【全60件】「島根県」で採用に使える補助金は?対象の費用と相談窓口をまとめて紹介!

「島根県 採用 補助金」で調べて、県の商工労働部のページを開いてみた。雇用政策課の一覧に補助金は並ぶのに、自社が使いたい費用の名前がどこにも見当たらない……。

そう見えるのは、島根県の枠が所管の違う課と、県の本体サイトの外にある資料へ分かれているからです。県と19市町村を1つずつ確認し直すと、確認できた枠は60件になりました。

本文の数値と要件は、2026年8月時点で県・市町村・実施団体が公表していたものです。まず、県内に何件あるのかから並べていきます。

この記事でわかること

  • 島根県内で事業者が使える採用まわりの枠は何件あり、県と市町村にどう割れているのか?
  • 県の28件は、どの課のどのページにあるのか?
  • 雇った人数そのものに付く単価は、1人あたりどこまで開くのか?
  • 募集や採用活動そのものの費用に費目名があるのは、どの枠なのか?
  • 要綱まで開くと判定が変わるのはどの制度で、金額はどこにあるのか?

根拠にしたのは、県・市町村・実施団体が公開している制度のページ、交付要綱、公募要領、実施要領、チラシ、申請様式です。1件ずつの申請の進め方は、制度ごとの記事で扱います。

目次

島根県で採用に使える補助金は60制度

県の雇用政策課、商工政策課、企業立地課、土木総務課、高齢者福祉課、障がい福祉課の各ページと、19市町村の商工・産業振興・企業立地・高齢者福祉・障がい福祉の各課ページを個別に開きました。

県の「企業支援施策ガイドブック」と、市町村の優遇制度を1枚に並べた県の企業立地ポータルも1件ずつ確かめています。採用の費用・雇用そのもの・人材確保・職場定着に関わる枠として確認できたのは60件です。

区分 数と内訳
制度の合計 60件(県28件・市町村32件)
島根県の市町村数 19(8市10町1村)
枠を確認できた自治体 県と16市町村(7市・9町)。知夫村にも掲載はあるが令和8年度の公募ページに届かず
市町村32件の内訳 7市に20件、9町に12件
件数の多い自治体 出雲市5件・雲南市4件。松江市・安来市・隠岐の島町が各3件

この60件は、島根県内にある枠の下限として読んでください。知夫村の雇用機会拡充事業補助金は、県の企業立地ポータルに掲載があるものの、令和8年度(2026年度)の公募ページまで届きませんでした。

この1件は60件に入れていません。入れれば61件です。数え落ちがある前提で、自社の市町村の枠は現行のページでも確かめておきましょう。

1件として数える基準

1件と数えたのは、交付先が事業者・法人で、採用活動費・雇用そのもの・人材確保・職場定着のどれかを目的か対象経費に持つ枠までです。

補助金・交付金・助成金・奨励金・支援金として名前が付いている単位を1件とし、その内側にいくつ事業のメニューが立っていても1件のままにしました。

自治体が別々の名前を付けて別々に募集しているものは、名前が似ていても2件と数えています。「外国人材定着支援補助金」と「外国人材定着支援事業」がこれにあたります。

数えなかったものも書いておきます。受け取るのが求職者本人・移住者本人だけの枠は外しました。国の助成金も外しています。

本人向けにあたるのは、江津市の「新卒者等就労促進家賃補助金」、奥出雲町の「建設業人材確保対策奨励金」、雲南市の介護人材就労継続奨励金、安来市の介護人材就業継続支援補助金と介護福祉士育成支援補助金です。

費目名があることと、採用に使えることは別でした。目的が販路開拓や販売促進にある枠は、対象経費にWebサイトの制作費が読めても数えていません。

大田市の「中小企業等活性化総合支援事業」は、目的の欄に「地域経済の活性化と雇用の創出と拡大のために」と掲げています。ただし4つのメニューの中身は、新商品開発、販路開拓、産業財産権取得、外国人市内消費拡大です。

津和野町の「個別商業包括的支援事業補助金」も、目的に「雇用の創出と拡大」の語がありながら、対象経費に採用の費用は入りません。

江津市の「中小企業等競争力強化支援事業」の販路開拓事業はWebサイト製作費を対象にしていますが、「ネットショップ機能またはネット予約機能を有するものに限る」という限定が付きます。採用サイトは、この一文で外れます。

目的の欄に雇用の語があっても、対象経費の側で外れる枠は少なくないと思われます。費目の一行まで開いてから自社に当てはめるのが確実です。

県と市町村がほぼ同じ数で並ぶ

内訳は県28件、市町村32件でした。県が少なくて市町村に多い、という並びではありません。

県の28件は、雇用政策課12件、企業立地課3件、土木総務課の建設産業対策室1件、高齢者福祉課11件、障がい福祉課1件に分かれます。

市町村の32件は16の市と町に散っていて、いちばん多い出雲市で5件です。県の高齢者福祉課が持つ11件だけで、市町村でいちばん多い出雲市の2倍を超えます。

自社の市町村だけを調べて県を飛ばすと、半分近くを見ないまま終わります。県のページを開くときも、雇用政策課が所管するのは12件までです。

しかもそのうち副業・兼業の2件は、県のページに制度名が出てきません。雇用政策課の一覧を閉じたところで、まだ半分残っていると見ておくのが確実です。

制度が1枚に並ぶ場所は6か所ある

60件の大半は、制度が1枚に並んだ6か所の一覧から辿れます。どれも県の雇用政策課のページとは繋がっていません。

何が並んでいるか どこにあるか
19市町村の優遇制度と、市町村別リーフレット16本 県企業立地課が別ドメインで運営する企業立地ポータル しまね縁Rich
知夫村を除く18市町村の条例・要綱を1本に収めたPDF 日本立地センターの島根県 市町村版
県の労働関係助成金37項目と、その他補助金15項目 商工政策課の企業支援施策ガイドブック
県の介護人材確保・定着の枠11件 高齢者福祉課の「各種助成制度」
部局をまたぐ外国人雇用の助成金12件 県の外国人雇用支援助成金等一覧のPDF
中小企業退職金共済の掛金助成をする自治体 中退共の掛金助成自治体等の全国索引

県の企業立地ポータルへは、県サイトから「島根県企業立地ポータル(外部サイト)」という1行でしか繋がっていません。雇用政策課の一覧からはこのページへ進めません。

日本立地センターのPDFは2022年3月時点の調査ですが、雇用助成の有無はこれ1本で見当が付きます。本文で挙げた市町村の雇用促進奨励金は、各自治体の現行ページと突き合わせて存続を見ています。

