【年20万円】「富士市中小企業等奨学金返還支援補助金」は何に使える?対象者を解説!

社員の奨学金返済に払う手当の9割を、富士市が補助する「人材アシストU-30」。対象の社員は、申請の日に富士市民で、年度末に30歳未満の正社員だけです。社内の誰の分を申請できるか、確かめてから導入を決めたいところでしょう。

本記事では、2026年10月時点の市の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!

この記事でわかること

  • 社員1人の手当につき、市の補助がどの割合で年いくらまで出るのか
  • 交付申請書のどの欄に、求人広告や採用サイトの費用を書けるのか
  • 9割の補助を毎年続けるには、手当の規程より応募の集め方が問われるという話

静岡県には、県と市町の両方に採用や雇用に出る制度があります。市町の制度まで見比べたい方は、自治体別に整理した記事からどうぞ。

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静岡県で採用サイトや求人広告にお金をかけたい。そう思って市のページを開いたものの、対象経費の欄を読んでも、自社のやりたいことが当たるのか判断がつかない……。そこで手が止まっている方は多いと思います。 実は、県内には採用活動の費用に使える制度が10件あります。採用サイトの制作費なら三島市・焼津市

※本記事は各自治体公式ページの内容を元に、「より分かりやすく」を趣旨にまとめさせていただいたものです。記載の内容については、一切の責任を負いかねますので、必ず申請前には各自治体の担当窓口までご相談いただきますようお願いいたします。

富士市中小企業等奨学金返還支援補助金の概要

富士市の公式サイトにある「人材アシストU-30」の申請方法のページ。制度名の見出しの下に、奨学金の返還を支える中小企業等に負担額の一部を補助する旨の一文と、市内に事業所のある事業主に向けたチラシが並んでいる

出典: 富士市「【中小企業等の方へ】人材アシストU-30(富士市中小企業等奨学金返還支援補助金)の申請方法」のページ(2026年10月時点)

「富士市中小企業等奨学金返還支援補助金」(人材アシストU-30)は、市内に事業所がある中小企業等が、富士市に住む30歳未満の正社員の奨学金返還を手当や貸与機関への送金で支えたとき、その9割を市が補助する制度です。社員1人の手当に付く補助は年20万円までで、1社の合計は年100万円で止まります。

補助金名 人材アシストU-30(富士市中小企業等奨学金返還支援補助金)
相談先 富士市 産業交流部 商業労政課 雇用労政担当(電話: 0545-55-2778)
補助対象 就業規則などに定めて、対象の社員に払った奨学金返還の手当等。会社が奨学金貸与機関へ直接送金した額も対象
補助上限(補助率) 10分の9(1,000円未満切り捨て)。社員1人あたり年20万円、1社あたり年100万円まで
期限 新規の交付申請は12月末まで(申請日より後に払った分が対象)。2年目以降も年度ごとに申請。予算の上限に達すると支給できない場合あり

注意したいのは、求人媒体の掲載料や採用サイトづくりの費用は対象にならないことです。要綱が補助対象経費に挙げるのは、社員に支給した手当等と、貸与機関への返還額の送金の2つです。

市内に事業所があれば医療法人なども対象

申請できるのは、富士市内に事業所があり、市税を完納している中小企業等です。中小企業者や小規模企業者のほか、社会福祉法人(社会福祉協議会を除く)、医療法人、特定非営利活動法人、幼稚園か認定こども園を設置する学校法人も入ります。

奨学金の返還支援を就業規則や賃金規程などに定め、実際に払っていることも条件です。常時10人未満で就業規則が無い会社は、社内規程を新しく作ります。規程には、支給する相手の範囲と支給の時期、金額を書きます。

これらの法人格に当たらない団体も、市の運用基準を満たせば対象と認められる場合があります。その団体は、同じ手当について同じ趣旨の補助金を受けていないことを誓約します。

中小企業者の条件は中小企業基本法第2条第1項から引かれていて、富士市の申請方法の資料が業種別の数字をそのまま載せています。資本金と従業員数のどちらか一方が収まっていれば中小企業者です。

業種分類 資本金の額または出資の総額/常時使用する従業員の数
製造業その他 3億円以下/300人以下
卸売業 1億円以下/100人以下
サービス業 5千万円以下/100人以下
小売業 5千万円以下/50人以下

