【全46件】「愛知県」で採用に使える補助金は?対象の費用と上限額をまとめて紹介!
採用にお金をかけたい。そう思って愛知県内の補助金を調べ始めたものの、並んでいるのは設備投資や販路開拓のものばかりで、採用サイトや求人掲載に届くものが見当たらない……。そこで調べる手を止めてしまった方もいるはずです。
県内には、採用のための枠を持つ制度が思っているより多くあります。見つからないのは、たいてい探し方のほうに理由があります。
この記事では、2026年8月時点で公表されている県内の制度を、自社に当たるかどうかを判断できる形に組み直しました。では見ていきましょう。
この記事でわかること
- 自社の市町村に、採用に使える制度はあるのか?
- 採用サイトの制作費に出る制度はどれか?
- 掲載料や出展料は、どこが拾うのか?
- 県と名古屋市は、なぜ早く閉じるのか?
- 探しても見つからないのは、なぜか?
ここに載せた制度名・補助率・上限額・期限は、2026年8月時点で各自治体が公表している内容です。制度ごとの細かい要件は、個別の解説記事のほうで扱います。
愛知県で採用に使える補助金は46制度
愛知県内で採用活動に使える制度を数え上げたところ、2026年8月時点で46件が確認できました。うち県のものが2件、市町村のものが44件です。
46件には、採用の費用が対象だと明記されている制度だけでなく、目的の限定が掛かっていないため文言の上では入り得る制度も数えています。後者は担当課の判断が入る余地が残るので、この記事では「数には入るが、発注の前に確認が要る」ものとして扱います。どちらなのかは、それぞれの節で書き分けました。
ただし、制度がある自治体は多くありません。
| 区分 | 数と内訳 |
|---|---|
| 制度の合計 | 46件(県2件・市町村44件) |
| 制度を確認できた自治体 | 25(県と24市町村) |
| 愛知県の市町村数 | 54(38市14町2村) |
| 自治体別の内訳 | 豊橋市8/春日井市5/小牧市4/犬山市3/名古屋市2・刈谷市2・蒲郡市2・尾張旭市2/豊田市・一宮市・知立市・知多市・江南市・大府市・東浦町・東郷町・扶桑町・南知多町・安城市・岩倉市・日進市・豊明市・みよし市・田原市が各1 |
制度が確認できたのは54市町村のうち24でした。ただし、この46件は下限だと思っておいたほうがよさそうです。
46件に数えた「小牧市障害者雇用促進奨励金」(障がい福祉課。企業側が受け取り、1人あたり月額2万〜4万円)は、商工の一覧には並んでいません。福祉の部局が雇用の枠を持っていると、商工の一覧からは見えないためです。
自社の市町村が残りの30に入っていても、そこで打ち切らないほうが安全です。担当課の補助金一覧と、福祉の課のページは一度上から見ておかれることをお勧めします。
なお、この記事で扱うのは自治体が出す補助金です。厚生労働省が所管する雇用関係の助成金とは、原資も申請の流れも別物になります。
「自社の市町村には無さそうだ」と感じた方は、自治体の制度を1件ずつ当たるより、国の助成金まで含めた全体像を先に見るほうが早いはずです。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
県の2件と市町村の44件に分かれる
県の制度は2件です。「中小企業人材確保採用力強化支援事業補助金」と、「中小企業人材確保奨学金返還支援事業補助金」。前者は県外からの人材確保にかかる費用、後者は従業員の奨学金返還を支援した額が対象です。
市町村の44件は24自治体に散らばっていますが、分布はかなり偏っています。豊橋市が8件、春日井市が5件、小牧市が4件、犬山市が3件。半数以上の自治体は1件ずつしか持っていません。
件数は人口の順とは一致していません。県内で最も人口の多い名古屋市は2件で、しかもどちらも創業まわりの制度です。どこに予算を振ってきたかの違いが、そのまま制度の数に表れています。
自社の市町村の欄だけを見て「この辺りには無い」と決めてしまうのは早いと思われます。数が人口にも地理にも従っていないからです。
制度名に採用が入るのは1件だけ
46件の名称を書き出して数えたところ、「採用」の語を持つ制度は1件しかありませんでした。愛知県中小企業人材確保採用力強化支援事業補助金です。
代わりに多いのが「人材確保」で、この1件を含めて5件が名称に持っています。残る41件は、名前に採用も人材確保も持っていません。
見たのは補助金の正式名称です。がんばる中小企業応援補助金(人材確保事業)のように、括弧の中の事業区分名にだけ採用や人材確保が入る形もあります。検索に引っかかるのは名称のほうなので、名前で当たりを付けると、この型は丸ごと取りこぼします。
| 名前の語 | 件数 |
|---|---|
| 「採用」を含む | 1件 |
| 「人材確保」を含む | 5件(うち1件は「採用」も含む) |
| どちらも含まない | 41件 |
「採用 補助金」で検索して出てこないのは、制度が無いからではありません。がんばる中小企業応援補助金、中小企業活性化補助金、小規模企業等補助金といった総合メニューの中に、採用のための枠が1つある形が実際にあります。名前は制度の外側で、採用の枠はその内側にあります。
