【上限50万円】「福岡県奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業」は何に使える?併用を解説!

福岡県の奨学金返還助成は、社員の奨学金を会社が手当や代理返還で支えたとき、その一部を会社へ補助する制度です。規程の書き方や、福岡市・北九州市の補助とどちらに出すかが見えないまま、12月28日の締切が近づいている会社の方へ向けて整理しました。

本記事では、2026年10月時点の県の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!

この記事でわかること

  • 社員の返還を手当か代理返還で支えたとき、会社に年度でいくら戻るのか
  • 募集にかけたお金は、県の2分の1の計算に入るのか
  • 1月29日の変更申請に途中で採った人を足すには、補助金の外で何が要るのか

福岡県には、県と市町村の両方に採用や雇用に出る制度があります。市町村の制度まで見比べたい方は、自治体別に整理した記事からどうぞ。

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※本記事は各自治体公式ページの内容を元に、「より分かりやすく」を趣旨にまとめさせていただいたものです。記載の内容については、一切の責任を負いかねますので、必ず申請前には各自治体の担当窓口までご相談いただきますようお願いいたします。

奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業の概要

福岡県の公式サイトにある「福岡県奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業補助金」の案内ページ。制度名の見出しの下に、奨学金代理返還や手当等支給を行う中小企業への補助という概要と、補助対象者「福岡県に本店がある中小企業」が並ぶ

出典: 福岡県「福岡県奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業補助金」のページ(2026年10月時点)

「福岡県奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業補助金」は、県内に本店がある中小企業が、社員の奨学金の返還を手当か代理返還で支えたときに使える補助金です。支えた額の2分の1以内が、1社あたり年度50万円まで県から戻ります。補助金が入るのは、年度の支援を払い終えて額が確定したあとです。

補助金名 福岡県奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業補助金(事業名は末尾の「補助金」を除いた形)
相談先 福岡県 商工部 中小企業振興局 中小企業経営支援課 管理指導係(電話: 092-643-3423)
補助対象 内部規定等にもとづき、社員へ支払う奨学金返還の手当等の額と、奨学金の債権者への代理返還額
補助上限(補助率) 2分の1以内。1企業あたり会計年度50万円まで
期限 令和8年度の交付申請は12月28日必着(電子申請・メール・郵送)。予算の範囲内で交付し、予算の上限に達すると期間内でも受付終了の場合あり

注意したいのは、採用サイトづくりの費用も求人広告の掲載料も、県の補助の対象にならないことです。要綱第6条が補助対象経費に数えるのは、社員へ払う手当等と、貸与機関へ代わりに返した額の2つで、どちらも社員の奨学金のために会社から出たお金です。

対象は県内に本店がある中小企業

県内に支店があっても、登記上の本店が県外にある会社は対象になりません。個人事業主と、会社法にもとづく士業の法人は対象に入ります。

もう1つの条件は、就業規則や賃金規程など、明文化した規定で奨学金の返還支援を定めていることです。就業規則が無い会社でも、申請までに内部規定を整えれば申請できます。県は規程の作成例と、規程に書いておく項目の注意事項を公開しています。

暴力団と関わりのある事業者、国・県・市町村が出資している事業者、県税を滞納している会社は外れます。

中小企業者の条件は中小企業基本法第2条第1項から引かれていて、県の申請方法の資料が業種別の数字をそのまま載せています。資本金と従業員数のどちらか一方が収まっていれば中小企業者です。

業種分類 資本金の額または出資の総額/常時使用する従業員の数
製造業その他 3億円以下/300人以下
卸売業 1億円以下/100人以下
サービス業 5千万円以下/100人以下
小売業 5千万円以下/50人以下

対象の社員に年齢や入社年の条件はない

県内の事業所で働く正社員で、本人の名義で借りた奨学金を返している人か、これから返し始める人が対象です。正社員は期間の定めのない雇用契約を会社と直接結んだ人で、地域限定の社員や短時間で働く社員も、その契約なら当てはまります。役員は外れます。

県のQ&Aは、年齢・採用年数・新卒か中途か・制度を作る前からの雇用かを、どれも問わないとしています。対象の奨学金は日本学生支援機構のほか、自治体・大学・民間企業などが貸す返済義務のあるものです。金融機関の教育ローンは入りません。

