【年10万円】「新潟県若者県内就職促進奨学金返還支援事業」は何に使える?順番を解説!

新潟県の奨学金返還支援の補助金は、県のページに「令和9年度からの開始を予定」とあり、まだ先の話に見えます。ところが対象は、令和8年4月1日以降に作った制度のもとで雇った社員の分です。何をいつ整えるか分からないまま、来年度を待っていませんか。

本記事では、2026年10月時点の県の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!

この記事でわかること

  • どんな社員に返還支援を払うと、県から年いくら戻るのか
  • 求人広告や採用サイトの費用は、この補助の対象に入るのか
  • 規程づくりと並べて、どう応募を獲得するかを決める理由

新潟県には、県と市町村の両方に採用や雇用に出る制度があります。市町村の制度まで見比べたい方は、自治体別に整理した記事からどうぞ。

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※本記事は各自治体公式ページの内容を元に、「より分かりやすく」を趣旨にまとめさせていただいたものです。記載の内容については、一切の責任を負いかねますので、必ず申請前には各自治体の担当窓口までご相談いただきますようお願いいたします。

若者県内就職促進奨学金返還支援事業補助金の概要

新潟県の公式サイトにある「企業向けの若者県内就職促進奨学金返還支援事業のご案内」のページ。見出しの下に、制度を新たに導入した中小企業等へ返還支援額の一部を補助する説明と、申請受付時期を「令和9年4月1日から」とする記載が並ぶ

出典: 新潟県「企業向けの若者県内就職促進奨学金返還支援事業のご案内」のページ(2026年10月時点)

「新潟県若者県内就職促進奨学金返還支援事業補助金」は、県内に本社がある中小企業等が新しく設けた制度で、若手社員の奨学金の返還を支えたときに使える補助金です。支えた額の2分の1が、社員1人あたり年10万円まで会社に戻ります。県への申請の受付は、令和9年4月1日から始まります。

補助金名 新潟県若者県内就職促進奨学金返還支援事業補助金
相談先 新潟県 産業労働部 しごと定住促進課 U・Iターン就業促進班(電話: 025-280-5635)
補助対象 令和8年4月1日以降に作った制度にもとづき、対象の社員に払った奨学金返還の手当等(本人への給付・会社が貸与機関へ直接返す代理返還)
補助上限(補助率) 払った額の2分の1以内・社員1人あたり年10万円まで(最長6年)。新規の申請は1年度2人・通算4人まで
期限 令和9年4月1日から通年受付・毎年度申請。6月30日までの申請なら4月1日にさかのぼって対象、7月1日以降は交付決定後に払った分だけ

注意したいのは、求人広告の掲載料や採用サイトの制作費には使えないことです。要綱が補助対象経費とするのは、会社が社員に給付した額か、社員に代わって返した額だけです。

対象は本社が県内にある中小企業等

申請できるのは、本社か本店が県内にある中小企業です。NPO法人や公益法人、医療法人、社会福祉法人、協同組合等も、主たる事務所が県内にあれば入ります。県外に本社がある会社は、県内に事業所があっても対象になりません。

みなし大企業、国や自治体から出資を受けている会社、雇用保険の適用事業主でない会社、県税の未納がある会社は外れます。

もう1つ大きいのが、制度をいつ作ったかです。すでに奨学金返還支援の制度を設けて支援している会社は、対象になりません。令和8年4月1日以降に新しく作った制度だけが対象で、制度の創設日は原則として規程の施行日です。

中小企業者の条件は、県の補助金申請の手引きに業種別の数字で載っています。資本金と従業員数のどちらか一方が収まっていれば中小企業者です。

業種分類 資本金の額または出資の総額/常時使用する従業員の数
製造業、建設業、運輸業、その他の業種 3億円以下/300人以下
ゴム製品製造業(一部を除く) 3億円以下/900人以下
卸売業 1億円以下/100人以下
小売業 5,000万円以下/50人以下
サービス業 5,000万円以下/100人以下
旅館業 5,000万円以下/200人以下
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 3億円以下/300人以下

対象の社員は制度のあとに雇った30歳未満

補助の額は、対象の社員1人ごとに計算します。対象は、制度を作った日以降に雇い、初めて申請する日に雇ってから3年以内で、30歳未満の社員です。2回目以降の申請では、30歳や3年を超えていても続けられます。

制度を作る前から雇っている社員には、返済中でもこの補助は使えません。県の手引きは、制度を作ったあとに雇っていれば、令和8年度に雇った社員も対象になると説明しています。

雇い方は、1年以上の雇用でフルタイムか、時間当たりの待遇が正社員と同じ短時間正社員です。雇用保険に入っていること、県内に住んで県内の事業所で働く見込みがあることも条件で、出身地は問いません。