同じ資料には、小規模企業者の線として、製造業などは20人以下、商業・サービス業は5人以下という従業員数も並んでいます。

社員は申請の日に富士市民で30歳未満

対象になる社員は、期間の定めのない正社員で、過去に借りた奨学金をいま返す義務がある人です。会社が設けた返還支援制度の対象になっていることも求められます。

交付申請の日に富士市民で、その年度の末日に30歳未満であることが条件です。市のページが補助対象従業員の要件として挙げるのは、ここまでの5つです。

住所は申請の日で見るので、申請したあとに市外へ移っても、その年度のあいだは対象のままです。勤め先が市外の事業所に変わっても、会社が市内に事業所を持っていれば申請できます。

国や自治体、民間事業者が貸した奨学金も、日本学生支援機構のものと同じく補助の対象に入ります。卒業から7か月に満たず、返還がまだ始まっていない新卒も、会社の規程で支援の対象に含めていれば補助の対象になります。

規程にもとづいて、市外に住む社員や30歳以上の社員に手当を払うこともできます。その分は、補助の申請には載せられません。

富士市に住む30歳未満の正社員が少ない会社では、9割が戻る相手も限られるはずです。採用や雇い入れのお金を探すなら、国の助成金も候補に入ります。国と自治体の制度を見分けるところから始めると、自社に合う枠を絞り込めます。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』

補助が出るのは申請の後に返還を支えた場面だけ

交付申請を出した日が、9割の計算を始める日になります。その日より後に払った手当が補助の計算のもとになり、給与と一緒に払う形のほか、会社が社員の代わりに日本学生支援機構などの貸与機関へ直接送金する形も入ります。

補助は払った額の10分の9で、1,000円未満は切り捨てです。年度ごとに、社員1人につき20万円、1社につき100万円が限度になります。市のページは、1人に払う年額ごとの目安を次のように載せています。

会社が1人に払う年額 市の補助額/会社の実質負担
6万円 5.4万円/0.6万円
12万円 10.8万円/1.2万円
20万円 18万円/2万円

端数は社員ごとに切り捨てます。例えば年96,000円の手当を3人に払う会社なら、1人あたり86,400円を86,000円とし、3人分の258,000円を申請します。

申請の前に払った分は、補助の計算に入りません。なお、申請より前の月の分でも、まだ払っていなかった手当を申請後の賞与でまとめて払えば対象になります。

逆に、次の場面では出ません。

  • 正社員の募集で、求人媒体に広告を出した
  • 採用サイトや採用動画、パンフレットを作った
  • 採用活動の代行を外部に頼んだ
  • 合同説明会や就職イベントに出展した

交付申請書で経費の金額を書くのは、社員1人ずつの手当と送金の欄だけです。求人広告や採用サイトの費用は、特定の社員の返済と結び付かないので、この様式に書く場所がありません。市の9割は、30歳未満の社員の返済を会社が肩代わりした分に限って付きます。

新卒を返還の始まる前から支えるなら、規程の対象者を書き換える

市の記載例は、いま奨学金を返している社員だけを手当の対象にしています。その形のまま写すと、返還が始まる前の新卒に払った手当は補助に入りません。入社の春から支えるつもりなら、対象者の書き方を記載例から変えておくべきでしょう。

申請は毎年、最初の手当を払う日までに

市の例では、8月10日に出した申請で、8月25日の給与で払う手当から補助が付きます。新規の交付申請の受付は12月末までです。2年目以降も、その年度の最初の手当の支給日までに申請し直します。

初めて使う会社は、まず商業労政課の雇用労政担当へ連絡を入れます。規程を整えたら、交付申請書に雇用契約書の写しや返還額の分かる画面の写し、市税の完納証明書など6点をそろえ、対象の社員全員分をまとめて窓口へ持参します。

交付決定は、予算の上限に達するまで行われます。社員の退職や対象者の追加、手当の額の変更があるときは、できるだけ前もって変更の承認を申請します。

年度最後の手当を払い終えたら、3月31日までに実績報告を出します。市が額を確定させて通知したあと、補助金は指定の口座に振り込まれます。

求職者向けの制度紹介のページでは、返還支援の制度を就業規則などに定めた市内の会社を、業種を添えて紹介しています。補助金を使っているかどうかに関わらず市に連絡した会社が載り、掲載を希望する会社は商業労政課へ問い合わせます。

