【全24件】「石川県」で採用に使える補助金は?対象経費と申請の条件をまとめて紹介!
採用ページを作り直したい。費用の半分でも補助が出ないか。そう考えて市役所の産業振興のページを開き、担当課へ電話をかける……。石川県内でこの動き方をすると、電話口で「国の通知書はお持ちですか」と聞かれる枠に何度もぶつかります。
制度が少ないからではありません。石川県内の枠は、国の助成金の決定を受け取ってから初めて申請できる形のものが多いからです。市の補助金なのに、窓口は石川労働局にあります。
以下は2026年8月時点で県と市町が公表していた内容です。まず、何件あるのかから見ていきます。
この記事でわかること
- 石川県内で事業者が受け取れる採用まわりの枠は何件で、県と市のどちらに寄っているのか?
- そのうち何件が、国の助成金の支給決定や交付確定を前提にしているのか?
- 採用の費用そのものに費目名がある枠はいくつあり、どんな制作物にお金が向いているのか?
- その枠は、年度を続けて使えるのか?
- 作る前に、何がそろっていることを問われるのか?
石川県内で拾えた枠は24制度
採用まわりの枠は、県では商工労働部労働企画課、市町では商工や雇用の担当課のページにあります。事業者や法人の側がお金を受け取れる枠として、2026年8月時点で内容を確認できたのは24件です。
| 区分 | 数と内訳 |
|---|---|
| 制度の合計 | 24件(県4件・市20件) |
| 制度を確認できた自治体 | 県と5市(金沢市・七尾市・白山市・能美市・野々市市) |
| 石川県の市町数 | 19市町(11市8町) |
| 自治体別の内訳 | 金沢市13件・能美市3件・七尾市2件・白山市1件・野々市市1件 |
24件のうち11件は、国の助成金の決定を受け取ってから動く枠です。この分かれ方が石川の特徴で、自社がどちらの側にいるかで開くページが変わります。
国の助成金そのものは、この24件とは別の枠組みで動きます。窓口も、動ける時期の決まり方も重なりません。
県内の枠に自社が当たらなそうだと感じた方は、市町を一つずつ当たるより、先に国の側の全体像から入るほうが早いはずです。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
数えたのは事業者が受け取る枠
この記事の対象として1件と数えたのは、採用・人材確保・雇用の継続を目的か費目に持つ枠のうち、受け取るのが事業者・法人の側であるものに限りました。
この基準で外れたものもあります。能美市の就職・定住促進家賃補助制度は、家賃の補助を受けるのがU・I・Jターンで就職した本人です。県の学生UIターンインターンシップ等交通費助成金も、交通費が渡るのは学生の側で、会社の申請にはなりません。
目的が採用や人材確保にない枠、たとえば金沢市のはたらく人の地域活動促進奨励金や県の業務改善奨励金も、数から外しています。似た名前の枠でも扱いが変わるので、名前より先に交付の相手を見ておかれるとよいでしょう。
確認できたのは19市町のうち5市
19ある市町のうち、事業者向けの枠を確認できたのは金沢市・七尾市・白山市・能美市・野々市市の5市でした。8つの町については、事業者側が受け取る採用まわりの枠を確認できていません。
市の20件のうち13件が金沢市に集まり、残る4市で7件です。
残る14市町は、県と市町が公開している範囲では事業者向けの一覧までたどれませんでした。無いと確かめたわけではないので、地元に別の枠がある可能性は残ります。自社の市町がこの14に入るなら、次の手順で自分で当たるのが近道です。
Tips|自社の市町を自分で当たるとき
まず市町の公式サイトで組織の一覧を開き、商工・産業振興・労働・雇用のどれかを担当する課を探します。次にその課のページから「事業者向け」「補助金・助成金の一覧」をたどります。担当課の名前は市によって違い、能美市は産業交流部の商工課、野々市市は地域振興課の産業振興係でした。
課のページで見つからないときは、市町名に「事業者向け 補助金」「雇用 奨励金」を足して検索します。金沢市のように、制度が公式サイトではなく採用ポータル(金沢市はたらくサイト)にある市もあります。開いたページの更新日が古ければ、令和8年度も実施しているかを担当課に確かめてください。
