【年60万円】「北九州市企業型奨学金返還支援補助金」は何に使える?県との違いを解説!

北九州市のページには「令和8年度より補助率が引き上げられました」と赤字で出ています。3分の2・年60万円がどの社員の分に付くのか、県の似た補助とどちらへ出すのかは、案内ページだけでは見分けにくいところです。

本記事では、2026年10月時点の市の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!

この記事でわかること

  • 採用から3年以内の社員の返還を支えると、市から年にいくら戻るのか
  • 求人広告や採用サイトの費用は、手当と代理返還の2つしかない市の補助対象に入るのか
  • 36か月の1か月目は人を迎えた月で、その人を連れてくる手立ては制度の中に無いこと

業界の団体が開く会社説明会への助成など、北九州市には採用まわりの制度がほかにもあります。市町村の制度まで見比べたい方は、自治体別に整理した記事からどうぞ。

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福岡県で採用サイトや求人広告にお金をかけたい。そう思って市の「産業・ビジネス」のページを開き、補助金の一覧を上から下まで見たものの、採用に使えるものが見当たらない……。そこで手が止まっている方は多いと思います。 実は、県内には採用活動の費用に使える制度が12件あります。採用サイトの制作費なら宗

※本記事は各自治体公式ページの内容を元に、「より分かりやすく」を趣旨にまとめさせていただいたものです。記載の内容については、一切の責任を負いかねますので、必ず申請前には各自治体の担当窓口までご相談いただきますようお願いいたします。

北九州市企業型奨学金返還支援補助金の概要

北九州市の公式サイトにある「北九州市企業型奨学金返還支援補助金」の案内ページ。制度名の見出しの下に、補助率の引き上げを知らせる赤字の告知と、市内に本社又は採用権限のある事業所を有することなど補助対象者の要件が並ぶ

出典: 北九州市「北九州市企業型奨学金返還支援補助金」のページ(2026年10月時点)

「北九州市企業型奨学金返還支援補助金」は、市内に本社か採用権限のある事業所を持つ中小企業が、採用から3年以内の正社員の奨学金返還を、手当の支給か代理返還で支えたときに使える補助金です。会社が払った額の3分の2以内が戻り、上限は1社で年60万円です。対象の社員の人数に制限はありません。

補助金名 北九州市企業型奨学金返還支援補助金(要綱の名称は「北九州市企業型奨学金返還支援事業補助金」)
相談先 北九州商工会議所専門相談センター(電話: 093-541-0192)。市の所管は雇用・産業人材政策課(電話: 093-582-2419)
補助対象 内部規定等にもとづき、採用後3年以内の正社員へ支給した奨学金返還の手当等と、機構等への代理返還額
補助上限(補助率) 3分の2以内(小数点以下切り捨て)。1社につき年間60万円まで・人数の制限なし
期限 令和8年度の交付申請は令和9年1月31日まで(各年度4月1日から受付)。予算の範囲内で交付し、上限に達すると期間内でも終了の場合あり

注意したいのは、求人広告の掲載料や採用サイトづくりの費用には、市のこの補助を使えないことです。補助の額は、社員へ支給した手当か、社員に代わって返した額に3分の2を掛けて出すもので、募集にかけたお金を入れる欄がありません。

対象は令和7年4月以降に制度を設けた会社

返還を支える制度を令和7年3月までに作っていた会社は、この補助の対象外です。要綱は、制度を令和7年4月1日以降に設けた事業者に限っていて、申請にもその時期が分かる書類の写しを添えます。

制度は、就業規則や賃金規則など、社員に周知している文書で定めます。常時10人未満の会社なら、就業規則が無くても、制度を設けたと分かる社内規程を出せば申請できます。辞めた社員に手当を返させる定めのある規程は、市の言う制度に当たりません。

場所の条件は、市内に本社があるか、採用や配置、異動を決める権限を持つ事業所が市内にあることです。本社が市外でも、その権限を持つ事業所が市内にあれば対象で、権限の所在が分かる書類を添えます。労働関係の法令に反している事業者や、国・県・市町村が出資する事業者、市税の滞納がある会社は対象になりません。

