【上限80万円】「日立市中小企業競争力強化支援事業補助金」で採用サイトは対象?対象になる費用を解説!
「日立市 採用 補助金」で検索して本制度に行き当たったものの、上限80万円という数字と、採用の話が見当たらない案内文との落差に、自社の費用が当てはまるのか分からないまま止まっていませんか。
本記事では、2026年8月時点の市の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!
この記事でわかること
- 補助の対象になるのはどんな会社か?
- 何をする事業なら対象になるのか?
- いくらまで戻ってくるのか?
- 採用サイトの制作費はこの枠に当てはまるのか?
- いつまでに申請すればいいのか?
日立市には、採用に使える制度がほかにもあります。この記事のものを含めて6件あるので、見比べたい方は茨城県内を自治体別に整理した記事からどうぞ。
【全57件】「茨城県」で採用に使える補助金は?対象の費用と上限額をまとめて紹介!
市の補助金一覧を開いても、並んでいるのは設備投資と販路拡大ばかり。採用に使えそうな行が見当たらない……。 そう見えるのは、採用に効く枠が商工の担当課だけにあるわけではないからです。県内を1自治体ずつ確かめ直すと、制度は思っていたよりずっと多く残りました。 この記事では、拾えた制度を担当課と地域と
日立市中小企業競争力強化支援事業補助金の概要

出典: 日立市「日立市中小企業競争力強化支援事業補助金」のページ(2026年9月時点)
「日立市中小企業競争力強化支援事業補助金」は、収益力を上げるための取り組みにかかった費用の、3分の1(上限80万円)が戻ってくる制度です。
まず、全体像です。
| 補助金名 | 日立市中小企業競争力強化支援事業補助金 |
|---|---|
| 相談先 | 日立市 産業経済部 商工振興課 工業振興係 |
| 補助対象 | 収益力を向上させるために、競争力の強化を図る事業(例示は「自社の商品・サービス・技術の販路を開拓するためのHP開設等(展示会出展を含む)」ほか、新事業展開・新産業分野への進出、特許取得等の知財活用、国際認証等取得、先端設備等の導入の5つ) |
| 補助上限(補助率) | 80万円(補助対象経費の3分の1以内・千円未満切捨て・消費税は対象外) |
| 期限 | 令和8年11月30日まで(先着順のため期日前に締め切る場合あり)。補助対象期間は令和8年4月1日から令和9年2月28日まで |
気をつけたいのは、採用にあたる語が、市の案内にも募集要領にも1つも出てこないことです。求人媒体の掲載料や人材紹介の手数料という費目名は無いので、採用の費用だからという理由だけでは、この枠の対象になりません。
「収益力の枠ではなさそうだ」と感じた方は、個別の制度を確かめるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
ここから、対象になる会社、載せられる事業と費用、申請の順番や予算まで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。
対象は中小企業基本法の中小企業者と組合
補助を受けられるのは、中小企業基本法で定める中小企業者及び各種組合等です。資本金と従業員数の基準は同法が業種ごとに決めているので、自社がふだん中小企業として扱われているなら、この条件は満たすと考えて差し支えないでしょう。
一方で外れる会社もあります。市税に未納のある方、暴力団関係者、そしてみなし大企業です。みなし大企業は、発行済株式の総数または出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している場合と、3分の2以上を大企業が所有している場合を指します。
前者は1社の大企業だけで2分の1以上、後者は「同一の」が付かないので、複数の大企業の持ち分を合わせて3分の2以上、という書き分けになっています。大企業の出資を受けている会社は、金額を見る前にここを確かめておきましょう。
対象になるのは収益力を上げる事業
市の案内と募集要領は、補助対象事業をこう決めています。
収益力を向上させるために、競争力の強化を図る事業
キャッチも「収益力の向上に向け競争力の強化に取り組む中小企業を支援します」で揃っています。この一行の目的語は、人材でも採用でもなく収益力と競争力です。この制度が何を後押ししているかは、金額を読む前にここで決まります。
そのうえで、事業の例示が5つ並びます。
- 自社の商品・サービス・技術の販路を開拓するためのHP開設等(展示会出展を含む)
- 新規顧客を獲得するための自社の強みを生かした新事業展開、新産業分野への進出
- 自社開発技術の競争優位性を確保するための特許取得等の知財活用
- 取引先への信用力を高め、取引を強化していくための国際認証等取得
- 生産性を向上させるための先端設備等の導入
