【全14件】「三重県」で採用に使える補助金は?対象経費と無料枠を整理

採用にお金をかけたくて、三重県のページも市のページも開いてみた。それなのに、採用サイトや求人広告に出る枠が見当たらない……。

そこで「三重県には無いのだ」と結論を出す前に、もう一段だけ見てほしいところがあります。三重県は、お金の出し方そのものが他県と違う形をしています。

ここでは、県内の枠を「どういう形でお金が出るか」という順に並べ直しました。では見ていきましょう。

この記事でわかること

  • 三重県内で企業が受け取れて採用まわりに使える枠は、何件あるのか?
  • 採用サイトや採用ページの制作費に費目名を持つ枠は、14件のうち何件か?
  • 求人サイトの掲載料に名前がある1件は、どの部署が担当しているのか?
  • 残る枠は、費用と人のどちらに対してお金を出しているのか?
  • 掲載料も出展料も取らない枠は、県と市にいくつあるのか?

ここに書いた制度名・金額・期限は、三重県と県内市町が2026年8月に公表していた内容です。年度が替われば要件も金額も動き、予算の上限に届けば受付は閉じます。手を動かす前に、公式ページで今の状態をご確認ください。

三重県の14制度は県と5市に集まる

県と29市町の担当課のページをひととおり開いて、企業の側がお金を受け取れて採用まわりに使える枠を数えました。14件ありました。県が3件、市が11件です。

区分 数と内訳
制度の合計 14件(県3件・市11件)
制度を確認できた自治体 県と5市
三重県の市町数 29(14市15町)
市の内訳 四日市市3/桑名市2/松阪市2/志摩市3/伊勢市1

この記事が数えたのは、交付を受けるのが企業で、かつ採用活動かその周辺に使える枠です。志摩市の「就職活動応援補助金」は学生や30歳未満の若者が、桑名市の「ゼミ合宿支援補助金」は大学等の団体が受け取るので、14件の外になります。

設備投資だけ、研修の受講料だけ、障害者雇用の職場整備だけの枠も外しました。四日市市の「働きやすい職場づくり支援事業費補助金」は就業規則の整備と施設改修が対象で、採用広報や採用ツールの経費が入らないため、こちらも数えていません。

自治体が出す補助金と、厚生労働省が出す雇用関係の助成金は、申請の順番も入金までの流れも別物です。県と市の枠に自社の費目が見当たらなければ、国の助成金まで広げて全体像から確かめるほうが近道です。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

3件のうち1件は福祉にある

県の3件は、「県外専門人材確保支援補助金」、「副業・兼業人材活用促進補助金」、「介護助手導入支援事業」です。前の2つは雇用経済部の中小企業・サービス産業振興課、最後の1つは医療保健部の長寿介護課が持っています。

雇用経済部が公開している「現在受付中の補助金一覧」を開くと、令和8年6月1日時点で16制度が並んでいます。大区分の内訳は、企業誘致が10件、設備投資が2件、人材確保が2件、海外展開が1件、新事業創出が1件です。

人材確保の欄にあるのは2件で、どちらも人に払うお金に出る枠です。制作費や広告費に出る枠は、この一覧に1件もありません。

もう1つ、探すときに引っかかるところがあります。県サイトの「雇用・仕事さがし」には勤労福祉、若者の就労支援、ワークライフバランスの推進、職業能力開発などが並びますが、この配下に企業向けの補助金ページはありません。雇用経済部が持つ2件は「産業 > 産業総合」の下に分類されています。

介護や福祉の事業所であれば、産業と雇用のページだけで探し終えないほうがよいと思われます。県の3件のうち1件は、そこにしか無いからです。

11件を持つのは県内で5つの市だけ

市の11件は5つの市に分かれていて、四日市市と志摩市が3件、桑名市・松阪市がそれぞれ2件、伊勢市が1件です。

制度
四日市市 中小企業人材確保支援事業費補助金/海外人材確保支援事業補助金/特定創業者販路拡大事業費補助金
桑名市 人材確保支援事業(インターンシップ企画立案支援)補助金/同(インターンシップ運営支援)補助金
松阪市 中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金/中小企業奨学金返還支援補助金
志摩市 新卒者雇用定着奨励金/中小企業経営向上支援補助金/未来人材奨学金応援補助金
伊勢市 企業等奨学金返還支援補助金

