【全57件】「広島県」で採用に使える補助金は?対象の費目と名簿の有無を整理

補助金の案内を開いて、対象経費も上限額も自社に当てはまった。ところが補助対象者の欄の最後に、聞いたことのない宣言の名前が並んでいる……。

広島県内の制度を1件ずつ調べると、この形に何度も行き当たります。要件を満たすより先に、どこかの名簿へ名前を載せないと対象に入れない制度が、県と市町を合わせて10件ありました。

そこで県内の枠を、「どの名簿に載っていれば通るのか」から引ける形に並べ直しました。では見ていきましょう。

この記事でわかること

  • 事業者が受け取れる採用まわりの枠は、広島県内に何件あるのか?
  • 補助金の要件より手前にある名簿は、いくつあるのか?
  • 名簿に載るまでの時間は、制度によってどれだけ違うのか?
  • 名簿ではなく雇用人数で対象が決まる枠は、どの担当課にあるのか?
  • 採用サイトの制作費に費目名を与えている制度は、県内のどこにあるのか?

制度名・補助率・上限額・期限の出どころは、2026年8月に広島県と県内市町が公開していた案内、交付要綱、チラシ、登録事業者の一覧です。個別の申請の段取りは、それぞれの記事に譲ります。

広島県で採用に使える補助金は57制度

企業の側が受け取れる採用まわりの枠を県内で数えると、2026年8月時点で57件になりました。県が6件、市町が51件です。23市町のうち、14市はすべて枠を持っています。

区分 数と内訳
制度の合計 57件(県6件・市町51件)。確認できた範囲の下限
制度を確認できた自治体 県と19市町(14市すべてと5町)
広島県の市町数 23(14市9町)
件数の多い自治体 福山市11件・三次市6件・三原市と廿日市市が各4件

並ぶのは県か市町が財源を持つ制度です。国の雇用関係の助成金は、申請先も時期の決まり方も別の仕組みになります。

県の枠も市町の枠も自社には遠いと感じた方は、国の助成金まで広げて全体像から入るほうが早いはずです。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

数えたのは事業者が受け取る枠

この記事の対象は、採用活動費・雇用そのもの・人材確保・職場定着のいずれかを目的か対象経費に持ち、事業者の側が受け取る枠です。制度の単位は名称が付いている1本で、内側に事業が並んでいても分けていません。

「竹原市中小企業人材確保支援事業補助金」は、5つの補助対象事業を持っていますが1件と数えました。新しく雇った人数に応じて出る企業立地の奨励金も、雇用そのものに出る枠として入れています。

表に探しに来て見つからないものも挙げておきます。大竹市の「第二種運転免許取得の助成」は、費用を負担した市内交通事業者へ出る枠だけを数え、求職者本人・移住者本人・学生本人へ渡るものは外しました。

対象に入るかどうかの判断が割れたものも、10件そのまま入れました。人材育成の研修費が2件、賃上げが1件、外国人材の日本語学習が1件、男性育休が1件、人材戦略の策定が1件、賃料が主のオフィス誘致が2件、現地調査費が1件、額が規則にあって条例から読めないものが1件です。

この10件を外して数えると47件になります。自社が当てにする枠がこの判定が割れやすい範囲にあるなら、費目の欄より先に制度の目的の欄を読むほうが確実です。

県の6件は所管が課ごとに分かれる

制度 対象と上限
Go!ひろしま奨学金返済支援制度導入企業応援補助金 奨学金返済支援手当の3分の2以内。人的資本開示企業枠は4分の3
広島県採用手法向上ハンズオン支援補助金 承認コンサルタントによる採用手法の伴走支援。2分の1・上限40万円
中小企業等プロフェッショナル人材確保支援事業補助金 登録人材紹介会社への紹介手数料。成功報酬の2分の1
広島県インターンシップ等交通費・宿泊費補助金 県外大学生の交通費・宿泊費の2分の1・1人10万円
多様性を受容する職場づくりのための実習促進補助金 支援機関を通じた職場実習の受入
広島県人的資本経営促進補助金 人材戦略の策定を含む。外部開示150万円・内部開示30万円