なお、名前で見つけたのに中身が違う例もありました。「刈谷市首都圏人材確保支援事業補助金」は、名称に人材確保と入っていますが、受け取るのは東京圏から市内に移住した本人です。企業が採用の費用に充てる制度ではないため、この記事の対象からは外しています。
費目の名前だけで当てにできない例もあります。「豊橋市工場見学施設整備支援補助金」は対象経費にパンフレットの製作費を挙げていますが、別表がその用途を「見学者用説明資料」に固定しています。採用パンフレットには当たらないため、この記事の対象からは外しています。
制度名で探して1件しか出てこなかった方は、そこで打ち切らず、総合メニューの中身まで開いてみるとよいでしょう。採用の枠は名称ではなく、別表の1行のほうにあるからです。
予算の残りは同じ課の別の補助金で見当が付く
確認できた制度はいずれも予算の範囲内での交付です。ただし枠の閉じ方は同じではありません。多くは上限に届いた時点で受付が終わりますが、名古屋市の2件のように募集期間を区切って審査で採択するもの、抽選に回るものもあります。
違うのは、残りが見えるかどうかです。46件のうち、年度途中の執行状況まで公表していたのは尾張旭市の通常枠だけでした。予算額だけなら、名古屋市の「スタートアップ企業支援補助金」(J-Startup枠)は案内ページに1,500万円と書かれていますし、蒲郡市は当初予算の概要と決算の報告書に載せています。
| 尾張旭市小規模企業等補助金が公表している内容 | 令和8年8月3日時点 |
|---|---|
| 通常枠 | 予算額12,000,000円・交付決定額1,260,702円・残額89.5% |
| デジタル化対策枠(46件には数えていない別の枠) | 残額47.8% |
46件に数えた尾張旭市の2件は、この通常枠の中の雇用確保と販路拡大です。2つの区分は同じ通常枠の予算を分け合うので、外から読める残額も1つ、つまり上の89.5%になります。
金額と割合の両方が出ているので、いま申請して間に合うかどうかを外から判断できます。
探している制度が執行状況を公表していなくても、あきらめる前に見る場所があります。同じ課が所管する別の補助金のページです。
小牧市は商工振興課の12制度について予算額・執行予定額・執行率を並べていますし、尾張旭市も生産性向上設備投資促進補助金で残りの割合を出しています。課の単位で公表の姿勢がそろっていることがあるので、同じ課が持つほかの補助金のページも開いてみてください。
残りの制度は、執行状況を公表していません。予算額が予算書や決算書に載っていても、いま何割消化されたかは外から追えません。期限が先でも枠が残っているとは限らないので、見積を取る前に残額だけ、担当課へ一本聞いておかれると安心です。
年度が変われば、要件も金額も改正が入ります。ここに書いたのは2026年8月時点の公表内容なので、申請へ進む前に各自治体の公式ページで現在の内容を確かめてください。
採用サイトに使えるのは4制度
ここからが本題です。46件を対象経費まで開いていくと、採用サイトや採用ページの制作費が費目として書かれている制度は4つに絞られました。
| 制度 | 補助率と上限 |
|---|---|
| 豊橋市就職サイト等活用事業費補助金(採用ホームページ改良事業) | 2分の1・上限20万円 |
| 令和8年度豊田市人材活躍支援補助金(人材確保事業) | 2分の1・上限20万円(一部業種は3分の2、表彰等があれば40万円) |
| 愛知県中小企業人材確保採用力強化支援事業補助金 | 3分の1以内・上限20万円 |
| 令和8年度蒲郡市がんばる中小企業者応援事業費補助金(IT導入事業) | 2分の1・上限10万円 |
金額の並びだけを見ると、似たような制度が4つあるように読めます。ところが4つは、公表されている情報の量がまったく違います。ここが愛知県の制度を読むときにいちばん効くところなので、1つずつ見ていきます。
豊橋市は載せる中身まで決めている
豊橋市の「採用ホームページ改良事業」は、対象経費だけでなくページに載せる中身まで制度の側が決めています。
補助対象事業の定義そのものに、別表第2 のチェックシートの要件を満たす場合に限る、という条件が入っています。そのチェックシートは必須が17項目、さらに選択11項目から2つ以上を選んで申請時に宣言する作りです。
必須のほうに並ぶのは、仕事内容、勤務条件、選考過程、各種休暇、研修制度、先輩従業員のインタビューといった項目でした。見た目に関する評価は1つも入っていません。お金の出どころと、ページに何を書くかが、1つの制度の中で結び付いています。
対象になるページの範囲も、令和8年度に広がりました。要綱の対象経費の定義に、採用ホームページとは別にインターンシップ等という区分が加わり、インターンシップやオープンカンパニーの募集ページの作成も対象になっています。補助率と上限は採用ホームページのほうと同じで、2分の1以内・上限20万円です。
豊橋市に事業所があり、採用ホームページに手を入れる予定の方は、見積を取る前にチェックシートの項目まで目を通しておかれることをお勧めします。