制度の数と市の規模は、きれいには対応していません。四日市市が3件で最多なのは人口の順と合っていますが、県庁所在地で人口2番目の津市に該当する枠はなく、人口3番目の鈴鹿市にもありません。

置き場所にも癖があります。桑名市の人材確保支援事業は3つの補助金からできていて、そのうち企業が受け取る2つをここで数えています。3つとも市サイトの「雇用・労働」ではなく「企業支援 > 融資・補助金制度」の配下に並んでいます。

24の市町に企業向けの枠が無い

三重県は14市15町の29市町です。そのうち企業向けの採用の枠を確認できたのは5市だけで、残る24の市町には、採用の費用を受け持つ枠が見当たりませんでした。

名前だけ近い制度なら見つかります。津市の「中小企業振興事業補助金」は4つのメニューを持ち、そのうち1つが人材育成支援事業です。ただし交付対象経費は研修会の講師料と講師の旅費、外部研修会とオンライン研修会の受講料で、採用の費用は入りません。

伊賀市の「起業・経営革新促進事業補助金」も、対象経費に広告宣伝が入っています。ただし補助対象は空き家・空き店舗を使った起業と、新商品開発や新市場開拓を含む経営革新で、どちらも採用が目的ではありません。

尾鷲市の「販路開拓支援補助金」も名前のとおりです。15町の産業・事業者向けのカテゴリも見ましたが、企業が受け取れる採用の枠は確認できませんでした。無いと確かめたのではなく、公開されている範囲から取れなかった、という意味です。

自分の市町が上の表に出てこないなら、見積を取る前に制度のページを開いて、担当課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。

Tips|地元の枠を自分で探すとき

三重県内の担当課は、商工・産業振興・企画と名前が揃っていません。市町名に「補助金 一覧」を足して事業者向けのページを開き、そこに費目が出ていなければ交付要綱のPDFまで開くのが確実です。労働の部署だけを見て終わらせないほうが取りこぼしません。

14件の費目に採用サイトの名前が無い

ここからが本題です。14件の補助対象経費を1件ずつ開くと、はっきりした結果が出ます。

やること 名前がある制度の数
採用サイト・採用ページの制作費 0件
採用動画の制作費 0件
採用パンフレット・チラシの印刷費 1件
求人サイトの掲載料・求人広告費 1件
合同企業説明会・就職フェアの出展料 1件
人材紹介の手数料 2件
採用活動の代行の委託費 0件

「採用サイト制作費」という費目を持つ枠は、三重県内に1件もありませんでした。採用動画も同じです。制作費そのものを費目に持つ枠が無いわけではないのに、採用の側に名前が回ってきていません。

紙の側は少し事情が違います。チラシやパンフレットの印刷費を費目に挙げている枠は、四日市市の特定創業者販路拡大、松阪市の収益力向上・賃上げ、志摩市の経営向上支援、県の介護助手導入支援の4件あります。ただし採用の募集を目的に置いているのは、最後の1件だけです。

ホームページの制作費を費目に挙げている枠は、14件のうち3件です。ただし3件とも、制度の目的が採用ではありません。

ホームページを持つ3件は目的が違う

3件は、四日市市の「特定創業者販路拡大事業費補助金」、松阪市の「中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金」、志摩市の「中小企業経営向上支援補助金」です。