県の6件は、同じ商工労働局のなかで所管が割れています。雇用労働政策課が4件(Go!ひろしま、採用手法向上ハンズオン、インターンシップ等交通費・宿泊費、多様性を受容する職場づくり)、プロフェッショナル人材確保が産業人材課、人的資本経営促進補助金が人的資本経営促進課です。

Go!ひろしまの補助率を4分の3へ上げる条件も、この人的資本経営促進課にあります。県の枠を調べるときは、雇用の課で一度に聞き切ろうとしないほうがよいでしょう。

枠があるのは9町のうち5町

9町のうち5町には枠がありました。制度名が出てこない4町も、同じ理由で落ちているわけではありません。

府中町・海田町・坂町の3町は、事業者向けの支援を開いて無かったほうです。並ぶのは融資の利子補給と出店支援と物価高騰対策で、採用や雇用を目的にした枠はありません。

熊野町は、開けなかったほうです。2026年8月26日の時点で町のサイトに到達できていません。制度が無いのではなく、確かめられていないという扱いです。

57件も、上限ではなく下限です。今回開いたのは商工・産業振興・雇用労働・企業立地の各課で、福祉や農林の担当課までは開いていません。大竹市の枠が市民課にあったように、採用に効く枠が産業の階層の外にあることは実際にあります。

対象を決めるのは先に載る名簿

ここからが本題です。57件の補助対象者の欄を並べると、要件を満たす前にどこかの名簿へ名前を載せておくことを求める制度が、10件ありました。宣言、登録、認定、承認。呼び名は違いますが、いずれも申請の前に済ませておく別の手続きです。

名簿 かかる制度
グリーンな企業チャレンジ宣言(福山市) 福山市の6制度
キャリア教育促進のための企業情報一覧(福山市) 福山市の2制度
はつかいち子育て応援宣言企業(廿日市市) 廿日市市の2制度
登録人材紹介会社(広島県) 県プロフェッショナル人材確保支援事業補助金
採用手法向上ハンズオン支援コンサルタント(広島県) 県ハンズオン支援補助金
広島県人的資本経営研究会の会員と開示レポート(広島県) 県Go!ひろしま奨学金返済支援の4分の3枠
働き方改革実践企業等の5認定と1公表(広島市) 広島市企業PR力向上経費補助の3分の2枠。確認できたのはえるぼし・ユースエール・広島県働き方改革実践企業(令和2年度で制度終了・累計351社)

名簿は7つです。下の2行は対象条件ではなく補助率を上げる条件なので、名簿に触れる制度は合わせて12件になります。1つの制度が複数の名簿を求めるため、右の列を縦に足した数とは合いません。

福山市は宣言の申請が6制度の前提

福山市の補助対象者の欄には、判で押したように同じ一文が入ります。「福山市の『グリーンな企業チャレンジ宣言』を申請していること」。

奨学金返済支援制度導入促進、女性の働く環境改善、インターンシップ関連経費、働き方改革実践応援奨励金、兼業・副業人材活用、U・Iターン就職促進。福山市の11制度のうち6制度が、この宣言を前提条件に置いています。

宣言そのものは、市が官民連携で構えた「グリーンな企業プラットフォーム」への参加表明です。環境への配慮、女性・障がい者・高齢者等の雇用促進、働きやすい職場環境の整備。この3分野の取組を出す形で、市のSDGs推進宣言を兼ねます。

インターンシップ関連経費とU・Iターン就職促進の2件には、もう1つ条件が重なります。「キャリア教育促進のための企業情報一覧に登録又は申込していること」。採用の枠に近い2制度ほど、名簿が二重になります。

インターンシップの受け入れを今年の採用計画に入れている方は、宣言と一覧の両方を先に確かめておきましょう。福山市の枠だけを追うなら、個別の記事からどうぞ。

参考記事:『【上限15万円】「福山市インターンシップ関連経費補助金」は採用サイトに使える?対象の費目を解説!