参考記事:『【上限20万円】「豊橋市就職サイト等活用事業費補助金」は何に使える?2つの枠の違いを解説!』
豊田市は目的だけ限定して範囲を書かない
豊田市の「人材確保事業」は、対象経費の書き出しが独特です。交付要綱の別表第2 は「人材確保のみを目的とした、ホームページの作成・改良、PR動画の作成、パンフレットの新規作成または改正にかかる経費」と書かれています。
読み飛ばせないのが「のみ」です。ホームページも動画もパンフレットもまとめて見てくれる一方で、採用だけを目的としたものに限る、という条件が先頭に付いています。
そして、その「のみ」がどこまでを指すのかは、公表されている資料のどこにも書かれていません。会社案内を兼ねたサイトを作り直す場合はどうなるのか。サイト全体のうち採用に関わる部分だけを切り出して申請できるのか。限定はされているのに、どこまでが対象かは書かれていない状態です。
会社案内を兼ねたサイトを作り直す予定の方は、その判断をするのは市だと考えて、見積を取る前に担当課へどこまでが採用のみかを聞いてしまうほうが早いはずです。
県は交付要綱の別表にだけ書いている
愛知県の制度は、案内ページとチラシを読む限り、対象になるのは県外開催の就職・転職フェアの出展料と就職情報サイトの掲載料までに見えます。
ところが交付要綱の別表1 を開くと、「その他の経費」の説明の末尾に括弧書きが付いていて、そこに自社のホームページと企業紹介動画の作成が挙がっています。県レベルの制度でここまで踏み込んだ書き方は珍しい部類です。
もっとも、これで確定と読むのは早計です。公募要領はその他の経費について、県が認めるものが対象なので個別に相談してほしいと注記しています。例示に載っていることと、申請が通ることのあいだには、まだ距離があります。
県外から人を採る計画のある方には、市町村より先に開く価値のある制度だと思われます。県外開催のフェアの出展料と就職情報サイトの掲載料を正面から費目に置いているのは、県内でこの1件だけだからです。
参考記事:『【上限20万円】「愛知県中小企業人材確保採用力強化支援事業補助金」は今から使える?締切を解説!』
蒲郡市は年度に1区分しか選べない
蒲郡市の「IT導入事業」は、対象経費に委託費・デザイン費・ドメイン取得費が並びます。目的要件に販路開拓やPRの限定が付いていないので、文言の上では採用サイトも入ります。
一方で、要綱にしか書かれていない条件があります。受付が先着順であることです。先着という語は公募要領にもチラシにも案内ページにも出てきません。あわせて確かめておきたいのが、同一年度に申請できるのは1事業区分1回だけということです。こちらは公募要領にも書かれています。
蒲郡市の制度は事業区分が4つあり、求人サイトの掲載料は人材確保事業、ホームページの制作費はIT導入事業に分かれています。区分をまたげないので、受け皿を作る年と募集に出す年が別になります。対象経費を調べるより手前に、その年をどちらに使うかという判断が来ます。
蒲郡市で受け皿から作る方は、今年度はIT導入事業に充てると決めてしまうほうが早いでしょう。ホームページの制作費は、この区分にしかありません。
書かれている量で4段階に分かれる
4つを並べ直すと、公表されている情報の量が段階になっているのが見えます。
| 書かれ方の段階 | 自治体 |
|---|---|
| 載せる中身の要件まで書いてある | 豊橋市 |
| 目的は限定するが、その範囲は書いていない | 豊田市 |
| 案内ページには無く、交付要綱の別表にだけある | 愛知県 |
| 対象経費は書くが、受付が先着順であることが要綱にしかない | 蒲郡市 |
同じ県内で、しかも用途が同じ制度でも、ここまで差があります。だから「使えるかどうか」は制度名では決まりません。
4つのうち豊橋市は案内ページで判断が付きます。残る3つは、見積を取る前に要綱を開いて、担当課へ一度電話で確かめておかれるとよいでしょう。
求人掲載と説明会は市町村が拾う
採用サイトの制作費を見る制度は4つでしたが、募集の露出にかかる費用となると数が一気に増えます。市町村の制度の主戦場はこちらです。
| やること | 当たる制度の数 |
|---|---|
| 求人サイト・求人広告の掲載料 | 18制度 |
| 合同企業説明会・就職フェアの出展料 | 19制度 |
| 採用動画・パンフレット・求人チラシの制作費 | 8制度 |
| 副業・兼業のマッチング手数料 | 5制度 |
| 正社員の人材紹介手数料 | 1制度 |
同じ制度が複数の用途を持つため、縦に足しても46にはなりません。
掲載料を対象にする制度は18ある
求人サイトへの掲載料や求人広告費を対象にしているのは18制度です。県、豊橋市、春日井市、刈谷市、知立市、知多市、江南市、東浦町、扶桑町、小牧市、尾張旭市、蒲郡市、南知多町、犬山市、安城市、日進市、豊明市、みよし市。採用の費用のなかで、いちばん拾われやすいのが掲載料です。
金額に幅があります。上限が大きいのは刈谷市の40万円、東浦町の30万円、春日井市の25万円で、小さいところは江南市の5万円、尾張旭市は他の区分と合わせて年度5万円です。
そして、掲載先や回数に条件が付いている制度が目立ちます。
| 制度 | 掲載まわりの条件 |