中小企業者の条件は、市の交付要綱の別表第1に業種別の数字で載っています。資本金と従業員数のどちらか一方が収まっていれば中小企業者です。

業種分類 資本金の額または出資の総額/常時使用する従業員の数
製造業、建設業、運輸業 3億円以下/300人以下
卸売業 1億円以下/100人以下
サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 5千万円以下/100人以下
小売業 5千万円以下/50人以下
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) 3億円以下/900人以下
ソフトウエア業又は情報処理サービス業 3億円以下/300人以下
旅館業 5千万円以下/200人以下
その他の業種(上記以外) 3億円以下/300人以下

組合・連合会、医療法人・学校法人・社会福祉法人、一般・公益の社団法人と財団法人、特定非営利活動法人も、それぞれの基準で別表に並んでいます。

対象の社員は採用から3年以内の正社員

補助に数えられるのは、採用した月を1か月目として36か月目までの返還です。期間の定めなく雇われた正社員で、市内の事業所に勤め、奨学金を返している人か、返し始める予定が決まっている人が対象です。年齢の条件は無く、試用期間中でも会社の規程で正社員なら入ります。役員は外れます。

途中で正社員に切り替わった人は、切り替わった月が1か月目です。新卒で返還の猶予が6か月ある人なら、7か月目から36か月目までが補助の期間になります。前の勤め先でこの市の支援を受けていた人は、その期間も通算します。

奨学金の貸し手は日本学生支援機構に限られず、自治体や大学、民間の団体が貸したものも入ります。高校と大学の両方で借りていれば、2つを合わせた額が対象です。

採用から36か月以内の正社員をまだ迎えていない会社は、令和8年度の事業計画書に載せる人がいません。人を雇い入れたこと自体に出るお金から探すなら、国の助成金の全体像が手がかりになります。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』

補助が出るのは採用3年以内の社員を支えた場面だけ

社員へ払った返還の手当か、社員に代わって返した額の3分の2以内が、年度ごとに戻ります。手当は給与に上乗せして社員へ支給し、社員が自分で返す形です。代理返還は、会社が日本学生支援機構などの貸し手へ直接送る形です。

上限は1社につき年60万円で、小数点以下は切り捨てます。対象の社員が何人いても、この上限は変わりません。

市の手引きは、社員5人に手当を払った例を載せています。例えば月1万円ずつ12か月払えば支給は60万円で、市から40万円が戻り、会社の負担は20万円です。月2万円ずつなら支給は120万円で、3分の2の80万円ではなく上限の60万円が戻り、会社の負担も60万円です。

年度末の3月31日に、その社員が申請したときと同じ会社にいることが条件です。年度の途中で辞めた人は対象から外れ、市はこの事業が人材の定着も目的にしていると説明しています。市外の事業所に勤めた月は補助が出ませんが、36か月の中には数えます。

逆に、次の場面では出ません。

  • 正社員の募集で、求人媒体に広告を出した
  • 採用サイトや採用動画、パンフレットを作った
  • 採用活動の代行を外部に頼んだ
  • 合同説明会や就職イベントに出展した

市の補助は、迎えた社員が年度末まで同じ会社にいることを条件に出ます。額の元になるのは迎えた社員に払った手当や代理返還の額で、条件になるのはその社員の年度末の在籍です。人を探す段階で払う掲載料や制作費は、そのどちらにも当たりません。

規程には、令和7年4月以降に設けたと分かる日付を残す

申請には、規程の写しに加えて、制度を令和7年4月1日以降に設けたことが分かる書類の写しが要ります。これから規程を作るなら、制定日や施行日を書き入れておくと、時期を示す書類をそろえやすくなるはずです。

申請は毎年度・1月31日まで

交付申請は各年度の4月1日から翌年1月31日まで受け付け、毎年度出し直します。提出先は北九州商工会議所専門相談センターで、持参か郵送です。予算の上限に達すると、受付期間内でも締め切られる場合があります。

申請書と事業計画書に、規程や社員の雇用関係、返還額などが分かる書類10点を添えます。交付決定は、書類に不備がなければ申請の1か月後が目安です。

手引きの流れは、交付申請、交付決定、手当や代理返還の支払い、実績報告の順です。その年度の支払いを終えたら20日以内に実績報告を出し、補助金は報告のあと、次の年度の5月末までに支払われます。

最初の申請のあと、再申請は2回までです。再申請でも毎年度の手続きが要り、次の年度の交付が約束されるわけではありません。

その年度のどの月の支払いから補助に数えられるかは、交付申請を出す前に専門相談センターへ確かめておくと、数え漏れを防げます。センターは、制度を導入するための相談にも応じています。

