【上限30万円】福井県「外国人労働者受入環境整備事業補助金」は採用に使える?対象になる費用を解説!
外国人材の採用にかかる費用を、県が3分の1見てくれるらしい。そう読んで福井県のページを開いたものの、対象経費の別表に並ぶ費目名を前に、自社の支出が当てはまるか分からないまま止まっていませんか。
本記事では、2026年8月時点の県の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!
この記事でわかること
- 申請できるのはどんな会社か?
- 具体的に何が補助対象になるのか?
- いくらまで戻ってくるのか?
- 対象になる外国人労働者はどこまでか?
- 申請の前に何を済ませておくのか?
福井県内には、採用に使える制度がほかにもあります。市町の制度まで含めると、この記事のものを含めて41件あるので、見比べたい方は福井県内を自治体別に整理した記事からどうぞ。
【全41件】「福井県」で採用に使える補助金は?対象の費用と上限額をまとめて紹介!
採用サイトを作り直す費用に補助金を当てようと、市のページを開く。補助率も上限額も書いてあって、対象経費の並びも読めた。ところが、何が対象から外れるのかを書いた欄が、どこにも見当たらない……。 福井県内の枠を1件ずつ開いていくと、この形が続きます。条件が募集の案内に載りきっておらず、別の紙のほうにあ
外国人労働者受入環境整備事業補助金の概要

出典: 福井県「外国人労働者受入環境整備事業補助金」のページ(2026年9月時点)
「外国人労働者受入環境整備事業補助金」は、外国人労働者の就業や生活、住まいの環境を整えたとき、かかった費用の3分の1(上限30万円)が戻ってくる制度です。
まず、全体像です。
| 補助金名 | 外国人労働者受入環境整備事業補助金 |
|---|---|
| 相談先 | 福井県 産業労働部 労働政策課 |
| 補助対象 | 謝金/旅費/使用料、賃借料/委託料/需用費/備品購入費/工事請負費/財産購入費/免許取得費/その他経費(交付要領の別表に並ぶ10費目。委託料は「外国人労働者用の母国語作業マニュアルの作成等」) |
| 補助上限(補助率) | 30万円(対象経費の3分の1)。住宅環境整備を含む場合は100万円 |
| 期限 | 令和9年2月26日(金)17時必着。予算の上限に達した時点で締切。交付決定の日より前に着手した事業は対象外なので、契約や発注の前に申請する |
注意したいのは、人を採るための費用には使えないことです。別表の10費目に、採用や求人、人材紹介にあたるものはひとつも入っていません。
「この枠ではなさそうだ」と感じた方は、個別の制度を当たるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
ここから、対象になる会社や使える費用の中身、金額の決まり方、申請の順番まで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。
対象は県内に本社機能がある事業者
対象になるのは、福井県内に本社機能を有する事業者です。交付要領の第3条が、補助対象者の要件を10号まで並べています。
この制度が見ているのは、会社の大きさではありません。切っているのは、本社機能がどこにあるかと、雇っている外国人労働者の在留資格、そして3つの登録のどれかを済ませているかです。
県外に本社があり、県内には事業所だけを置いている会社は、この条件から外れます。
残りの号に並ぶのは、県税の滞納がないこと、労働関係法規に違反していないこと、過去3年以内に不正受給がないこと、宗教団体等でないこと、指名停止の期間中でないこと、民事再生や会社更生、破産の申立てが行われていないことです。
同じ年度に、国や他の地方公共団体の同じ目的の補助金を受けていないことも要件に入っています。同じ経費に他の補助金が入っている分は、対象経費から除かれます。
これらは誓約書(別紙5)で、すべて満たしていることを会社が誓約する形です。書類で示せるものばかりなので、実際に判断を分けるのは在留資格と登録のほうだと考えておけば足ります。
対象経費は受け入れたあとの環境を整える10費目
何に使えるかは、交付要領の別表が10の経費区分で書き出しています。右の列は、要領がその区分に付けている説明です。
| 経費区分 | 対象経費 |
|---|---|
| 謝金 | 講師への謝礼金等 |
| 旅費 | 講師の交通費等 |
| 使用料、賃借料 | 会場、機材、車両等の借上げ料等 |
| 委託料 | 外国人労働者用の母国語作業マニュアルの作成等 |
| 需用費 | 消耗品費、材料費、教材購入費、資料印刷代等 |
| 備品購入費 | 外国人労働者の就業・生活環境の改善に資する備品の購入費等 |
| 工事請負費 | 外国人労働者用の住宅の改修等にかかる工事費 |
| 財産購入費 | 外国人労働者用の住宅を取得する際の不動産購入費 |
| 免許取得費 | 普通自動車運転免許の取得にかかる費用 |
