【全29件】「兵庫県」で採用に使える補助金は?対象の条件と続く年数を紹介!

採用ページを作り直したい。その費用に補助が出ないか。そう考えて兵庫県内の補助金を上から順に開いていくと、奨学金という言葉ばかりが並んで、採用サイトや求人広告の費目がなかなか出てきません。

制度が無いからではありません。兵庫県の枠の多くは、採用にかけた費用ではなく、採用したあとの毎年に付いているからです。1回で終わる枠と、3年から最長17年まで続く枠に割れています。

以下は2026年8月18日の時点で県と市町が掲げていた内容です。まず、何件あるのかから見ていきます。

この記事でわかること

  • 兵庫県内で事業者が受け取れる採用まわりの枠は、何件あるのか?
  • 29件のうち、採用にかける費用に費目名があるのは何件か?
  • 採用が目的として書かれている枠は、どの市にあるのか?
  • 続く側の枠が5年・10年・17年に分かれる年数は、何で決まるのか?
  • 県が採用支援として用意しているものの中身は、お金なのか?

根拠にしたのは、県と市町が公開している案内ページ、交付要綱、募集要領、県が公表しているPDFです。個々の申請の段取りは、制度ごとの記事のほうに置いています。

兵庫県で採用に使える補助金は29制度

県の産業労働部・福祉部局・県民局の各ページと、市町の商工・雇用のページを順にたどりました。事業者や法人の側がお金を受け取れる採用まわりの枠として、2026年8月18日時点で内容を確認できたのは29件です。

区分 数と内訳
制度の合計 29件(県3件・市町26件)
制度を確認できた自治体 県と22市町(市町名と制度名は、この章の市町の表に1件ずつ並べています)
兵庫県の市町数 41市町(29市12町)
複数の枠を確認できた自治体 姫路市3件・丹波篠山市2件・香美町2件(ほかは各1件)
市町の一覧に名前が無くても対象に入る枠 東播磨県民局の枠は明石市・加古川市・高砂市・稲美町・播磨町が対象。加古川市と稲美町は、下の22市町には出てきませんが、この枠では対象に入ります

国の助成金は、この29件とは別の仕組みで動きます。窓口も、動ける時期の決まり方も重なりません。

県と市町の枠に自社の費目が見当たらなかった方は、国の側まで範囲を広げて全体像を見ておくほうが早いはずです。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

この記事が数えたのは事業者に出る枠

1件と数えたのは、募集の露出・採用ツール・採用活動の経費に費目名がある枠と、人材確保や定着を目的に掲げて事業者に出る枠までです。しかも受け取るのが事業者・法人の側であるものに限りました。

設備投資を前提にした立地の奨励措置は、雇用の人数に対して出るものでも数えていません。養父市企業等振興奨励制度の雇用促進奨励金(新規雇用従業員1人あたり年10万円、正社員は1年目に限り年50万円)がこれに当たります。

指定事業者になるのに投下固定資産5千万円以上が要るので、いま人を1人雇い足す話とは前提が違います。設備の計画が先にある会社だけは、この枠も候補に入れておきましょう。

兵庫県ではこの区別が重要になります。県が公表している市町の一覧には、企業を経由せず従業員本人に直接出る枠が同じ表に並んでいるからです。その分け方は後の章で見ます。

県が3件で市町は26件

内訳はこうなります。

区分 中身
県 産業労働部 労政福祉課 1件(兵庫型奨学金返済支援事業)
県 福祉の担当部局 1件(社会福祉法人等奨学金返済支援事業)
県 東播磨県民局 1件(東播磨ものづくり企業魅力PR・販路開拓支援事業)
市町の商工・産業・企画・地元就職の担当課 26件

県の3件のうち2件が奨学金の返還支援で、しかも所管が産業労働部と福祉の部局に分かれています。同じ設計の制度が、対象を法人の種類で切って2本立っている形です。

3件目は東播磨県民局の枠です。明石市・加古川市・高砂市・稲美町・播磨町に本社か主たる事業所を置く、ものづくり関連の中小企業だけが対象になります。

この5市町で製造業を営んでいる方は、対象の条件と費目の向きを先に確かめておかれると早く済みます。

参考記事:『【上限25万円】「東播磨ものづくり企業魅力PR・販路開拓支援事業」は採用に使える?対象経費を解説!

