【全80件】「熊本県」で採用に使える補助金は?対象経費と上限額をまとめて紹介!
「熊本県 採用 補助金」で調べて、県のサイトの労働・雇用のページを開いた……という段階でしょうか。人材確保という名前の枠は並ぶのに、自社の求人にかかる費用が出るのかどうかが読み取れません。
制度が無いからではありません。熊本県では、採用まわりの枠が所管の違う課と、県が別ドメインで持つデータベースに分かれているからです。
以下は2026年8月時点で県と各市町村が公表していた内容です。まず、県内に何件あるのかから並べていきます。
この記事でわかること
- 熊本県内で採用に使える枠は何件あって、県と市町村のどちらに寄っているのか?
- 枠があるのはどの市町村で、名前が出てこない町村は何を意味するのか?
- 募集や採用活動そのものの費用に費目名があるのは何件で、どの課にあるのか?
- 補助金が自社の口座に入らない枠が混ざるのは、どこを見れば分かるのか?
- 雇った実績そのものに単価が付く枠は、1人あたりいくらから始まるのか?
熊本県で採用に使える補助金は80制度
採用まわりの枠がある部署は1つではありません。県は労働雇用創生課、商工政策課、産業支援課、企業立地課、高齢者支援課。市町村は商工、企業立地、介護保険、障害福祉、教育委員会のどこかです。
採用の費用・人材確保・定着に関わる枠として、2026年8月時点で内容を確認できたのは80件でした。
| 区分 | 数と内訳 |
|---|---|
| 制度の合計 | 80件(県13件・市町村67件) |
| 制度を確認できた自治体 | 35市町村(14市・21町村) |
| 枠を確認できなかった自治体 | 10町村 |
| 件数の多い自治体 | 熊本市・八代市・高森町が各5件。荒尾市4件。天草市・玉名市が各3件 |
この80件は、県内にある枠の下限として読んでください。開いたのは県の各課のページと、45市町村の事業者向けと福祉のページまでです。そこに出ていない枠までは追えていません。
奨学金返還支援も80件に数えた
この記事が1件と数えたのは、募集の露出・採用ツール・採用活動の経費に費目名がある枠と、人材確保や定着を目的に掲げている枠です。受け取るのが会社でないものも、採用の判断に効くので内側に入れました。
読者が表で探しに来る枠の数え方を、2つだけ書いておきます。奨学金返還支援と就職奨励金は、お金が働く本人へ渡りますが、求人票に書ける材料なので数えました。
企業立地の条例に付く雇用奨励金も、雇用そのものに単価が付くので内側です。設備投資だけの枠、創業補助金一般、移住支援金、固定資産税の減免だけの枠は数えていません。
市町村の枠は企業立地ガイドに並ぶ
80件の大半へ届く道は、県の補助金一覧にはありません。県企業立地課が別ドメインで運営する「企業立地ガイド熊本」に、市町村の支援制度を1件ずつ構造化したデータベースがあります。
1件ごとに「対象経費:土地/投下固定資産/雇用/固定資産税」という欄が付き、掲載は82件。詳細ページで雇用の欄が有になっているものを抜き出すと、46件・31市町村が残りました。
県の本体サイトの補助金一覧にも、各市町村の商工ページにも、この表へのリンクはありません。しかも県南地域人材確保推進補助金の掲載先が、この同じサイトです。1つの制度を見に行った人が、同じ階層にある表に気づかないまま帰る作りです。
自社の市町村の枠を数えるなら、このデータベースの行から入るのが早道です。
枠を確認できなかったのは10町村
45市町村のうち、雇用や採用に単価や費目が付く枠を確認できなかったのは10団体でした。玉東町、南小国町、小国町、産山村、西原村、南阿蘇村、嘉島町、甲佐町、湯前町、あさぎり町です。
この10町村は、福祉部局と教育委員会の枠まで潰し切れていません。高森町は健康推進課の介護保険係から、和水町は教育委員会から、球磨村はふるさと創生課から出てきました。名前が出てくる35市町村は枠を確認できた側、出てこない10町村は今回の経路では届かなかった側です。