| その他経費 | 知事が特に必要と認める経費 |
海外での募集にかかる費用も、人材紹介の手数料も、採用サイトの多言語化も、費目の名前としては出てきません。
社外に発注する制作物に近いのは委託料と需用費ですが、要領は委託料の説明を「外国人労働者用の母国語作業マニュアルの作成等」と書いています。費目の名前は広くても、説明書きのほうで用途が外国人労働者用に絞られています。
どこまでが対象になるかを示しているのは、交付事務マニュアルの一文です。
外国人労働者の就業環境・生活環境の改善に資すると判断されない経費は、補助対象外である。
つまり対象になるのは、いま雇っている方やこれから雇う方に向けた、社内向けの制作物までです。母国語の作業マニュアル、教材、掲示物、資料の印刷。社外の求職者に向けたものは、この枠には載りません。
例えば、技能実習生に配る作業手順書を母国語へ訳して印刷するなら、訳を頼んだ費用は委託料、印刷代は需用費で見てもらえるだろうと思われます。要領が委託料の説明に母国語の作業マニュアルを挙げているからです。
ただし別表の注8は、対象経費に迷いが出たときは労働政策課へ事前に協議し、了承を得るよう求めています。見積を取る前に、労働政策課へ一度電話で確かめておかれると安心です。
戻るのは経費の3分の1・上限30万円
補助率は対象経費の3分の1、限度額は1事業者あたり30万円です。計算の対象になるのは税抜の額で、消費税および地方消費税は対象経費から除きます。
上限の30万円に届くのは、税抜90万円ぶんの対象経費を組んだときです。「住宅環境整備」を含む場合だけは限度額が100万円に上がり、税抜300万円ぶんまで3分の1が戻る形になります。
寮や社宅に手を入れる予定があるかどうかで、組み立て方が変わります。
上限が100万円になるのは住宅に手を入れる年
交付要領の第4条は、補助の対象になる事業を3つに分けています。
| 事業の区分 | 交付要領 第4条の定義 |
|---|---|
| 就業環境整備 | 外国人労働者の就業環境を改善するための取組 |
| 生活環境整備 | 外国人労働者の生活環境を改善するための取組 |
| 住宅環境整備 | 外国人労働者の住宅環境を改善するため、不動産物件の改修・取得等を行う取組 |
どれかひとつを選べという指示は、要領にも様式にもありません。限度額も「住宅環境整備を含む場合」という書き方で、複数の取組をひとつの申請に載せられる前提になっています。
県が示している中身は、「就業環境整備」が母国語のマニュアル作成等、「生活環境整備」が寮の冷暖房設置や普通自動車運転免許の取得にかかる費用等、住宅環境整備が寮の増改築や寮用物件の取得等です。
借りている物件の改修費は、原則として対象外に並びます。ただし要領は、生活環境整備の範囲では対象とするという但し書きを付けています。借り上げの社宅に手を入れるなら、住宅ではなく生活の側で組む形になります。
寮に手を入れる年なら、同じ申請にまとめたほうが取りに行ける額は大きい
就業と生活だけで組むと、どれだけ費目を積んでも30万円で頭打ちです。寮の増改築や寮用物件の取得を同じ申請に載せられる年なら、上限は100万円に上がります。手を入れる予定があるなら、年度をまたいで別々に出すより、同じ年にまとめるほうが枠は大きくなります。
対象になるのは在留資格が5つの労働者
第3条第2号は、対象になる外国人労働者を在留資格で限定しています。並んでいるのは次の5つです。
- 特定技能
- 技能実習
- 技術・人文知識・国際業務
- 高度専門職
- 特定活動(告示第46号に該当するものに限る)
在学中の留学生は、この5つに入っていません。特定活動も、告示第46号に該当するものに限られます。
いま雇っていなくても申請はできます。第3条第2号は「現に雇用し、今後も継続して雇用する予定であること、または新たに雇用する具体的な計画があること」と書いているためです。
ただし採る費用そのものは出ないので、この制度は受け入れる前に環境を整えるためのものだと考えておきましょう。
申請の前に3つの登録のどれかが要る
見落としやすいのが第3条第3号です。次の3つのうち、どれかひとつを満たしている必要があります。
| 登録先 | 要件の中身 |
|---|---|
| パートナーシップ構築宣言 | 中小企業庁のポータルサイトから宣言の登録を行い、登録企業リストに掲載されていること |
| 社員ファースト企業宣言 | 県の労働政策課へ、「賃金の引き上げ」を含む取組の宣言の登録を行っていること |
| ふくい女性活躍推進企業 | 県の女性活躍課に登録されていること。登録申請中で、実績報告時までに登録される場合も含む |
3つとも、この補助金の申請とは別のところで先に手続きを済ませておく制度です。「ふくい女性活躍推進企業」だけは申請中の状態でも入れますが、他のふたつについては、要領に猶予を認める記述がありません。
Tips|申請書を書き始める前に手をつけておくもの
- 3つの登録のうち、自社が取りやすいものを選んで手続きを始める
