動の事実は、その場で取り繕いにくいからです。何を聞くかの具体的なリストは見極めと口説きを両立する質問と評価観点にまとめています
  4. 逆質問(10分):応募者からの質問は、疑問解消と同時に志望度を上げる機会です。「何でも聞いてください」で終わらせず、質問の背景にある不安(残業、人間関係、教育体制)まで汲んで答えます
  5. クロージング(10分):次の選考の流れと連絡時期を、その場で明確に伝えます。「追って連絡します」だけで終わる面接は、応募者を不安にさせます

面接官の心得|見極める前に、見られている

進め方の型と同じくらい結果を左右するのが、面接官の振る舞いです。応募者の入社意欲は、面接の内容そのものより「面接官の印象」で動きます。心得として5つに絞ってお伝えします。

  1. 面接官の印象=会社の印象と心得る:応募者にとって面接官は、その会社で初めて深く話す社員です。横柄な態度や興味のなさそうな相槌は、そのまま「入社後の上司の姿」として記憶されます
  2. 話しやすい場をつくるのは面接官の仕事:応募者が本音を話せないのは、応募者のせいではありません。アイスブレイクも深掘りも、場をほどく責任は面接官側にあります
  3. 感覚ではなく基準で評価する:「自分と似ているから良く見える」「声が大きいから元気に見える」といった印象のクセは、誰にでもあります。だからこそ事前に決めた評価基準に立ち返ります
  4. 聞いてはいけない質問を知っておく:本籍・出生地、家族の職業や収入、住宅状況、思想・信条、支持政党などは、応募者の適性・能力と関係のない事項であり、就職差別につながるおそれがあるとして厚生労働省が配慮を求めている領域です(※1)。悪気なく聞いてしまいやすいものほど危険です

<small>※1 厚生労働省は、本人に責任のない事項(本籍・出生地、家族、住宅状況、生活環境・家庭環境)、本来自由であるべき事項(宗教、支持政党、人生観・生活信条、思想、購読新聞・愛読書など)、および身元調査や合理的必要性のない健康診断の実施を、採用選考時に配慮すべき事項として挙げている。参考:厚生労働省 公正採用選考特設サイト「採用選考時に配慮すべき事項」 https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/consider.html </small>

  1. 合否連絡までが面接:連絡が遅い会社は、それだけで選択肢から外れていきます。合否にかかわらず、約束した期日までに連絡する。不合格の方への対応も、地域での会社の評判をつくります

代行の現場で徹底しているのは、まず速さです。弊社の支援先では各媒体の応募状況を1日3回確認する運用を敷いており、支援先37社の実績でも、応募から一次選考ステップへの移行は中央値2日でした(応募と一次選考の両方が記録された456名の集計)。

裏返しの例もあります。岐阜市の電気工事会社では、資格を持つ応募者に内定を出したものの、面接から内定まで3週間かかり、辞退という結果になりました。

求職者は応募先を11社ほど並行して持って動くのが一般的です。 企業側が「うちに入りたい前提」で構えられる状況ではありません。面接のやり方を磨く前に、まず日程が空いていないかを見てください。

採用面接のやり方でよくある質問

Q1: 1. 面接は何回行うべきですか

中小企業なら2回が現実的な目安です。1回だと見極めも相互理解も浅くなりがちで、3回以上は選考期間が延びて辞退リスクが上がります。回数より「各回で何を見るか」の役割分担を決めることが先です。

Q2: 2. 1回あたりの時間はどれくらいが適切ですか

45〜60分が目安です。30分では深掘りの時間が取れず、応募者側も「ちゃんと見てもらえていない」と感じやすくなります。

Q3: 3. オンライン面接でも見極められますか

一次面接なら十分機能します。ただし職場の空気や現場との相性は画面越しに伝わりにくいので、最終面接は対面で、職場見学とセットにするのがおすすめです。

面接の改善は、応募があって初めて活きる

ここまで、採用面接のやり方を準備・当日の流れ・心得の順に見てきました。どれも明日から直せるものですが、最後に一つだけ、順番の話をしておきます。面接は採用活動の終盤の工程です。手前の露出や母集団形成が細っていれば、磨いた面接力を発揮する相手がそもそも来ません。自社の詰まりが面接なのか、その手前なのか。全体像から確かめたい方は、こちらの記事が地図になります。

ちなみに弊社では、採用活動の代行の一環として、書類選考から一次面談までを客観的な第三者の立場で代行しています。「面接に割く時間がない」「評価が面接官任せになっている」という会社ほど、一次面談を外に出し、自社は最終の見極めに集中する形が機能します。もちろん、全部をお任せいただく必要はありません。面接フローの整理だけでも、現状をうかがったうえでご提案します。

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この記事を書いた人
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たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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