国の助成金は別の枠組みで動く
国の助成金は、この80件と重なりません。出す先も、いつから動けるかの決まり方も別です。
県内の枠に自社が当たらなそうだと感じた方は、県と市町村を1件ずつ調べるより、先に国の側の全体像から入るほうが早いはずです。
参考記事:『採用で使える助成金と補助金』
県の13件は労働雇用の課に3件だけ
県の枠は13件です。ひとまとめに並んだページはありません。
| 制度 | 所管と上限 |
|---|---|
| 県南地域人材確保推進補助金 | 企業立地課。2分の1・上限500万円 |
| 熊本県介護職員確保支援事業補助金 | 高齢者支援課。1団体250万円 |
| ふるさとくまもと創造人材奨学金返還等サポート制度 | 商工政策課。県と企業が2分の1ずつ |
| 熊本県リスキリング応援補助金 | 労働雇用創生課。4分の3以内・上限50万円 |
| 熊本県女性が働きやすい職場環境整備支援事業補助金 | 労働雇用創生課。4分の3以内・上限200万円 |
| 短期間・短時間雇用応援助成事業 | 労働雇用創生課と県雇用環境整備協会。4分の3・上限30万円 |
| 熊本県副業・兼業人材活用促進事業費補助金 | 産業支援課。10分の8以内・上限50万円 |
| 熊本県訪問介護等サービス提供体制確保支援事業 | 高齢者支援課。採用活動の支援は1事業所30万円 |
| 熊本県外国人留学生奨学金等支給支援事業費補助金 | 高齢者支援課。基準額の3分の1 |
| 介護テクノロジー定着支援事業費補助金 | 高齢者支援課。募集要項による |
| 熊本県企業立地促進補助金 | 企業立地課。投下固定資産分と新規雇用分 |
| 熊本県地場企業立地促進補助金 | 産業支援課。投下固定資産分と新規雇用分 |
| 熊本県地場企業産業支援サービス業等立地促進補助金 | 産業支援課。正社員20万円・非正規10万円 |
労働雇用創生課のページだけを開くと、手元に残るのは3件です。残りは産業支援課、企業立地課、高齢者支援課、商工政策課に散っています。高齢者支援課の4件は、県の補助金一覧ではなく介護のサイトの側です。
1社で使えて募集の費用が出る2件
県の枠は地域全体の底上げに寄っている、と読める並びです。ただし、そう言い切れません。募集や採用活動そのものの費用が対象で、しかも1社が申請者になれる県の枠が2件あります。
熊本県副業・兼業人材活用促進事業費補助金は、補助対象経費の第1号がそのまま「紹介手数料」です。副業・兼業のプロフェッショナル人材を紹介した人材ビジネス事業者へ払う手数料が対象で、報酬・交通費・宿泊費も入ります。
補助率は10分の8以内、上限は1事業者あたり50万円。所管は産業支援課で、2026年7月23日に2次募集が告知されています。
熊本県訪問介護等サービス提供体制確保支援事業は、申請者が単独の訪問介護事業所です。事業者団体でも企業グループでもありません。
事業は(1)人材確保体制構築支援事業と(2)経営改善支援事業に分かれ、(1)のなかに「中山間地域等における採用活動の支援」があります。上限は1事業所あたり30万円で、地域外の求職者へ採用活動をするときの、地理的条件で増える経費が対象です。
さらに(2)の側に、介護人材や利用者の確保のために行うホームページの開設・改修に係る経費と、リーフレットやチラシの作成・印刷費が並びます。自社のホームページの費用が、県の枠に費目名で入っています。
どちらも同じ1件のなかの事業なので、窓口で言う制度名は熊本県訪問介護等サービス提供体制確保支援事業です。介護の事業所であれば、県の枠でホームページの費用まで届くと見てよいでしょう。
交付金で立つ3件は毎年の予算でない
労働雇用創生課が持つ3件は、費目が訓練費・工事費・スポットワークの仲介手数料に寄っています。そして3件とも、制度のページに財源が書かれています。