「外国人雇用支援助成金等一覧」のPDFは、雇用政策課、高齢者福祉課、中小企業団体中央会などの枠を12件まとめたものです。外国人材を採る前提なら、部局を横断して一度に見られます。

「中小企業退職金共済」の掛金助成は、島根県では美郷町の1件だけです。担当は企画情報課で、取扱団体は美郷町商工会です。交付の中身を確かめられなかったため、60件には数えていません。

索引の島根県の欄は0件と表示され、県単位の助成はありません。掛金助成を当てにするなら、美郷町以外は自社の町の要綱を直接開く必要があります。

Tips|一覧を2枚開いてから担当課に確かめる

自社の市町村名に「補助金 一覧」を足して検索する前に、県の企業支援施策ガイドブックと企業立地ポータルを開いてください。県の枠と市町村の枠は、この2枚に大半がまとまっています。介護と障がい福祉の枠だけは、高齢者福祉課と障がい福祉課のページを名前で開き直します。

枠が無かったのは江津市と奥出雲町

19市町村のうち、事業者向けの枠を確認できなかったのは江津市と奥出雲町の2つでした。

江津市の「企業立地支援制度」は、土地取得補助金、原水使用料補助金、立地奨励金、家賃等補助金、通信費補助金で構成されています。新規雇用10人以上という数字は要件として出てきますが、雇った人数に対して出る枠はありません。

奥出雲町も、事業者向けのページと町の要綱を調べた範囲では、雇用額に対する助成が見当たりませんでした。

ただし2つの自治体とも、就職した本人に出る枠は持っています。江津市の新卒者等就労促進家賃補助金は、市内の事業所に正規雇用で就職した35歳未満の家賃を、2分の1・月額上限3万円で最大36か月見ます。

奥出雲町の建設業人材確保対策奨励金は、仁多地区建設業協会の登録事業所に就職した45歳以下の人へ、年額10万円を3年度分交付します。

どちらも交付要綱が交付対象者を就職する本人と定めているため60件には数えていませんが、求人票に書ける材料にはなります。この2つの自治体で募集するなら、条件を求人票へ入れておくとよいでしょう。

国の助成金は別の仕組みで動く

この60件に、国の雇用関係助成金は入れていません。申請の順番も、入金までの流れも作りが違います。

併用できるかどうかも制度ごとに別で決まります。県の「しまねの建設担い手確保育成補助金」は、情報発信事業の補助率を4分の1以内としたうえで、厚生労働省の助成金を受けない場合は2分の1以内に上げる書き方をしています。

国の枠を使うかどうかで、自治体側の補助率が動く制度もあるわけです。国の助成金をまだ見ていない方は、個別の制度を当たるより先に全体像から入るほうが早いはずです。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

県の28件は複数の課にまたがる

県の28件が1ページに並ぶ場所はありません。所管が雇用政策課なのは12件で、残る16件は4つの課に分かれています。

最初に見るならいちばん広いのは商工政策課の「企業支援施策ガイドブック」ですが、そこにも全部は載っていません。

所管課 件数と中身
商工労働部 雇用政策課 12件。採用、インターンシップ、専門人材、外国人材、両立支援
商工労働部 企業立地課 3件。立地条例に付く雇用助成と、離島の創業・事業拡大支援
土木部 土木総務課 建設産業対策室 1件。建設業の担い手確保
健康福祉部 高齢者福祉課 11件。介護人材の確保と定着
健康福祉部 障がい福祉課 1件。障害福祉サービス事業者の人材と職場環境

県の枠をひととおり見るなら、最初に見るページは雇用政策課ではなく商工政策課です。商工政策課が出している令和8年度(2026年度)の企業支援施策ガイドブックは、F章「労働関係助成金等」に37項目、G章「その他補助金等」に15項目を1冊に収めています。

この52項目には国の助成金や本人向けの制度、金融支援も混ざるので、この記事が数えた県28件とは一致しません。雇用政策課の一覧から、この1冊へは辿れません。

雇用政策課の12件は採用と定着に分かれる

雇用政策課の12件は、採用の段階で出る枠と、入ったあとの定着に出る枠に割れます。

採用の側は6件です。「新卒採用ブランディング支援補助金」(2分の1・上限75万円)、「魅力あるインターンシップ・仕事体験支援補助金」(2分の1・上限50万円)、「いきいき職場づくり支援補助金」(2つの補助金の合計で上限80万円)。

続けて、「専門人材確保推進事業費補助金」(2分の1・1人130万円)、「専門人材(副業・兼業)確保推進事業費補助金」(12万円・最大3か月分)、「副業・兼業人材活用促進事業費補助金」(10分の8・50万円)です。

定着の側も6件です。外国人材定着支援補助金のハード事業(翻訳機器の導入費、社内の多言語標識、礼拝用の施設、食堂や寮の改修費)、外国人材定着支援事業の日本語学習支援、「出産後職場復帰奨励金」。

残りは、「子育て・介護と両立しやすい職場づくり奨励金」(1制度10万円・1事業所上限20万円)と、「しまねまごころバンクドナー休暇制度導入促進助成金」です。

もう1件の「女性活躍のための働きやすい環境整備支援事業費補助金」は、女性用休憩室やトイレの整備、キッズルーム、テレワーク環境、セミナー、コンサルティングの4コースに分かれます。

後半の6件は、人を採る費用ではなく辞めさせない費用に出ます。子育て・介護と両立しやすい職場づくり奨励金は、時間単位の年次有給休暇や育児・介護の短時間勤務制度を新しく入れたときの奨励金で、1制度あたり10万円です。

採用の側の6件に自社が当たらないときは、定着の側を見てから判断するとよいでしょう。

企業立地課の雇用助成は1人100万円から

企業立地課の3件は、金額の規模が変わります。「企業立地促進助成金」の雇用助成は、増加雇用従業員数に100万円を掛けた額。中山間地域に立地する中小企業は1人130万円で、助成の限度額は立地の規模に応じて7億円から12億円までです。

対象は新規学卒者とUIターン就職者に限られます。「ソフト系IT産業と地域限定専門系事務職場の特例補助金」にも、同じ構造の雇用助成があります。常用雇用1人につき100万円、中山間地域は130万円です。

3件目の「特定有人国境離島地域創業・事業拡大支援事業」は、隠岐4町村で雇用増をともなう創業や事業拡大に出る枠です。

県の枠で、雇ったこと自体に出る単価がいちばん大きいのはこの2件の中山間地域分の130万円です。ただし工場や事業所の新設・増設について県の指定を受けることが前提で、いま1人雇い足すだけでは届きません。設備投資の計画とセットで動く枠です。

