【上限45万円】「つくば市男性育児休業取得促進奨励金」は採用に使える?対象になる経費と条件を解説!

「つくば市 採用 補助金」で検索してこの奨励金に行き当たったものの、育児休業の制度なのに上乗せの欄には代替社員の確保と書いてあり、自社の採用の話なのかどうか分からないまま止まっていませんか。

本記事では、2026年8月時点の市の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!

この記事でわかること

  • 対象になるのはどんな会社か?
  • 何に対して、いくら出るのか?
  • 代替社員にかけた費用はどこまで対象になるのか?
  • 採用サイトや求人広告の費用はどこにあるのか?
  • いつまでに、どうやって申請するのか?

つくば市が事業者向けに出している採用・雇用まわりの制度は、この記事のものを含めて3件あります。見比べたい方は、茨城県内を自治体別に整理した記事からどうぞ。

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つくば市男性育児休業取得促進奨励金の概要

つくば市の公式サイトにある「つくば市男性育児休業取得促進奨励金を募集します」の案内ページ。一定期間以上の育児休業を取得した男性労働者を雇用する事業者への奨励金と説明し、交付対象事業者の見出しが表示されている。

出典: つくば市「つくば市男性育児休業取得促進奨励金」のページ(2026年9月時点)

「つくば市男性育児休業取得促進奨励金」は、男性社員が育児休業を取って職場に戻ったとき、休んだ日数に応じて10万円から45万円が会社に入る制度です。

まず、全体像です。

補助金名 令和8年度つくば市男性育児休業取得促進奨励金
相談先 つくば市 経済部 産業振興課
補助対象 対象男性労働者の育児休業の取得(1人あたり定額)。上乗せの対象経費は代替社員の確保に要した経費(代替社員の賃金、労災保険、雇用保険、厚生年金保険、人材派遣会社への支払経費等)
補助上限(補助率) 対象男性労働者1人につき45万円(育児休業84日以上の定額)・代替社員の上乗せは10万円(対象経費の2分の1)
期限 2027年3月12日23時59分まで・職場復帰後1か月以上勤務してからの事後申請

注意したいのは、採用サイトの制作費や求人広告費には使えないことです。対象になるのは、男性社員が実際に育児休業を取ったという事実と、その間に代替社員を確保するためにかかった人件費や派遣料に限られます。

「育児休業の枠ではなさそうだ」と感じた方は、個別の制度を確かめるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

ここから、対象になる会社や金額の決まり方、申請の手続きや予算まで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。

対象は市内に事業所がある中小企業

つくば市内に事業所を持つ事業者が対象です。本店が市外にあっても、市内の事業所で働く社員の育児休業なら申請できます。加えて交付要項の第3条は、対象を中小企業基本法の中小企業者と小規模企業者に限り、会社以外の法人は常時使用する従業員が101人以上だと外れると定めています。

業種 資本金または常時使用する従業員数
製造業その他 3億円以下 または 300人以下
卸売業 1億円以下 または 100人以下
サービス業 5,000万円以下 または 100人以下
小売業 5,000万円以下 または 50人以下
会社以外の法人(医療法人・社会福祉法人など) 常時使用する従業員100人以下

資本金と従業員数は、どちらか一方を満たしていれば当てはまります。市税の滞納がないことも条件で、国や公共法人、市が援助する団体、政治団体や宗教団体、性風俗関連特殊営業、暴力団関係者は対象から外れます。

市内に事業所があって従業員の規模がこの表の内側なら、この条件は満たすと考えて差し支えないでしょう。

対象になるのは育休の取得と代替社員の経費

この奨励金は二階建てです。一階は、男性社員が育児休業を取ったこと自体に対する定額。二階は、その間に代替社員を確保した会社への上乗せです。交付要項の第5条は、この2つを合計した額を交付すると定めています。

どちらか一方を選ぶ形ではなく、代替社員を入れたなら定額に上乗せが積まれます。千円未満は切り捨てです。対象になる育児休業は令和7年10月1日以降に取得した7日以上のもので、職場に復帰したあと1か月以上勤務していることも要ります。