| 制度 | 何に出るか |
|---|---|
| 熊本県リスキリング応援補助金 | 訓練の受講費・教材費・材料費。4分の3以内で上限50万円 |
| 熊本県女性が働きやすい職場環境整備支援事業補助金 | 女性従業員専用施設の新設・増設・改修。4分の3以内で上限200万円・下限60万円 |
| 短期間・短時間雇用応援助成事業 | スポットワーク仲介手数料の4分の3(上限30万円)と短時間正社員制度の導入 |
リスキリング応援補助金と女性が働きやすい職場環境整備支援事業補助金は、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用すると書かれています。短期間・短時間雇用応援助成事業も同じ交付金です。
3件とも、県が毎年積んでいる予算ではありません。来年度も同じ名前で同じ要件の枠が立つとは限らない、ということです。
対象になる条件も重めです。女性が働きやすい職場環境整備支援事業補助金は、令和7年4月から令和8年5月までに事業所内最低賃金を30円以上引き上げていることを求め、工事を行う建物が申請事業主の所有であることも要件に置きます。
短期間・短時間雇用応援助成事業が見るスポットワークの仲介手数料は、単発の就業をあっせんする費用で、正社員やパートの募集にかかる費用ではありません。
この3件は来年度の計画に入れず、今年度のうちに動くかどうかで考えておかれるとよいでしょう。
立地の枠は雇用に単価が付く
県の13件のうち3件は、企業立地にあります。熊本県企業立地促進補助金、熊本県地場企業立地促進補助金、熊本県地場企業産業支援サービス業等立地促進補助金です。
どれも補助金が投下固定資産分と新規雇用分に分かれていて、後半が雇用そのものに付きます。地場企業産業支援サービス業等立地促進補助金は、県民を新規に常用雇用すると正社員1人20万円、非正規1人10万円。
企業立地促進補助金も県内居住の新規雇用者1人あたりの定額で、どちらも過疎・離島・半島は割増しになります。設備投資が前提なので、今年の募集費用を軽くする性格の枠ではありません。
市町村の67件は35の自治体にある
市町村側は67件でした。市の側で33件、町村の側で34件です。
| 自治体 | 件数と中身 |
|---|---|
| 熊本市 | 5件。企業立地促進条例の雇用促進補助金、中小企業研修派遣、特定求職者雇用奨励金、地方就職支援金、転居費等支援金 |
| 八代市 | 5件。企業振興促進条例、情報通信関連等事業所立地促進、産業活性化人材・企業育成、就業資格取得支援、林業新規就業者支援 |
| 高森町 | 5件。すべて介護人材の確保。健康推進課の介護保険係が持つ |
| 荒尾市 | 4件。いきいき産業立地促進条例、障がい者雇用奨励金、奨学金返済わか者就労支援、保育士家賃補助 |
| 天草市 | 3件。持続可能な受入環境充実支援、企業立地補助金、サテライトオフィス推進 |
| 玉名市 | 3件。企業立地促進奨励金、介護人材育成支援、保育士就職支援 |
この6団体だけで25件あり、67件の3分の1を超えます。残る42件は、ほかの29市町村に散っています。
自社の市町村を探すときは、このあとの介護と保育の節、奨学金返還支援の節まで続けて見てください。1つの自治体の枠が2つの節に分かれて出てきます。
14市すべてに枠がある
県内14市のすべてに枠がありました。数の多いのは熊本市と八代市で各5件。熊本市の枠でいちばん大きいのは企業立地促進条例の雇用促進補助金で、新規雇用の正社員1名につき最大100万円が出ます。
宇土市は企業振興促進条例のなかに雇用促進奨励金(1人30万円・限度1,000万円)と研修経費補助金(2分の1・限度100万円)を並べて置いています。研修費の補助が企業誘致の担当課にあります。