市町村の側には、西ノ島町の企業誘致奨励事業補助金(雇用対策助成金)のように、1人あたり総額456万円まで積み上がる枠があります。

物差しを経費のほうへ移すと、県の紹介手数料の枠が1人130万円、DX人材の採用とスタートアップ企業の活用なら1人170万円まで届きます。雇用に出る単価と経費に出る上限は別の物差しなので、そのまま大小は比べられません。

高齢者福祉課の11件は1ページに並ぶ

介護の人材に出る県の枠は、高齢者福祉課の「各種助成制度」というページに11件が並んでいます。商工労働部の一覧からは辿れません。

制度 何に出るか
介護職場における実務者研修代替職員確保支援事業 代替職員の雇用に係る賃金・通勤手当
外国人介護人材受入支援事業費補助金 人材紹介に係る経費、渡航費、送迎費、講習費、健診費、在留資格の申請費。上限20万円ほか
外国人介護人材受入施設環境整備事業費補助金 介護マニュアルの翻訳、日本語学習、翻訳機器
外国人留学生奨学金等支給支援事業費補助金 事業者が留学生に給付・貸与した学費と生活費
外国人介護福祉士候補者受入施設学習支援事業 候補者の日本語・専門知識の学習、喀痰吸引等研修
島根県介護テクノロジー定着支援事業費補助金 介護テクノロジーの導入と定着
協働化・大規模化等による介護事業所職場環境改善事業費補助金 介護事業所の職場環境の改善
新任介護職員定着支援事業補助金 新任介護職員の賃金等
島根県訪問看護師確保対策事業補助金 訪問看護師の確保
島根県訪問介護等サービス提供体制確保支援事業費補助金 訪問介護のサービス提供体制の確保
島根県介護助手導入支援事業費補助金 介護助手の導入

このうち外国人介護人材受入支援事業費補助金は、人材紹介の経費が対象です。介護の事業所が人材紹介会社に払った手数料を、商工の枠ではなく福祉の枠が見ています。

年度の前半で閉じる枠も混じります。介護テクノロジー定着支援事業費補助金の令和8年度(2026年度)の募集は5月25日から7月17日まで、介護助手導入支援事業費補助金は4月10日から6月12日まででした。

なお、交付先が市町村・保険者になる保険者等による福祉介護人材確保・定着促進事業費補助金と、交付先が養成施設になる離島・中山間地域における介護福祉士資格取得促進事業は、11件に数えていません。

介護の事業所なら、商工の一覧よりこの1ページを先に開くほうが早いはずです。

建設業と障がい福祉にも県の枠がある

残る2件は、商工労働部の外にあります。

土木部の土木総務課建設産業対策室が持つしまねの建設担い手確保育成補助金は、合同企業説明会、現場見学会、講習会、体験学習、インターンシップの費用を情報発信事業として見ます。

補助率は4分の1以内、厚生労働省の助成金を受けない場合は2分の1以内で、上限100万円。入職内定者への教育訓練と新規入職者への研修会は技能向上事業で上限50万円、女性の活躍にかかる枠は3分の2・上限200万円です。

建設業の採用に出る県の枠が、商工労働部ではなく土木部にあります。

もう1件は健康福祉部の障がい福祉課で、「障がい福祉人材・職場環境改善等事業費補助金」です。障害福祉サービス事業者等の人材確保と職場環境の改善に出ます。

介護と障害福祉の枠は、どちらも商工の一覧を上から読んでも出てきません。自社の業種が福祉や建設なら、商工の課より先に所管の課を確かめるほうが確実です。

市町村の32件は16の市と町にある

市町村の32件は、7市に20件、9町に12件です。江津市と奥出雲町に事業者向けの枠が無く、知夫村は令和8年度(2026年度)の公募ページに届きませんでした。

自治体 件数と制度
出雲市 5件。求人情報発信支援事業補助金、介護人材確保・定着推進事業費補助金、介護人材育成支援事業補助金、企業立地促進条例の雇用促進助成金、中山間地域へのオフィス開設支援事業助成金の雇用助成金
雲南市 4件。企業人材確保支援事業交付金、人材確保支援事業補助金、運転免許取得支援事業補助金、産業振興条例の雇用促進助成金
松江市 3件。人材確保支援事業補助金、職場環境改善支援事業補助金、企業立地奨励制度の雇用促進奨励金
安来市 3件。介護人材採用・定着支援補助金、介護人材定着支援事業費補助金、企業立地促進奨励金の雇用促進奨励金
隠岐の島町 3件。雇用機会拡充事業補助金、町内事業所の新たな雇用を支援する事業補助金、企業立地奨励条例の雇用助成金
浜田市 2件。介護人材確保・定着対策事業補助金、企業立地促進条例の雇用促進奨励金
益田市 2件。企業誘致雇用促進補助金、ソフト産業促進補助金の雇用促進補助金
吉賀町 2件。新規雇用促進助成金、企業立地促進助成金の雇用促進奨励金
大田市・飯南町・川本町・美郷町・邑南町・津和野町・海士町・西ノ島町 各1件。制度名はこのあとの節で1つずつ挙げます

32件のうち11件は、企業立地や企業誘致の条例に付いた雇用促進奨励金です。

出雲市の5件は商工と福祉に分かれる

出雲市の5件は、産業政策課に3件、高齢者福祉課に2件です。

産業政策課の側は、「求人情報発信支援事業補助金」(求人情報サイトへの登録料及び掲載料)と、企業立地促進条例の雇用促進助成金(市内に住所を有する増加常用従業員1人50万円、人口減少地域に立地する企業は65万円、限度額5,000万円)です。

もう1件が、中山間地域へのオフィス開設支援事業助成金の雇用助成金(市外からの移住者1人50万円、市内在住者1人30万円)です。

高齢者福祉課の側は、介護人材確保・定着推進事業費補助金(介護支援専門員1人20万円ほか。新規就労者支援や特定技能外国人の受入経費)と、介護人材育成支援事業補助金(研修受講料と教材費の2分の1・上限5万円。3か月以上の継続勤務が要件)です。

雲南市の4件も同じ形です。商工振興課に「企業人材確保支援事業交付金」(UIターン者1人上限10万円・年3人まで)と、人材確保支援事業補助金(2分の1・上限10万円)が並びます。