戻るのは休んだ日数で決まる10万〜45万円

別表第1は、育児休業の日数を区切って交付額を決めています。

育児休業期間 交付額
7日以上14日未満 10万円
14日以上28日未満 15万円
28日以上56日未満 25万円
56日以上84日未満 35万円
84日以上 45万円

業種も従業員数も金額には関係せず、決まるのは休んだ日数だけです。分割して取った場合は通算した日数で見ます。手引きの計算例も、7日間と21日間に分けて取った場合を通算28日間として25万円で計算しています。

いちばん短い7日以上14日未満の区分は、令和7年度に新しく置かれたものです。それ以前の案内を見て1週間では出ないと見積もっていた方は、ここだけ見直しておかれるとよいでしょう。

上乗せは代替社員の経費の2分の1・上限10万円

別表第2の上乗せは、代替社員の確保に要した経費の2分の1で、上限は10万円です。費目として並ぶのは、代替社員の賃金、労災保険、雇用保険、厚生年金保険、人材派遣会社への支払経費です。

例えば、56日間の育児休業を派遣社員で埋めて派遣料に24万円を払ったなら、定額の35万円に上乗せの10万円が積まれて45万円です。半分が10万円を超える支出は、いくら払っても上乗せは10万円で頭を打ちます。

代替社員は妊娠を知った日以降の確保に限る

見落としやすいのは、代替社員に付いた条件です。交付要項の第3条第4号は、こう書いています。

対象男性労働者の配偶者の妊娠の事実(養子縁組においては、養子縁組が成立した日)について、対象男性労働者を雇用する市内事業者が知った日以降に確保された者であること。

妊娠の報告より前から在籍していた人を代替に回しても、この上乗せは付きません。このほかに、育児休業の期間中の代替人材または派遣人材であること、本人が育児休業の前に勤めていた市内の事業所で勤務することが求められます。

では、代替社員を探すためにかけた求人広告費や人材紹介の手数料はどうか。費目の末尾には「等」が付きますが、経費の確認書類は賃金台帳と派遣会社からの請求書で、募集にかけた費用を出す欄がありません。ここまで乗せる筋は立ちにくいと思われます。見積を取る前に、産業振興課へ一度電話で確かめておかれると安心です。

就業規則が無くても周知していれば対象

社内の準備が要るのは、就業規則の一行です。交付要項の第4条第3号は、労働協約や就業規則等で男性労働者に係る育児休業制度を設けていることを求めています。ただし、その後ろに続きがあります。

設けていない事業者でも、育児休業制度を利用できることを労働者に周知していれば対象になり得る、と書かれています。手引きは周知の手段の例に「チラシ等」を挙げています。規程が無い会社が、それだけで門前払いになるわけではありません。

申請で書く6項目が市の事例集に載る

この制度は、お金を渡して終わりの設計になっていません。交付要項の第9条は、交付決定に付ける条件の一つに、市が行う育児休業等に関する調査への協力を挙げています。帳簿を5年保存することも条件です。

書かされるのは申請の段階からです。別表第4が求めているのは、育児休業取得に係る取組状況の6項目です。

  • 男性の育児休業取得促進に取り組むきっかけ・背景
  • これまでの取組
  • 課題とその解決策、工夫した点
  • 育児休業取得者がいる職場の業務継続のために取り組んだこと
  • 育児休業制度の定着に向けて、更に取り組んでいること
  • 育児休業取得者により職場にもたらされた好影響

この6項目の答えは、あとで別の場所に使えます。市は交付を受けた事業者の取組事例を公開していて、2026年8月の時点で37件。1件1枚のシートに、業種、従業員数、平均休業日数、平均年齢、育児休業取得者数、取組内容、取得した男性従業員の声が並びます。

この37件を数えると、育児休業の実績を採用の場面で打ち出している事例が10件あります。製造業の1件は、人材募集の際に各種リクルートサイトへ育休の取得実績を掲載し、応募者不足に悩む企業もいる中で一定の応募人数を得ることができている、と紹介しています。

制度の有無ではなく、取った人数と日数を書けるかで求人票は変わる

シートに並ぶのは、育児休業取得者数、平均休業日数、平均年齢。どれも自社で数えれば書ける数字です。福利厚生欄が「育児休業制度あり」の一行で終わっている求人票を、取得した人数と平均休業日数まで並ぶ求人票へ移せます。