中途採用では、入社の直前3か月に県内の事業所で正社員だった人が外れます。県外からの転職や、県内でパートだった人は対象です。役員と、事業主と同居する親族(勤務の実態がほかの社員と同じ場合を除く)も外れます。

対象の奨学金は、専門学校、高専の4・5年、短大、大学、大学院などに在学中に本人が借りたものです。日本学生支援機構のほか、自治体や大学、民間団体の奨学金、技能者育成資金融資が入ります。特定の職種に就くことや特定の地域に住むことで返還が免除される奨学金と、高校の奨学金は対象外です。

補助が出るのは返還支援を払った場面だけ

この補助で見てもらえるのは、会社が規程にもとづいて社員の返還を支えた額だけです。就業規則や賃金規程、専用の規程などに制度を書き、年1回以上支援することが前提です。

払い方は2通りで、組み合わせることもできます。毎月の手当や一時金として社員本人に払う形と、会社が社員に代わって日本学生支援機構などへ直接返す「代理返還」です。

数えるのはその年度に払った額で、社員の返還額を上回って払った分は、返還額までしか入りません。その2分の1が補助で、社員1人あたり年10万円が上限です。

例えば県のQ&Aは、月2万円の手当を払い、社員の返還が月1万5千円という例を載せています。年間の手当24万円より返還額18万円のほうが低いので、18万円の2分の1の9万円が戻ります。

県のチラシは、毎年20万円を支援する例で、1人10万円が戻るとしています。新規の申請は1年度2人・通算4人までで、1人につき最長6年なので、県の補助は最大で240万円です。

数えるのは4月から3月までに払った分で、3月分の手当を4月に払うと翌年度の分になります。返還が始まる前の月の手当も入りません。Q&Aは、10月から返還が始まる人なら10月から3月の分だけが対象になる例を挙げています。

規程の書き方で外れる形もあります。辞めたら手当を返させる決まり、手当の代わりに本給やほかの手当を減らす決まり、県などの支援が終われば制度をやめたり縮めたりする前提の決まりは対象外です。同じ社員の同じ奨学金に、国や市町村の補助を重ねることもできません。

逆に、次の場面では出ません。

  • 正社員の募集で、求人媒体に広告を出した
  • 採用サイトや採用動画、パンフレットを作った
  • 採用活動の代行を外部に頼んだ
  • 合同説明会や就職イベントに出展した

県が半分を持つのは、入社した若手に会社が払い続ける支援のほうです。4つとも、人がまだ入っていない段階の支出です。規程を作り、雇い、払った実績がそろって、はじめて補助の計算が始まります。

規程は、外れる3つの決まりが入っていないかを見てから施行する

制度の創設日は、原則として規程の施行日です。返還の義務、本給の減額、公的な支援を前提にした廃止や縮小のどれかが入ると制度ごと対象から外れるので、迷う書き方があれば施行の前に窓口へ問い合わせておくと確実です。

申請は毎年度・6月30日までなら4月から対象

県への交付申請は、令和9年4月1日から通年で受け付けます。電子申請か郵送で出し、書類は申請書を含めて11点です。補助を受ける年度ごとに、毎年申請し直します。

6月30日までに申請すれば、その年度の4月1日以降に払った分までさかのぼって対象になります。7月1日以降の申請では、交付決定のあとに払った分だけです。審査には、県が書類を受け取ってから1か月ほどかかります。

年度の途中で雇った社員も、交付決定より前に払った分は入りません。交付決定のあとに社員を足すときは、1年度2人の範囲で変更の申請を出します。

補助金は後払いです。3月31日か、支援を終えて30日以内の早いほうまでに実績を報告し、額が決まったら4月30日までに請求します。県は、補助金を翌年度の4〜5月頃に交付する予定としています。

県のQ&Aは、この事業は毎年度の予算の成立が前提で、将来の実施や支給を約束するものではないとしています。要件を満たしても、交付が決まるとは限らないと考えておくのが無難でしょう。

制度を入れた会社は、県のホームページやSNS、県内の大学への周知などで紹介してもらえます。掲載は無料の申し込み制で、この補助の対象かどうかにかかわらず、奨学金返還支援の制度があれば載せてもらえます。

新潟市・長岡市・南魚沼市には市の枠がある

会社が出した奨学金返還の支援に、市が補助する制度もあります。新潟市・長岡市・南魚沼市の制度は、県の制度に上乗せする形ではなく、それぞれの市へ別に申請します。

同じ社員の同じ奨学金に、県と市の補助を重ねては受けられません。県のQ&Aは、社員が違う場合や、同じ社員でも奨学金が違う場合は、県と市町村に分けて申請できると説明しています。