県の4件は採用の費用に届かない
県が持つ4件は、外国人労働者日本語能力向上支援補助金、在籍型出向促進助成金、副業・兼業人材活用促進事業補助金、いしかわ就職応援奨学金返還助成制度です。県の4件はどれも、採用の費用そのものには届きません。
日本語能力向上支援補助金は、補助対象者が業界団体等で、個別の企業が実施する日本語教育は対象外と書かれています。予算上限に達した場合は、事前相談の期間中でも受付を終了する場合があるとも書かれています。
副業・兼業人材活用促進事業補助金は、石川県就職・定住総合サポートセンター(ILAC)またはILACが委託する金融機関・人材会社を通した場合に限られ、1事業者あたり1度限りです。
在籍型出向促進助成金は、国の産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)を受けて在籍型出向を成立させた場合に、出向労働者1名あたり10万円が出向元と出向先の双方へ出る枠です。金額の根拠が出向の人数なので、募集にかけた費用も制作にかけた費用も見ません。
いしかわ就職応援奨学金返還助成制度は、県と企業で最大200万円を助成する枠ですが、助成金は日本学生支援機構へ一括で支払われ、企業は助成額の2分の1を県の基金へ寄附する側に回ります。
企業側には先に登録企業になることが求められ、助成対象者の要件には「対象企業から内定を得ていないこと」とあります。内定を出したあとで登録しても、その学生には間に合いません。
2026年8月時点で募集していたのは2027年3月卒と2028年3月卒の登録企業でした。来年度以降の新卒でこの枠を使う予定なら、内定を出す前に登録だけ済ませておきましょう。
11制度は国の決定通知か届出が要る
24件を、申請書に何を添えるかで分けると、はっきり二つに割れます。国の助成金の支給決定通知書や交付確定通知書の写しを添えるものが10件、国の制度への届出を前提にするものが1件。あわせて11件です。
| 国の通知か届出が前提の枠 | 前提になる国の制度 |
|---|---|
| 石川県 在籍型出向促進助成金 | 産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース) |
| 七尾市 小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者持続化補助金<一般型> |
| 七尾市 雇用確保支援補助金 | 雇用調整助成金・産業雇用安定助成金 |
| 白山市 育児休業代替要員確保等助成金制度 | 両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース(新規雇用(育児休業))) |
| 金沢市 中小企業男性育児休業取得支援助成金 | 両立支援等助成金(出生時両立支援コース第1種) |
| 金沢市 ひとり親家庭雇用奨励金/障害者継続雇用奨励金/生涯現役雇用促進奨励金(3件) | 特定求職者雇用開発助成金 |
| 金沢市 安定雇用促進奨励金 | トライアル雇用助成金 |
| 金沢市 正規雇用転換促進奨励金 | キャリアアップ助成金(正社員化コース等) |
| 金沢市 子育てにやさしい企業利子補給制度 | 次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画の届出 |
表は9行です。前提になる国の制度が同じ金沢市の3件を1行にまとめているので、制度の数は11件になります。
市の様式より先に、国の通知書か届出の控えを手元に持っている必要があります。順に見ていきます。
七尾市は国の交付確定を待ってから出す
七尾市の小規模事業者持続化補助金は、国の持続化補助金の上乗せです。市の案内は「小規模事業者持続化補助金<一般型>の実績報告後に交付額確定を受けてから申請できます」と書いています。
対象経費も市が独自に決めているわけではなく、「持続化補助金の交付確定額の算定の基礎となった経費」です。国の側で何が認められたかが、そのまま市の対象経費になります。市外の事務所・事業所の施設設備に要する経費だけが、そこから除かれます。