上天草市は2件で、企業立地及び雇用促進補助金が投下固定資産分と新規雇用分に分かれて限度3,000万円、雇用促進住居手当補助金が市外から転入した新規雇用者の住居手当を2分の1以内・月額上限2万5千円まで見ます。
人吉市も2件で、企業立地促進条例の雇用分と、産業支援サービス業等立地促進補助金(投下固定資産等の3分の1・上限1,000万円)。窓口はどちらも商工観光課です。
水俣市の雇用促進奨励金は10万円×雇用人数で限度300万円、合志市の雇用促進補助金は新規雇用者数×30万円で限度300万円。水俣市はこのほかに若者人材確保奨学金返還支援補助金があり、2件になります。
山鹿市は工場等設置奨励金、菊池市は企業誘致促進補助金、宇城市は産業支援サービス業等立地促進補助金に、それぞれ雇用の分を置いています。阿蘇市の1件は保育士宿舎借上げ支援事業で、産業の課ではなく保育の担当課です。
市の側は金額の桁が大きく見えますが、その多くは立地の条例に基づく枠だと思われます。
町村21団体にも枠がある
県内の23町8村のうち、21団体に枠がありました。町村の側だけで34件です。
雇用そのものに単価を置いているところを挙げます。美里町は常時雇用の正社員1人50万円、それ以外1人25万円で、限度額は1,000万円。大津町は正社員1人30万円・非正規1人15万円で限度300万円です。
菊陽町は1年以上の雇用で1人30万円、苓北町は雇用人数×30万円で限度300万円。長洲町の若者定住就職奨励金は、30歳未満で正規雇用に就いた本人へ10万円が出ます。
ここまでの単価は、その多くが企業立地の条例や要綱のなかに置かれた枠です。工場や事業所の新設・増設について条例の指定を受けたうえでの雇用分になります。
いま人を1人雇い足すだけでは届かない枠が混じっています。単価の欄だけで自社に当てはめず、条例の適用要件のほうから確かめてください。
サテライトオフィスの誘致に雇用の枠を付けているのが芦北町、津奈木町、水上村、相良村。南関町の産業振興等奨励金、和水町の企業振興補助金、御船町・多良木町・錦町の企業立地促進補助金にも雇用の枠が入っています。
益城町の企業立地奨励金と産業支援サービス業等立地促進補助金、氷川町・五木村・山江村の企業立地促進条例も同じです。町村だから枠が無いと当たりを付けると、町村側の34件を丸ごと見落とします。
介護と保育は福祉の課にある
産業のページからはたどり着けない分野です。高森町は健康推進課の介護保険係に、ケアマネ資格取得・継続支援補助金、ケアマネ・ヘルパーエール支援金、ケアマネスタートお祝い金、介護人材カムバック支援金、介護人材新規・移住定住就職支援金を置いています。
1つの町が介護だけで持つ本数が、県の介護分野の4件を上回ります。玉名市は高齢介護課に介護人材育成支援事業助成金を、別に保育士就職支援事業補助金(就職準備費用 最大20万円)を置いています。
山都町は介護資格取得の補助と介護ロボット・ICT導入支援で最大10万円。荒尾市の保育士家賃補助事業は月額上限2万5,000円、阿蘇市には保育士宿舎借上げ支援事業があります。
ただし荒尾市・阿蘇市・玉名市の保育の枠と山都町の介護の枠は、保育士の求人サイトや補助金の民間データベースの側で存在を確認した段階です。玉名市の最大20万円という額も、その索引側の記載です。
介護や保育で人を採る会社なら、産業の課ではなく福祉の課へ電話を入れておかれると安心です。
奨学金返還支援は市町村に7件
県のふるさとくまもと創造人材奨学金返還等サポート制度(専用サイトの名前をとって、以下くま活サポート)のほかに、市町村が独自に持つ奨学金返還支援が7件ありました。荒尾市、宇土市、水俣市、和水町、錦町、球磨村、苓北町です。
荒尾市は年間返済額の3分の2・最大20万円を3年、球磨村は前年度返済額の3分の2・上限20万円を5年、宇土市は1会計年度20万円が上限。和水町と錦町の窓口は教育委員会です。