制度 目的の書かれ方
四日市市 特定創業者販路拡大事業費補助金 交付要綱第4条「自己の営む事業に係る認知度の向上及び販路拡大につながる事業」
松阪市 中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金 募集要領「収益力向上等の事業を実施し、従業員の賃金引上げにつなげようとする市内中小企業等を支援します」
志摩市 中小企業経営向上支援補助金 商品開発・販路開拓の枠に費目がある。前提として三重県版経営向上計画の認定が要る

目的の欄が販路開拓や収益力向上を向いている枠で、採用サイトが名指しされていることはまずありません。この3件を採用に当てにいくなら、担当課への事前相談が前提になります。相談なしに発注してしまうと、対象外と分かったときに戻せません。

志摩市の枠は、商品開発・販路開拓の側で対象経費の2分の1以内・上限10万円です。三重県版経営向上計画の認定が先に要り、審査に約1か月かかるため、年度の後半に思い立っても間に合いません。

四日市市の場合は、目的要件が申請書の形にまで出ています。市は提出する事業計画書に3点を必ず書くよう求めていて、その3つめが「補助金の使用がどのように認知度の向上及び販路拡大につながるか」です。採用のための発注をここに書き込むのは、かなり無理があります。

対象者の条件も狭く決められています。申請の時点で創業後3年を経過しておらず、かつ市の創業塾等の受講者か、ビジネスプランコンテストの受賞者であること。補助されるのは対象経費の2分の1以内で、限度額は15万円です。

コンテストの側には条件が2つ重なっています。交付要綱第3条第2号エは「三重県全域を対象にした、県内で実施される」ものに限り、さらに「県又は市が主催又は後援をしているものに限る」と括弧書きを付けています。市内だけを対象にしたコンテストや、民間だけで開かれた受賞は入りません。

創業塾のほうも該当する条件が分かれます。創業塾・創業カフェのほか、女性起業家育成支援事業とインキュベーション施設への入居が並びます。いずれも特定創業支援事業の該当者として報告されていることが条件で、受けただけでは足りません。

四日市市で創業から3年以内に採用まわりの発注を考えている方は、対象の条件と15万円がどこまで届くのかを、こちらで先に確かめておきましょう。

参考記事:『「四日市市特定創業者販路拡大事業費補助金」は採用サイトに使える?対象になるかを整理

四日市市は掲載だけの費用を外す

もう1つ、四日市市には「中小企業人材確保支援事業費補助金」があります。こちらは目的が正面から人材確保で、交付要綱第1条も「市内中小企業における人手不足対策のため」と書いています。

対象経費は、要綱第3条第2項の一行です。出展ブース費及び出展に伴うWeb掲載費。補助率3分の2、1回につき上限30万円で、1事業者が年度内に2回まで申請できます。新卒向けか転職向けかの内訳は問われません。

ただし市は、太い注記を置いています。求人情報のWEB掲載のみの場合は対象にならない、という一文です。

就職フェアに出展して、そのフェアの主催者が用意するWeb掲載を併せて申し込むなら対象。求人サイトへの掲載だけを単独で申し込むなら対象外。同じ「Web掲載費」でも、出展に付いてくるかどうかで結論が反対に振れます。

申請は出展前までに出し、交付決定を受けてから出展する形です。フェアの実施主体に申し込んだあとでも、出展前なら受け付けてもらえます。出展できなかった場合は補助金が出ません。

松阪市の300万円は賃上げとセット

金額でいちばん大きいのは、松阪市の中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金です。補助されるのは対象経費の半分まで、上限300万円で下限が10万円です。募集要領の経費区分には「ウェブサイト関連費」があり、ウェブサイトやECサイト等の構築、改良等に要する経費と書かれています。

広告宣伝・販売促進費の欄も広く、チラシ・ポスター・パンフレット等のデザイン費と印刷費、写真撮影費、動画制作費、展示会出展料までが例示されています。制作費の名前だけを見れば、県内でいちばん使えそうに映る制度です。

ただし募集要領には無い縛りが、交付要綱の別表第3に2つあります。1つは広告宣伝・販売促進費から「ウェブサイト関連費を除く」という括弧書き。もう1つが備考の「広告宣伝・販売促進費を補助対象経費とする場合は、他の補助対象経費と合わせて補助申請する場合に限る」です。