廿日市市は登録証の写しを添える

廿日市市の男性育児休業取得促進奨励金と男性の子の看護等休暇取得促進奨励金は、どちらも交付対象者の要件に「はつかいち子育て応援宣言企業に登録していること」が入ります。

福山市との違いは、証明の求め方です。廿日市市は申請書類の一覧に「はつかいち子育て応援宣言企業登録証の写し」を挙げています。申請しているだけでは足りず、手元に登録証がある状態が要ります。

金額は、男性育児休業のほうが1事業者あたり年度50万円まで、子の看護等休暇のほうが同一年度1回限りの10万円です。育児休業のほうは、同一年度内の累計が50万円に達するまで何度でも申請できます。

男性の育休を取る予定が出ている会社は、登録の手続きから先に済ませておかれると安心です。

県の2制度は頼む相手が名簿で決まる

県の制度では、名簿に載る主体が入れ替わります。自社ではなく、発注する相手が載っているかどうかが問われます。

「中小企業等プロフェッショナル人材確保支援事業補助金」は、県に登録された人材紹介会社の職業紹介で人材を採用した場合に、紹介手数料の成功報酬部分の2分の1を見ます。上限は1人100万円で、採用後1年間の報酬支払見込み額が1,000万円以上などの場合は200万円です。

条件ははっきりしています。「登録していない人材紹介会社を利用した場合は対象となりません」。しかも契約した日から手数料を支払う日までの全期間で、相手が登録を保っている必要があります。

一覧は県がPDFで公開していて、令和8年8月6日現在で67社です。紹介での採用を考えているなら、声をかける前にこの67社に入っているかを確かめておきましょう。

ハンズオンは会社が申請者にならない

いちばん変わった作りをしているのが、「広島県採用手法向上ハンズオン支援補助金」です。県内中小企業等がコンサルタント事業者の伴走支援を受けて、自社の採用手法を組み立て直す費用を見る制度で、補助率は2分の1、上限は40万円です。

ここで名簿に載るのはコンサルタントのほうです。交付要綱第3条には「補助事業者は…コンサルタントとして登録された者でなければならない」と書かれています。申請するのも交付を受けるのも会社ではなく、県が承認した事業者のほうです。会社は承認済みの事業者へ申し込む側に回ります。

承認されているのは24社で、県のページに社名とチラシが並びます。会社側にも要件が付きます。県内に本社・本店等があること、前3年の新卒採用実績と後3年の採用計画があること、県の「ひろしまワークス」と「Go!ひろしま」を利用していること、誓約書を知事へ出すこと。原則1社1回です。

この補助金には続きがあります。交付決定を受けた企業だけが、インターンシップ等に参加する県外大学生へ払う交通費・宿泊費の2分の1を、県の「インターンシップ等交通費・宿泊費補助金」で見てもらえます。1人あたり10万円まで、一社当たりの上限はありません。

伴走支援を受ける年は、交通費の枠まで含めて設計すると、2つの制度を1つの流れで使えます。

自治体別に引く市町の51制度

自社の所在地から引けるように、県内を5つに分けて並べます。広島・廿日市の周辺が11件、呉・東広島の周辺が9件、三原と尾道と世羅が9件、福山・府中と神石高原が14件、三次と庄原が8件。県の6件は前の表に載せました。

広島と廿日市の周辺は6市町で11制度

制度 金額と要点
広島市 中山間地域における中小企業の人材確保支援事業補助金 企業PR力向上経費補助は2分の1・30万円
広島市 企業立地促進補助制度 賃料年額の2分の1・限度1,000万円。大規模雇用が要件
廿日市市 男性育児休業取得促進奨励金 1事業者あたり50万円/年度
廿日市市 男性の子の看護等休暇取得促進奨励金 10万円・年度1回限り
廿日市市 オフィス誘致促進助成金 3年で最大600万円。常用労働者1人以上
廿日市市 中小企業大学校広島校研修受講補助金 2分の1以内・5万円
大竹市 第二種運転免許取得支援補助金 2分の1・30万円。市内交通事業者向け
安芸高田市 企業立地奨励金 新規雇用1人12万円・限度600万円
安芸高田市 サテライトオフィス進出助成金 県と合計10分の10で年100万円
安芸太田町 企業誘致促進補助制度 新規雇用3人以上で奨励金。額は要綱
北広島町 地域産業活性化オフィス誘致促進事業補助金 年50万円・総額150万円