|---|---|
| 春日井市就職支援サイト掲載助成事業補助金 | 過去2年間に本補助金を受けていないこと、過去1年間に就職情報サイトへの掲載実績がないこと |
| 刈谷市中小企業求人情報発信支援事業補助金 | 申請年度の前3年度間に本補助金を受けていないこと。掲載期間は1年以内で、その期間中に採用活動が完了すること |
| 小牧市人材確保支援補助金 | 企業側が学生等を検索して直接アプローチできる逆求人型で、地元学生と地元企業のマッチングであること |
| 扶桑町中小企業人材確保等支援事業補助金 | 外国語のみで掲載されたインターネット求人サイトは対象外 |
先に媒体を決めてしまうと、あとから条件で弾かれます。とくに小牧市は媒体の型そのものを指定しているので、一般的な求人サイトへの掲載では要件から外れます。掲載先の候補が決まっている方は、その媒体が制度の認める型に入るかどうかだけ、申込みの前に確かめておかれると安心です。
説明会の出展料は開催地で分かれる
合同企業説明会や就職フェアの出展料は19制度が拾います。ここで差が出るのが開催地の条件です。
刈谷市と知立市は市外で開催されるものに限り、県の制度は県外開催のフェアに限っています。逆に春日井市は、自社の市内事業所における雇用のための出展であることを条件にしています。
除外の書き方も市によって違います。知立市は商工会やハローワークなど公的機関が主催するものを除き、刈谷市は市や市の雇用対策協議会が主催・共催するものを除いています。小牧市も公的機関の主催を除外しています。
地元の説明会ほど除外に当たりやすく、商圏の外へ出るほど対象に入りやすい作りです。近場では母数が足りなくなった企業を、遠くへ押し出す方向に設計されています。
地元の合同説明会に出るつもりで見積を取っている方は、主催者が誰かを先に確かめておくとよいでしょう。同じ出展料でも、主催者によって対象と対象外が分かれます。
人材紹介の手数料は刈谷市だけ
正社員を人材紹介で採ったときの手数料は、対象経費として名前を持つ制度がほとんどありません。46件を当たって、名指しで入っていたのは1件でした。
刈谷市の「求人情報発信支援事業補助金」は、成功報酬型人材紹介サービスを利用して従業員を雇用した場合の手数料を対象にしています。ただし、利用する人材紹介事業者が厚生労働省の人材サービス総合サイトに掲載された有料職業紹介事業者であることが要件です。
掲載料と併用でき、上限40万円に達するまで年度内に複数回申請できます。
副業・兼業のマッチング手数料なら、豊橋市、小牧市、尾張旭市、東郷町、田原市の5制度が拾います。多くは雇用契約によらない外部人材が対象で、正社員の募集とは別の枠です。同じ「紹介手数料」でも、雇用の形で扱いが変わります。
ただし尾張旭市は別枠になっていません。兼業副業マッチング報酬は、求人情報サイトの掲載費用や説明会の出展費用と同じ雇用確保の区分に入ります。上限も年度5万円で共通なので、副業に使った分だけ募集に回せる枠が減ります。求人広告の採用成功報酬も、同じ枠から出ます。
紹介会社に頼んで正社員を採る計画の方は、刈谷市以外では手数料が戻らないものとして資金を組むほうが安全だと思われます。名指しで費目に入っていたのは46件のうち1件だけだからです。
動画とチラシは付随の条件が付く
採用動画やパンフレットの制作費は8制度が対象にしていますが、単独で発注する費用が通る制度は多くありません。
豊橋市も蒲郡市も、動画・写真の撮影費に「ホームページ作成に付随するもの」という条件を付けています。県の制度では、パンフレットやノベルティの作成費がフェア出展の枠の中にあって、他の事業を併せた冊子は対象外です。作るもの単体ではなく、何に付随するかで判定が変わります。
委託先を絞っている制度もあります。江南市は求人チラシとポスターの作成費を対象にしていますが、本店または主たる事務所が江南市内にある業者への依頼に限っています。制作を市外の会社に任せる前提だと、ここで対象から落ちます。
もう1つ、蒲郡市の人材確保事業には他ではあまり見かけない費目があります。求人原稿を書く手前の工程、つまり条件への助言や取材にかかる費用が、支援費という名前で対象に入っています。
採用動画やパンフレットだけを単独で作りたい方は、単体では条件で外れる制度のほうが多いと考えて、サイトの制作と1つの発注にまとめられないかを見積の段階で考えるほうが近道です。
県と名古屋市は前段の手続きが先に閉じる
ここまでは対象経費の話でした。ただ、県と名古屋市の制度については、経費より先に確かめることがあります。申請の受付期間より、その手前にある手続きのほうが早く閉じます。
県は塾と伴走型支援を通った企業に限る
愛知県の中小企業人材確保採用力強化支援事業補助金は、交付要綱の第3条が対象事業主の要件に「採用戦略支援塾および伴走型支援を受けていること」を入れています。補助金だけを申請することはできません。
令和8年度の日程を並べると、閉じた順番が見えます。
| 手続き | 令和8年度の締切 |
|---|---|
| 採用戦略支援塾の申込 | 2026年6月7日 |
| 伴走型支援の申込 | 2026年8月6日 |