同じ課に「運転免許取得支援事業補助金」(従業員の大型・中型・準中型・二種免許の取得費に2分の1・1人上限10万円・1事業者3名以内)と、「産業振興条例の雇用促進助成金」(1〜4名は1人40万円、5名以上は1人70万円・上限5,000万円)もあります。

雲南市の人材確保支援事業補助金は、2026年度の受付が予算上限に達して終わっています。このあとの費目の節にも出てきますが、今年度中に使える枠としては数えないでください。

予算の範囲内という条件は60件すべてに付いていて、書類がそろっても交付が約束されるわけではありません。年度の途中で閉じることは実際に起きます。

立地の条例に付く雇用促進奨励金が11件

企業立地や企業誘致の条例に付く雇用促進奨励金が、7市3町に11件あります。1人あたりの単価はこうなります。

自治体 制度と単価
松江市 企業立地奨励制度の雇用促進奨励金。新規雇用従業員数×30万円。操業日の1年前から操業後3年までに採用し、松江市に住所を有する者が5人以上
浜田市 企業立地促進条例の雇用促進奨励金。新卒・UIターンかつ市内に住所を有する常用従業員1人50万円・上限5,000万円
出雲市 企業立地促進条例の雇用促進助成金。1人50万円、人口減少地域は65万円・限度5,000万円
益田市 企業誘致雇用促進補助金と、ソフト産業促進補助金の雇用促進補助金。どちらも増加常用従業員数×50万円・上限1,000万円
大田市 企業立地奨励条例の企業立地促進奨励金。製造業は新規雇用者数×20万円、ソフト産業は増加雇用従業員数×50万円・限度5,000万円
安来市 企業立地促進奨励金の雇用促進奨励金。安来市に住民票を置く増加常用従業員1人50万円・限度5,000万円
雲南市 産業振興条例の雇用促進助成金。1〜4名は1人40万円、5名以上は1人70万円・上限5,000万円
吉賀町 企業立地促進助成金の雇用促進奨励金。1年以上の継続雇用1人50万円・限度1,000万円
西ノ島町 企業誘致奨励事業補助金の雇用対策助成金。初年度は月額10万円を12か月、2年目から5年目は月額7万円。1人あたり総額456万円
隠岐の島町 企業立地奨励条例の雇用助成金。増加常用雇用従業員数×10万円・限度1,000万円

1人あたりの上端は西ノ島町の456万円で、県の100万円より大きくなります。下端は隠岐の島町の10万円です。10自治体で11件になるのは、益田市が2つの補助金に同じ雇用促進の枠を置いているためです。

11件はいずれも企業立地や企業誘致の認定が前提で、いま1人雇い足すだけでは届きません。松江市は操業日の前後という期間と5人以上という人数、西ノ島町は認定企業であること、吉賀町は事業開始から3年の間の継続雇用が条件です。

単価の欄だけで自社に当てはめず、条例の適用要件のほうから確かめましょう。

町の1件ずつにも制度名と単価がある

町の12件のうち7件は、7つの町に1件ずつあります。制度名と単価まで書き出します。

  • 飯南町 中小企業等人材確保対策事業補助金(産業振興課)。UIターンフェア等の旅費と出展負担金、都市部に住む出身者と面会するための出張費、有料人材紹介による紹介手数料、外国人材の受入にかかる渡航費
  • 川本町 企業人材確保育成支援事業費補助金(産業振興課)。2分の1・1事業あたり10万円。就職イベントへの参加と出展、印刷製本費、委託費
  • 美郷町 雇用促進奨励助成金(産業振興課 商工振興係)。新卒採用者・中途採用者を正規雇用して1年経過で1人30万円、1事業所の上限150万円。友好技能実習生は1人90万円で上限枠の外
  • 邑南町 中小企業小規模事業者人材確保支援事業支援金(産業支援課)。基本額15万円に年代別の加算(1人5万円から10万円)で、最高115万円
  • 津和野町 IT系企業誘致促進補助金の人材育成補助金(つわの暮らし推進課)。新規採用者が参加する本支店間の社内研修の交通費と宿泊費に、2分の1以内・1企業あたり年10万円
  • 海士町 雇用機会拡充事業補助金(交流促進課)。有人国境離島法にもとづく枠で、事業費の上限は600万円から1,600万円
  • 西ノ島町 企業誘致奨励事業補助金の雇用対策助成金(産業振興)。正規雇用1人につき初年度は月額10万円を12か月、2年目から5年目は月額7万円

残る5件は吉賀町と隠岐の島町にあります。吉賀町の新規雇用促進助成金は、雇用1人につき20万円、新卒者ならさらに20万円の上乗せで、1事業所あたり1年度5人までです。

隠岐の島町の町内事業所の新たな雇用を支援する事業補助金は、新規学卒者・Uターン者・Iターン者を対象に1名月額3万円、1事業主2名以内、3年度が限度です。

隠岐の島町にはもう1件、有人国境離島法にもとづく雇用機会拡充事業補助金があります。企業立地の側の2件は、前の表のとおりです。

町の枠は金額こそ小さめですが、費目は具体的です。飯南町は紹介手数料と出展負担金、川本町は印刷製本費、津和野町は新規採用者が参加する研修の交通費と宿泊費に、それぞれ名前を与えています。

海士町の枠は国の交付金で規模が違う

海士町雇用機会拡充事業補助金は、有人国境離島法にもとづく制度です。雇用増をともなう創業・事業拡大を行う事業者に、事業資金の一部が出ます。

事業費の上限は、創業支援が600万円、設備投資をともなう事業拡大が1,600万円、その他の事業拡大が1,200万円。負担の割合は国2分の1、地方公共団体4分の1、事業者4分の1です。

町のページが書いているのは「事業資金の一部を補助するものです」の一言ですが、公募要領の別表を開くと広告宣伝費の欄に費目が並びます。創業又は事業拡大に係る広告掲載費、ホームページ、パンフレット、DM製作・配布・郵送費です。

そして、新たに雇用する従業員の求人・選考に係る費用として、求人広告の掲載、求職者向けのセミナー・会社説明会への出展費用、事業者が負担した被選考者の交通費及び宿泊費等が並びます。

被選考者の交通費と宿泊費まで費目にある枠は、県内でここだけです。人件費の欄もあり、新たに雇用する従業員の給与は常勤で月額40万円、非常勤で月額25万円、パート・アルバイトは日額1万円が上限です。

ただし公募要領には、これまでの事業で支出していた経費の肩代わりや、元々採用が予定されていた者の人件費を、創業・事業拡大との因果関係が説明できない経費として採択しないと書かれています。