つまりチラシや動画の費用だけを並べた申請は、要綱の規定で通りません。設備や開発の経費と抱き合わせにできる年でないと、紙の費用はここには含まれません。

引っかかるのは補助対象事業のほうです。募集要領が挙げているのは、設備導入やDXによる省力化、サプライチェーンの強靭化、需要が見込める分野へのシフト、新商品・新サービスの開発、販路開拓、そして市長が認める収益力向上に資する事業です。採用は、この6つのどこにも立っていません。

交付条件も独特です。補助対象事業によって賃金引上げを確認できるか、賃上げ誓約書類を確認できることが条件になります。小規模事業者等は賃上げを必須とせず、収益力向上の確認で足ります。

二次募集の日程は令和8年9月14日9時から9月30日まで。WEB受付のみで先着順、受付上限額に達した時点で終了します。一次募集で採択または不採択の決定を受けた事業者は申請できません。

松阪市で上限300万円の枠に採用の制作費を当てはめられるか迷っている方は、対象経費のどこまでが対象になるのかを、こちらで確かめてください。

参考記事:『「松阪市中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金」は採用に使える?対象経費を解説!

求人の掲載料に名前がある枠は介護に1件

14件のうち、求人サイトの掲載料を費目として名指ししている制度は1件だけでした。三重県の介護助手導入支援事業です。

この制度は、県の介護従事者確保事業費補助金の枠組みのなかにある事業で、原資は消費税財源による地域医療介護総合確保基金です。受付は令和8年7月31日に始まり、9月30日で閉じます。

実施要領の別表に求人サイト掲載費がある

金額も費目も、制度のページの本文には書かれていません。費目が出てくるのは、リンクされている実施要領のPDFのほうです。

事業内容 補助対象経費
業務の切り出し・整理 助言・指導を行う専門家等への謝金、旅費/導入のために開催する研修会の講師謝金・旅費、会場使用料、資料の印刷代
募集・説明会の開催 介護助手を募集するためのチラシ印刷費、チラシ配布手数料、新聞折り込み費用、求人サイト掲載費/説明会に使用する会場の使用料、資料の印刷代
就労マッチング 就労マッチング面談会に使用する会場の使用料、資料の印刷代

募集の行に、チラシ印刷費と新聞折り込み費用と求人サイト掲載費が並んでいます。紙もWebも、募集にかかる外向きの費用がまとめて入っている書き方です。三重県で、採用の露出そのものに費目として名前が与えられているのは、いまのところこの一箇所だけでした。

上限額は、1事業所あたり20万円、1事業者あたり40万円です。同じ所在地に複数の事業所がある場合はまとめて1事業所として扱います。

補助率は、県の介護従事者確保事業費補助金交付要領の別表に10分の10と定められています。上限の20万円までなら、かかった費用は全額が戻る枠です。三重県で採用の露出に出るお金としては、いちばん手厚い形になっています。

事業着手は原則として交付決定後です。交付決定前に始める必要がある場合は、長寿介護課へ事前に相談したうえで、申請書の提出時に事前着手理由書を添えます。予算の範囲内での補助なので、申請したすべての事業に補助が出るわけではないと県も明記しています。

所管は雇用経済部ではなく長寿介護課

この制度が見つけにくいのは、置き場所のせいです。所管は医療保健部の長寿介護課の介護人材確保班で、県サイトのカテゴリでいえば「健康・福祉・子ども > 福祉」に入っています。

雇用経済部が出している補助金一覧を上から読んでも、この制度は載っていません。「雇用・仕事さがし」のカテゴリからも辿れません。産業と雇用のページだけを見ていると、この1件は視界に入りません。

制度の名前に「人材確保」と入っていても、分類される場所は自治体ごとに違います。桑名市の人材確保支援事業3つが「雇用・労働」ではなく「融資・補助金制度」の配下にあるのも、同じ種類のずれです。