ここで注意が要ります。くま活サポートの専用サイトには、市町村が独自に持つ制度を集めた一覧のページがあります。そこに載っているのは、荒尾市と球磨村の2団体だけです。
宇土市も和水町も苓北町も錦町も、本文で扱う水俣市さえ、そこには並んでいません。一覧の2件を見て県内には2件しかないと読むと、5件を取り落とします。
奨学金の枠を求人票に書くつもりなら、県の一覧ではなく自社の市町村のページで確かめるのが先です。
募集の費用に費目名があるのは6件
80件を、やろうとしていることの側から引き直します。1つの制度が複数の用途にまたがるので、下の数を足しても80にはなりません。
| やること | 費目名を確認できた枠 |
|---|---|
| 求人広告・求人媒体の掲載料 | 3件。八代市は副業人材の募集情報、天草市は旅館業と飲食施設、県の訪問介護等は介護人材の広報 |
| 採用サイト・採用ページの制作 | 3件。天草市、県の訪問介護等、県の介護職員確保 |
| 採用動画・採用パンフレットの制作 | 2件。天草市の採用広報ツール、県の訪問介護等の広報宣材 |
| 人材紹介手数料 | 2件。県の副業・兼業人材活用促進、八代市 |
| 採用活動そのものの経費 | 3件。県南地域人材確保推進、県の介護職員確保、県の訪問介護等 |
| 採用活動の代行にかかる委託費 | 0件 |
| 研修・資格取得の受講料 | 5件。県のリスキリング応援、熊本市、八代市2件、宇土市 |
| 雇用の実績に対する定額の支給 | 39件。県3件と、市町村36件(31自治体) |
| 障害者雇用の奨励金 | 2件。熊本市、荒尾市 |
| 介護・福祉の人材確保 | 12件。県4件、高森町5件、玉名市2件、山都町 |
| 奨学金返還支援 | 8件。県と、荒尾市・宇土市・水俣市・和水町・錦町・球磨村・苓北町 |
| 従業員の住居・転居 | 4件。上天草市、熊本市、荒尾市、阿蘇市 |
上から5行に出てくる制度を、重ならないように数え直すと6件です。県が4件、市が2件。募集や採用活動そのものの費用に費目名を持つのは、80件のうち6件でした。
うち採用サイトや採用ページの制作費が費目にあるのは3件で、天草市と県の2件です。ただし6件はどれも対象が絞られています。
県南は2社以上のグループ、介護職員確保は事業者団体、訪問介護等は中山間地域等の訪問介護事業所、副業・兼業と八代市は副業人材、天草市は旅館業と飲食施設。正社員やパートの求人を1社で出す費用に、そのまま当てられる枠はありませんでした。
いちばん数が多いのは雇用の実績に出る枠です。1人あたりの単価は熊本市の100万円から水俣市の10万円まで10倍の開きがあり、限度額も水俣市・合志市・大津町・苓北町の300万円から、上天草市の3,000万円まで開きます。
八代市は4事業のうち1つだけ
八代市産業活性化人材・企業育成支援事業補助金は、補助対象事業が4つに分かれます。研修受講、研修講師招へい、資格試験受験、副業人材活用です。
このうち募集の費用が入るのは、副業人材活用事業だけです。交付要綱第5条第4号が定める対象経費は「副業人材の募集に関する情報をメディアに掲載するために必要な経費」です。
正社員やパートの求人広告の掲載料は、この一文の外です。補助率と上限は業種で割れ、製造業や運輸業などが2分の1・8万円、その他の中小企業者が3分の1・5万円です。
八代市で副業人材の募集費用にこの枠を当てたい方は、4つのどの事業で出すかによって対象経費が変わります。
参考記事:『「八代市産業活性化人材・企業育成支援事業補助金」は何に使える?対象経費を解説!』
天草市は公募要領で求人ページを名指し
天草市持続可能な受入環境充実支援補助金は、名前も所管も観光寄りです。それでも別表1の5分類のうち1つが「人材確保・育成」で、公募要領が自社ホームページの求人ページ製作費を名指しで対象に挙げています。