対象になる条件は狭く、順番も決まっています。令和9年度(2027年度)分は、エントリー期間が令和8年(2026年)7月1日から8月31日まで、本申請が9月1日から10月23日まで。エントリーが無いと本申請ができません。

受付から本申請、フォローアップまでを担うのは町ではなく隠岐國商工会で、交流促進課から業務委託を受けた形です。

同じ枠組みの制度は隠岐の島町、西ノ島町、知夫村にもあり、県にも特定有人国境離島地域創業・事業拡大支援事業があります。離島で採用まで含めて動かすなら、この枠組みを先に調べるのが早いはずです。

介護と福祉の枠は商工の一覧に無い

市町村の32件のうち5件は、商工の一覧に並んでいません。浜田市の介護人材確保・定着対策事業補助金は高齢障がい福祉課の所管です。

出雲市の介護人材確保・定着推進事業費補助金と介護人材育成支援事業補助金は高齢者福祉課、安来市の介護人材採用・定着支援補助金と介護人材定着支援事業費補助金は介護保険課が持っています。

安来市の介護人材採用・定着支援補助金は、この60件のなかでもっとも採用活動費に寄っています。

補助対象経費は、求人誌又は求人情報サイトへの掲載費、採用パンフレット等の作成の委託費、法人のホームページの求人情報ページに係る構築及び改修の委託費、採用PR動画の作成の委託費。

続けて、就職説明会等の会場確保に要する経費、勉強会やセミナーへの参加費とコンサルティング業務の委託費、出張費が並びます。補助率は2分の1・上限20万円で、雇用実績がない場合は6万6,000円です。

留学生の受入経費には2分の1・上限100万円の枠もあります。採用サイトの費用に費目名を与えているのは、商工の課ではなく介護保険課でした。

安来市にはもう1件、介護人材定着支援事業費補助金があります。新たに介護職員を採用したとき、事業所を運営する法人へ住宅手当の支給額等を10分の10・月額3万円まで、36か月以内で補助する枠です。

受け取るのは法人で、就職した本人ではありません。浜田市の枠は雇用1人4万円、県外からの転入なら6万円で、求人活動の側にも年度内5万円までの枠があります。

介護や障がい福祉の事業所なら、商工の一覧を飛ばして所管の課から入るほうが確実です。

採用の費用に名前がある制度を引く

60件を、やろうとしていることの側から引き直します。1つの制度が複数の行にまたがるので、下の数を足しても60にはなりません。

やること 費目名を確認できた制度
合同企業説明会の出展・ブース 8件
求人の掲載料・求人広告費 7件
人材紹介の手数料 7件
採用パンフレット・チラシの印刷費 6件
採用サイト・ホームページの制作費 4件
採用動画の制作費 3件
採用活動の代行の委託費 2件

数えたのは、交付要綱・公募要領・実施要領・別表のどれかで費目名を読み取れたものだけです。

飯南町の枠は出展負担金と有料人材紹介の手数料に名前があるので、その2行にだけ数えました。求人広告そのものの費目は無いため、掲載料の行には入れていません。

ホームページの費用は4件が名指しする

ホームページの費用に費目名を与えているのは、県に1件、市に2件、町に1件です。

制度 対象経費の書かれ方
島根県 新卒採用ブランディング支援補助金 自社発信のデジタル採用媒体の制作・改修費(ホームページ、SNS、動画等)
松江市 人材確保支援事業補助金 HP開設費(改修費を除く。)/新規ホームページ制作費(既存のホームページが無い企業に限ります。)
安来市 介護人材採用・定着支援補助金 法人のホームページの求人情報ページに係る構築及び改修の委託費
海士町 雇用機会拡充事業補助金 創業又は事業拡大に係る広告掲載費、ホームページ、パンフレット、DM製作・配布・郵送費

いちばん広く読めるのは県の新卒枠です。公募要領の留意事項は「外部ではなく、自社HPの作成・改修、自社のアカウントで発信するものが対象です」と添えていて、改修も入ります。

補助率2分の1・上限75万円で、税抜150万円の経費まで見てもらえる計算です。

ただし、この枠は委託料とセットです。採用ブランディングを目的に外部のコンサルティング会社と新たに契約し、採用ブランディング計画を策定することが前提になります。サイトの制作費だけを持ち込む使い方はできません。

松江市の書き方が2通りあるのは誤植ではなく、交付要綱と実施要領で文言が違うためです。ここは後の節で扱います。

安来市の枠は介護保険事業所を運営する法人に限られますが、求人情報ページの構築と改修の両方に名前があります。

動画のほうは3件です。県の新卒枠は媒体に「動画等」を含め、安来市は採用PR動画の作成の委託費、雲南市はPR動画作成費を挙げています。

撮影や編集を外に出す前提なら、この3件のどれかに当てはまるかどうかが分かれ目になります。作るものを決める前に、当てはまる枠があるかを確かめておかれるとよいでしょう。

掲載料と求人広告費には7件が当たる

募集を外に出す費用のほうが、当たりは増えます。県の新卒採用ブランディング支援補助金、松江市の人材確保支援事業補助金、出雲市の求人情報発信支援事業補助金、浜田市の介護人材確保・定着対策事業補助金。

残りは安来市の介護人材採用・定着支援補助金、雲南市の人材確保支援事業補助金、海士町の雇用機会拡充事業補助金で、合わせて7件です。

書きぶりは同じではありません。出雲市が挙げる費目は「求人情報サイトへの登録料及び掲載料」の1行だけで、そこに「など」も「その他」も続きません。

県の新卒枠は「新卒対象就活サイト登録料」で、転職者向けのサイトは公募要領が明示的に外しています。媒体の種類で対象が区切られている制度が、島根県には2つあります。

浜田市の枠は所在が変わっています。介護人材確保・定着対策事業補助金のなかに人材確保(求人活動)の枠があり、求人広告料、チラシ印刷代、会場使用料、消耗品費が挙がります。1事業者につき年度内5万円までの小さな枠です。

雲南市の費目は「その他人材募集広告費」、安来市は「求人誌又は求人情報サイトへの掲載費」で、どちらも媒体の種類までは絞っていません。

出雲市の枠は、金額より先に日程で差が出ます。市が開くセミナーの受講と採用ブランディング計画の作成が、申請の条件になっているためです。

出雲市で求人サイトの掲載料を見ている方は、セミナーの日程と計画書の書き方をまとめた記事で確かめてみてください。

参考記事:『【上限20万円】「出雲市求人情報発信支援事業補助金」はセミナー必須?日程を紹介!