自社の業種に紐づく所管課を思い浮かべて、そこの補助金ページを一度開いてみましょう。介護なら長寿介護課、福祉なら福祉部局、観光なら観光の部署です。この一手間で拾えるものが、三重県には実際にありました。

対象は元気高齢者の介護助手に限る

ただし、どの会社でも手が届く制度ではありません。対象の条件が二重に絞られています。

まず業種です。対象になるのは、県内で施設サービス、居宅サービス、地域密着型サービスのいずれかを行う事業者で、実施要領の表に挙がっているサービス種類は15です。介護以外の業種は最初から候補に入りません。

次に、募集する相手です。この事業でいう介護助手とは、身体介護などの専門的な知識・技術を必要とする業務以外の周辺業務に従事する元気高齢者等を指します。介護職員そのものを募集する費用ではなく、周辺業務を担う人を集める費用に出る制度です。

介護の事業所であっても、募集したいのが介護職員本体なら、この枠は当てにできないと考えて先へ進むのが早いはずです。

残る枠は人が動いた分だけ出てくる

採用サイトも採用動画も対象外、求人の掲載料は介護の1件だけ。では残る13件は何にお金を出しているのか。ここが三重県の形のいちばん分かりやすいところです。

出方 件数と制度
紹介手数料や報酬に対して出る 2件(県の県外専門人材確保支援/副業・兼業人材活用促進)
1人あたりの上限で決まる 4件(四日市市の海外人材確保/桑名市のインターンシップ運営支援/志摩市の新卒者雇用定着奨励金/伊勢市の企業等奨学金返還支援)
従業員の奨学金返還額に対して出る 3件(伊勢市/松阪市/志摩市)
委託費や制作費に対して出る 4件(四日市市の人材確保支援・特定創業者販路拡大/桑名市のインターンシップ企画立案支援/松阪市の収益力向上・賃上げ/志摩市の経営向上支援)

伊勢市の「企業等奨学金返還支援補助金」は、1人あたりの上限が決まっていて、かつ従業員の返還額に対して出る制度なので、上の表では2つの行に顔を出します。縦に足しても13にはなりません。

費用を先に払って、あとから一部が戻る形の枠は多くありません。多くは「人が入った」「人が来た」「人が返済している」という事実が先にあり、そこに単価が掛かる形です。だから、発注の見積もりを持って窓口へ行っても話が噛み合いにくくなります。

県の2件は人に払うお金にだけ出る

県の県外専門人材確保支援補助金は、補助対象経費が1行で終わります。登録人材紹介事業者の利用に係る人材紹介手数料。それだけです。出るのは手数料の半分までで、上限は80万円です。

要件はいくつも重なっています。三重県プロフェッショナル人材戦略拠点を通すこと。専門人材が県外から県内に移住すること。登録人材紹介事業者の紹介を通じて正規雇用すること。1事業者につき1名まで。申請は従事開始日の5日前までです。

もう1つの副業・兼業人材活用促進補助金は、対象経費が3つに広がります。副業・兼業人材に支払う報酬、人材紹介手数料、そして就業地までの交通費と宿泊費です。

出る割合は10分の8以内と高く、上限は50万円です。ただし過去に一度もプロ人材拠点を通じた副業・兼業人材の活用をしたことがない事業者の、初回のみが対象になります。契約期間は6か月が上限です。

1人あたりの上限で決まる枠が4件ある

単価で決まる枠は、市の側に集まっています。金額の考え方が制度ごとに違うので、並べておきます。

制度 1人あたりの額
四日市市 海外人材確保支援事業補助金 補助率2分の1以内で、上限が外国人留学生1人5万円、海外現地人材1人15万円。指導人件費は上限5万円、国内研修参加費は上限10万円。1事業者1年度50万円まで。宿泊費は1日4,000円が上限
桑名市 人材確保支援事業(インターンシップ運営支援)補助金 学生の宿泊費が1人1泊9,000円で5泊まで、往復交通費が1人1万円
志摩市 新卒者雇用定着奨励金 対象者1人につき10万円
伊勢市 企業等奨学金返還支援補助金 対象従業員1人につき1会計年度あたり12万円。最長5年、1会計年度3名まで