正社員の中に奨学金を返している人が1人もいなければ、この補助の額は出ません。雇い入れそのものに出るお金が要る段階なら、当てはまるのは国の助成金のほうです。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』

補助が出るのは年度内に返還を支えた場面だけ

4月から翌年3月までに、社員の奨学金のために会社が払った額の2分の1以内が戻ります。払い方は2通りで、社員に現金で渡す手当等と、会社が社員に代わって貸与機関へ直接送る代理返還です。どちらも年1回以上で、内部規定でどちらか一方にも、両方から選べる形にもできます。

代理返還は送った額の2分の1が補助の額です。手当等は、社員がその年度に実際に返した額と、会社が払った手当の額のうち、低いほうの2分の1になります。上限は1企業あたり年度50万円です。代理返還に応じる貸与機関は一部に限られるので、県は貸与機関へ確かめるよう案内しています。

例えば社員が年20万円を返し、会社が全額を支えたなら補助は10万円で、会社の持ち出しも10万円です。手当を20万円払っても社員の返還が15万円なら、補助は15万円の2分の1の7.5万円で、会社の持ち出しは12.5万円になります。

社員が1年を通して返還を滞納し、返した額が0円なら、手当で払っていても補助は0円です。退職した社員に、払った手当や代理返還の額を返させる定めがある規程は、県の支援制度に当たりません。そうした返還を求めると、その申請の補助がすべて取り消されます。

逆に、次の場面では出ません。

  • 正社員の募集で、求人媒体に広告を出した
  • 採用サイトや採用動画、パンフレットを作った
  • 採用活動の代行を外部に頼んだ
  • 合同説明会や就職イベントに出展した

補助の額は、社員が貸与機関へ返していくお金の流れからしか計算されません。手当を多めに払っても、社員が返した額を超える分には2分の1が付きません。募集にかけたお金はこの流れの外にあり、県の2分の1が届く先は、すでに社内で返還を続けている人に限られます。

規程を書き起こすときは、退職時の返還の一文が無いかを見る

辞めた人に手当の返還を求める一文が規程にあると、その人の分だけでなく、申請した補助がすべて取り消されます。ほかの規程をもとに書き起こすときは、交付申請の前に、この一文が紛れていないかを見ておくとよいでしょう。

申請は毎年度・入金は額の確定後

交付申請は、支援を始める前でも始めたあとでも、12月28日必着で出せます。4月から申請までに払った分も、その年度の補助に数えられます。3月以前の前年度の分は入りません。申請はふくおか電子申請サービス・メール・郵送のどれかです。

県の様式の交付申請書と事業計画書などに、履歴事項全部証明書や内部規定等の写し、社員の返還額が分かる書類などを添えます。

交付決定は申請から1〜2か月後です。退職や新しい採用で対象の社員が増減したり、手当の額が変わったりしたときは、令和9年1月29日必着の変更交付申請が要ります。期限を過ぎると補助額は増やせず、最初の申請で上限の50万円に届いていれば社員を足せません。

支援を払い終えたら、完了から10日以内か令和9年3月31日の早いほうまでに実績報告を出し、額が確定してから請求します。県の目安では、補助金の交付は5月末までです。補助は年度ごとの事業なので、次の年度も使うなら改めて申請します。

県の特設サイトには、制度を導入してこの補助金を使っている会社の一覧(一例)が、業種と市町村で探せる形で載っています。

福岡市・北九州市とは選択・久留米市は併用可

同じ年度に、ほかの自治体の同じような補助を受ける会社は、県の補助を受けられません。要綱は予定を含めて外していて、県のQ&Aは、ほかの自治体の制度が併用を認めていても県は認めないとしています。社員本人がほかの自治体の補助を受けるのは構いません。

福岡市に本店と本社がある会社には、市の「福岡市中小企業奨学金返還支援事業補助金」(原則2分の1・1年度1企業50万円まで)があります。北九州市の「北九州市企業型奨学金返還支援補助金」は3分の2以内・年間60万円までで、採用後3年以内の社員の分が対象です。

