【上限50万円】「杉並区中小企業等デジタル化推進事業助成」は採用サイトに使える?対象になる条件を解説!
「杉並区 採用 補助金」で検索してこの助成に行き当たったものの、制度の名前が「デジタル化推進」で、進めかけている採用サイトの見積が乗るのかどうか、決めきれずに止まっていませんか。
本記事では、2026年8月時点の区の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!
この記事でわかること
- どんな会社が対象になるのか?
- 何にかかった費用が対象になるのか?
- いくらまで戻ってくるのか?
- 採用のためのページを作る費用は対象に入るのか?
- いつまでに申請して、いつまでに終えればいいのか?
杉並区には、採用に使える制度がほかにもあります。この記事のものを含めて5件あるので、見比べたい方は東京都内を自治体別に整理した記事からどうぞ。
【全108件】「東京都」で採用に使える補助金は?対象の費用と上限額をまとめて紹介!
区の産業振興課のページで補助金の一覧を上から下まで見た。設備投資と販路開拓とデジタル化は並んでいるのに、採用にかかる費用の枠が見当たらない……。 東京都で採用の補助金を探すと、この形で先に進めなくなります。ところが都と62の区市町村を1つずつ開くと、使える枠はかなりの数がありました。所管が、産業の
杉並区中小企業等デジタル化推進事業助成の概要

出典: 杉並区「中小企業等デジタル化推進事業助成」のページ(2026年9月時点)
「杉並区中小企業等デジタル化推進事業助成」は、デジタル技術を新しく入れたとき、かかった費用の3分の2(上限50万円)が戻ってくる制度です。
まず、全体像です。
| 補助金名 | 杉並区中小企業等デジタル化推進事業助成 |
|---|---|
| 相談先 | 杉並区 産業振興センター 就労・経営支援係 |
| 補助対象 | ソフトウェア等購入費、ハードウェア等購入費、システム機器の購入費、システム構築の業務委託費等、ホームページの制作、ECサイト・オンデマンドサービス等の制作にかかる業務委託費等、専門家の技術指導費 |
| 補助上限(補助率) | 50万円(対象経費の3分の2以内。小規模企業者は4分の3以内) |
| 期限 | 2026年10月30日まで。交付決定の通知が届いた後に購入したものが対象 |
気を付けたいのは、求人サイトへの掲載料や採用パンフレットの印刷費、採用動画の制作費には、この助成に費目そのものが無いことです。すでにあるページの写真と文章を入れ替えるだけの更新も、バージョンアップとして対象外に並びます。
「デジタル化の枠ではなさそうだ」と感じた方は、個別の制度を当たるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
ここから、対象になる会社、費目の並び、採用のページがどう扱われるか、申請の順番と回数まで順に見ていきます。自社が当てはまるかを確かめながら読み進めてみましょう。
対象は区内に本店を置いて1年以上営む会社
対象になるのは、中小企業基本法第2条第1項にいう中小企業者等です。区内に主たる事業所があること、法人なら本店の登記が区内にあること、区内で事業を1年以上営んでいることが対象の条件になります。
登記だけ別の区にあって、杉並区には店舗や作業場しかない会社は、費目に届く前にここで止まります。創業して1年に満たない会社も、この助成の側では順番待ちになります。
区は業種ごとに基準を分けていて、助成率が上がる小規模企業者の基準も別に置いています。
| 業種 | 資本金・従業員数の基準(かっこ内は小規模企業者) |
|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業・農業その他 | 資本金3億円以下、または従業員300人以下(従業員20人以下) |
| 卸売業 | 資本金1億円以下、または従業員100人以下(従業員5人以下) |
| サービス業 | 資本金5,000万円以下、または従業員100人以下(従業員5人以下) |
| 小売業(飲食業を含む) | 資本金5,000万円以下、または従業員50人以下(従業員5人以下) |
資本金と従業員数は「または」でつながっているので、どちらか一方がこの基準の範囲内なら当てはまります。医療法人、NPO法人、財団法人、社団法人、公益法人のほか、医業や金融・保険業、農業も対象に挙がっています。
住民税・事業税に滞納や未申告がある場合と、風営法第2条の事業、宗教活動や政治活動を目的とする事業は対象になりません。卸売・サービス・小売は5人以下、ほかは20人以下なら、戻る割合は4分の3に上がります。
創業したばかりで1年の条件に届かないという方は、同じ杉並区の「創業スタートアップ助成」のほうが近いかもしれません。創業から6か月以内という別の条件はありますが、ホームページの作成費に上限20万円の枠があります。
参考記事:『杉並区創業スタートアップ助成で採用サイトは作れる?6か月の壁』
対象になるのはデジタル技術の導入にかかる6つ
対象になる経費は、次の6つです。