採用に近いのは1つ目です。ただしその目的語も「販路を開拓するため」に定められていて、採用のためのHP開設という書き方は、市の案内にも募集要領にもありません。
対象経費は7つの区分に分かれる
補助対象経費は、性質ごとに7つの区分に分かれています。
| 区分 | 中身 |
|---|---|
| 旅費 | 事業を行うために必要な国内出張及び海外出張に係る経費(交通費、宿泊費) |
| 謝金 | 外部専門家等に対する謝金、研究協力等に対する謝金 |
| 備品費 | 物品の購入、製造、リース・レンタルに必要な経費 |
| 消耗品費 | 備品費に属さない物品の購入に要する経費 |
| 印刷製本費 | 事業で使用するパンフレット・リーフレット等の印刷製本に関する経費 |
| 委託・外注費 | ほかの事業者に委託・外注するために必要な経費 |
| その他諸経費 | 通信運搬費、検定料、特許出願関連費用等 |
制作を外に頼んだときの費用は、委託・外注費と印刷製本費のどちらかが受け皿になります。ただし費目の区分に収まることと、その事業が補助対象事業に収まることは、別々の判定です。
外れる経費もあります。従業員に払う給与等の人件費、振込手数料、消費税、それに国等の補助金申請に係るコンサルティングへの謝金は対象外です。リース・レンタルと年会費は初年度の3か月分まで、年額で払うものは年額を4で割ったみなし3か月分までしか見てもらえません。
月額で使う採用まわりのサービスを載せるつもりなら、出るのは3か月分だけという計算になります。このほかにも細かな定めが募集要領に並びますが、採用の支出で引っかかるのはこのあたりです。
戻るのは経費の3分の1・上限80万円
補助率は補助対象経費の3分の1以内で、千円未満は切り捨てます。上限は80万円。消費税が対象外なので、上限の80万円に届かせるには税抜240万円の経費を積む必要があります。
例えば、自社サイトを税抜150万円で作り直すなら戻るのは50万円、税抜60万円でパンフレットを刷るなら20万円という計算です。1回の申請で上限まで取り切るとなると、費用の規模としてはそれなりに大きい話になります。
80万円という数字は、240万円を動かす年にだけ効く
上限の大きさに目が行きますが、3分の1という補助率は、残りの3分の2を自社で用意できる年にしか働きません。この枠に載せる価値があるのは、もともと今年やると決めていた投資のほうです。補助金があるから作る、という順番にすると、戻る額より先に出ていく額が大きくなります。
採用サイトは収益の道筋とセットで載せる
では、採用サイトの制作費はこの枠に当てはまるのか。ここがこの制度でいちばん判断の要るところです。
採用にあたる語が出てくるのは、様式の中だけです。事業計画書の「数値目標と達成時期」欄には、記入の例としてこう添えられています。
(例)〇ヵ月で売上〇%増、新規で〇人採用、作業工数〇時間削減など
出てくる場所がはっきりします。採用は、この制度で買えるものの名前ではなく、事業の成果を測る指標として書かれています。市が公表している事業計画書の記載例でも、人材不足は「現状の課題」の欄に入っていて、打ち手として選ばれているのは加工ラインの構築と社内研修と品質体系の統合です。
そのうえで見立てを書きます。サイトの作り直し全体が販路の開拓や新規顧客の獲得につながる組み立てで、その中に採用ページが含まれる形なら、例示の1つ目に載る筋は立つと思われます。目的語が販路にあるからです。
逆に、採用ページだけを切り出した見積なら、収益力とのつながりを事業計画書に書けるかどうかが分かれ目になります。見積を取る前に、載せたい費目を1つ持って商工振興課へ当てておかれると安心です。
3つの補助金から1つしか選べない
日立市の商工振興課は、同じ作りの補助金を3つ並べています。市の案内も募集要領も、冒頭に同じ注記を置いています。
※「日立市中小企業競争力強化支援事業補助金」、「日立市中小企業課題解決支援事業補助金」、「日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金」については、1事業者につき、いずれか1つのみ申請が可能です。
同じ年度に使えるのは、この3つのうち1つだけです。上限は競争力強化と課題解決が80万円、人的資本経営が30万円になります。
選ぶ基準は上限額の大小ではなく、載せたい費用がどちらの柱書きに収まるかです。研修や職場環境の整備を含めた組み立てなら人的資本経営の30万円、販路開拓や新規顧客の獲得を軸にした組み立てなら競争力強化の80万円、という分かれ方になります。
人材紹介の手数料は上限30万円の枠
本制度の対象経費に、人材紹介手数料という費目名はありません。紹介会社に払った手数料を軽くしたいなら、確かめるべきは「人的資本経営支援事業補助金」のほうです。その他諸経費の例示に人材紹介手数料が名前で含まれていて、上限は30万円になります。