県の年8万円の制度は富士市の事業所では使えない

静岡県にも「静岡県中小企業等奨学金返還支援事業費補助金」があり、手当や代理返還の3分の2以内を、社員1人あたり年8万円まで補助します。申請先は県と連携する11市町で、社員が勤める事業所がその中にある場合に限られます。

富士市は11市町に入っておらず、富士市の制度は県とは別に市が設けた補助です。会社に戻るのは市の9割だけで、県の分が上に足されることはありません。

県が社員に求める条件の中に、ほかの自治体の返還支援を受けていないこと、という1項目があります。11市町にも事業所を持つ会社でも、富士市の補助に載せた社員を、県の制度で申請することはできません。

参考記事:『【年8万円】「静岡県中小企業等奨学金返還支援事業費補助金」は何に使える?申請先を解説!』

まずは補助金活用の前に、「どう応募を獲得するか?」を考えよう!

県の連携制度を先に読んだ方は、社員の勤め先で窓口の市町が決まる形を思い浮かべるでしょう。富士市の9割が付くかは、申請の日の社員の住所で決まります。

この住所と、年度末に30歳未満かどうかは、毎年の申請で見直されます。その時点でどちらかを満たさない社員はその年度の補助から外れ、外れた分は、新しく雇った社員を変更の承認で加えるまで埋まりません。毎年の見直しで外れる分を見越して、どう応募を獲得するかは、次の申請を待たずに決めておけます。

採用活動は、もう「片手間」では回りません…

その「どう応募を獲得するか」は、いまは空いた時間で片付く話ではなくなっています。採れる人そのものが減って、残った人の取り合いになっているからです。

①働き手が減り、若い人は都市部へ出ていく

15〜64歳の人口は7329万人で、1年で26万5千人減りました。そのうえ20〜24歳の若い層は、4年続けて、東京圏以外のどの道府県からも東京圏へ流れ出ています。少ないパイを、地方の会社同士で取り合う構造です。

参考サイト:『総務省「人口推計」(2026年3月1日現在・確定値)』『総務省「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」(日本人移動者)』

②求人は求職者の2倍を超え、応募は取り合いになる

実際、静岡県の新規求人倍率は2026年7月時点で2.18倍です。ひと月に新しく出てくる求人だけで、新たに仕事を探し始めた人1人あたり2件を超えます。取り合いに負ければ、人は入ってきません。

全国で正社員が足りないと答えた企業は51.3%です。建設では66.0%、運輸・倉庫では65.6%で、業種によっては3社のうち2社が足りないと答えています。同じ求人を同じように出していては、この取り合いからは抜けられません。

参考サイト:『厚生労働省「一般職業紹介状況」(2026年7月・季節調整値・就業地別。都道府県別はJILPT公表値)』『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』

③仕事はあっても人がいない、で終わってしまう

人手不足をたずねた調査では、たとえば「工事案件はあるが、原材料の高騰と人を集めることが困難で、受注したくてもできない状況」(土木建築サービス)という声が出ています。採れないことが、そのまま仕事の取りこぼしになります。

採れないあいだにも、いま居る人が辞めることはあります。「1人採れれば足りる」と構えると、辞めた分を埋めるだけで終わります。募集は、事業を続ける限り止まりません。採用は片手間の仕事ではなく、会社を続けるための経営戦略です。

参考サイト:『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』

採用が厳しい地域でも、3か月で応募17人・内定3人

地方採用ワークスでご支援した例を1つご紹介します。

岐阜県大野郡白川村の、従業員20名ほどの総合建設会社様では、支援開始から3か月で応募が17人、うち3人の内定に至りました。有資格者の採用にもつながっています。

足りないと答えた企業が66.0%に上る建設で、しかも採用が厳しい地域での結果です。同じ結果をお約束できるものではありませんが、条件が厳しくても、打ち手は残っています。

地方採用ワークスは、都市部より母数が少ない地方の採用を専門に、数多くの企業様をご支援してきた会社です。地方の企業が中心ですが、都市部の企業様からのご依頼もいただいています。採用ブランディングの設計から採用サイトの制作、応募を獲得したあとの一次面接やフォローまでをご支援しています。

いまの状況をお聞かせいただければ、どう応募を獲得するかの設計から、ご一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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