市町の26件を自治体ごとに引く

26件を市町ごとに並べると、こうなります。自分の市町の行だけを見れば、担当課に問い合わせるときの制度名がそのまま取れます。

市町 事業者の側が受け取れる枠として確認できた制度
神戸市 神戸市内企業住宅手当等支援補助金
姫路市(3件) 姫路市中小企業者等人材養成補助金/姫路市多様な働き方推進支援事業(職場環境整備型)補助金/従業員の奨学金の返済支援制度を設ける事業所への支援制度
明石市 中小企業奨学金返済支援事業
洲本市 洲本市若手人材確保奨学金返還応援(中小企業/社会福祉法人等)支援補助金
相生市 相生市中小企業奨学金返還支援事業
豊岡市 中小企業奨学金返済支援補助金
西脇市 企業連携型奨学金返還サポート事業
三木市 三木市中小企業奨学金返済支援制度事業
高砂市 高砂市中小企業奨学金返済支援事業補助金
加東市 加東市人材確保事業支援補助金
宍粟市 中小企業奨学金返済支援
丹波市 企業等奨学金返還支援事業補助金
丹波篠山市(2件) 丹波篠山市採用活動支援事業補助金/丹波篠山市奨学金返還支援制度導入促進奨励金
南あわじ市 南あわじ市中小企業等奨学金返済支援事業補助金
淡路市 淡路市中小企業奨学金返済支援事業
朝来市 朝来市奨学金返還応援企業支援事業(朝来市企業就業者確保支援補助金)
養父市 養父市販路開拓事業補助金
多可町 多可町企業連携型奨学金返還支援事業補助金
播磨町 播磨町中小企業奨学金返済支援事業
太子町 太子町若者定住中小企業奨学金返還支援事業
香美町(2件) 香美町中小企業者人材確保支援金/香美町人材育成・職場環境改善支援事業補助金
新温泉町 新温泉町中小企業奨学金返済支援事業補助金

ここに並ぶ26件のうち19件が奨学金の返還支援です。残る7件が、採用の費用側と住宅手当・研修受講料・職場環境整備の枠になります。

市の名前が制度名に入っていない行は、その市町がその呼び方で出しているものです。担当課へ電話するときは、この表の制度名をそのまま読み上げれば通ります。

地元が22市町に無ければ担当課に当たる

兵庫県には29の市と12の町があります。枠を確認できたのは、そのうち22市町でした。

残る19市町については、事業者向けの補助の一覧を開き切れていません。無いと確かめたのではなく、公開されている範囲から取れなかった、という意味です。この記事に載っていない枠が地元にある可能性は残ります。

自分の市町が上の表に出てこないなら、見積を取る前に要綱を開いて、担当課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。

ただし、奨学金の返還支援に限っては県が市町の一覧を作っています。そちらは22市町より広い範囲をカバーしているので、後の章でその一覧を見ます。

Tips|地元の枠を自分で探すとき

兵庫県内の担当課は、商工・産業・企画・地元就職と名前が揃っていません。丹波篠山市のように、創造都市課の地元就職支援室が持っている市もあります。市町名に「補助金 一覧」を足して事業者向けのページを開き、労働の部署だけを見て終わらせないほうが取りこぼしません。

奨学金の返還支援に21件が集まる

29件を性格ごとに分けると、数の偏りがはっきり出ます。

性格 件数
奨学金の返還支援(県2件・市町19件) 21件
採用にかける費用に費目名があるもの 4件
住宅手当・研修受講料・職場環境整備 4件

29件のうち21件、7割強が奨学金の返還支援です。しかもこのうち20件は、採用にかかった費用ではなく、採用したあとに毎年発生する返済額に付いています。1年で終わりません。