| 補助金の交付申請 | 2026年10月30日17時 |
交付申請の締切より4か月以上手前に、最初の関門があります。6月の申込を逃すと、その年度は補助金を申請することさえできません。
補助金だけを取りに行けない以上、県の制度は「費用の補助」というより、採用の進め方ごと見てもらう枠だと考えておくほうが実態に近いでしょう。
名古屋市は創業から5年以内で線を引く
名古屋市の制度は2件で、どちらもスタートアップ企業支援補助金です。名前からは採用と結び付きませんが、対象経費の広報費に「販売促進、人材募集に関する広告費用」が入っており、J-Startup枠にいたっては補助対象事業に「従業員等の採用に係る事業」があります。
| 制度 | 対象と金額 |
|---|---|
| 令和8年度名古屋市スタートアップ企業支援補助金 | 市内で新たに創業する者、または市内に本社等を有する創業後5年以内の中小企業者。3分の1(会員登録等をする場合は2分の1)・上限100万円 |
| 同(J-Startup枠) | J-StartupまたはJ-Startup CENTRAL(国と地域が選ぶスタートアップ支援プログラム)の選定企業のうち市内に本店を有する企業。2分の1・上限500万円 |
金額は県内で最も大きい部類です。ただし対象になる企業が創業まわりに絞られていて、令和8年度の受付はどちらも終わっています。通常枠は5月1日から6月1日まで、J-Startup枠は4月1日から4月15日までの申請意向の事前確認で締め切られました。
こちらは先着順ではありません。通常枠は採択件数15件を予定していて、令和7年度は第2期に101件の応募がありました。枠に入れるかどうかは、早さではなく計画の中身で決まります。
創業から5年以内で市内に本社がある方は、金額が県内で最も大きい部類です。来年度の募集に向けて、いまから計画のほうを準備しておきましょう。
令和9年度に向けて見る場所を決める
県と名古屋市の制度を使うつもりなら、いま見ておくべきなのは補助金の公募情報ではありません。
県のほうは、次年度の情報が補助金の告知として出てくるとは限りません。令和8年度も、最初の案内は採用戦略支援塾の参加企業を募る形で5月12日に出ており、そこから4週間足らずで締切が来ました。名古屋市も年1回の募集で、令和8年度は5月1日開始です。
どちらも年度の始まりに動く制度です。県の就業促進課と名古屋市の中小企業振興課のページは、4月から5月に開く場所として決めておくのが確実だと思われます。秋から探し始めると、どちらも次の年度まで待つことになるからです。
市町村44制度を地域から引く
ここからは自治体ごとの一覧です。ご自身の所在地が入っている表だけ開けば足ります。補助率と上限額はいずれも2026年8月時点のもので、年度をまたげば改正が入ります。
下の4つの表に並ぶのは41制度・23市町村です。名古屋市の2件と小牧市障害者雇用促進奨励金の1件は前の節で扱ったので、この4表からは外しています。41にその3件を足して市町村の44件、県の2件を加えて46件になります。
尾張11市町の20制度
名古屋市の周辺です。掲載料と出展料が中心で、制作費を対象にする制度はほとんどありません。
| 制度 | 補助率と上限 |
|---|---|
| 春日井市就職支援サイト掲載助成事業補助金 | 2分の1・上限25万円 |
| 春日井市就職フェア出展事業助成金 | 対象経費の50%以内・上限10万円 |
| 春日井市奨学金等返済支援補助金 | 2分の1・上限8万円。対象は法人のみ |
| 春日井市市内企業就職助成事業補助金 | 東海3県の外から採った正規従業員の移転旅費と引越運送料の全額。1人5万円・年度10万円 |
| 春日井市就労促進助成事業補助金 | 離職した女性・65歳以上・障害者手帳を持つ市内在住者を1年以上継続雇用した場合に1人20万円・年度40万円 |
| 小牧市人材確保支援補助金 | 2分の1・マッチングサイト15万円、合同企業説明会20万円 |
| 小牧市副業・兼業人材活用支援補助金 | 2分の1・上限10万円 |
| 小牧市次世代産業インターンシップ受入助成金 | 学生1人1日8,000円・年度上限96,000円 |
| 江南市中小企業振興補助金(人材確保事業) | 2分の1・上限5万円。正規雇用者の採用に係る経費に限る |
| 令和8年度尾張旭市小規模企業等補助金(通常枠・雇用確保) | 2分の1・3区分の合計で年度5万円 |
| 同(通常枠・販路拡大) | 同上。ホームページの開設・改修はこちらの区分 |
| 東郷町小規模企業及び中小企業振興補助金(人的資本経営) | 副業兼業のマッチング費用・専門家謝金・研修受講料など。2分の1・上限20万円 |
| 扶桑町中小企業人材確保等支援事業補助金(人材確保事業) | 2分の1・上限10万円 |
| 一宮市奨学金返還サポート補助金 | 支援額の2分の1・月15,000円を上限に最大36か月 |
| 犬山市産業振興補助金(対面式雇用支援) | 説明会への参加費。2分の1以内・参加1回あたり10万円 |
| 同(就職情報サイト等活用) | 掲載料とオファー型サイトの登録料。2分の1以内・年1回限り5万円 |