- ソフトウェア等購入費(会計管理や在庫管理など、自社の事業経営に関するシステムのデジタル化に必要なもの)
- ハードウェア等購入費(ソフトウェア導入の際に必要となるサーバー機器やネットワーク機器など)
- システム機器の購入費(業務効率化のためのソフトウェアが内蔵された機器)
- 業務委託費等(デジタル化を推進するためのシステム構築に必要なもの)
- 制作にかかる業務委託費等(ホームページやECサイト、オンデマンドサービス等の制作)
- 専門家の技術指導(技術指導を受けるときの人件費または業務委託費等)
これらに類するもので区が認めたものにも、受け皿が用意されています。そして6つに共通してかかる条件があります。
新規にデジタル化を行うもの又は既存システムの入替えなどの新規要素を含んだデジタル化のために必要なもの
注記では、買い替えや増設、バージョンアップが対象から外されています。新しく入れるか入れ替えるかで、手元にあるものを少し良くするだけの支出は外れます。
戻るのは経費の3分の2・上限50万円
助成率は対象経費の3分の2で、小規模企業者は4分の3まで上がります。上限はどちらも50万円です。消費税は間接経費として対象外の欄に並んでいるので、数えるのは税抜の金額になります。
対象経費が75万円までなら3分の2が戻り、そこから先は何を足しても50万円で頭を打ちます。小規模企業者なら、67万円ほどで上限に届く計算です。
例えば、応募フォームまで備えた採用のページを税抜60万円で作るなら、戻るのは40万円。小規模企業者であれば45万円です。区が公表している計画書の記入例でも、事業費の明細で単価がいちばん大きいのはホームページ作成費の30万円でした。
税抜75万円までなら支払いの3分の2が軽くなる枠なので、今年度に作る予定があるなら、当てる先としては有力でしょう。
制度の目的は業務効率化と生産性向上
区は、この助成の趣旨を次のように書いています。
東京都の地域産業デジタル化推進事業費補助金を活用し、区内中小企業等のデジタル化を推進し、業務効率化や生産性向上、新事業の創出等を図るため、区内中小企業等のデジタル技術導入に要する経費の一部を助成します。
募集チラシも産業振興ガイドも、掲げているのは業務効率化と生産性向上です。この制度が見ているのは、人を採ることではなく、仕事のやり方が変わることです。
元になっているのは「東京都の地域産業デジタル化推進事業費補助金」で、都の目的も生産性向上と競争力の強化にあります。採用という言葉は、区の案内にも募集チラシにも計画書の記入例にも出てきません。採用の費用をこの枠に含めるなら、業務の言葉で説明する必要があります。
用途の限定が無いのはホームページの号だけ
対象経費のうち5つには、「自社の事業経営に関するシステム」「業務効率化のための」「デジタル化を推進するための」という限定が付きます。
ホームページとECサイトの制作費だけは、何のためのサイトかを書いていません。
対象外の欄に並ぶのは、文書作成ソフト、導入済みのソフト、バージョンアップ、既存システムの保守、消費税などの間接経費、新規システムと連動しないパソコン、区外の店舗で使うものなどです。
採用や求人を名指しした行は、この欄にもありません。外す文が無いことが、この制度でいちばん確かな手がかりになります。
採用のページは費目の側では止まらない
会社のサイトに採用のページを新しく作る形も、採用サイトを1本立てる形も、費目の上ではホームページの制作にあたります。用途を絞る言葉が費目にも対象外の欄にも無いので、採用のページを含む形でも、費目の側で外れる理由は見当たらないと思われます。
一方で、区の記入例が想定しているのは、メニューの掲載や予約のしやすさといった、店を回すための使い方です。目的の軸が業務効率化と生産性向上にある以上、採用のページを1枚足すという説明だけでは距離が開きます。
応募の受付をフォームにして、応募者の情報が管理画面にたまり、選考の進み具合を1つの画面で追える。そこまで含めれば、仕事のやり方が変わる話として並びます。
会社のサイトのどこを直すのか、どこまでを1回の申請に含めるのかは、見積を取る前に就労・経営支援係へ伝えておきましょう。見積はサイト全体と採用のページを分けた形で出してもらうと、窓口での話が早くなります。
手を入れるだけの改修は新規要素に届かない
対象は新規要素を含んだデジタル化なので、すでにある採用ページの写真と文章を入れ替えるだけの更新は、この条件に届きにくくなります。
応募フォームを入れて応募データを管理側とつなぐ作りにすれば、新規要素の側に寄ります。既存システムの入替えも対象に入るので、古い仕組みごと作り直す形も同じです。手直しの予定しかないなら、この助成に時間をかけないほうが早いはずです。
求人の掲載料や採用動画は別の窓口が拾う
求人サイトへの掲載料、採用パンフレットの印刷費、採用動画の制作費、人材紹介の成功報酬。これらはこの助成の費目に無く、杉並区では別の窓口が持っています。
介護サービスを運営しているなら、介護保険課の「介護人材採用活動経費助成金」が受け皿です。求人誌や求人情報サイトへの掲載費、採用パンフレット等の作成費、自法人のホームページの求人情報ページの構築・改修の委託費、採用PR動画の作成委託費が対象になります。