四日市市の海外人材確保支援は、対象が市内の中小企業者のうち製造業に限られ、留学生のインターンシップ受入れと海外現地人材の育成が対象です。

志摩市の「新卒者雇用定着奨励金」には、前提となる条件が付いています。過去に志摩市新卒者雇用促進事業助成金の交付決定を受け、雇用開始から3年を経過した新卒者が対象です。先にその前提となる助成金を使っていないと、この奨励金には届きません。

その前提となる志摩市新卒者雇用促進事業助成金交付要綱は、令和7年4月1日付で廃止されています。これから新たにその条件を満たすことはできないため、対象になるのは過去に交付決定を受けた人に限られます。申請は雇用日から3年を経過した日から6か月以内、または当該年度末のいずれか早い日までです。

奨学金の返還を持つ枠が3件ある

従業員の奨学金返還を会社が持ったときに、その半分を市が持つ形の制度が3件あります。伊勢市と松阪市、それに志摩市の「未来人材奨学金応援補助金」です。

志摩市の枠は従業員1人につき年間10万円・累計100万円が上限で、対象期間は1人につき最長10年です。3件とも補助率は2分の1で、共通しているのは「就業規則等に奨学金返還支援の制度を設けていること」が前提になる点です。

伊勢市の枠は、対象従業員の条件が細かく決められています。採用されてから3年以内かつ35歳以下、正規雇用、市内に住所を有していること、本人が奨学金を返還予定または返還中であること。上限は1人1会計年度12万円で、最長5年、1会計年度3名までです。

松阪市の枠は、対象者1人につき年20万円が上限で最大3年です。従業員300人以下で市内に主たる事業所を有する中小企業が対象で、事前の企業登録が必要になります。ただし制度のページの更新日が2025年5月1日のままなので、令和8年度の受付が続いているかは市への確認が要ります。

この3件は、採用にかかる費用ではなく、採用した人の待遇を良くしたぶんに出るものです。求人票に書ける条件を1つ増やす原資と考えるほうが、使いどころを間違えません。

掲載料も出展料も取らない枠が並ぶ

ここまで見てきたとおり、三重県では採用の費用が戻ってくる枠が薄くなっています。そのかわりに、掲載料も出展料も取らない枠があります。県と市を合わせて6つありました。

主体と中身
「みえ」の仕事マッチングサイト 三重県雇用対策課。対象法人として登録すると求人情報を掲載できる
南三重就活ナビ 南三重地域就労対策協議会(6市10町)。掲載無料
三重就職NAVI 四日市商工会議所 学生就職PRセンター。新卒者向け
就職フェアのブース提供 四日市市。市が確保したブースを提供する
若者の県内就職・定着促進総合支援事業 三重県雇用対策課。セミナー・伴走支援・学生の取材発信
ワークスタイル・イノベーション推進事業 四日市市。企業内研修への講師派遣

補助金は申請してから入金まで時間がかかりますが、この6つは費用が発生しません。その代わり枠の数や締切が別に決まっていて、抽選や選考があるものもあります。

求人を無料で載せられる場所が三つ

まず、求人を出す場所そのものが3つ用意されています。

「みえ」の仕事マッチングサイトは県が運営しています。掲載するには対象法人としての登録申請が要り、登録完了までは約3週間かかります。移住支援金の対象法人になる要件を満たさない場合も、求人情報のみを掲載する法人として登録できます。

「南三重就活ナビ」は、南三重地域就労対策協議会が運営しています。伊勢市・松阪市・尾鷲市・鳥羽市・熊野市・志摩市の6市と、多気町から紀宝町までの10町、あわせて16市町でつくる協議会で、事務局は松阪市役所の商工政策課です。掲載は無料です。