採用サイトや求人広告の費用は別の枠でも出ない

では、市内で採用にかかる費用そのものはどこにあるのか。産業振興課が並べる支援制度13件のうち、採用サイトや求人広告を費目名に持つ枠はありません。いちばん近いのは「つくば市ビジネス拡大支援補助金」で、対象経費に宣伝広告費があり、上限は30万円です。

ただし交付要項の第4条が、対象経費を新製品・新サービスの開発に要する経費または事業転換に要する経費に限っています。採用サイトの制作費は、この一行を通りません。申請するにも経営革新計画の承認などが要る事前申請制です。

Tips|現金の出る枠を探す前に、無料で出られる場を押さえる

  • 令和8年12月5日のつくば市就職フェアは、出展料が無料で各部30社程度の枠です
  • 出展の条件は、市内に事業所があり、市内の事業所で正社員の採用を実施または予定していること
  • 申し込む前に、当日配る資料へ育児休業の取得実績を入れられるかを確かめておきます

期限は2027年3月12日まで

申請の受付は2026年4月1日9時から、2027年3月12日23時59分までです。対象になるのは令和7年10月1日以降に取得した育児休業で、職場に復帰して1か月以上勤務してからの申請になります。

審査には概ね3週間から1か月、そこから請求書を出して入金まで、さらに3週間から1か月かかります。申請してから入金まで2か月前後を見ておくと、資金繰りの見込みを外しません。

提出は電子申請のフォームだけで事後に1回

申請は「いばらき電子申請・届出サービス」のフォームだけで、紙の様式はありません。利用者登録かGビズIDでのログインが要るので、期限の直前に登録から始めると間に合わないことがあります。

事後申請なので、代替社員の賃金も派遣料も、いったん自社で全額を立て替える形です。添える書類は、就業規則か周知が確認できる書類、常時使用する従業員数が分かる書類、代替社員の賃金台帳や人材派遣会社からの請求書など。不備の指示から15日を過ぎると、申請は取り下げたものとみなされます。

予算は1,217万円・同じ人は年度に1回まで

回数は、同じ対象男性労働者について同一年度に1回までです。同じ年度に別々の社員をまとめて申請することはでき、手引きの計算例にも2名分をまとめる例があります。市が公表している交付実績は、令和6年度が22社で26人、令和7年度が30事業者でした。

市の令和8年度の当初予算では、この奨励金に12,170千円が計上されています。1人分の最大は定額45万円と上乗せ10万円で55万円ですから、上限で割ると22件分です。交付要項の第2条は「予算の範囲内において交付する」と定めていて、要件を満たしても、枠が埋まれば交付は止まります。

問い合わせ先は産業振興課

この奨励金の所管は、つくば市の経済部 産業振興課です。制度の中身も、申請の進み具合も、ここが窓口になります。

そのうえで、公表されている内容では決まらず、市の判断に委ねられている点が残ります。申請の前に確かめておくとよいのは、次の点です。

  • 年度をまたいで、同じ社員の同じ育児休業をもう一度申請できるか
  • 国の助成金など、ほかの制度と重ねて受けられるか

申請の前にまとめて聞いてしまうほうが、あとで差し戻されるより早いはずです。

45万円より、育休を言葉にできる会社が採用で効く

この奨励金で会社に入るのは、育児休業の日数に応じた10万円から45万円と、代替社員を入れたときの上乗せ10万円です。採用サイト1本の制作費と並べても小さな額ではありませんが、この枠は職場環境整備と両立支援のためのもので、採用の費用ははじめから入っていません。

申請では、取り組んだきっかけから職場への好影響まで6項目を自社の言葉で書き、交付を受けたあとも市の調査に応じます。戻る額より先に、自社の育休をどう語るかを決めさせる制度です。そこが決まっている会社は、求人票の一行も採用ページの一枚も、申請書と同じ材料で書けます。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人
【上限45万円】「つくば市男性育児休業取得促進奨励金」は採用に使える?対象になる経費と条件を解説! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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