上限は1事業所20万円・1法人80万円で、交付申請の締切はこの助成と同じ2026年10月30日です。有料職業紹介会社への紹介手数料は対象外で、法人のホームページを直す場合も職員募集のページだけが対象になります。
認可保育所や東京都認証保育所、小規模保育事業などをこれから開設する、あるいは増改築を伴う定員増をするなら、保育課の「新規開設保育施設等人材確保事業費補助金」があります。
職員の募集に直接必要な広告宣伝費や印刷製本費などが対象で、補助率は10分の10、上限は1施設50万円(定員50人以上は80万円)です。
業種が当てはまらない場合、区の産業の側で採用活動費が名指しされているのは融資の優遇です。中小企業資金融資の資金使途に採用活動費等が含まれると、利率が0.2%下がります。
お金ではなく場のほうを用意している枠もあります。区の求人情報サイト「就職応援ナビすぎなみ」の掲載は無料で、ハローワークと共催の就職相談・面接会も分野別に開かれています。
期限は10月30日と2027年3月31日
申請の受付は2026年6月1日から10月30日までです。事業のほうは、2027年3月31日までにデジタル化を終えて、支払いまで確認できる状態にしておく必要があります。
受付が10月30日まで開いていても、その日まで枠が残っているとは限りません。予算に達し次第、先着順で受付は終わります。
実績報告にも条件があります。導入したものを原則1か月以上使い、効果を具体的な数値等で書ける状態になってから出す形です。年度末からさかのぼって考えると、制作会社を選ぶ時期は自然と決まります。
発注は交付決定の通知が届いてから
順番は、申請、審査、交付決定、事業の実施、実績報告、請求です。見積を取って発注してから申請する形では、対象になりません。
申請はオンライン・郵送・窓口のいずれでもできます。オンラインの場合は、事業の概要と期待される効果を300文字以上で入力します。
計画書は、現状と課題と事業計画、経費別の明細、期待される効果という組み立てです。区の記入例は、効果の欄まで数字で書かれています。
棚卸時間を1日あたり約1時間削減
進め方が固まっていない場合は、中小企業診断士等のアドバイザー派遣を無料で受けられます。
交付決定のあとに発注して払い、実績報告と請求を経て入金される形です。制作費はいったん全額を自社で立て替えることになります。
Tips|交付決定を待つあいだに控えておくもの
- 制作会社からの見積(サイト全体と採用のページを分けた形で)
- 入れ替える前のページの画面(新規要素であることを示す材料になります)
- 効果をどの数字で測るか(応募数や問い合わせ数など、あとで報告に書く項目)
申請は1事業者につき1回きり
複数の法人を運営していても、申請は1事業者につき1回限りです。区内に支店がある場合もまとめて1回で、合計の負担額に助成率を掛けて上限50万円まで。支店ごとに50万円ではありません。
裏を返せば、複数のソフトウェアや機器を1回にまとめて申請できます。採用のページだけで枠に届かないなら、同じ年度に入れる勤怠管理や在庫管理と束ねる形になります。
採用のページ単独で50万円に届かないなら、同じ年度に入れる仕組みとまとめて出す
1回きりの枠なので、今年度に何を入れるのかを先に並べてから、どこまでを1つの申請に含めるかを決めるほうが取りこぼしがありません。応募の受付から選考の管理までをひと続きにするなら、採用のページはその一部として並びます。
先に申請した分から枠が埋まります。予算である以上、埋まれば交付は止まりますので、当てる先が決まっているなら年度の早いうちに動くほうが安全です。
なお、年度が変われば要件も金額も改正されることがあります。申請へ進む前に、杉並区の公表内容で最新の状態をご確認ください。
問い合わせ先は就労・経営支援係
相談先は、杉並区産業振興センターの就労・経営支援係です。電話番号は03-5347-9077で、窓口は上荻にあります。
なお、その経費について国・都・区等が実施する他の補助金や助成制度を受けていないことも条件です。申請の前に、次の2つは窓口に当てておかれると安心です。
- 同じ経費について国や都、区のほかの助成を受けているとき、どこまでが重複に当たるか
- 実績報告で求められる「効果を具体的な数値等で」を、採用のページではどの数字で示すか
50万円の枠より、何を変えるかを先に決める
本制度の上限は50万円で、対象経費が75万円までなら3分の2が軽くなります。ただし、この制度が見ているのは業務効率化と生産性向上です。採用はその名前で呼ばれておらず、ホームページの費目に用途の限定が無いという形で、入れる場所が空いているだけです。
申請できるのは1事業者につき1回きりで、発注は交付決定を待ってから、導入後は1か月以上使って効果を数値で報告します。採用のページを何の仕組みとして作るかを先に決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。