紹介会社への手数料を今年の費用の中心に据えている方は、80万円という数字より先に、そちらの対象事業を確かめたほうが早いはずです。3つのうち1つしか選べない以上、どちらに賭けるかは年度の初めに決まります。
参考記事:『【上限30万円】「日立市中小企業人的資本経営支援事業補助金」は併願できる?申請の流れを解説!』
期限は11月30日・先着順で早まる
申請の受付は、令和8年5月11日から令和8年11月30日までです。ただし市は「先着順ですので、上記期日前に募集を締め切る場合がございます」と案内しています。11月30日は、枠が残っていた場合の期限だということです。
補助対象期間という、もう一つの区切りもあります。令和8年4月1日から令和9年2月28日までで、この期間の外で発注・契約・購入した委託・外注費は対象になりません。募集要領の書き方は強いものです。
補助対象期間外に発注・契約・購入を行った経費はいかなる理由があっても対象外となります
年度が替わる前に契約した分は、支払いが期間内に収まっていても戻ってきません。制作を外に頼むなら、まず発注の日付から決めましょう。
Tips|外に発注する前に控えておくもの
- 発注書か契約書の日付(補助対象期間の内側に入っているかが、ここで決まります)
- 見積の内訳(どの費用がどの経費区分に当たるか)
- 事業計画書に書いた数値目標と、その達成時期
申請は事業の後からでもできる
この制度は、事業を終えたあとの申請を正面から認めています。募集要領の「補助事業の流れ」には、2本の経路が並びます。
| 経路 | 順番 |
|---|---|
| 事業を実施する前に申請する | 交付申請 → 審査 → 交付決定 → 事業の実施と支払 → 実績報告 → 審査 → 補助金確定 → 振込 |
| 事業を実施した後に申請する | 事業の実施と支払 → 交付申請 → 審査 → 交付決定 → 振込 |
必要書類も2通りです。実施前なら交付申請書(様式第1号)と事業計画書(様式第2号)に、金額と内容が確認できる資料を添えます。実施後なら交付申請書と事業報告書(様式第3号)に、支払を証明できる資料を添える形です。
着手してしまったから申請できない、という制度ではありません。ただし前の節のとおり、発注そのものが補助対象期間の内側に入っていることが条件になります。
お金の出方も確かめておきましょう。日立市の補助金等交付規則は、補助金は事業が完了した後に交付し、市長が特に必要と認めるときに限って完了前の概算払・前金払ができる、と定めています。いったん全額を払ってから戻ってくる形だと考えておくのが安全です。
予算は3つ合わせて2,760万円
申請できるのは、同一年度内に1事業者当たり1回までです。
令和8年度の当初予算は2,760万円で、上限80万円で割ると34社分になります。ただしこの2,760万円は3つの補助金を合わせた枠なので、競争力強化支援事業だけで34社分が確保されているわけではありません。内訳は公表されていないので、この枠の実際の余裕はもっと小さいと考えるほうが自然です。
規模の見当は、もう一方の数字からも付きます。市の令和6年度の決算では、3つ合わせて3,368万円が交付されました。令和6年度の実績が令和8年度の予算を上回っている、ということです。
先着順と書かれている以上、11月30日からさかのぼって準備の日程を組む立て方は危なくなります。予算である以上、枠が埋まれば交付は止まります。
問い合わせ先は商工振興課 工業振興係
本制度の所管は、日立市の産業経済部 商工振興課 工業振興係です。
公表されている内容だけでは決まらない点も残ります。申請へ動く前に、次の2点を窓口で確かめておかれると安心です。
- いま残っている枠がどれくらいあるか(年度の途中の残枠を示す資料は市が出していません)
- 委託先を市内の事業者に限る定めがあるか(市の案内と募集要領には、委託・外注費の定義しか書かれていません)
年度が変われば要件も金額も組み替えられます。申請へ進む前に、日立市の案内で最新の内容をご確認ください。
収益の道筋が書けるかで、80万円は決まる
本制度の上限は80万円です。ただし補助率が3分の1なので、この制度が軽くするのは税抜240万円までの3分の1にとどまります。しかも枠の目的語は収益力と競争力で、採用は買うものの名前ではなく、事業計画書の数値目標に置かれる成果の側です。
申請までには、3つの補助金のどれに賭けるかを年度の初めに決め、収益力とのつながりを事業計画書に書き、発注の日付を補助対象期間に収める段取りが要ります。そこまで含めて考えると、採用の費用をどの枠に押し込むかを考えるより、人が集まる会社の形を先に決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。
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この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。