2026.11.02
【上限10万円】滋賀県「中核人材定着補助金(奨学金返還支援)」は何に使える?時期を解説!
若手の奨学金返済を手当で支えようと、滋賀県産業支援プラザの「中核人材定着補助金(奨学金返還支援)」を調べ始めた会社が、最初に確かめたいのは対象になる社員の入社時期です。令和7年3月31日までに雇った人かどうかで、申し込む補助金そのものが分かれます。
本記事では、2026年10月時点の県の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!
この記事でわかること
- 令和7年3月までに雇った社員の手当から、会社にいくらまで戻るのか
- 新しく採った社員の手当や募集の費用は、この補助金で見てもらえるのか
- 新しく採る人には届かない補助金の外で、どう応募を獲得するか
滋賀県には、県と市町の両方に採用や雇用に出る制度があります。市町の制度まで見比べたい方は、自治体別に整理した記事からどうぞ。
【2026年度・12選】「滋賀県」で採用活動に使える補助金は?求人掲載・転職フェア・人材紹介の費用をまとめて紹介!
滋賀県で求人広告や転職フェアにお金をかけたい。そう思って市のサイトの「産業・ビジネス」から補助金の一覧をたどっても、採用に使えそうな制度が出てこない……。そこで手が止まっている方は多いと思います。 県と19市町の制度を1つずつ確かめると、採用活動の費用に使える制度は12件ありました。求人サイト
※本記事は各自治体公式ページの内容を元に、「より分かりやすく」を趣旨にまとめさせていただいたものです。記載の内容については、一切の責任を負いかねますので、必ず申請前には各自治体の担当窓口までご相談いただきますようお願いいたします。
中核人材定着補助金(奨学金返還支援)の概要

出典: 滋賀県産業支援プラザ「令和8年度 中核人材定着補助金(奨学金返還支援)」のページ(2026年10月時点)
「中核人材定着補助金(奨学金返還支援)」で見てもらえるのは、県内に事業所がある中小企業等が、令和7年3月31日までに雇った35歳以下の社員へ払う奨学金返済の手当です。払った手当の2分の1が、1人月7,500円・1社10万円を上限に会社へ戻ります。
| 補助金名 | 令和8年度 中核人材定着補助金(奨学金返還支援) |
|---|---|
| 相談先 | 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ 総務企画部 企画・DX推進課(電話: 077-511-1411) |
| 補助対象 | 令和7年3月31日以前に雇った社員に、奨学金返済の支援として払った手当等。会社が本人に代わって返す代理返済も対象 |
| 補助上限(補助率) | 社員1人あたり月額7,500円・総額10万円まで(手当等の2分の1) |
| 期限 | 令和9年1月29日(金)まで随時受付・原則電子申請。交付決定の前に払い始めた手当は原則対象外。予算上限に達した時点で終了 |
注意したいのは、求人広告費や求人サイトの掲載料、採用サイトの制作費には使えないことです。交付要領の別表1は、補助対象経費を社員の奨学金返済のための手当等と代理返済の経費に限っています。
対象は県内に事業所がある中小企業等
申請できるのは、滋賀県内に事務所か事業所があり、申請日の時点で事業を営んでいる中小企業等です。中小企業基本法の中小企業者のほか、特定非営利活動法人や農事組合法人、社会福祉法人等も含まれます。
申請するには、手当か代理返済で奨学金返済を支える決まりが、社内の規程に書かれている必要があります。案内ページは、自社の採用・育成方針などを社内外に発信していることも条件に挙げています。
同じ大企業が株式の2分の1以上を持つ会社のように、大企業の支配下にある中小企業者等は外れます。県税に未納がある会社や、国・県・市町が運営する施設も対象外で、性風俗関連の営業や暴力団と関わりのある者も申請できません。
対象の社員は令和7年3月までに雇った人
社員の条件は、まず雇い方・入社の時期・年齢・勤務地で見ます。期間の定めのない雇用で、令和7年3月31日までに雇い、令和9年3月31日に35歳以下で、県内の事業所で働いている人が対象です。
奨学金を返済中か、今年度から返し始める予定であることも条件です。年度の終わりの3月31日に同じ会社で雇われていることが求められ、役員や、個人事業主とその親族(働き方がほかの社員と同じ人を除く)は外れます。
奨学金は、大学や短大、高専、専修学校の専門課程、大学院で借りたものです。借りた先は日本学生支援機構に限らず、地方公共団体や大学、民間の団体でも構いません。県の財源による別の返済支援を受けている人は、この補助金の対象になりません。
令和7年4月1日以後に雇った社員は、奨学金を返していてもこの補助金では見てもらえません。