残る1件は丹波篠山市の奨学金返還支援制度導入促進奨励金で、制度を導入したこと自体に定額20万円が1回出る形です。市のページは「事業者が奨学金支援制度を運用していくランニングコストを補助するものではありません」と書いています。

県の枠は返済の肩代わりに付く

中心にあるのが兵庫型奨学金返済支援事業です。所管は産業労働部の労政福祉課。申請の窓口は県庁ではなく、一般財団法人兵庫県雇用開発協会です。

補助対象企業 本社が県内にある中小企業。対象従業員への奨学金返済負担軽減制度を設けていること
対象従業員 正社員、日本学生支援機構の奨学金の返済義務がある者、申請時点で県内事業所に勤務、40歳未満(申請年度末時点で39歳以下)
補助額(企業向け) 年間返済額の3分の1の範囲、企業が支給する手当額等の年額の2分の1、上限6万円/人・年のうち最も低い額
補助期間 対象従業員1人につき最長17年
受付期間 年度内は4月1日から翌年2月末日まで
申請先 一般財団法人兵庫県雇用開発協会(持参・郵送・インターネット)

金額そのものは大きくありません。1人あたり年6万円です。ただし、これが17年続くと見方が変わります。

後で見る加東市の枠は1事業につき25万円で、しかも1事業者1回限りです。一度きりの25万円と、年6万円が10年以上続く枠は構えが違います。

企業向けとは別に、従業員本人にも同額の枠があります。年間返済額から企業の手当額を差し引いた額と6万円のいずれか低い額で、企業への支給額と同額が上限です。

会社が手当を出せば出すほど、本人側の枠も動く設計です。手当の額は、本人側にどこまで反映されるかを見てから決めるほうが得だと思われます。

年数を決めるのは認証の数

最長17年と書きましたが、全社が17年になるわけではありません。何年出るかを決めているのは、制度の側ではなく自社が持っている認証の数です。

補助期間 対象企業
5年 補助対象企業の要件を満たす企業
10年 SDGs宣言企業、フレッシュミモザ企業、ワーク・ライフ・バランス宣言企業のいずれか2つ以上を取得した企業
17年 SDGs認証企業、ミモザ企業、ワーク・ライフ・バランス認定企業またはワーク・ライフ・バランス表彰企業のいずれか2つ以上を取得した企業

10年の行と17年の行を見比べると、並んでいる名前が対になっています。宣言と認証、宣言と認定・表彰。同じ枠組みの、一段上の取得状況が17年の条件です。

ミモザ企業というのは、兵庫県と神戸市が共同で認定している「ひょうご・こうべ女性活躍推進企業」のことです。女性活躍や多様な働き方の取り組みを、認定項目で見る制度です。

県は、14項目以上の達成でミモザ企業、8項目以上でフレッシュミモザ企業としています。ミモザ企業なら17年、フレッシュミモザ企業なら10年という延長要件の1つが、ここで満たされます。

これは補助金の要件というより、県の認証制度を先に取りにいくかどうかの話です。1人あたりで見れば、5年なら最大30万円、17年なら最大102万円。差は年6万円の12年分です。

採用の観点でいえば、こちらの取り組みには別の効き方もあります。播磨町は町のページで、この制度を「募集要項や求人票に記載でき、求職者への企業のアピールポイントに繋がります」と説明しています。

申請窓口である兵庫県雇用開発協会の側にも、制度を導入すると募集要項や求人票に記載でき企業のアピールポイントになる旨があります。制度を導入したこと自体が、求人票に書ける材料になるという位置づけです。

年数を延ばす認証は、申請の直前に取れるものではありません。17年まで狙うなら、補助の申請より先に認証の取得計画を立てておきましょう。

福祉と医療は別の窓口に分かれる

同じ設計の制度が、もう1本あります。社会福祉法人等奨学金返済支援事業です。県内に主たる事業所等がある社会福祉法人および医療法人が対象で、所管は福祉の部局です。

補助額の考え方も補助期間も、企業向けとほぼ同じ形をしています。上限6万円/人・年、最大17年。令和6年4月から、対象年齢が30歳未満から40歳未満に緩和され、補助期間も最大5年間から最大17年間へ延びました。