市の制度 率と上限(令和8年度)
新潟市企業参加型奨学金返済支援事業補助金 2分の1・1人10万円まで。市内に本社か本店がある中小企業等
長岡市中小企業人材確保奨学金返還支援事業補助金 2分の1・1人10万円まで(従業員5人まで)。申請は令和8年11月30日まで
南魚沼市はたらく若者奨学金返還支援事業補助金 会社の給付・代理返還は3分の2・16万円まで

3市の制度は、どれも令和8年度の受付が始まっています。新潟市の要綱は、ほかの団体から重複して奨学金返還支援の補助を受けていないことを会社の要件にしています。

県と市の両方を使う予定なら、どの社員をどちらに出すかを、県と市の窓口に確かめてから決めると安心です。この3市のほかにも、本社のある市町村が独自の枠を持っていないか、あわせて問い合わせておくと確実です。

参考記事:『【年10万円】「新潟市企業参加型奨学金返済支援事業」は何に使える?対象の社員を解説!』

参考記事:『【年10万円】「長岡市中小企業人材確保奨学金返還支援事業」は何に使える?要件を解説!』

参考記事:『【上限16万円】「南魚沼市はたらく若者奨学金返還支援事業」は何に使える?要件を解説!』

まずは補助金活用の前に、「どう応募を獲得するか?」を考えよう!

「新潟県若者県内就職促進奨学金返還支援事業補助金」の額を数える前に、確かめたい順番があります。年10万円が戻るのは、制度を作ったあとに雇った人の分だけです。

規程を施行しても、そのあとに入社した30歳未満の社員がいなければ、申請書に書く名前がありません。受付が始まる令和9年4月までのあいだにも、どう応募を獲得するかは決めておく必要があります。

採用活動は、もう「片手間」では回りません…

その「どう応募を獲得するか」は、いまは空いた時間で片付く話ではなくなっています。採れる人そのものが減って、残った人の取り合いになっているからです。

①働き手が減り、若い人は都市部へ出ていく

15〜64歳の人口は7329万人で、1年で26万5千人減りました。そのうえ20〜24歳の若い層は、4年続けて、東京圏以外のどの道府県からも東京圏へ流れ出ています。少ないパイを、地方の会社同士で取り合う構造です。

参考サイト:『総務省「人口推計」(2026年3月1日現在・確定値)』『総務省「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」(日本人移動者)』

②求人は求職者の2倍を超え、応募は取り合いになる

実際、新潟県の新規求人倍率は2026年7月時点で2.32倍です。ひと月に新しく出てくる求人だけで、新たに仕事を探し始めた人1人あたり2件を超えます。取り合いに負ければ、人は入ってきません。

全国で正社員が足りないと答えた企業は51.3%です。建設では66.0%、運輸・倉庫では65.6%で、業種によっては3社のうち2社が足りないと答えています。同じ求人を同じように出していては、この取り合いからは抜けられません。

参考サイト:『厚生労働省「一般職業紹介状況」(2026年7月・季節調整値・就業地別。都道府県別はJILPT公表値)』『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』

③仕事はあっても人がいない、で終わってしまう

人手不足をたずねた調査では、たとえば「工事案件はあるが、原材料の高騰と人を集めることが困難で、受注したくてもできない状況」(土木建築サービス)という声が出ています。採れないことが、そのまま仕事の取りこぼしになります。

採れないあいだにも、いま居る人が辞めることはあります。「1人採れれば足りる」と構えると、辞めた分を埋めるだけで終わります。募集は、事業を続ける限り止まりません。採用は片手間の仕事ではなく、会社を続けるための経営戦略です。

参考サイト:『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』

採用が厳しい地域でも、3か月で応募17人・内定3人

地方採用ワークスでご支援した例を1つご紹介します。

岐阜県大野郡白川村の、従業員20名ほどの総合建設会社様では、支援開始から3か月で応募が17人、うち3人の内定に至りました。有資格者の採用にもつながっています。

足りないと答えた企業が66.0%に上る建設で、しかも採用が厳しい地域での結果です。同じ結果をお約束できるものではありませんが、条件が厳しくても、打ち手は残っています。

地方採用ワークスは、都市部より母数が少ない地方の採用を専門に、数多くの企業様をご支援してきた会社です。地方の企業が中心ですが、都市部の企業様からのご依頼もいただいています。採用ブランディングの設計から採用サイトの制作、応募を獲得したあとの一次面接やフォローまでをご支援しています。

いまの状況をお聞かせいただければ、どう応募を獲得するかの設計から、ご一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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