七尾市で国の持続化補助金の上乗せを取りに行く方は、市に引き継がれる対象経費の範囲まで、この記事で確かめられます。
参考記事:『【12万5千円】「七尾市小規模事業者持続化補助金」は採用にも使える?対象経費と申請の条件を解説!』
もう1件の雇用確保支援補助金は、提出書類の一覧に注記が付いています。
(国)とあるのは、石川労働局等へ提出又は受領した書類
雇用調整助成金の型では、市の様式3点に対して国の書類が4点。産業雇用安定助成金の型では、出向元が用意する書類まで含めると国の書類は5点になります。市の窓口に出す紙の半分前後が、石川労働局へ出したか労働局から受け取った書類の写しです。
同じ市でも、持続化補助金の上乗せは添付4点のうち国の書類が1点です。枠ごとに、市へ持ち込む紙の量は違います。
国の申請を社労士に任せている会社なら、市の様式を取りに行く前に、労働局へ出した控えの一式を取り寄せるほうが早いです。
白山市は支給決定日から30日で数える
白山市の育児休業代替要員確保等助成金制度は、国の両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース(新規雇用(育児休業)))の支給決定があった事業主が対象です。同じコースでも、代替要員を新規雇用した型に限られます。
金額は対象労働者1人あたり月額5万円、最長24か月で上限120万円と、市の枠としては大きいほうです。
重要なのは申請の期限です。市の案内は「石川労働局より支給決定を受けた日から30日以内」と定めています。起点が市の年度でも申請受付の開始日でもなく、労働局が決定を出した日です。国の決定通知が届いた封筒を開けた時点で、市の30日が動き始めていることになります。
添付書類にも国の支給決定通知書の写しと、国へ出した支給申請書の写しが並びます。対象労働者が育児休業を取得した時点で白山市に1年以上住民登録があることも要件です。
育休に入る社員の住民登録がどこにあるかだけ、国の申請を出す段階で確かめておかれると安心です。
金沢市は決定が遅れると期限が14日になる
金沢市には、国の助成金や国への届出の後ろに付く奨励金が、1つのページにまとめて6件あります。ひとり親家庭雇用奨励金、障害者継続雇用奨励金、生涯現役雇用促進奨励金、安定雇用促進奨励金、正規雇用転換促進奨励金、そして子育てにやさしい企業利子補給制度です。
ページの冒頭に、赤字の注記があります。
※国助成金の支給決定が遅れた場合、国の支給決定通知の日付から14日以内に申請が必要です。
通常の申請期間は制度ごとに違い、ひとり親家庭雇用奨励金なら「国の助成期間が満了した翌月から、6か月経過後、1か月以内」、安定雇用促進奨励金なら「常用雇用へ移行後3か月を経過した日から3か月以内」です。
ところが国の決定が遅れると、この期間が一律14日に置き換わります。国の決定が遅れると、市の申請期限は14日に縮みます。遅れたのは国の側なのに、短くなるのは会社が動ける時間のほうです。
同じ市の中小企業男性育児休業取得支援助成金も、国の出生時両立支援コース第1種の支給決定が前提で、申請書類に国の支給決定通知書の写しと国への提出書類の写しが要ります。
国を通さずに出せるのは13件
残る13件は、市と県の窓口だけで完結します。採用の費用に費目名を持つ2件も、この13件に含まれます。自治体ごとに並べると、次のようになります。
| 自治体 | 国を通さずに出せる枠 |
|---|---|
| 石川県(3件) | 外国人労働者日本語能力向上支援補助金/副業・兼業人材活用促進事業補助金/いしかわ就職応援奨学金返還助成制度 |
| 金沢市(6件) | 中小企業新戦力確保サポート補助金/インターンシップ促進助成金/中小企業人材確保奨学金返還支援助成金/女性がはたらく職場環境整備費補助金/中小企業カムバック・リスキリング支援助成金/中小企業賃金引上げ奨励金 |
| 能美市(3件) | 市内事業者採用PRコンテンツ制作補助金/インターンシップ促進支援事業補助金/障害者雇用促進事業補助金 |
| 野々市市(1件) | 男性育児休業取得応援奨励金交付制度 |