紹介手数料は県の枠が130万円まで

紹介の手数料となると、全国では対象から外している制度のほうが目立ちます。島根県では7件が費目名を持っていました。

制度 手数料の扱い
島根県 専門人材確保推進事業費補助金 人材紹介手数料(成功報酬部分)に2分の1以内・1人130万円。DX人材の採用とスタートアップ企業の活用は3分の2以内・1人170万円
島根県 専門人材(副業・兼業)確保推進事業費補助金 人材紹介手数料に12万円・上限3か月分(DX人材・スタートアップ企業は24万円・上限6か月分)
島根県 副業・兼業人材活用促進事業費補助金 報酬・交通費宿泊費・人材紹介手数料の合計に10分の8以内・50万円
島根県 外国人介護人材受入支援事業費補助金 人材紹介に係る経費。渡航費・送迎費・講習費と同じ欄に並ぶ
松江市 人材確保支援事業補助金 有料職業紹介事業者、新卒採用代行事業者、外国人技能実習監理団体等の人材紹介サービスの利用に関する経費
雲南市 人材確保支援事業補助金 同じ3者の人材紹介サービス等の利用に関する経費。2分の1・上限10万円
飯南町 中小企業等人材確保対策事業補助金 有料人材紹介による紹介手数料。補助率と上限は制度案内PDFで確かめる必要があります

紹介手数料に出る額としては、この60件のなかでいちばん大きい枠です。基本の1人130万円に対し、DX人材の採用とスタートアップ企業の活用は3分の2以内・1人170万円まで上がります。

ただし県の3制度には共通の前提があり、島根県プロフェッショナル人材戦略拠点のマッチングを通していることが要ります。

この拠点は、県が国の事業を受けて設けた、都市部の専門人材と県内企業をつなぐ窓口です。自社で直接依頼した紹介会社への支払いは、この3件のどれにも入りません。

福祉の側の1件は前提が違います。外国人介護人材受入支援事業費補助金は、介護の事業所が特定技能や技能実習の人材を受け入れるときの経費をまとめて見る枠で、紹介手数料はその一部です。

紹介会社に声をかける前に、拠点を通す順番になっていないかだけ確かめておくと安心です。

印刷費と出展料は町の要綱にもある

紙の費用に費目名があるのは6件です。浜田市のチラシ印刷代、安来市の採用パンフレット等の作成の委託費、雲南市のパンフレット及びチラシ等の印刷費、川本町の印刷製本費、海士町のパンフレット製作費、県のしまねの建設担い手確保育成補助金の印刷製本費。

川本町の交付要綱の別表1は「自社の雇用を確保することを目的に自らが実施する事業に係る印刷製本費、委託費 など」を挙げていて、採用パンフレットや求人チラシの印刷費は正面から対象です。

説明会の側は8件で、こちらも町の要綱に入っています。松江市の合同企業説明会の負担金、県の新卒枠のブース装飾品、県の建設担い手確保育成補助金の合同企業説明会、浜田市の会場使用料。

続けて、安来市の就職説明会等の会場確保、飯南町のUIターンフェア等の出展負担金、川本町のブース出展料等、海士町の会社説明会への出展費用です。

説明会の出展料には、開催地の条件が付く制度があります。松江市の負担金は「松江市、出雲市、安来市、米子市、又は境港市で開催されるもの」に限られていて、米子市と境港市は鳥取県です。県境をまたいで圏域で対象エリアを区切った書き方になっています。

県の新卒枠は、ブース本体ではなく「合同企業説明会等のブース装飾品の作製品」を対象にしています。公募要領の留意事項は、学生へ個別に配るノベルティを対象外と明記しています。

県のしまねの建設担い手確保育成補助金は、合同企業説明会と現場見学会をまとめて情報発信事業の対象に置いていて、印刷製本費もここに入ります。同じ説明会の費用でも、どこまでが入るかは制度ごとに違います。

採用代行の委託費は2件だけ

採用活動の代行にあたる費用に名前を与えているのは、松江市と雲南市の2件です。

どちらも「有料職業紹介事業者、新卒採用代行事業者及び外国人技能実習監理団体等が提供する人材紹介サービス等の利用に関する経費」という並びで、新卒採用代行事業者の語が入っています。

とはいえ条文が挙げているのは新卒の代行事業者で、中途の代行まで届くかどうかは書かれていません。雲南市の枠は2分の1・上限10万円で、1年度あたり1回限り。所管は産業観光部の商工振興課です。

採用の代行そのものを丸ごと見る枠は、島根県内では見当たりませんでした。中途の募集を外に出すなら、掲載料か紹介手数料の枠で組み立てます。

可否は交付要綱と公募要領で決まる

ここまでは、どこに何があるかの話でした。次は、見つけた1件を開いたあとの話です。

60件のうち、交付要綱・公募要領・実施要領・チラシまで開いて突き合わせたのは16件です。無作為に選んだ16件ではありません。自治体のページを読んだ段階で判断がつかなかったもの、書きぶりが引っかかったものを選んで開いています。

その16件のうち14件で、自治体の案内と要綱・要領のどちらかが食い違っていました。選び方が偏っているので、残る44件も同じ割合で危ないという意味にはなりません。ただ、迷ったら要綱を開く価値はあると思われます。

食い違い方は4つの型に分かれます。内容そのものが違う型が4件、案内が要綱の項目を落としている型が3件、金額も要件も案内に無い型が5件、案内そのものが見当たらない型が2件です。

このうち項目を落としている型の3件は、川本町、雲南市、そして先に見た海士町です。海士町のページは「事業資金の一部を補助するものです」の一言で、求人・選考の費用は公募要領の別表にしか出てきません。

以下、内容そのものが違う型の4件から順に見ていきます。

県のインターン枠は要件の全部を満たす必要はない

いちばんはっきり出ているのが、魅力あるインターンシップ・仕事体験支援補助金です。

どの文書か 要件の書き方
県のページ 下記アからウの全ての条件を満たすこと
公募要領 下記アからウのいずれかの条件を満たすこと

アとイの主語は「商工団体を除く中小企業者等が」、ウの主語は「経営指導員等が欠員している商工団体が」です。商工団体でない会社と商工団体を、1社で同時に満たすことはできません。

県のページのとおりに全部を満たそうとすると、当てはまる事業者がいなくなります。実際に判断の基準になるのは公募要領のほうで、アからウのどれか1つで足ります。

アは2024年4月1日から2026年3月31日までにインターンシップ・仕事体験を募集または実施したものの、2026年3月卒の採用実績が採用計画数に届かなかったことです。