広島市の人材確保支援事業補助金は、市が中山間地域と定めた区域に事業所がある会社だけが使えます。廿日市市の4制度は、両立支援とオフィス誘致と人材育成に分かれます。

広島市内でも区域の外にあればこの条件で外れるので、住所から先に確かめるほうが早いはずです。

呉と東広島の周辺は5市町で9制度

制度 金額と要点
呉市 企業立地条例助成金 新規雇用従業者助成金は正社員1人50万円・パート20万円
呉市 中小企業人材育成研修費補助金 2分の1以内・20万円。予算額に達し次第終了
東広島市 企業立地促進助成制度 市内在住の新規雇用1人20万円・限度なし
東広島市 サテライトオフィス等誘致促進助成制度 賃借料・通信回線は県と合わせて10分の10を3年間、イニシャルコストは10分の3。合計で年度1,000万円。新規雇用常用労働者1名以上が交付要件
竹原市 中小企業人材確保支援事業補助金 2分の1・10万円。5つの補助対象事業
竹原市 サテライトオフィス等誘致促進助成金 新規雇用3名以上。年200万円
江田島市 企業立地奨励制度 4種の奨励金の1つが新規雇用分
江田島市 サテライトオフィス等誘致促進事業補助金 県と合計10分の10で年200万円
大崎上島町 サテライトオフィス誘致促進補助金 月5.6万円。常用雇用1人以上

この地域の9制度は、竹原市の人材確保支援事業補助金を除くと、雇ったあとか事業所を置いたあとに出る枠です。今年の募集費用を軽くしたい会社は、自社の市町の枠がどちらの型かを先に見分けておくほうが確実です。

三原と尾道と世羅は3市町で9制度

制度 金額と要点
三原市 中小企業者等奨学金返済支援事業費補助金 県補助金の2分の1を追加。県の交付決定が前提
三原市 障害者雇用奨励金 市内に住所を有する障害者を常用で雇用
三原市 工場等立地促進制度 新規雇用1人30万円・市外在住20万円
三原市 賃上げ支援事業補助金 人材確保等のための賃上げ
尾道市 中小企業等奨学金返済支援導入促進事業補助金 市内在住従業員分の最大2分の1
尾道市 オフィス誘致・本社移転にかかる優遇制度 新規雇用1人30万円・限度3,000万円
尾道市 工場等立地優遇制度 新規雇用1人30万円・限度3,000万円
世羅町 中小企業等奨学金返済支援制度導入応援補助事業 認定企業は年10万円・働き方改革実践企業は年6万円
世羅町 ICT企業誘致現地調査費助成金 2分の1・1人1回限り45,000円

3市町の奨学金返済支援は、いずれも県の枠に上乗せする形です。従業員の返済を肩代わりする制度を入れるなら、県の枠から順に通すのが早い道筋です。

福山と府中と神石高原は3市町で14制度

制度 金額と要点
福山市 奨学金返済支援制度導入促進事業補助 3分の1・36万円。県の交付決定は前提でない
福山市 女性の働く環境改善補助金 グリーンな企業チャレンジ宣言の申請が要件
福山市 インターンシップ関連経費補助金 2分の1・1事業者15万円
福山市 キャリア教育支援事業補助金 企業見学バスツアー
福山市 働き方改革実践応援奨励金 取組内容の数に応じた奨励金
福山市 兼業・副業人材活用事業補助金 業務委託料の100分の65。成功報酬は対象外
福山市 障がい者雇用奨励金 障がい者の雇用
福山市 U・Iターン就職促進事業補助金 県外の方の採用経費。予算がなくなり次第終了
福山市 企業立地奨励金制度 新規雇用1人30万円・限度3,000万円
福山市 日本語学習支援事業補助金 外国人材の日本語学習
福山市 男性育児休業取得奨励金 案内は2025年度版。令和8年度は要確認
府中市 企業立地の奨励金 新規雇用1人100万円・限度2,000万円
府中市 インターンシップの支援制度 受入経費3分の2・5万円。研修費3分の2・1日1万円
神石高原町 工場等設置奨励条例に基づく奨励金 目的に「町民の雇用の安定」。額は規則

福山市の11制度は、産業振興課に10件と経済総務課に1件で割れています。企業立地奨励金制度だけが経済総務課で、市の補助金の一覧から採用の枠を追っていると出てきません。