七尾市と白山市の名前は、この表に出てきません。七尾市の2件と白山市の1件は、3件とも国の決定を前提にする側にあります。この2市では、市だけで完結する事業者向けの枠を確認できませんでした。
分けて考える実益はここにあります。国の助成金を受けていない会社でも、13件の側は今日から検討できます。逆に、国の助成金を申請中なら、決定通知が届いた時点で上乗せの枠を確かめる、という順で動けます。どちらの側にいるのかを先に決めると、開く枠が絞れます。
採用の費用に費目名があるのは2制度
ここからは、採用の費用そのものに費目名がある枠を見ます。24件のうち、採用のための制作物や募集の費用に費目名を置いているのは2件でした。費目で分けると、採用動画と採用パンフレットはどちらも2件に載り、採用ホームページは能美市の1件だけです。
| 制度 | 対象になる制作物 |
|---|---|
| 金沢市 中小企業新戦力確保サポート補助金 | 採用動画・電子版採用パンフレット |
| 能美市 市内事業者採用PRコンテンツ制作補助金 | 採用ホームページ・採用動画・採用パンフレット |
金沢市は動画と電子版パンフに限る
金沢市の中小企業新戦力確保サポート補助金は、補助率2分の1(小規模企業者は3分の2)、限度額50万円です。県内で採用の費用に出る枠としては、いちばん大きな額になります。
対象経費は4つに分かれていて、1つ目が採用動画・電子版採用パンフレットの制作費、残る3つは工場見学者向けの説明資料・送迎バス借上・説明用の備品と消耗品です。1つ目には条件が重なっていて、制作は市内に事業所を有する事業主への外注に限られます。
申請要領は、対象経費の説明のすぐ下に対象外の注記を1つ加えています。金沢市はWebサイトへの掲載費用を対象外と書いています。作った動画や電子版パンフレットは自社サイトに載せることが条件なのに、載せる費用のほうは見ない、という組み立てです。
加えて「自社の商品又はサービスを販売又は提供する目的のものは補助対象外」とも書かれています。採用の動画と商品紹介の映像を1本にまとめる作りは、この一文で外れると思われます。
能美市は採用ホームページを含める
能美市の市内事業者採用PRコンテンツ制作補助金は、対象コンテンツの1行目が「採用ページ」、つまり採用ホームページです。補助率は対象経費(税抜)の2分の1、上限は15万円。対象は外部事業者への委託費で、取材・撮影費やシナリオライター費が例示されています。
採用ホームページに費目名を置いているのは能美市の1件だけです。金額は金沢市の3分の1以下ですが、採用サイトの制作費そのものに費目名がある点では、県内で唯一の枠になります。申請は制作に着手する前で、窓口は産業交流部の商工課です。
能美市で採用ページの制作費に当てたい方は、隔年申請の条件と、市の案内に出ていない対象外まで、この記事で確かめられます。
参考記事:『【上限15万円】「能美市市内事業者採用PRコンテンツ制作補助金」はいつ出す?対象経費と申請の条件を解説!』
求人広告費と紹介手数料に費目名は無い
一方で、24件のどこにも正面から出てこない費用があります。求人広告の掲載料、求人サイトの利用料、人材紹介の手数料、そして採用活動の代行にかかる委託費です。
求人広告費と人材紹介手数料は、24件のどこにも費目名がありません。近いところにあるのは県の副業・兼業人材活用促進事業補助金で、こちらはマッチング手数料と副業・兼業人材への報酬の一部が対象になります。
ただしILACやその委託先を通した場合に限られ、自分で見つけて契約した人は当てはまりません。過去にILACの副業・兼業人材の事業を使った企業も対象外です。
求人媒体の掲載料を県内の補助で軽くする道は、いまのところ見当たりません。掲載料は自社で持つものと考えて、制作費のほうに枠を当てるのが早道です。
制作費の2件はどちらも1年空ける
採用の費用に出る2件には、もう一つ共通点があります。同じ費用について、続けて2年は受けられない設計になっていることです。
金沢市は前年度に受けた費用を外す
金沢市の交付要綱の第4条第1号は、採用動画・電子版採用パンフレットの制作費についてこう書いています。
前年度において当該費用に係る補助金の交付を受けた場合を除く