ただし条件の書き方が違います。企業向けは10年・17年のいずれも「いずれか2つ以上」ですが、法人向けは「1および2の両方」です。同じ最長17年でも、そこへ届く条件が2本の制度で揃っていません。

医療法人については、社会福祉事業もしくは介護保険法に定める居宅サービス・地域密着サービス・施設サービス・介護予防サービス等を行っている法人に限られます。

社会福祉法人・医療法人以外の介護事業者は、企業向けの側を使う扱いです。介護の事業者は、法人の種類で対象が変わると考えて、自法人の種別から確かめるのが早いはずです。

採用目的が書かれた枠は2件

ここからは反対側です。採用サイトを作る、求人広告を出す、合同説明会に出展する。この費用に費目名がある枠は、県内で4件でした。

制度 採用目的の明記
加東市人材確保事業支援補助金 あり(市内事業所への採用・配属を目的とすること)
丹波篠山市採用活動支援事業補助金 あり(市内事業者の人材確保。正規雇用に係る求人情報の掲載、就職説明会への出展)
東播磨ものづくり企業魅力PR・販路開拓支援事業 なし(企業魅力PR・販路開拓)
養父市販路開拓事業補助金 なし(販路の拡大などの取組)

4件のうち、採用が目的として書かれているのは加東市と丹波篠山市の2件です。さらに費目の側で絞ると、採用サイトやホームページの制作費に名前があるのは加東市・養父市・東播磨の3件で、丹波篠山市は掲載料と出展料だけです。

丹波篠山市採用活動支援事業補助金は、就職説明会等への出展と就職情報サイトへの求人掲載が対象で、どちらも補助率2分の1・上限20万円。同じ年に両方を使うことはできず、前年度に交付を受けていないことが条件です。

所管は創造都市課の地元就職支援室で、商工の担当課ではありません。丹波篠山市で求人を出す年なら、問い合わせ先を間違えないところから始めましょう。

加東市の枠は1事業者1回で閉じる

加東市人材確保事業支援補助金は、Webを活用した求人活動を行う市内の中小企業者に、その費用の半分までを補助する制度です。

補助対象事業は4つあります。採用に関するホームページの新規作成または改修、就職・転職情報サイトへの会社情報の掲載、合同企業説明会への出展、採用活動のオンライン化。

補助率は2分の1、1事業につき25万円、1事業者につき上限50万円。募集期間は令和8年4月1日から令和8年12月11日までです。

そして交付は1事業者1回限りで、過去に受給した事業者は交付申請できません。採用ホームページを作る年に使うのか、求人サイトへの掲載に使うのか。一度選ぶと、次はありません。

加東市で採用サイトの作り直しを考えている方は、どの年に当てるかを決めてから見積を取るほうが損がありません。

市の補助金ページからも募集要領からも辿れない交付要綱に、可否を分ける条件が入っています。要件と対象経費の中身は、こちらの記事で扱っています。

参考記事:『【上限25万円】「加東市人材確保事業支援補助金」は採用に使える?対象の費用と申請を解説!

販路開拓の枠は目的が採用に向かない

残る2件は、目的の欄が別の方向を向いています。

養父市販路開拓事業補助金の交付要綱は、第1条で目的をこう書いています。持続的に安定した経営を図るため、販路の拡大などの取組を行う市内の小規模事業者に対し、その経費の一部を補助すること。

対象経費の別表を開くと、広報宣伝費の欄に「HP作成・リニューアル、サンプル商品作成」「広告掲載料、折込料等」が並びます。印刷製本費にはパンフレット印刷。費目名だけを見れば、採用ページの制作費も採用パンフレットの印刷費も当たりそうに見えます。

ただし対象は市内に主たる事務所・店舗を有する小規模事業者に限られ、養父市企業支援センターまたは金融機関の指導を受けた事業計画が必要です。補助率2分の1、広報宣伝費・印刷製本費の限度額は10万円。