福山市の会社は、産業振興課の一覧を見終えたあとに、企業立地の側をもう一度開いておかれるとよいでしょう。

三次と庄原は2市で8制度

制度 金額と要点
三次市 人材確保支援事業補助金 2分の1以内・20万円。就職相談会・サイト登録料・採用DX
三次市 外部人材活用支援事業補助金 2分の1以内・外部人材1人20万円
三次市 多様な人材確保支援事業補助金 外国人材1人10万円・2人分まで
三次市 多様な人材確保環境整備事業補助金 ハード・ソフト合わせて30万円
三次市 工場等設置奨励制度 新規雇用1人100万円・限度なし
三次市 オフィスビジネス系事業所設置奨励金 新規雇用1人100万円・限度なし
庄原市 企業立地促進条例 新規雇用1人15万円。30人超の分は1人10万円加算
庄原市 サテライトオフィス誘致 賃借料は月8万円まで。新規雇用1人以上

三次市の6制度は、県内でいちばん費目の切り方が細かいところです。採用DXツールに名前を与えているのは、県内でここだけでした。

補助金は年度ごとに要綱が組み直され、交付はいずれも予算の範囲内です。見積を取る前に要綱を開いて、担当課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。

企業誘致の枠は人数と投資で決まる

上の5つの表には、名簿とはまったく別の条件を持つ枠が混ざっています。企業立地・企業誘致の担当課が持つ枠は、投資額と新しく雇う人数で対象が決まります。採用の担当者が商工のページだけを見ていると、ここは丸ごと視界に入りません。

新規雇用の奨励金は13制度ある

新しく雇った1人につき定額を出す奨励金は、13制度ありました。府中市と三次市の2制度が1人100万円、呉市が正社員1人50万円、三原市・尾道市の2制度・福山市が1人30万円、東広島市が20万円、庄原市が15万円、安芸高田市が12万円です。

江田島市と安芸太田町は、奨励金の1つが新規雇用分で、額は規則と要綱にあります。

1人あたりで見ると12万円から100万円まで開いていて、下のほうは商工の一般的な上限と変わりません。それでも人数分を積み上げられるので、まとまった採用をする年には規模が大きく変わります。三次市は限度額を置いておらず、府中市は2,000万円、尾道市と福山市は3,000万円までです。

条件は重めです。多くは工場やオフィスの新設・増設が前提で、その市に住んでいる人を常用で雇うことを求めます。庄原市は新規雇用5人以上で半数以上が市内居住、安芸高田市は投下固定資産5,000万円以上かつ3人以上。今年の募集費用を軽くする性格の枠ではありません。

賃借料や通信回線の使用料を見るオフィス誘致・サテライトオフィスの助成金も、9制度が新規雇用を交付条件にしています。竹原市は3名以上、東広島市・廿日市市・庄原市・北広島町・大崎上島町は1人以上、安芸高田市は1人以上の在勤か2名以上、江田島市は雇用を確認できる書類、広島市は50人以上の大規模雇用です。

枠は大崎上島町の月5.6万円から東広島市の年1,000万円まで開いています。拠点を増やす計画が先にある会社なら、採用の枠より先にこちらを調べたほうが、動く額は大きいと思われます。

県の1枚に23市町の枠が並ぶ

探し方にも癖があります。三原市と世羅町の奨学金返済支援は、県のGo!ひろしま補助金のページにある「市町による補助の情報」から辿り着きます。市町の一覧ではなく、県の制度のページに載っている形です。

まとめて見渡せる1枚もあります。県内投資促進課が出す「広島県・県内市町のオフィス支援制度」というPDFです。23市町の支援制度が1枚の表に並び、呉市・尾道市・三次市の雇用奨励金や、福山市企業立地促進条例の異動従業員1人150万円まで載っています。

雇用や労働の担当課からは、この表への案内がありません。企業誘致のサイトを開かないと出てきません。

Tips|自社の枠を探すときの開き方

自社の市町名に「補助金 一覧」を足して商工のページを開き、同じ要領で企業立地のページも別に開きます。所管は労働の部署とは限りません。雇用・人材・確保のいずれかが名前に入った枠を書き出してから、費目が書かれていなければ交付要綱のPDFまで開きます。

費目ごとに持ち主の制度が変わる

採用の実務からも探しやすいように、費目で数え直します。採用サイト・採用動画・パンフレットの制作費が2制度、求人サイトの掲載料が2制度、採用DXツールが1制度、人材紹介と外部人材の手数料が4制度、インターンシップの受入が3制度。