金沢市は前年度に同じ費用で受けた場合を対象外にしています。申請要領のほうには「R9年度申請分から適用」と注記されているので、いま動く分にはまだ効きません。ただ、令和9年度以降に2年続けて動画を作るなら、2年目は市の枠の外に出ます。
能美市は連続した年度では出せない
能美市のほうは、以前からこの形です。市の案内には「申請は連続した年度で申請できません(隔年申請)」という注記が付いていて、一覧表でも補助回数の欄が「隔年申請」となっています。
能美市は連続した年度では申請できないと注記しています。採用サイトを作った翌年に採用パンフレットも作る、という進め方をすると、2つ目は補助の外に出ます。年度をまたいで何を作るかを、先に並べておく必要があります。
同じ経費に別の補助は重ねられない
年度をずらす話とは別に、同じ年度の中でも重ねられない組み合わせがあります。金沢市の要綱は、補助金を交付しない者として「当該補助金の交付の対象となる経費に関し、他の補助制度による補助金その他これに準ずるものの交付を受けた者」を挙げています。
国の補助金で採用動画を作った経費に、市の枠をもう一度当てることはできません。逆に言えば、対象経費を分ければ両方に届く余地はあります。
どこまでを1件の経費として見るかは市の判断です。見積の割り方を決める前に交付要綱を開いて、商工労働課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。
作る前に募集が出ていることを問われる
この2件をもう一段読むと、金額や対象経費とは別の条件が見えてきます。制作費の枠なのに、作る前の状態を確かめてくる欄があるのです。
金沢市は求人の掲載画面を添えさせる
金沢市の申請要領は、採用動画・電子版採用パンフレットの制作費について、こう条件を置いています。市内を勤務地に含む求人を行っていること、かつ、そのことが自社Webサイト以外の媒体で確認できること。例として挙がっているのはハローワークと求人情報サイトです。
作る前に、自社サイト以外の媒体で募集が出ている必要があります。申請時の添付書類にも「市内を勤務地に含む求人を行っていることが確認できる書類(求人が掲載されている冊子又はWebページの写し等)」が並びます。動画を作ってから募集を始める、という順番では、申請の時点で添える紙がありません。
金沢市で採用動画の制作費に当てたい方は、4つの対象経費と条件の並びを、この記事で確かめられます。
参考記事:『【上限50万円】「金沢市中小企業新戦力確保サポート補助金」は何に使える?対象経費と申請の条件を解説!』
能美市は採用予定を学歴区分で数える
能美市の側は、求人の掲載ではなく採用計画の中身を聞きます。案内ページの対象者要件に「市内を勤務地とする採用計画を有すること」があり、申請書の事業内容欄が、その計画を人数で書かせる作りになっています。
能美市は採用計画を、学歴区分ごとの人数で書かせます。区分は高卒、専門学校・短大卒、大卒、その他の4つで、該当するものを丸で囲んで人数を記入します。何人採るつもりかが決まっていないと、この欄が埋まりません。
出来た動画は市のサイトからも見える
作ったあとにも条件が付きます。金沢市の申請要領は、作成した採用動画・電子版採用パンフレットを制作会社から受領後に自社Webサイトへ掲載することを求め、さらにこう続けます。
制作した採用動画は金沢市が運営する金沢市はたらくサイトにリンクをはることに了承すること
金沢市は制作した採用動画に、市のサイトからリンクを張ります。実績報告でも、動画の主な内容が分かる静止画等の画像を2枚以上と、自社サイトに掲載した画面の写しをURL付きで出します。市の側から見れば、補助した動画が市の採用ポータルの中身になる仕組みです。
作る側から見ると、これは条件であると同時に露出の枠でもあります。市の啓発事業への協力が交付要件に入っている点も、同じ方向を向いています。
野々市市の男性育児休業取得応援奨励金も、交付事例を市のホームページとSNSで発信すると明記しています。県内には、お金を出す代わりに事例として出てもらう形の枠が複数あるので、社名が出る前提で社内の了解だけ先に取っておきましょう。
残る22件は金沢市に集まっている
採用の費用に費目名がある2件を除いた22件を見ます。そのうち12件が金沢市にあります。