| 同(雇用促進) | 市民を常用雇用した場合の給与。2分の1以内・1人36万円。募集の費用ではなく人件費に出る枠 |
| 岩倉市がんばる中小企業等応援補助金(人材確保) | 50%・上限10万円。説明会出展料 |
| 日進市小規模企業等活性化補助金(雇用確保) | 2分の1・上限5万円。出展料と記事掲載料 |
| 豊明市とよあけ事業者応援選べる補助金(雇用確保) | 2分の1・上限10万円。出展料と掲載料 |
いくつか注意点があります。尾張旭市は会社として定義されない法人、つまり一般社団法人・医療法人・学校法人・社会福祉法人・NPO法人などが対象外です。医療や福祉の現場ほど人手が足りない一方で、法人格で外れる制度があります。
扶桑町は補助対象経費に消費税を含めて計算します。春日井市の就職フェア出展事業助成金も、取扱要領のほうで対象経費を「全て消費税を含める」としています。税込か税抜かで戻る額が1割変わるので、上限に近い金額で申請する方は、この扱いだけ、見積を作る前に確かめておかれると安心です。
奨学金の枠には、県と市のどちらを使うかが決まっているものがあります。一宮市の奨学金返還サポート補助金は、2024年4月1日以降に雇用した従業員への支援は県の制度を使うよう案内されています。
サイトから作る予定の方は、尾張では上限額より先に対象経費の欄を見たほうがよいと思われます。掲載料と出展料に寄っていて、制作費を拾う制度がほとんど無いからです。
西三河5市の6制度
自動車関連の集積地です。件数は少ないものの、上限額は県内でも大きいほうです。
| 制度 | 補助率と上限 |
|---|---|
| 令和8年度豊田市人材活躍支援補助金(人材確保事業) | 2分の1・上限20万円。建設業、運輸業・郵便業、医療・福祉業、警備業が当該業種に係る事業を行う場合は3分の2 |
| 刈谷市中小企業求人情報発信支援事業補助金 | 2分の1・上限40万円 |
| 刈谷市中小企業合同企業説明会出展支援事業補助金 | 2分の1・上限30万円 |
| 知立市中小企業人材確保支援補助金 | 2分の1・上限20万円 |
| 安城市がんばる中小企業応援事業補助金(人材確保) | 50%・上限20万円。小間料と求人広告掲載料 |
| みよし市商工業活性化補助金(人材確保) | 50%・上限20万円。出展料と掲載料 |
刈谷市の2制度は、掲載料と出展料の枠としては県内で最も大きい部類です。例えば、今年度に求人サイトへの掲載と市外の合同説明会への出展を両方予定しているなら、別々の制度で申請して、合わせて70万円まで戻ります。
ただし求人情報発信支援のほうは、申請年度の前3年度間に同じ補助金を受けていないことが要件で、毎年は使えません。合同企業説明会出展支援のほうに受給歴の制限はなく、1年度30万円を限度に毎年使えます。
豊田市は業種によって補助率が3分の2に上がります。ただし上乗せの条件は「当該業種に係る補助事業を行う場合」で、業種に当てはまれば自動で上がるわけではありません。
刈谷市に事業所がある方は、掲載と説明会を別の制度で取れます。年度のはじめに、両方の申請時期を確かめておかれるとよいでしょう。
知多4市町の4制度
知多半島は1自治体1制度です。東浦町・知多市・南知多町は掲載料と出展料が対象で、制作費は入っていません。大府市だけは性格が違い、STATION Ai の会員企業が提供するサービスを使うことが条件になります。
| 制度 | 補助率と上限 |
|---|---|
| 東浦町中小企業活性化補助金(人材確保事業) | 2分の1・同一年度30万円 |
| 知多市がんばる中小企業応援補助金(人財力事業・人財採用事業) | 2分の1以内・上限10万円 |
| 南知多町中小企業者等応援補助金(人材採用事業) | 総額の2分の1以内・上限20万円 |
| 大府市がんばる事業者応援補助金(課題解決事業) | 2分の1以内・上限50万円。補助率は個別ページではなく制度概要ページに書かれている |
東浦町は上限30万円と手厚い一方で、対象経費に挙がっているのは小間料と求人広告媒体等への掲載料で、採用サイトや採用ツールの制作費は入っていません。ただし3つ目に「その他町長が必要と認める経費」があるので、費目の欄だけでは閉じ切りません。
南知多町は計画承認書の交付後に実施した経費だけが対象で、計画書の受付が先着順です。知多市も先着順で、その記載は案内PDFのほうにあります。
大府市の課題解決事業は少し性格が違います。対象がSTATION Ai会員企業の商品またはサービスを新たに活用する事業に限られていて、活用イメージには新卒採用マッチングの利用が挙げられています。制度の起点が、経費ではなく利用先のほうにあります。
知多は1自治体1制度です。自社の町の枠が費目で外れたら、同じ町の中で代わりを探しても出てこないでしょう。県の2件まで含めて見直すほうが早くなります。
東三河3市の11制度
3市しかないのに11件が集まっています。1自治体あたりで見ると県内でいちばん密度が高い地域で、そのうち8件は豊橋市のものです。
| 制度 | 補助率と上限 |
|---|---|
| 豊橋市就職サイト等活用事業費補助金(採用ホームページ改良事業) | 2分の1・上限20万円。事業着手前に申請。令和8年度からインターンシップ等の募集ページも対象 |