市の案内には出てこない書かれ方です。同じ欄の注記で、通年で掲載している求人広告費は外れます。
補助率は2分の1以内で、上限は旅館業の宿泊施設が収容定員に応じて50万〜150万円、市内に本社を有する飲食施設が30万円。人材確保・育成の枠を使えるのは、旅館業の宿泊施設と市内本社の飲食施設に限られます。
天草市で自社の求人ページの製作費に補助を当てたい方は、市の案内ではなく公募要領のPDFを先に開くほうが確実です。
参考記事:『「天草市持続可能な受入環境充実支援補助金」は自社の求人ページに使える?対象経費を解説!』
県の介護の枠に採用の費目がある
訪問介護等サービス提供体制確保支援事業の中身は先に触れたとおりです。採用活動の支援の対象になるのは、天草・芦北・球磨のような中山間地域等と離島等地域に所在する事業所に限られます。
もう1件、熊本県介護職員確保支援事業補助金の別表2にも採用の費目があります。委託料の欄が、広告作成費と社会福祉連携推進法人設立に向けた新規HP開設費等を対象に挙げています。
一方で、構成員等を委託先とした広告作成費と、既存のHP・SNSの運営及び改修に要する経費等は対象外です。新規のホームページ開設費は対象で、既存サイトの改修費は対象外。
この区別が分かるのは別表2だけで、制度のページの本文には出てきません。上限は1団体あたり250万円で、申請者は事業者団体です。
団体で出す計画があるなら、新規で作るか直すかを決める前に別表2を開いておかれるとよいでしょう。
紹介手数料は副業と兼業に限る
人材紹介の手数料に費目名があるのは2件で、どちらも副業・兼業の人材に限られます。県の副業・兼業人材活用促進事業費補助金と、八代市の副業人材活用事業です。
正社員やパートの採用で払う紹介手数料は、この2件の外です。採用活動の代行にかかる委託費は0件でした。会社案内や採用パンフレットの制作費は、天草市の採用広報ツール制作費と、県の訪問介護等の広報宣材費の2件です。
自社の口座に入らない枠が12件
金額を見る前に、申請書のいちばん上を見ます。補助金が自社の口座に入らない枠を、80件のうち12件で確認しました。
| 受け取るのは誰か | 該当する枠 |
|---|---|
| 企業グループの代表企業または市町村等 | 県南地域人材確保推進補助金 |
| 事業者団体・職能団体等 | 熊本県介護職員確保支援事業補助金 |
| 就職した本人 | 奨学金返還支援8件、熊本市地方就職支援金、長洲町若者定住就職奨励金 |
このうち2件は、名前に人材確保と入っています。県南地域人材確保推進補助金と、水俣市若者人材確保奨学金返還支援補助金です。名前だけで判断すると、使えない枠を数えることになります。
県南の枠は2社以上でないと出せない
県南地域人材確保推進補助金は、補助率2分の1・上限500万円です。採用活動の費用に出る枠に限れば、県の13件のなかで上限がいちばん大きいものになります。
企業立地の3件は上限の立て方が違うので、同じ列には並びません。掲載先は県の本体サイトではなく企業立地ガイド熊本のほうです。
公募要領5が挙げる補助対象経費の例は、外部人材の招聘経費、広報・PR経費、既存施設の改修などの事業拠点整備経費、事業設備・備品経費の4つ。団体の運営費、飲食、土地の取得や賃借は対象外です。
交付要領第3条第2項に、こう書かれています。補助対象事業の実施者は、企業グループの代表企業又は市町村等とする。そして第2条第2号が企業グループを「県南地域に本社又は支店等の事業所を有する企業が2社以上参画する団体」と定義しています。
対象地域も限られます。県南地域に入るのは、八代市・人吉市・水俣市・宇土市・上天草市・宇城市・天草市と美里町から苓北町までの21市町村。熊本市や県北の市町村は入りません。
読むときに1つ注意があります。県のページに載っている補助対象事業は7項目で、公募要領と交付要領は6項目です。県のページにだけある「事業の主要な部分を他に委託する事業でないこと」が、要領には見当たりません。