令和7年3月までに入った35歳以下で、奨学金を返している社員が社内にいない会社もあるでしょう。その場合は、国の助成金と自治体の補助金を並べた記事から、採用や定着に使える制度を探し直せます。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
補助が出るのは返済に会社がお金を出した場面だけ
会社が社員の返済に出すお金は、本人への手当でも、貸主への代理返済でも補助の対象になります。代理返済は、会社が社員に代わって、日本学生支援機構などの貸主へ直接返す形です。どちらの形でも、社内の規程にもとづいて年1回以上払うことが前提です。
補助は手当等の2分の1が基本です。社員1人ずつ、その年度の返済予定額の2分の1、その年度に払う手当等の2分の1、月7,500円に支援する月数をかけた額を比べ、いちばん低い額が補助になります。1円未満は切り捨てです。
社員ごとの額を足し、10万円を超えた分は補助になりません。社員が別の団体からも手当等の2分の1を超える支援を受けているときは、超えた分が補助から差し引かれます。対象になる期間は申請した年度の3月31日までで、年度の途中で県外の事業所へ移った社員は、県内にいた期間の分だけです。
逆に、次の場面では出ません。
- 正社員の募集で、求人媒体に広告を出した
- 採用サイトや採用動画、パンフレットを作った
- 採用活動の代行を外部に頼んだ
- 合同説明会や就職イベントに出展した
お金が出るのは人を集める場面ではなく、入った人を年度末の3月31日まで引き留めた側です。広告やサイト、説明会は入社前の人に向けた支出なので、補助の計算には出てきません。手当を受け取った社員がその日を待たずに辞めると、その社員の分も外れます。要領も、この事業の目的を若手中核人材の「定着」としています。
ほかの団体の支援を受けている社員は、計画を書く前に額を聞いておく
社員本人が別の団体から返済の支援を受けていると、その額しだいで補助が減ります。事業計画書に社員ごとの額を書く前に本人へ聞いておくと、計画と実績で額が食い違うのを防げるはずです。
申請は手当を払い始める前に出す
申請の受付は随時で、令和9年1月29日(金)まで、予算の上限に達するまでです。事務局へ原則として電子申請で出し、書類は交付申請書のほかに6点で、手当の決まりを書いた規程や納税証明書などです。
手当の支払いは、プラザの交付決定を受けてから始めるのが原則です。どうしても先に払う事情があるときは、事前着手申請を出して承認を得れば、その年度の4月1日以降に払った分まで認められます。
手当を払う途中では、社員が計画どおりに奨学金を返しているかを会社が確かめます。
年度の支援を終えたら、完了から30日以内か令和9年4月10日の早いほうまでに実績報告書(兼交付請求書)を出します。手当を払った月ごとの賃金台帳や給与明細、代理返済なら送金の記録の写しと、3月31日に県内の事業所にいることの報告を付けます。補助金は額が確定したあとに会社へ支払われる、後払いの形です。
令和7年4月以後に雇った人は別の補助金
令和7年4月1日以後に雇った社員の手当は、プラザの別の補助金で見ます。それが「若年層等人材確保・定着補助金(奨学金返還支援)」で、率は同じ2分の1ですが、会社が「三方よし宣言」をしていることが条件に加わり、総額の上限や対象にできる人数も違います。
参考記事:『【上限45万円】滋賀県「若年層等人材確保・定着補助金(奨学金返還支援)」は何に使える?条件を解説!』
プラザには、制度を規程に定めて求人活動をした会社に一律の額を出す「奨学金返還支援制度導入促進支援金」もあります。こちらは手当の額に応じた補助ではありません。
草津市の上乗せはプラザの交付決定が先
草津市には、プラザの奨学金返還支援を受けている市内の中小企業等が申し込める「草津市奨学金返還支援補助金」があります。市に出す申請書には、プラザの交付決定通知書の写しを付けます。
令和7年3月31日以前に雇い、市内の事業所で働く社員の分は市の「中核人材支援事業」で、返済の支援に充てた経費からプラザの交付額を引いた残りの2分の1が補助されます。上限は1人月3,750円、1社5万円です。
申請は令和8年6月8日から令和9年3月31日までで、郵送か持参で商工観光労政課(電話: 077-561-2351)へ出します。市税の未納がある会社は申請できません。
参考記事:『【22.5万円】「草津市奨学金返還支援補助金」は何に使える?県との順番を解説!』
長浜市の奨学金返済支援の補助金は、令和7年4月1日以降の採用で雇った人が対象で、この補助金の社員とは重なりません。ほかの市町に会社向けの上乗せがあるかは、事業所のある市町の窓口で聞いてみてください。
まずは補助金活用の前に、「どう応募を獲得するか?」を考えよう!