| 同(就職サイト掲載事業) | 2分の1・上限20万円。掲載終了後6か月以内、かつ2月末日までに申請 |
| 豊橋市副業・兼業マッチング支援事業費補助金 | 2分の1・上限5万円 |
| 豊橋市働きやすい職場づくり補助金 | 2分の1・上限10万円。1事業者1回のみ |
| 豊橋市工場見学施設整備支援補助金 | 2分の1以内・最大50万円 |
| 豊橋市UIJターン就業奨励金 | 対象の就業者1人につき10万円 |
| 豊橋市奨学金返還支援制度 | 本人への補助額の2分の1を企業が協力金として納付。3年間で上限54万円 |
| 豊橋市大型運転免許等取得支援補助金(商工業振興課) | 免許の取得が新規雇用の条件であること。令和6年度は60件・428万6千円が交付され、市の人材確保系でいちばん件数が多い |
| 令和8年度蒲郡市がんばる中小企業者応援事業費補助金(人材確保事業) | 2分の1・上限10万円 |
| 同(IT導入事業・ホームページの作成又は改修) | 2分の1・上限10万円 |
| 田原市中小企業者総合支援事業補助金(専門人材受入) | 2分の1・上限25万円。副業・兼業人材 |
豊橋市の8制度は、採用の始まりから入社後までを一通り並べた形になっています。募集の受け皿、媒体への露出、外部人材、入った人の支援、職場環境と、担当する場所が重ならないように分かれています。
工場見学施設整備支援補助金だけは、少し外れた場所にあります。見学者に渡すパンフレットや展示パネルの制作費が対象なので、会社を見てもらう場を作るところから採用を組み立てるなら使い道があります。ただし所管は商工業振興課ではなく産業政策課で、探す窓口のほうが変わります。
豊橋市に事業所がある方は、8件を頭から見ていくより、採用のどの場面で使うかを先に決めるほうが早いと思われます。8件は場面が重ならないように分かれているからです。
制度名で探すと外れる5つの型
制度そのものではなく、探し方のほうが原因で見つからない。46件を当たっていくと、その型が5つ出てきました。愛知県は、5つとも実例つきで揃っている県です。
「制度が無い」と「見つけられていない」は、別の状態です。後者を先に疑って動くほうが、当たる確率は上がります。
01. 名前に採用が入るのは1件
取りこぼしの原因として最も多いのがこれです。46件のうち制度名に「採用」を含むのは1件、「人材確保」まで広げても5件にとどまりました。
実際に多いのは、中小企業向けの総合補助金のメニューの1つとして埋まっている形です。知多市のがんばる中小企業応援補助金、東浦町の中小企業活性化補助金、尾張旭市の小規模企業等補助金は、いずれも他の目的の枠と同じ表の中に採用の枠が1行あります。
東浦町の場合、要綱の別表に並ぶのは人材確保・展示会出展・BCP・健康づくり・カーボンニュートラルの5事業で、設備投資の枠はありません。
検索に使う語は「採用」より「人材確保」のほうが当たりが多くなります。それでも41件はどちらの語も名前に持たないので、最後は担当課の補助金一覧を上から順に見ていく作業が残ります。
Tips|担当課の一覧ページにたどり着く検索語
自社の市町村名に「補助金 一覧」を足して検索すると、担当課のページに行き当たります。名称に採用の2文字が無くても、応援や活性化といった名前の表の中に、採用の枠が1行だけあることがあります。
02. 目的が販路開拓なら別の枠に入る
ホームページの制作費を見てくれる補助金は各地にありますが、その大半は目的の欄に販路開拓やPR、受発注の拡大を置いています。目的がそちらを向いている制度で、採用サイトが対象だと明記されている例はほとんどありません。
愛知県内では、尾張旭市がこの型にあたります。ホームページの開設・改修は「販路拡大」の枠にあって、柱書きは「事業拡大及び販路開拓を図るために行う以下の事業」です。目的が販路の側を向いています。
この枠は46件に数えていますが、確認が要る側です。用途を絞る語がないのは「自らの事業に関するホームページを開設または改修する事業」という事業名のほうで、目的と事業名のどちらで判定されるかは外から読むだけでは決まりません。
逆向きの例もあります。蒲郡市の交付要綱を横に並べると、販路開拓事業の3事業だけ名前に「販路開拓を目的とした」が付き、IT導入事業の3事業には付いていません。同じ要綱のなかで、目的の限定を掛ける区分と掛けない区分が書き分けられています。
こういう制度に採用サイトを当てにいくなら、発注より先に、目的と事業名のどちらで判定するのかを担当課に聞いておきましょう。着手してから対象外と分かっても、支払った分は戻ってきません。
03. 判定を分けるのは交付要綱のPDF
案内ページの本文だけで結論を出すと、判定が逆に振れることがあります。要綱を開くと結論が変わる制度が3つと、要綱集にしか載っていない制度が1市あります。
| 自治体 | 要綱にしか書かれていないこと |
|---|---|
| 愛知県 | 別表1 の「その他の経費」に自社のホームページと企業紹介動画の作成。案内ページとチラシには記載が無い |
| 豊田市 | 別表第2 の「人材確保のみを目的とした」という限定 |