制作を外に出す計画なら、見積を取る前に企業立地課へ一度電話で確かめておかれると安心です。
介護の枠は事業者団体が申請者になる
熊本県介護職員確保支援事業補助金は、採用の中身にいちばん踏み込んでいる県の枠です。募集要項3が挙げる「新たな人材確保の取組み」の例に、合同就職面談会や学校説明会の実施、採用活動支援のためのアドバイザー派遣が並びます。
ところが募集要項2の補助対象は、介護サービス事業所を運営する事業者団体、介護に関する職能団体、社会福祉連携推進法人です。単独の事業所は申請者になりません。要件にも「事業効果が特定の法人のみに限定されるものではないこと」が入っています。
同じ介護分野でも、訪問介護等サービス提供体制確保支援事業のほうは単独の事業所が申請者でした。分野が同じでも、申請者の欄は制度ごとに別々に決まっています。
奨学金の枠は企業が半分を負担する
ふるさとくまもと創造人材奨学金返還等サポート制度は、専用サイト「くま活サポート」にあります。県の本体サイトの補助金一覧をたどっても届きません。
制度の概要はこう書かれています。制度に参加する企業等(参加企業)と県とが2分の1ずつを負担し、就職した若者の奨学金返還等を支援する。企業は受け取る側ではなく、半分を出す側です。
出す側と分かったうえで企業向けページの3行を読むと、性格が見えてきます。企業の魅力アップにつながります。県のウェブサイト等で学生等へ参加企業の情報を発信します。採用がない場合は、負担等の必要はありません。
採用が決まるまで費用は動かず、その間は県のサイトに社名が載る枠です。2026年8月時点で募集しているのは2028年度就職者を対象とした参加企業になります。
採用の予定が読めない年でも、社名の露出だけは取りに行ける枠と読めます。
受け取るのが本人でも求人票に効く
水俣市若者人材確保奨学金返還支援補助金は、名前に人材確保と入っていますが、交付対象者は市内の事業所に正規雇用で就業している本人です。
返済額の3分の1、月額5,000円が上限で、最長60か月。ページには「支援人数には限りがあります」と書かれています。
熊本市地方就職支援金も本人向けで、東京圏の大学等を卒業して熊本市に転入した人の交通費と移転費を支援します。長洲町の若者定住就職奨励金も、受け取るのは30歳未満で正規雇用に就いた本人です。
企業の経理には1円も入りませんが、求人票に載せられる材料としては効きます。
予算と期日は枠ごとに別で動く
どの枠も予算の範囲内での交付で、上限に達した時点で受付が終わります。日付とは別に、残高で閉じる書き方が並びました。
県南地域人材確保推進補助金は「募集期間内であっても予算額に達し次第、募集を終了する」。女性が働きやすい職場環境整備支援事業補助金は「申請の総額が予算上限に達した時点で募集を中止します」。
リスキリング応援補助金と短期間・短時間雇用応援助成事業は「予算がなくなった時点で受付を終了します」。熊本市中小企業研修派遣補助金と熊本市地方就職支援金も同じ書き方です。
公表された終了日は最も遅い可能性であって、締切そのものではありません。要件を満たしていても、交付が約束されるわけではないということでもあります。
執行の残りが見える枠と見えない枠
熊本県リスキリング応援補助金には、他の枠に無いものがあります。制度のページに予算残高が数字で載っていて、2026年8月13日時点で6,780万8,998円、残り96%です。
決算と予算の資料まで開くと、もう少し見えます。八代市は令和6年度の決算で、産業活性化人材・企業育成支援事業補助金の交付実績を46件・140万円と公表しています。天草市は令和8年度の当初予算に1,700万円を計上。
そのうえで、県南地域人材確保推進補助金、女性が働きやすい職場環境整備支援事業補助金、短期間・短時間雇用応援助成事業、介護職員確保支援事業補助金の4件は、いま何割埋まっているかを外から測れませんでした。