先に前提を整理し直しておきます。2件と22件を分けているのは、費用に出るか人に出るかではありません。22件の中心は、雇った人の人数や勤続に応じて出る枠と、社内の制度をつくったことに出る枠です。
ただし、費用に出るものも混じります。学生の交通費・宿泊費に出るインターンシップの助成、トイレや更衣室の設置・改修費に出る女性がはたらく職場環境整備費補助金がそれです。2件の側だけが持っているのは、採用のための制作物や募集そのものが対象経費に名前を持っている、という性質です。
ここでは、採用の側から見て効きやすいものを3つ取り上げます。
奨学金の返還支援で会社に出るのは1件
ジョブカフェ石川のページには、奨学金の返還支援に取り組む石川県内の市町が12挙がっています。同じページに添えられた「市町奨学金返還支援取組状況一覧表」(令和7年10月時点)を開くと、加賀市と能美市を加えた14市町と県の制度が並びます。
ただし、この14を数えても自社が使える数にはなりません。支援を受け取る相手が分かれているからです。奨学金返還支援に取り組む市町は14ありますが、会社に出るのは1件です。
金沢市中小企業人材確保奨学金返還支援助成金だけが事業主向けで、残りは市内に住民票を持つ本人へ直接支給される形でした。金沢市の保育士等・介護人材・障害福祉サービス人材向けの3件も、受け取るのは働く本人です。
事業主向けの1件は、就業規則または賃金規程に返還支援制度を明記していることが要件で、補助率は3分の2、1事業主あたり年160万円(従業員1人あたり年16万円)まで、最大10年間です。
対象従業員は令和4年2月1日以後に雇用された新規就業者または県外からの転職者で、雇用日時点で30歳未満に限られます。30歳未満を県外から採る計画があるなら、就業規則に返還支援の条項を入れるところから着手するのが確実です。
インターンシップは県外の学生に限る
金沢市のインターンシップ促進助成金は、学生の交通費・宿泊費のうち企業が負担した分の2分の1を、学生1人あたり2万円まで、1企業1年度5人まで出します。
金沢市のインターンシップ助成は北陸3県以外の学生に限られます。石川・富山・福井の大学等に在籍する学生は対象外です。県外から呼ぶための枠なので、地元の学生を受け入れる場合には効きません。
能美市にも同じ趣旨の枠がありますが、こちらは学生の在籍地を限定せず、1会計年度に2回まで、上限15万円です。同じインターンシップでも、市によって狙っている相手が違います。
女性の枠は女性比率4割以下が条件
金沢市の女性がはたらく職場環境整備費補助金は、トイレ・更衣室・シャワールーム・仮眠室・授乳室などの女性専用施設と、子連れ出勤スペースの設置・改修に出ます。補助率2分の1(小規模企業者は3分の2)、上限50万円です。
女性の枠は、女性比率が4割以下であることが条件です。雇用保険被保険者のうち女性の割合が4割を超えている会社は対象になりません。女性が少ない職場に女性を迎える準備をするための枠、という設計です。
新規事業所の開設や事業所全体の新築・改修・増築に係る整備は対象外で、対象経費の合計が10万円未満の場合も対象外になります。
製造や建設のように男性中心と言われてきた業種にとっては、採用の間口を広げる工事に補助が当たる枠です。ただし、施設を整えたことが求職者に伝わらなければ応募は動きません。整備と、それを見せる採用ページの更新は、同じ年度に並べておきたいところです。
制作費に出る枠は2件・先に決めるのは所在地
24制度のうち、採用動画や採用パンフレットの制作費が費目に入るのは金沢市と能美市の2件です。上限は金沢市が50万円、能美市が15万円、補助率はどちらも2分の1(金沢市は小規模企業者なら3分の2)。予算の範囲内で交付する枠なので、要件がそろっても交付は約束されません。
制作費に届く枠がこの2件に寄っている以上、先に決めたいのは自社の事業所がその2市にあるか、国の助成金の決定通知が社内に残っているかです。どちらも外れるなら、市の一覧を当たるより、いま出している求人の見え方に今年の予算を回すほうが早いです。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。