イは県やジョブカフェしまねの事業を使った実績があり、同じく採用計画数が未達であることです。

補助率2分の1・上限50万円で、対象経費は運営の委託料、プログラム設計の委託費、研修受講料、広報費等。第3回の締切は令和8年(2026年)8月28日17時で、3回のうち最後です。

県のページの一文で自社を外して読むと、50万円の枠が視界から消えます。ウは自社の話ではない、で終わらせずに公募要領まで開きましょう。

県の新卒枠はインターン枠を使った翌年も申請できる

新卒採用ブランディング支援補助金にも、同じ性質の食い違いがあります。

県のページの注記は「みなし大企業、過去に本補助金、魅力あるインターンシップ・仕事体験支援補助金を受けた方は対象外です」となっています。

一方、公募要領の「令和7年度からの主な変更点」の2つ目には、こう書かれています。魅力あるインターンシップ・仕事体験支援補助金を過年度に活用した事業者についても、本補助金が活用できるよう変更しました。ただし、同一年度内に2つの補助金を活用することはできません。

交付要綱第4条第8号も、禁じているのは同一年度内の重複だけです。去年インターンシップの枠を使った会社にとっては、ここが分かれ目になります。

県のページの注記だけを読むと、今年の75万円をあきらめてしまいます。

この制度は、要件の数でも差が出ます。県のページが並べている要件は9項目ですが、交付要綱第4条と公募要領は12項目です。

落ちているうちの1つが、2025年4月1日から申請日までの期間内にインターンシップ・仕事体験を参加募集または実施していること。第3回の締切は令和8年(2026年)9月4日17時です。

県のページに出ていない要件で、申請の可否が決まります。今年の75万円を見ているなら、公募要領の12項目を先に突き合わせるのが確実です。

松江市は既存サイトがあると外れる

市の側にも同じことが起きています。松江市の人材確保支援事業補助金は、ホームページの費用について、交付要綱と実施要領で条件の付け方が違います。

どの文書か ホームページに関する文言
交付要綱 別表 HP開設費(改修費を除く。)
令和8年度 実施要領 別表 新規ホームページ制作費(既存のホームページが無い企業に限ります。)

要綱は経費の性質で切り、要領は企業の状態で切っています。すでにコーポレートサイトを持つ会社が採用サイトを新しく立ち上げる場合、要綱の基準なら「開設」で残り、要領の基準なら「既存のホームページがある企業」で外れます。

差は、市の案内の説明文にも出ています。冒頭の1行が研修と教育訓練の話から始まっていて、これが同じ一覧の人材育成支援事業補助金の文章とそっくり重なります。

交付要綱第3条が掲げている目的のほうは、中小企業者の慢性的な人手不足解消に向けた人材確保です。

すでに自社サイトを持っていて採用ページを足したい方は、業種の限定と6つの経費区分までまとめた記事で確かめてください。

参考記事:『【上限50万円】「松江市人材確保支援事業補助金」は既存サイトがあると対象外?対象経費を解説!

松江市には、このほかに職場環境改善支援事業補助金があります。製造業を主たる事業とする市内中小企業者の職場環境改善に出る枠で、目的に人材定着が明記されています。

所管はどちらもものづくり産業支援センターで、3件目の企業立地奨励制度の雇用促進奨励金だけが定住企業立地推進課です。

出雲市の小売業は従業員50人以下が基準

出雲市の求人情報発信支援事業補助金にも、小さな差が2つあります。1つは名前で、市のページの見出しにだけ「事業」の2文字が入り、要綱・様式・手引き・チラシは入らない形です。こちらは指すものが同じなので実害はありません。

差が出るのはもう1つのほうです。手引きに載っている規模表だけが、小売業の従業員数を100人以下としています。

ただし交付要綱第2条第1号は「中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項に規定する中小企業者をいう」と定義していて、同法の小売業は50人以下です。同じ市のデジタル化促進支援事業補助金の案内も50人以下でした。

要綱が正本である以上、食い違っているのは手引きの規模表のほうです。従業員が51人から100人のあいだにいる小売業の会社は、申請の前に窓口で確かめてください。

川本町は印刷費も要綱の別表に入る

川本町の企業人材確保育成支援事業費補助金のページは、雇用促進活動支援事業の経費をこう説明しています。就職イベント等へ参加または自らが行う雇用促進に寄与すると認められる事業に対し、参加及び実施に係る経費(ブース出展料等)を対象に補助金を交付します。

この1文のなかで費目として名前が出るのは、括弧の中の「ブース出展料等」に限られます。紙を刷る費用も、外に出す費用も、この本文からは読み取れません。

説明会に出る予定が無い会社なら、この行で自社の話ではないと判断しても無理はないところです。

一方、交付要綱の別表1は経費を2つの行で並べていて、下の行に「印刷製本費、委託費 など」があります。補助率2分の1・1事業あたり10万円で、採用パンフレットや会社案内、求人チラシの印刷費は正面から対象に入ります。

要件の置き場所も分かれています。町税及び法人税等の滞納が無いことを求める一文が載るのはチラシだけ、宗教法人と政治団体を外す一文が載るのは要綱だけです。3種類を並べて初めて、条件が全部そろいます。

川本町で採用パンフレットを刷る予定がある方は、要綱の別表と30日前の申請期限まで押さえた記事へどうぞ。

参考記事:『【上限10万円】「川本町企業人材確保育成支援事業費補助金」は就職イベント以外も出る?対象経費を解説!

雲南市は業種の受け皿が要綱にある

雲南市の企業人材確保支援事業交付金は、UIターン者や市内転居者、市外事業所からの転職者を正社員として採用し、入社支度金等を支給した事業主に、その実費を交付する制度です。

UIターン者1人あたり上限10万円で、1事業主につき年3人までです。対象業種は市のページに4つ並んでいます。建設業、福祉・介護事業、製造業とソフト産業と宿泊業、道路旅客運送業と道路貨物運送業です。

ここに、要綱にしか無い一行があります。交付要綱第2条第1号のウは「その他市長が認める業種」です。

業種の受け皿は要綱にしか書かれておらず、市のページには出てきません。4つのどれにも当たらない会社が、ページを見て自社を外す作りになっています。

市のページには、もう1つ気になるところがあります。柱書は「次の1から3のいずれかに該当するもの」ですが、その下に並ぶ項目は4つです。

4番目には新設と付記があり、業種を追加したときに柱書が直されないまま残ったと読めます。自社の業種が4つの外なら、ウに当てはまるかどうかを商工振興課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。