残りが見えない枠は、年度の後半に動くより、早い回で出しておくほうが損がありません。
地震で締切が動いた枠がある
2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震を受けて、熊本県は9市10町1村に災害救助法の適用を決定し、熊本市についても別に適用を決定しています。合わせて10市10町1村、21市町村です。
21市町村の名前は県が出した適用のお知らせに載っているので、自社の所在地が入っているかはそこで確かめてください。制度の側にも影響が出ています。
介護職員確保支援事業補助金は、交付申請の提出期限を令和8年8月12日正午から9月12日正午へ1か月延長しました。リスキリング応援補助金も、受付期間内に提出できない場合の受付延長を案内しています。
ただし最終締切の令和9年2月15日は超えられません。公表されている日付が、いま生きている日付とは限らない時期です。
申請を考えているなら、制度のページの更新日を見てから動くほうが確実です。
発注の日を先に置くと落ちる
支払いが後になることと、順番を逆にすると落ちることは、確認した枠に共通していました。
女性が働きやすい職場環境整備支援事業補助金の補助事業の流れには、こう書かれています。交付決定・通知。申請から決定まで期間を要します(約1ヶ月半)ので、余裕のある工事期間としてください。
事業完了は令和8年12月15日までで、支払いまで済ませる必要があります。八代市の枠も、申請は事業を実施する日の1週間前までです。
1週間前というのは申請書の締切であって、交付決定までの日数ではありません。掲載開始日を先に決めてしまうと、その掲載が対象から外れます。
Tips|見積を頼む前に
制作会社や媒体に声をかける前に、出す先の制度を1つ決めます。決まれば、どこまでを対象経費の行にするかも決まります。天草市なら求人ページと通年の掲載を分け、県の介護の枠なら新規のホームページと既存サイトの改修を分ける。この順番なら、見積の取り直しが1回減ります。
見積を取る前に交付要綱を開いて、担当課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。
窓口で確かめる4点
県と市町村のページを読んでも決まらなかった点です。窓口で確かめるときの材料になります。
- 県南地域人材確保推進補助金の随時受付が、2026年8月時点で開いているか(企業立地課 096-333-2329)
- 県のページにだけある「事業の主要な部分を他に委託する事業でないこと」の運用
- くま活サポートの市町村一覧に、荒尾市と球磨村の2団体しか並んでいない理由
- 枠を確認できなかった10町村に、福祉部局と教育委員会の枠が残っていないか
なお介護職員確保支援事業補助金のページには、行政書士又は行政書士法人ではない者が申請者から報酬を得て申請書類を作成することは行政書士法違反になる、という注記があります。
書類の作成を外に頼むなら、相手は限られると思われます。
採用ページに出る枠は3件・先に決めるのは持ち方
熊本県内の80件のうち、採用サイトや採用ページの制作費が費目に入るのは3件です。上限は分かる枠で30万円から250万円、補助率は天草市が2分の1以内。予算の範囲内での交付なので、埋まれば年度の途中で受付は閉じます。
3件の対象は、旅館業と飲食施設、中山間地域等の訪問介護事業所、事業者団体です。製造や建設、運送の会社が自社の採用ページの費用に当てられる枠はありませんでした。厚いのは雇った実績に単価が付く39件のほうです。先に決めたいのは、採用ページの費用は自社で持つと考えるかどうかです。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。