募集は令和8年4月1日に始まり、予算額に達するまで。補助対象期間は交付決定後から令和9年3月31日までで、発注も納品も支払もこの期間の中に収める必要があります。着手前の申請ではなく、交付決定を待ってから動く型です。

交付は、市の案内が同一事業者に年度内1回限りとしています。複数の費目をまとめて出す前提で計画を立てるなら、その1回をどこに当てるかから決める話になります。

補助金は予算の範囲内で交付されます。採用ページの費用として出せるかどうかは、目的の欄と照らして市の担当課が判断します。費目と目的がどう割れているのかは、こちらの記事で扱っています。

参考記事:『【上限10万円】「養父市販路開拓事業補助金」は採用サイトに使える?対象の条件と費用を解説!

東播磨ものづくり企業魅力PR・販路開拓支援事業は、東播磨県民局の枠です。業種は製造業、または製造業と密接に関連する卸売業・技術サービス業に限られます。

補助対象事業は2つで、どちらか一方しか申請できません。

補助対象事業 補助率と限度額
国際フロンティア産業メッセ2026への出展(令和8年9月3日・4日、神戸市内) 定額・18万円以内。対象経費は展示出展料のみ
事業内容のPR等(PRツール作成、販路開拓に資する展示会への出展) 2分の1以内・25万円以内

PRツールの側の対象経費には、パンフレット、PR動画、PRホームページ、製品のレプリカ等が挙がっています。

ただし募集の側は、この事業を「スタートアップ企業が自社の製品・サービス・技術等をPRするためのツールを作成する事業」と書き、「(1回に限る。)」を添えています。この括弧書きは、ツールを作る事業だけでなく補助対象事業(2)の全体にかかります。

採用の文脈ではなく、製品とサービスのPRの文脈です。申請は原則として事業着手のおおむね1か月前まで、補助金は予算の範囲内で交付されます。

採用ページの費用をここに含める理屈は、目的の欄から見て細いと思われます。製品のPRと採用の露出を1本の制作物で兼ねる年だけ、申請の前に県民局へ確かめておかれると安心です。

県が用意しているのは場と助言

では県の側に、採用サイトや求人広告に出る枠はないのか。県が公開している「産業・雇用支援 早わかり」の人材確保・人材育成支援(事業主対象)の一覧を開くと、こう並んでいます。

メニュー 中身
「ひょうご応援企業」大卒採用支援事業 登録すると県のホームページ等で紹介され、就職面接会・企業説明会・インターンシップの案内を優先して受けられる。随時受付
ひょうごで働こう!マッチングサイト 求人情報を無料で掲載できる
中小企業採用力強化支援事業(この一覧には載っておらず、県ページの最新は令和7年度分) 採用基礎力向上セミナーと個別相談
兵庫県の企業を対象とした合同就職面接会 面接会・企業説明会の案内
大学生等インターンシップ推進事業・社会人インターンシップ 学生・社会人の受入
兵庫型奨学金返済支援事業 人材確保の欄で、企業にお金が出る唯一の枠

人材確保の欄に並んでいるものの中身は、掲載枠と面接会と相談です。

同じ一覧でも、ワーク・ライフ・バランスや人材育成の欄には、テレワーク導入支援助成金、仕事と生活の調和推進環境整備支援事業、中小企業育児・介護代替要員確保支援事業、事業内職業訓練費補助といった、お金の出る枠が並びます。

採用活動そのものに出る枠が無い、という話です。中小企業採用力強化支援事業の個別相談のテーマ例も、採用に繋がるインターンシップメニューの検討、採用活動におけるSNS活用方法、合同企業説明会での効果的な企業説明手法。お金ではなく、進め方の側です。

「ひょうご応援企業」には条件も付いています。兵庫で就職を目指す若者を積極的に採用する企業であること、労働関係法令違反や事業主都合による解雇・退職勧奨・採用内定取消などがないこと、経済団体や業界団体の会員企業であること等。

医療・介護関係の業種は対象外で、福祉人材の確保は別途の支援に分かれています。医療と介護の事業者は、この登録は当てにできないものとして、市町の枠を調べるのが確実です。