県の補助とは年度ごとにどちらか一方

福岡県にも、社員の返還を手当や代理返還で支えた会社への「福岡県奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業補助金」があります。率は2分の1以内、上限は1企業あたり会計年度50万円で、県内に本店がある中小企業が対象です。

同じ年度に県と市の両方を受けることは、県の側が認めていません。県のQ&Aは、ほかの自治体の同じような補助を受ける会社には、相手が併用を認めていても県の補助を出さないとしています。

市は3分の2・年60万円で、採用から3年以内の社員の分だけを数えます。県は率と上限が市より低く、社員の年齢や採用からの年数は問いません。採用4年目以降の社員の返還を支えている会社は、県の枠のほうが数えられる人は多くなると思います。

登記上の本店が県外にあり、採用の権限を持つ事業所が市内にある会社は、県の対象に入らず、市の補助だけが使えます。

令和8年度の県の申請は12月28日必着で、市の1月31日より早く締まります。どちらへ出すかは、県の締切より前に、対象になる社員の顔ぶれを並べて決めることになります。

参考記事:『【上限50万円】「福岡県奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業」は何に使える?併用を解説!』

まずは補助金活用の前に、「どう応募を獲得するか?」を考えよう!

「北九州市 奨学金 返還 支援」と調べてこの記事にたどり着いた方は、市の3分の2を手当の支えに見込んでいるかもしれません。その3分の2を数える36か月は、正社員として迎えた月から始まります。

求人を出して返事を待つ段階では、まだ1か月目が来ておらず、市の補助が手伝える場面もありません。その1か月目を迎えるまでの令和8年度のうちに、どう応募を獲得するかの方針は自社で立てられます。

採用活動は、もう「片手間」では回りません…

その「どう応募を獲得するか」は、いまは空いた時間で片付く話ではなくなっています。採れる人そのものが減って、残った人の取り合いになっているからです。

①働き手が減り、若い人は都市部へ出ていく

15〜64歳の人口は7329万人で、1年で26万5千人減りました。そのうえ20〜24歳の若い層は、4年続けて、東京圏以外のどの道府県からも東京圏へ流れ出ています。少ないパイを、地方の会社同士で取り合う構造です。

参考サイト:『総務省「人口推計」(2026年3月1日現在・確定値)』『総務省「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」(日本人移動者)』

②求人のほうが多く、応募は取り合いになる

実際、福岡県の新規求人倍率は2026年7月時点で1.81倍です。ひと月に新しく出てくる求人だけで、新たに仕事を探し始めた人1人を、複数の会社で取り合う状態です。取り合いに負ければ、人は入ってきません。

全国で正社員が足りないと答えた企業は51.3%です。建設では66.0%、運輸・倉庫では65.6%で、業種によっては3社のうち2社が足りないと答えています。同じ求人を同じように出していては、この取り合いからは抜けられません。

参考サイト:『厚生労働省「一般職業紹介状況」(2026年7月・季節調整値・就業地別。都道府県別はJILPT公表値)』『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』

③仕事はあっても人がいない、で終わってしまう

人手不足をたずねた調査では、たとえば「工事案件はあるが、原材料の高騰と人を集めることが困難で、受注したくてもできない状況」(土木建築サービス)という声が出ています。採れないことが、そのまま仕事の取りこぼしになります。

採れないあいだにも、いま居る人が辞めることはあります。「1人採れれば足りる」と構えると、辞めた分を埋めるだけで終わります。募集は、事業を続ける限り止まりません。採用は片手間の仕事ではなく、会社を続けるための経営戦略です。

参考サイト:『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』

採用が厳しい地域でも、3か月で応募17人・内定3人

地方採用ワークスでご支援した例を1つご紹介します。

岐阜県大野郡白川村の、従業員20名ほどの総合建設会社様では、支援開始から3か月で応募が17人、うち3人の内定に至りました。有資格者の採用にもつながっています。

足りないと答えた企業が66.0%に上る建設で、しかも採用が厳しい地域での結果です。同じ結果をお約束できるものではありませんが、条件が厳しくても、打ち手は残っています。

地方採用ワークスは、都市部より母数が少ない地方の採用を専門に、数多くの企業様をご支援してきた会社です。地方の企業が中心ですが、都市部の企業様からのご依頼もいただいています。採用ブランディングの設計から採用サイトの制作、応募を獲得したあとの一次面接やフォローまでをご支援しています。

いまの状況をお聞かせいただければ、どう応募を獲得するかの設計から、ご一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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