どちらも手当や代理返還の額に出る補助で、県の補助への上乗せではありません。県と市の両方の対象に入る会社は、12月28日の県の締切より前に、令和8年度の分をどちらへ出すかを社内で決めてください。迷ったら、県の中小企業経営支援課へ相談できます。

参考記事:『【年50万円】「福岡市中小企業奨学金返還支援事業補助金」は何に使える?戻る額を解説!』

参考記事:『【年60万円】「北九州市企業型奨学金返還支援補助金」は何に使える?県との違いを解説!』

久留米市の「奨学金代理返還支援制度導入奨励金」は、代理返還の制度を新しく導入した市内の中小企業者等に30万円(定額)を出すものです。県と市の両方が、県の補助とあわせて申請できると案内しています。市の分は日本学生支援機構の奨学金の代理返還に限られ、受付は令和9年2月19日までです。

まずは補助金活用の前に、「どう応募を獲得するか?」を考えよう!

社員の返還を支える手当の半分を、県に持ってもらうつもりでこの記事を開いた方が多いと思います。上限の50万円に届いた申請には、途中で採った人の分を足せません。

届いていない会社でも、足せるのは令和9年1月29日必着の変更申請までに入った人の分です。人が入ってこなければ、増額の手続きは使われないまま年度が終わります。その人を迎えるためには、どう応募を獲得するかが、ものを言います。

採用活動は、もう「片手間」では回りません…

その「どう応募を獲得するか」は、いまは空いた時間で片付く話ではなくなっています。採れる人そのものが減って、残った人の取り合いになっているからです。

①働き手が減り、若い人は都市部へ出ていく

15〜64歳の人口は7329万人で、1年で26万5千人減りました。そのうえ20〜24歳の若い層は、4年続けて、東京圏以外のどの道府県からも東京圏へ流れ出ています。少ないパイを、地方の会社同士で取り合う構造です。

参考サイト:『総務省「人口推計」(2026年3月1日現在・確定値)』『総務省「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」(日本人移動者)』

②求人のほうが多く、応募は取り合いになる

実際、福岡県の新規求人倍率は2026年7月時点で1.81倍です。ひと月に新しく出てくる求人だけで、新たに仕事を探し始めた人1人を、複数の会社で取り合う状態です。取り合いに負ければ、人は入ってきません。

全国で正社員が足りないと答えた企業は51.3%です。建設では66.0%、運輸・倉庫では65.6%で、業種によっては3社のうち2社が足りないと答えています。同じ求人を同じように出していては、この取り合いからは抜けられません。

参考サイト:『厚生労働省「一般職業紹介状況」(2026年7月・季節調整値・就業地別。都道府県別はJILPT公表値)』『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』

③仕事はあっても人がいない、で終わってしまう

人手不足をたずねた調査では、たとえば「工事案件はあるが、原材料の高騰と人を集めることが困難で、受注したくてもできない状況」(土木建築サービス)という声が出ています。採れないことが、そのまま仕事の取りこぼしになります。

採れないあいだにも、いま居る人が辞めることはあります。「1人採れれば足りる」と構えると、辞めた分を埋めるだけで終わります。募集は、事業を続ける限り止まりません。採用は片手間の仕事ではなく、会社を続けるための経営戦略です。

参考サイト:『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』

採用が厳しい地域でも、3か月で応募17人・内定3人

地方採用ワークスでご支援した例を1つご紹介します。

岐阜県大野郡白川村の、従業員20名ほどの総合建設会社様では、支援開始から3か月で応募が17人、うち3人の内定に至りました。有資格者の採用にもつながっています。

足りないと答えた企業が66.0%に上る建設で、しかも採用が厳しい地域での結果です。同じ結果をお約束できるものではありませんが、条件が厳しくても、打ち手は残っています。

地方採用ワークスは、都市部より母数が少ない地方の採用を専門に、数多くの企業様をご支援してきた会社です。地方の企業が中心ですが、都市部の企業様からのご依頼もいただいています。採用ブランディングの設計から採用サイトの制作、応募を獲得したあとの一次面接やフォローまでをご支援しています。

いまの状況をお聞かせいただければ、どう応募を獲得するかの設計から、ご一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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