外国人材の受入が3制度、奨学金返済支援の手当が5制度、県外の学生や求職者に払う経費が2制度、採用手法の伴走支援が1制度、新規雇用そのものへの奨励金が13制度。1つの制度が複数の費目を持つため、足した数は57になりません。

制作委託費を見るのは広島市と竹原市

57件のうち、採用サイトの費用に費目として名前を与えているのは2件です。どちらも市の制度でした。

広島市の「企業PR力向上経費補助」は要綱別表の「webサイト及びそれに掲載する企業のPR動画又はパンフレット若しくはチラシの…制作委託費」、竹原市の中小企業人材確保支援事業補助金は「採用動画や特設ページ等情報発信媒体を作成する場合の外部委託等に要した費用」です。

2件とも、費目が要綱の別表にあり、制度のページの本文には出てきません。広島市は30万円で補助率2分の1(条件を満たせば3分の2)、竹原市は10万円で2分の1です。対象になる範囲は、場所や相手で切られています。

中山間地域に事業所がある会社は、区域の範囲から先に確かめるほうが確実です。広島市の枠だけを詳しく見るなら、個別の記事からどうぞ。

参考記事:『【上限30万円】「企業PR力向上経費補助」は広島市全域で使える?対象になる地域と経費を解説!

竹原市のほうは、対象が広島県外に住む18歳以上35歳未満の若年者へ向けた取組に限られます。県外の若手に声をかける年なら、5つの対象事業のどれに当てはめるかで使い方が変わります。

参考記事:『【上限10万円】「竹原市中小企業人材確保支援事業補助金」は県内の求職者にも使える?対象の条件を解説!

インターンシップの受け入れに費目を与えているのは、「福山市インターンシップ関連経費補助金」(2分の1・1事業者15万円)、竹原市、府中市の3件です。

媒体と紹介の費用は置き場が分かれる

求人サイトへの掲載料に名前があるのは竹原市と三次市です。竹原市は要綱別表の第3号が「就職情報サイトの管理運営者等に対して支払った費用のうち、求人情報掲載に係る費用」を独立させ、三次市は「就職情報サイトへの登録料」と書きます。

人材紹介と外部人材の手数料は4制度に散りますが、見る部分が違います。

制度 手数料の書かれ方
県プロフェッショナル人材確保支援事業補助金 登録人材紹介会社に支払う紹介手数料の成功報酬部分
三次市外部人材活用支援事業補助金 外部人材への委託料と、登録人材紹介会社等へ支払う手数料
竹原市中小企業人材確保支援事業補助金 求人紹介会社の仲介に支払った費用のうち初期手数料等
福山市兼業・副業人材活用事業補助金 業務委託料の100分の65。成功報酬部分は対象外

県が成功報酬を見て、福山市は成功報酬を外し、竹原市は初期手数料等と書く。三次市の「登録人材紹介会社等」は県の名簿ではなく、職業安定法にもとづく有料職業紹介事業者を広く指します。同じ言い回しでも、県は名簿で縛り、三次市は法律の側で取ります。

紹介で採る前提の年は、どの手数料が対象に入るかを契約前に見分けておくほうが確実です。

県の交付決定が市町の上乗せを開く

名簿ではなく「上位の交付決定」が条件になる型もあります。奨学金返済支援の5制度のうち3つがこれです。

三原市は県から受ける補助金の2分の1を追加、尾道市は市内在住従業員分の最大2分の1、世羅町は認定企業が年10万円・働き方改革実践企業が年6万円。いずれも県の交付決定が前提です。

3自治体とも、県の枠を通っていない会社は市町の窓口に立てません。福山市だけは作りが違い、県の交付決定を前提にしません。補助率3分の1・上限36万円で、市のページには県の補助金と「併用することで、費用負担なしで導入できる場合があります」と書かれています。

奨学金の返済支援を入れるなら、県のGo!ひろしまから順に通しておくほうが、市町の上乗せまで届きます。

登録と予算は別々の時計で動く

名簿がある制度は、載るまでの時間を採用の予定に組み込む必要があります。そして予算のほうは、それとは関係なく閉じていきます。

人的資本の開示は数か月かかる

いちばん長いのが、県の「Go!ひろしま奨学金返済支援制度導入企業応援補助金」の「人的資本開示企業枠」です。一般企業枠なら手当等の3分の2以内、この枠なら4分の3以内で、従業員1人あたりの上限額はありません。