金額は要綱と団体のページで確かめる

金額も要件も自治体のページに載っていない型が5件、ページ自体が見当たらない型が2件でした。県の専門人材にかかる3制度、いきいき職場づくり支援補助金、吉賀町の新規雇用促進助成金、そして隠岐の島町の2制度です。

制度の名前だけを見て次に進むと、いちばん大きい枠を落とします。以下、どこに数字があるかを1件ずつ見ていきます。

県の3制度は拠点のページで金額が出る

県のページで専門人材の確保にあたる制度を探すと、雇用政策課の一覧に「専門人材確保推進事業費補助金」の1行が見つかります。開くと、本文は5行です。

制度の趣旨のあとに「詳しくはプロフェッショナル人材戦略拠点のページ(外部サイト)をご覧ください」とあり、金額も補助率も要件も、県のページには載っていません。

130万円という上限も、UIJターンの定義も、募集期間の令和9年(2027年)2月15日までという区切りも、島根県プロフェッショナル人材戦略拠点のページで初めて出てきます。

専門人材の定義にいたっては、そのページにもありません。当該業務に概ね3年以上の実務経験があること、年間換算給与額または役員報酬が原則300万円以上であること、補助対象事業者の役員の3親等以内の親族を除くこと。ここまでは支給要領のPDFです。

副業・兼業にかかる2制度は、さらに手前で消えます。専門人材(副業・兼業)確保推進事業費補助金と、副業・兼業人材活用促進事業費補助金です。

この2件は、県のページに制度名すら出てきません。都市部の専門人材を探している方は、県の一覧ではなく拠点のページから入るのが確実です。

いきいき枠は経営者協会に上限がある

いきいき職場づくり支援補助金も同じ形です。県のページには2つの支援補助金の趣旨と取組内容が書かれていますが、金額の記載はありません。

末尾に「当補助金の申請は、一般社団法人島根県経営者協会で受け付けております」とあります。数字のほうは経営者協会のリーフレットにあります。

上限80万円(2つの補助金の合計)、補助率はソフトの場合2分の1・ハードの場合3分の1、受付は令和8年(2026年)4月1日から令和9年(2027年)1月29日まで。

そして、採用の話として効く要件がここに書かれています。「しまねいきいき職場宣言」の宣言企業であることに加えて、過去3年度間または当該年度に新規採用実績があること、もしくは1年以内に新規採用の見込みがあること。

職場環境の制度でありながら、申請条件で採用の状況を見ています。

この制度は、県の別の枠の要件にも顔を出します。魅力あるインターンシップ・仕事体験支援補助金の要件イが挙げる県事業の1つが、いきいき職場づくり支援補助金です。先に使った制度が、次の制度を使える条件を開ける作りになっています。

吉賀町は要綱に1人20万円とある

町の側にも同じ型があります。吉賀町の新規雇用促進助成金のページは、制度の趣旨が2行と、交付要綱と様式のリンクだけです。金額の記載はありません。

要綱を開くと、第4条に額が書かれています。対象従業員の雇用1人につき20万円。対象従業員が新卒者の場合は、1人につき20万円を上乗せ。対象従業員は1事業所につき1年度あたり5人が上限です。

期限も要綱に書かれています。対象になるのは、令和4年(2022年)4月1日から令和8年(2026年)9月30日までの間に正規雇用従業員として雇用された者です。

ほかに、1週間の所定労働時間が30時間以上であること、町の住民基本台帳に記載されていること、基準日の12か月前から基準日において当該事業所に正規雇用されていなかったことが並びます。

2行の紹介だけでは、期限が迫っていることも分かりません。吉賀町で年内に採用の予定があるなら、9月30日までの枠かどうかを先に確かめておくと安心です。

吉賀町にはもう1件、企業立地促進助成金の雇用促進奨励金があります。事業開始から3年の間に1年以上の継続雇用を行っている者の数に50万円を掛けた額で、限度額は1,000万円。所管はどちらも企画課です。

隠岐の島町の2件は町の要綱で確かめる

ページ自体が見当たらない型は、隠岐の島町の2制度でした。

町サイトの産業・ビジネスのページを上から読んでも、雇用機会拡充事業補助金と、町内事業所の新たな雇用を支援する事業補助金のページは出てきません。確認できたのは、町が公開している交付要綱でした。

後者は、雇う側に出る制度です。対象被雇用者1名につき月額3万円、1年度の対象被雇用者は1事業主あたり2名以内、補助対象となった年度から起算して3年度を限度とします。

対象は新規学卒者、Uターン者、Iターン者で、申請年度の4月1日時点で40歳未満の者です。

交付対象者の側にも条件が並びます。くらしまねっとまたはジョブカフェしまねに登録していること、一般財団法人島根県東部勤労者共済会に加入しているか同等程度の福利厚生制度を設けていること、隠岐の島町雇用対策協議会へ加入していること。

要綱でしか読めない制度に、登録と加入の要件が3つ入っています。隠岐の島町で採るなら、登録と加入の手続きを先に済ませてから動く順番になります。

窓口が自治体の外にある制度が8件ある

金額の所在と同じくらい差が出るのが、受付をどこがやっているかです。自治体の窓口に電話をしても、そこが最終的な相談先ではない制度が8件ありました。

制度 受付をする団体
専門人材と副業・兼業にかかる3制度 島根県プロフェッショナル人材戦略拠点
いきいき職場づくり支援補助金 一般社団法人島根県経営者協会
外国人材定着支援補助金のハード事業 島根県経営者協会
外国人材定着支援事業の日本語学習支援 島根県中小企業団体中央会
外国人介護人材受入支援事業費補助金 島根県老人福祉施設協議会
海士町雇用機会拡充事業補助金 隠岐國商工会

表は6行ですが、いちばん上の行が3制度なので合計8件です。制度を探すときも、自治体のサイトだけを見ていると届かない範囲が残ります。

見積を取る前に交付要綱を開いて、担当課と受付の団体へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。

作る費用より、使える枠を先に決める

島根県内で確認できた60制度のうち、採用サイトやホームページの制作費に費目名があるのは4件でした。上限が分かる枠では20万円から75万円で、補助率はいずれも2分の1です。どれも予算の範囲内での交付なので、枠が埋まればそこで止まります。

厚いのは募集を外に出す費用のほうです。説明会の出展に8件、掲載料と紹介手数料に各7件が費目名を持ちます。作る費用の4件は、計画の策定や業種、既存サイトの有無が条件になっています。作るものを決める前に、どの枠が使えるかを決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人
【全60件】「島根県」で採用に使える補助金は?対象の費用と相談窓口をまとめて紹介! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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