掲載が無料なら制作費は要らないか。そうはなりません。載せる枠が無料でも、載せる中身を作る費用は自社に残ります。社員インタビューの原稿、写真、動画。そこに当たる県の枠は見当たりませんでした。

上乗せは24市町に散らばる

奨学金の返還支援に戻ります。この制度が兵庫県内で厚いのは、県の枠に市町が上乗せをしているためです。

県は市町の取組状況を1本のPDFにまとめています。実施自治体は令和8年4月現在で、企業負担上乗せ型の19市町と、市独自の制度を持つ5市町。合わせて24市町です。

会社に出る型と本人に出る型

そのPDFは、市町の制度を2つの型に分けています。

中身と市町数
企業負担上乗せ型 県の補助を受けたあとに残る企業の負担額に、市町がさらに上乗せする。19市町
個人負担上乗せ型 企業を経由せず、返済している本人の負担に市町が直接上乗せする。10市町

同じ「奨学金返還支援」という名前でも、お金を受け取る相手が違います。19と10を足すと29になりますが、両方を持っている市町が5つあるため、実施自治体は24市町です。

会社側から見て意味があるのは、企業負担上乗せ型の19市町のほうです。県の補助を受けてなお残る自社の負担に、市町の補助が乗ります。

個人負担上乗せ型は、社内制度の有無にかかわらず本人が申請する形なので、会社の支出が減るわけではありません。採用の材料として使えるかどうかも、この2つで変わります。

上乗せの中身は市町ごとに違います。豊岡市は1事業所につき年20万円が上限で、あんしんカンパニー表彰企業は30万円。三木市は1事業所につき年30万円。西脇市は補助率2分の1ですが、健康経営優良法人の場合は3分の2に上がります。

高砂市と淡路市は、対象の従業員の勤務先が市内か市外かで補助率と上限額が分かれます。勤務地で額が動くものと考えて、事業所ごとに拾うのが早道です。

17年まで届くのは10市町

市町の側にも補助期間の定めがあります。県のPDFに載っている19市町を、期間で並べ替えるとこうなります。

補助期間 市町
最大17年間 明石市・宍粟市・南あわじ市・多可町・播磨町・三木市・太子町・朝来市・西脇市・高砂市(10市町)
10年間 豊岡市(1市)
5年間 姫路市・相生市・香美町・新温泉町・洲本市・神戸市・丹波市・淡路市(8市町)

19市町のうち10市町が、県と同じ最大17年まで足並みを揃えています。残りは5年で止まるか、豊岡市のように10年です。所在地によって、上乗せが何年続くかが変わります。

市町の奨学金19件というのは、上の市町の表で奨学金の枠を数えたものです。神戸市は住宅手当の1件だけを数え、受付を終えた奨学金の上乗せは入れていません。

丹波篠山市は導入促進奨励金のほうが19件に入っていて、採用活動支援事業補助金は採用費の4件の側です。県PDFの企業負担上乗せ型19市町と数が並ぶのは偶然で、中身は重なりません。

相生市・宍粟市・多可町・朝来市・新温泉町・淡路市の6市町は、市町の側でも制度案内を出しています。担当課は順に、地域振興課 商工観光係、産業部 商工観光課、商工振興、経済振興課、商工観光課 商工振興係、商工観光課 商工労政担当です。

ただし相生市は対象従業員を「就職が5年以内の、30歳未満の者」としていて、県の40歳未満とずれています。30代の従業員で使う予定なら、市の側の線だけ先に確かめておかれると安心です。

神戸市の上乗せは受付が終わっている

同じPDFに、注意して読む欄が1つあります。神戸市の行です。企業負担上乗せ型の一覧に神戸市の名前は載っていますが、その欄には「令和6年度末をもって新規申請受付終了」と書かれています。