条件は3つ重なります。申請日に広島県人的資本経営研究会の会員であること。研究会の開示ツールでレポートを作り、事務局の事前確認を経て提出していること。そのレポートを自社か県のホームページで公開していること。

県はこう書き添えています。「入会から開示レポート公開まで、標準的なケースで数か月かかる場合があります」。申請期限は令和9年2月26日ですが、この枠は締切からさかのぼって日程を組めば済む話ではありません。

反対に、いちばん軽いのが福山市です。6制度の要件は「宣言を申請していること」で、認定や審査の通過を求めません。廿日市市は登録証の写しが要るので一段重く、県の人的資本開示枠は数か月。同じ「名簿に載る」でも、当日できるものと年度をまたぐものがあります。

いま新しくは載れない名簿も混ざります。広島市の企業PR力向上経費補助で補助率が3分の2へ上がる条件の筆頭「広島県働き方改革実践企業」は、県のページに「令和2年度制度終了」と添えられていて、これから取りにいくことはできません。

開示の枠まで狙うなら、来年度の申請に向けて今年のうちに入会から動くのが順番だと思われます。

枠の大きさは予算資料にある

今回開いた57件の制度資料(市の案内・要綱・チラシ)に、予算額そのものを書いているものは見当たりませんでした。ただし当初予算の資料まで調べると出てきます。

広島市の人材確保支援事業補助金は令和8年度当初予算にメニュー単位で載っていて、企業PR力向上経費補助が220万円、人材確保促進補助が4,400万円、職場環境改善費補助が4,582万円。竹原市の中小企業人材確保支援事業補助金も当初予算の概要に100万円です。

福山市も同じで、インターンシップ関連経費補助金がある「人材確保支援事業費補助」は令和8年度で8,500千円、うちU・Iターン就職促進事業補助金分が7,000千円と別記です。枠の大きさは、制度の案内ではなく予算資料にあります。

先着順であることは、あちこちに書かれています。広島市は募集要項の表紙とチラシ、竹原市は市の案内と申請の手引き、呉市の人材育成研修費補助金は「予算額に達し次第、申請の受付を終了します」と出しています。

県のプロフェッショナル人材は「予算がなくなり次第終了」、福山市の兼業・副業は「予算額に達した時点で募集を終了します」。年度途中の残りは、担当課で聞くほかにありません。

実際に閉じた例もあります。広島市の人材確保支援事業補助金のうち、職場環境改善費補助の案内に「今年度予算額に達したため、募集を終了しました」と出ました。受付期間は令和9年1月29日までと書かれていたメニューが、夏を待たずに閉じました。

要件がそろっても、枠が埋まれば交付は止まります。年度の前半に出せるよう、見積の取得から前倒しで組んでおきましょう。

申請の順番は制度によって裏返る

制度
交付決定を受けてから契約・着手する 広島市(事前相談も要件)/竹原市/県ハンズオン(コンサルタントが契約前に申請)
交付決定前の着手でも対象になりうる 福山市インターンシップ関連経費(2026年4月1日以降で契約・支払が確認できる場合)
契約後に申請する 福山市兼業・副業(契約締結日以降、業務開始日の2週間前まで)

動く順番も制度で割れます。広島市に交付決定前の支出を持ち込んでも戻りませんし、福山市の兼業・副業に契約前に申請しても窓が開いていません。

制度ごとに順番を確かめてから動きます。なお、報酬を得て申請の書類を作成できるのは、行政書士または行政書士法人です。

制作費の2件より、先に名簿を決める

広島県内で拾えた57制度のうち、採用サイトの制作費に費目名があるのは2件です。広島市が上限30万円で2分の1、竹原市が上限10万円で2分の1。どちらも交付は予算の範囲内なので、枠が埋まれば要件がそろっても出ません。

厚いのは雇ったあとのほうです。新しく雇った人数で出る奨励金が13制度あり、対象の手前に名簿を置く枠が10件。制作費の2件を追うより、自社がどの名簿に載っているかを先に書き出すほうが、開く枠は増えるはずです。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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【全57件】「広島県」で採用に使える補助金は?対象の費目と名簿の有無を整理 | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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