このサイトが持っている機能は、有料の求人媒体に近い形をしています。企業ごとのマイページ、求職者の検索、気になる人材のお気に入り登録、求職者への直接メッセージ、日々の様子を出すタイムライン、インターンシップ情報の掲載。県外に出た地元出身者のUターン就職と、地元就活生の地元就職を目的に置いた作りです。

「三重就職NAVI」は四日市商工会議所の学生就職PRセンターが運営しています。県内企業の採用情報、会社説明会、インターンシップ情報のほか、合同企業説明会や企業研究フェアの案内も載る新卒者向けのサイトです。

16市町に事業所があるなら、南三重就活ナビの登録は先に済ませておくのが損がありません。掲載料が発生しないので、合わなければ下げるだけです。

就職フェアのブースは市が用意する

四日市市には、市が確保した就職フェアのブースを企業に提供する枠があります。令和8年度に提供されるのは6つのフェアです。

フェア 開催日と場所
三重就職・転職企業展 令和8年10月24日・四日市商工会議所
夜カフェ合説 令和8年10月30日・名古屋市
転職フェア 令和9年1月16日・名古屋市
ジモト就職応援フェア 令和9年1月25日・名古屋市
三重就職・転職企業展 令和9年2月6日・三重大学(津市)
ジモト就職応援フェア 令和9年2月28日・名古屋市

ブース出展費と、出展に伴うWeb掲載料の基本分は市が負担します。企業側の負担になるのは、出展ブースの追加装飾備品、Web掲載の追加オプション、出展参加者の旅費です。

枠は各フェア5社程度で、夜カフェ合説だけ2社限定です。応募が多い場合は、初めて応募する企業を優先したうえで抽選になります。令和8年度分の応募締切は8月14日17時必着でした。次の年度も同じ形で募集されるかは、商業労政課に確認します。

条件も1つあります。出展日当日、常時人員を自社ブースに配置できる企業だけが応募できます。市は、来場者の多くが事務職を希望するので幅広い職種で募集してほしい、という注意書きも添えています。

セミナーと専門家の派遣も無料になる

お金ではなく人が出る枠も2つあります。

県の「若者の県内就職・定着促進総合支援事業」は、令和8年度に採用ノウハウ向上セミナー、インターンシップ推進セミナー、伴走支援、若年者向けインターンシップ等の実施というメニューを用意しています。いずれも参加無料で、企業側の費用は発生しません。

伴走支援は、セミナーに参加した企業のうち希望する企業へ、インターンシップ等のプログラムを企画・立案できるよう専門家を派遣するものです。桑名市のインターンシップ企画立案支援補助金がコンサルティング費用の2分の1を持つのに対して、県のこちらは費用そのものが発生しません。

同じ課題に、市はお金で、県は人で当たっている形です。インターンシップを初めて組む年なら、県のセミナーから入るほうが早道でしょう。

地域企業取材・魅力発信プログラムというメニューもあります。大学・短大・専門学校生等が企業を約120分訪問して取材し、若者目線で企業の魅力をSNSに出すというもので、募集企業数は9社でした。令和8年度の募集は7月15日17時で締め切られています。

四日市市の「ワークスタイル・イノベーション推進事業」は、働き方改革や職場改善のための企業内研修に講師を派遣する枠で、講師派遣料は無料です。採用の露出そのものではありませんが、入った人が辞める理由に手を入れる側の枠になります。

補助金と無料枠は同じ費用を指す

ここまでを一度、読む側から並べ直します。三重県では、同じ費用に対して2つの道が用意されていることがあります。しかも道ごとに、締切も条件も別に動きます。

四日市市は同じ経費を二つの形で扱う

いちばんはっきり出ているのが四日市市です。就職フェアに出るときの費用が、補助金と現物の両方で用意されています。

どちらの道か 中身
中小企業人材確保支援事業費補助金 出展ブース費及び出展に伴うWeb掲載費の3分の2、1回30万円まで、年度内2回まで
就職フェアのブース提供 市が確保した6つのフェアのブースを提供。出展費とWeb掲載料の基本分は市が負担