一覧に名前があることと、いま申請できることは別だという話です。県が令和8年度の一覧として公開しているPDFの中に、新規受付を終えた制度が注記付きで残っています。

県内の市町を横に見ていくときは、市町名だけでなく欄の中の注記まで読む形になります。

神戸市には別の枠があります。神戸市内企業住宅手当等支援補助金です。こちらは奨学金ではなく住宅手当で、内容も令和8年度に動いています。

17年の枠は就業規則から始まる

続く側の枠を取りにいくと決めた場合、最初にやることは申請書の記入ではありません。

社内制度が無いと申請できない

兵庫型奨学金返済支援事業の補助対象企業の要件は2つです。本社が県内にある中小企業であること。そして、対象従業員に対して奨学金返済負担軽減制度を設けていること。

県は、この2つ目についてこう書いています。支援制度は就業規則や賃金規定などの社内規定で定めていただく必要があります。福祉法人向けの側も同じで、個別規定を作成する、就業規則に盛り込む、福利厚生制度として運用する等の方法が挙げられています。

従業員への支援額や支払い方法(毎月払い、ボーナス時一括払い等)は、企業が自由に設定してよいとされています。つまり制度の中身を決めるのは会社側で、県はそのうえで負担の一部を補助するという順番です。

市町の上乗せも、多くが県の交付決定を前提に組まれています。社内規定を作るところから始まるぶん、思い立った月に申請できる枠ではありません。

年度の途中で採用が決まってから慌てて動くと、規定の整備が間に合わないと思われます。採用の計画と同じ時期に、規定の手当てを進めておきましょう。

住宅手当の枠は3年で切れる

続く側の枠には、年数の切れ方が別の制度もあります。神戸市内企業住宅手当等支援補助金です。

補助額 企業が支給する住宅手当の2分の1(月額上限1万円)。高齢化傾向の強い加算エリアは3分の2(月額上限1.4万円)
対象従業員 神戸市に住民登録、市内の賃貸住宅または会社の宿舎に入居、雇用期間の定めのない正社員
期間の条件 申請年の1月1日時点で、雇用された日から3年未満であること。かつ40歳未満
受付期間 交付申請は2026年5月15日から2026年12月21日まで、実績報告は2027年1月11日から2027年2月19日まで

この枠は入社から3年で切れます。加算エリアは北区・長田区・須磨区・垂水区・西区、およびその他の区の一部の小学校区です。

2026年度は変更が2つ入りました。対象を30歳未満から40歳未満に拡大したこと、そして2027年採用者も補助対象になったことです。

市のページには「『2027年採用者』の補助を確約!採用面接時にお伝えいただけます」と書かれています。採用の場で伝えられることを、市の側が想定している書き方です。

奨学金の17年と、住宅手当の3年。同じ「毎年出る枠」でも、いつまで続くかは制度ごとに違います。

受付は2月末で毎年やり直す

もう1つ、続く側の枠に共通する手間があります。1回申請すれば17年ぶん振り込まれるわけではない、ということです。

兵庫型奨学金返済支援事業の受付は、年度内の4月1日から翌年2月末日まで。年度が変わるたびに、その年度の申請をすることになります。神戸市の住宅手当も、交付申請の受付が5月から12月まで、実績報告が翌年1月から2月までと、年度ごとに区切られています。

補助額の計算も年度単位です。兵庫型のほうは、企業が支給する手当額等の年額として4月から2月支給分を見ます。3月支給分の扱いがここから外れる書き方なので、支給月の設計は先に決めておくところです。

続く枠は、放っておいて続くものではありません。担当者が毎年、期限を管理する前提の設計だと考えて、担当と期限の一覧を先に作るのが確実です。

制作費の3件より、詰まりの場所を先に決める

兵庫県内で拾えた29制度のうち、採用サイトやホームページの制作費に費目名があるのは3件です。上限は10万円から25万円で、補助率はどれも2分の1。3件とも予算の範囲内での交付なので、予算額に達した時点で受付が終わります。

残る26件は、採ったあとに付いています。奨学金の返還支援が21件で、その大半は最長17年まで続く枠でした。自社の詰まりが採る前と採ったあとのどちらにあるかを決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

採用サイト制作のサービス詳細はこちら

この記事を書いた人
【全29件】「兵庫県」で採用に使える補助金は?対象の条件と続く年数を紹介! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

この記事をシェアする

関連記事