| 蒲郡市 | 受付が先着順であること。交付要綱そのものが案内ページからリンクされていない |
| 春日井市 | 市内企業就職助成事業補助金と就労促進助成事業補助金の存在そのもの。要綱集に現行の交付要綱があるのに、企業支援ガイドにも人材確保の一覧にも出てこない |
案内が薄い制度ほど、要綱のほうに判断材料が集まっています。PDFを1本開くだけで結論が変わるなら、開いてしまうほうが早いでしょう。
反対に、知多市のように、要綱そのものを公開していない自治体もあります。この場合に読めるのは案内のページとPDF、それに様式までです。要綱で決着が付かない制度は、担当課に聞くのがいちばん早いと考えておきましょう。
春日井市の2件は、要綱の中身ではなく制度そのものが一覧から抜けていた例です。どちらも条文の第1条に人材確保と採用が書かれていて、令和6年度には市内企業就職助成が2件・10万円、就労促進助成が4件5人・100万円の交付実績があります。
令和8年度も受け付けているかどうかは、経済振興課に確かめる前提で46件に入れました。企業向けの一覧に出てこない枠は、要綱集の索引を開くと見つかることがあります。
04. 所管が労働の部署とは限らない
制度を探すとき、たいていは商工振興課や労働雇用課の一覧から入ります。ところが、その一覧に並ばない制度が実際にあります。
豊橋市がその実例です。人材確保の制度は、商工業振興課が8件まとめてチラシにしています。ただし、そのチラシに載っているものだけが採用に使える制度ではありません。
パンフレットや展示パネルの制作費が対象になる工場見学施設整備支援補助金は、産業政策課の所管です。人材確保のチラシには入っていません。同じ市役所の中で、担当課が分かれています。
チラシの中にも線があります。人材育成研修応援補助金と技能労働者認定職業訓練交通費補助金は、入った人の研修に出る枠で、採用の条件が付いていません。一方、大型運転免許等取得支援補助金は免許の取得が新規雇用の条件なので、採用の枠に入ります。
大府市の課題解決事業も、名前からは採用に結び付きません。採用に使える制度が労働・雇用の担当課に揃っているとは限らないので、商工の一覧で見つからなかった方は、産業政策や福祉の担当課も一度開いてみるとよいでしょう。
05. 申請の前に済ませる手続きがある
もう1つの型が、交付申請の前に別の手続きを済ませておく必要がある場合です。愛知県はこの型が目立ちます。多くは市役所の外の窓口を通りますが、同じ役所の中で先に承認を取る形もあります。
| 制度 | 先に通るところ |
|---|---|
| 愛知県中小企業人材確保採用力強化支援事業補助金 | 採用戦略支援塾と伴走型支援。事務局は県の委託業者 |
| 小牧市副業・兼業人材活用支援補助金 | 愛知県プロフェッショナル人材戦略拠点での事前相談 |
| 東郷町小規模企業及び中小企業振興補助金 | 商工会または金融機関の確認書 |
| 南知多町中小企業者等応援補助金 | 計画書を提出して計画承認書の交付を受けること(提出先は交付申請と同じ町長・産業振興課で、外部の窓口ではありません) |
| 豊橋市奨学金返還支援制度 | 愛知県の奨学金返還支援制度への企業登録 |
| 豊橋市UIJターン就業奨励金 | あいちUIJターン支援センターへの移住支援金対象求人の掲載 |
少なくとも8件は、申請書を出す前に別の手続きを済ませておく必要があります。上の表のほかに、豊橋市の就職サイト掲載事業はあいちUIJターン支援センターのウェブサイトへの求人掲載が要件です。
名古屋市のスタートアップ企業支援補助金も、公的支援機関・士業・認定経営革新等支援機関・金融機関のいずれかの支援を受けていることが要件になっています。
その手続きにはそれぞれ締切や所要日数があるため、補助金の締切からさかのぼって日程を組むだけでは間に合いません。窓口が市役所の外にあるだけで、中身は市の制度とそのまま同じというものもあります。
今年度のうちに使いたい方は、補助金の締切は当てにならないと考えて、先に通す手続きの締切から予定を組むほうが早いはずです。
Tips|先に通す手続きがあるかどうかの見当のつけ方
案内ページに「事前」「登録」「認定」「承認」「相談」のいずれかが出てきたら、補助金の締切より手前にもう1つ締切があると考えて動きます。その窓口と所要日数を先に電話で押さえておくと、今年度に間に合うかどうかがその場で分かります。
4件の補助より、載せる中身のほうが応募を分ける
2026年8月時点で確認できた県内46制度のうち、採用サイトの制作費が費目に入るのは4件です。上限は10万円か20万円、補助率はおおむね2分の1。制度が軽くするのは税抜40万円までの半分で、要件を満たしていても予算が尽きていれば交付は決まりません。
一方で、掲載料を拾う制度は18、説明会の出展料は19あります。人を呼ぶ費用にはこれだけ枠があるのに、呼んだ先で読ませる中身に向いているのは4件だけです。だから戻る額を追うより、載せる中身を先に決めるほうが、返ってくるものは大きいはずです。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。