社員が何人いても、プラザから会社に戻るのは年度で10万円までです。
しかも計算に入るのは令和7年3月31日までに入社した社員の手当で、これから迎える人の分は1円も入りません。次の採用で人を迎えられるかを握っているのは、どう応募を獲得するかです。
採用活動は、もう「片手間」では回りません…
その「どう応募を獲得するか」は、いまは空いた時間で片付く話ではなくなっています。採れる人そのものが減って、残った人の取り合いになっているからです。
①働き手が減り、若い人は都市部へ出ていく
15〜64歳の人口は7329万人で、1年で26万5千人減りました。そのうえ20〜24歳の若い層は、4年続けて、東京圏以外のどの道府県からも東京圏へ流れ出ています。少ないパイを、地方の会社同士で取り合う構造です。
参考サイト:『総務省「人口推計」(2026年3月1日現在・確定値)』『総務省「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」(日本人移動者)』
②求人は求職者の2倍を超え、応募は取り合いになる
実際、滋賀県の新規求人倍率は2026年7月時点で2.21倍です。ひと月に新しく出てくる求人だけで、新たに仕事を探し始めた人1人あたり2件を超えます。取り合いに負ければ、人は入ってきません。
全国で正社員が足りないと答えた企業は51.3%です。建設では66.0%、運輸・倉庫では65.6%で、業種によっては3社のうち2社が足りないと答えています。同じ求人を同じように出していては、この取り合いからは抜けられません。
参考サイト:『厚生労働省「一般職業紹介状況」(2026年7月・季節調整値・就業地別。都道府県別はJILPT公表値)』『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』
③仕事はあっても人がいない、で終わってしまう
人手不足をたずねた調査では、たとえば「工事案件はあるが、原材料の高騰と人を集めることが困難で、受注したくてもできない状況」(土木建築サービス)という声が出ています。採れないことが、そのまま仕事の取りこぼしになります。
採れないあいだにも、いま居る人が辞めることはあります。「1人採れれば足りる」と構えると、辞めた分を埋めるだけで終わります。募集は、事業を続ける限り止まりません。採用は片手間の仕事ではなく、会社を続けるための経営戦略です。
参考サイト:『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』
採用が厳しい地域でも、3か月で応募17人・内定3人
地方採用ワークスでご支援した例を1つご紹介します。
岐阜県大野郡白川村の、従業員20名ほどの総合建設会社様では、支援開始から3か月で応募が17人、うち3人の内定に至りました。有資格者の採用にもつながっています。
足りないと答えた企業が66.0%に上る建設で、しかも採用が厳しい地域での結果です。同じ結果をお約束できるものではありませんが、条件が厳しくても、打ち手は残っています。
地方採用ワークスは、都市部より母数が少ない地方の採用を専門に、数多くの企業様をご支援してきた会社です。地方の企業が中心ですが、都市部の企業様からのご依頼もいただいています。採用ブランディングの設計から採用サイトの制作、応募を獲得したあとの一次面接やフォローまでをご支援しています。
いまの状況をお聞かせいただければ、どう応募を獲得するかの設計から、ご一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。