扱っている経費の名前は、どちらもほぼ同じです。違うのは、自由度と確実性の交換です。補助金なら出るフェアを自分で選べますが、費用の3分の1は自社で持ちます。ブース提供なら費用は要りませんが、フェアは市が選んだ6つのなかからで、枠も5社程度です。

自社の採用計画が固まっていて出たいフェアが決まっているなら補助金、まだ試したい段階で費用を先に出せないならブース提供。この選び方が成り立つのは、両方を並べて知っていた場合だけです。片方だけを開いた読者は、もう片方に気づけません。

四日市市で就職フェアに出るつもりの方は、出展に付いてくるWeb掲載と単独の掲載でどこが分かれるのかを、こちらで確かめてください。

参考記事:『「四日市市中小企業人材確保支援事業費補助金」は採用サイトに使える?対象経費を解説!

締切と枠の数はまったく別に動く

2つの道は、日程の性格も違います。ここを取り違えると、間に合わせたはずの準備が空振りします。

補助金のほうは出展前までに申請する形で、予算に達し次第受付を締め切ります。遅れると枠そのものが無くなる可能性はありますが、日付では切られていません。

ブース提供のほうは日付で切られます。令和8年度分の締切は8月14日17時必着で、しかも先着順ではなく抽選です。早く出せば通るのではなく、締切までに出さないと土俵に乗れない形です。

似た構図は県の側にもあります。県外専門人材確保支援補助金と副業・兼業人材活用促進補助金は、どちらも申請が開始日の5日前までと日数で切られ、介護助手導入支援事業は7月31日から9月30日までの期間受付です。同じ県の制度でも、締切の切り方が三通りあります。

予算の残りは14件のどれも公表しない

14件すべてに、予算の範囲内という条件が付いています。上限に届いた時点で、期限を待たずに受付が閉じる形です。そのうえで募集要領に予算額を書いているのは松阪市の中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金だけで、二次募集の募集要領に募集予算額7,600万円と書かれています。

市の予算資料まで開くと額が出てくる制度もあります。松阪市のこの枠は令和8年度当初予算で事業費153,607千円が立ち、5月臨時会の補正で300,000千円が足されて453,607千円になりました。四日市市も予算額と令和6年度の交付実績を公表しています。

ここで出てくるのは事業費の額で、補助金として交付される額そのものではありません。残る11件は、こちらで予算資料まで当たっていません。

枠がいくら残っているかは公表されないため、期限が先でも使えるとは限りません。気になる枠が見つかった時点で、担当課へ電話して残りを尋ねておくのが早道です。要件に合っていても、枠が尽きていれば出ません。

年度で中身が変わることも同じです。四日市市の中小企業人材確保支援事業費補助金の交付要綱には、令和10年3月31日限りで効力を失うという附則が入っています。桑名市の3制度と松阪市の奨学金返還支援は、更新日が前年度のままです。

チラシの4件より、どちらから確かめるかを決める

三重県で拾えた14制度のうち、チラシやパンフレットの印刷費を費目に持つのは4件です。上限は10万円から300万円、補助率は3件が2分の1で、介護の枠だけが10分の10です。どれも予算の範囲内なので、枠が尽きれば期限を待たずに止まります。

ただし4件のうち3件は、目的の欄が販路開拓か収益力向上を向いています。全額が戻る1件は、介護の事業所に限られます。紙の費用に補助を当てるかより、自社の発注が販路の話として通るのか、それとも費用の出ない側から確かめるのか。そこを先に決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

採用ツール制作のサービス詳細はこちら

この記事を書いた人
【全14件】「三重県」で採用に使える補助金は?対象経費と無料枠を整理 | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

この記事をシェアする

関連記事