- 県税と、消費税および地方消費税の納税証明書(どちらも申請日から2か月以内のもの)
- 10万円以上の発注になりそうな費用の見積書(相見積が原則)
どれも申請の前に動かせるものです。対象経費を決める作業と同時に進めておくと、受付の終わりぎわで慌てずに済みます。
採用の費用は県の別の枠にある
この制度で採る費用は出ませんが、県が採用にお金を付けていないわけではありません。分けて置いてあるだけです。
同じ労働政策課に、「ふくい高度外国人材等活躍応援事業補助金」があります。人材紹介の契約に基づく手数料や渡航費用、在留資格の申請にかかる費用が対象で、補助率は3分の1以内、受入1人あたり30万円です。
ただし、県が連携協定を結んだ協定事業者を経由した受け入れに限られます。協定事業者を通していない採用の費用は、そちらの枠にも乗りません。
採用サイトやパンフレット、動画といった制作物を正面から見る枠は、県の「ふくい採用力強化補助金」のほうです。外国人材にかぎらず、採用の発信をまとめて組み替える年に当たる制度になります。
受け入れの環境と同時に、採用の発信も立て直したい方は、こちらの記事で認定の取り方から確かめてください。
参考記事:『【上限60万円】「ふくい採用力強化補助金」は今から使える?認定までに必要な条件を解説!』
期限は令和9年2月26日・着手は交付決定の後
申請の受付期間は、令和8年4月1日から令和9年2月26日17時必着です。ただし県は、予算の上限に達した時点で申請の受付を締め切ると書いています。
もうひとつ、順番の決まりがあります。対象になるのは交付決定の日以降に実施する事業で、交付決定より前に契約や発注、納入、検収、支払をしてしまうと、その費用は戻せません。
この制度には、交付決定の前に着手したことを届け出る様式もありません。先に発注して、あとから申請する形は取れないということです。
代金の支払いも、補助事業の期間内に終えている必要があります。相殺での支払いや、手形の裏書譲渡による支払いは認められません。
年度の終わりに向けて動くなら、契約より先に申請を通しておきましょう。
10万円以上の発注は相見積が原則
交付事務マニュアルは、経理の側にも条件を置いています。10万円以上を支出する契約は、原則として複数の業者から見積書を取り、社内の意思決定を経て相手を決めることとされています。
特定の相手でなければならない理由があるときは1社の見積書でも構いませんが、その理由を書面で整えておく必要があります。マニュアルは「日頃からの付き合い」は理由にならないと例まで挙げていて、理由のないまま1社しか見積を取っていないと、全額が対象から外れることがあります。
経理では、補助事業専用の通帳を作るか別会計で管理すること、補助簿を設けること、証拠書類を事業完了年度の終了後5年間保存することが求められます。
実績報告では、補助の期間が終わったあとの外国人労働者の処遇を示す雇用契約書等を添えます。住宅環境整備を行った場合は、不動産の登記事項証明書も必要です。
外に出す費用が中心の制度なので、見積を集める時間まで見込んで動き出すのが安全です。
予算は3,125万円・埋まれば受付は閉じる
令和8年度の予算は3,125万円です。上限の30万円で割ると104社分で、104社分が埋まれば、2月末の期限を待たずに受付は閉じます。
住宅環境整備を含む申請は1件で100万円まで出るため、その分だけ枠の減りは早くなります。要件を満たしていることと、交付を受けられることは別です。
年度の早いうちに動くほうが、枠の面では有利でしょう。予算である以上、埋まれば交付は止まるからです。
なお、年度が変われば要件も金額も改正されることがあります。申請へ進む前に、福井県の公表内容で最新をご確認ください。
問い合わせ先は労働政策課と事務局
制度の中身を聞く先は福井県の労働政策課、書類の提出や手続きの窓口は、県が置いた働く環境整備補助金・奨励金 事務局です。
公表されている資料だけでは決まらない点もあります。申請の前に確かめておく点は、次の2つです。
- 借りている寮や社宅の改修が、生活環境整備の範囲としてどこまで認められるか
- 普通自動車運転免許の取得費のように、県の別の補助金にも同じ費目があるとき、どちらで申請するか
どちらも、要領を読み返しても答えの出ない部分です。取組の中身が固まった段階で、まとめて当たっておくと二度手間になりません。
30万円の枠は、受け入れたあとを整えるためにある
本制度の上限は30万円、住宅に手を入れる年だけ100万円です。制度が軽くするのは、税抜90万円までの3分の1にあたります。外国人労働者に福井で長く働いてもらうための枠で、採る費用は別表に費目を持っていません。
申請の前には3つの登録のどれかを取り、交付決定を待ってから契約する段取りが要ります。その手間まで含めて考えると、戻る額より、誰を受け入れてどこに手を入れるかを先に決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。