2026.11.02
【年9万円】「とちぎ奨学金返還企業応援事業(助成金)」は何に使える?時期を解説!
栃木県の「とちぎ奨学金返還企業応援事業(助成金)」は、社員の奨学金返還を支えた年が明けてから、1月に受付が開く助成金です。今年のうちに払う手当がどう数えられ、いつ会社に戻るのかが見えず、規程づくりに手を付けるか決めかねている会社もあると思います。
本記事では、2026年10月時点の県の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!
この記事でわかること
- 令和8年のうちに社員の返還を支えた額から、1人いくらが会社に戻るのか
- 求人広告や採用サイトにかけた費用は、要綱の対象経費に入るのか
- 優先の順番が回ってきても残る、どう応募を獲得するかの問い
栃木県には、県と市町の両方に採用や雇用に出る制度があります。市町の制度まで見比べたい方は、自治体別に整理した記事からどうぞ。
【2026年度・9選】「栃木県」で採用活動に使える補助金は?採用ページ・求人広告・説明会の費用をまとめて紹介!
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※本記事は各自治体公式ページの内容を元に、「より分かりやすく」を趣旨にまとめさせていただいたものです。記載の内容については、一切の責任を負いかねますので、必ず申請前には各自治体の担当窓口までご相談いただきますようお願いいたします。
とちぎ奨学金返還企業応援事業(助成金)の概要

出典: 栃木県「とちぎ奨学金返還企業応援事業(助成金)」のページ(2026年10月時点)
「とちぎ奨学金返還企業応援事業(助成金)」を使うと、社員の奨学金返還を、手当か、会社が貸与機関へ代わりに返す代理返還で支えた県内の会社に、令和8年の1年間に支えた額の2分の1が、1人年9万円まで県から戻ります。申請は支えた年が明けた1月から2月で、新しく出せる社員は1社3名分までです。
| 補助金名 | とちぎ奨学金返還企業応援事業(助成金) |
|---|---|
| 相談先 | 栃木県 産業労働観光部 労働政策課 雇用対策担当(電話: 028-623-3224) |
| 補助対象 | 就業規則等にもとづき、令和8年1月1日〜12月31日に社員へ行った奨学金返還の金銭支給(手当)と、貸与機関への代理返還の額 |
| 補助上限(補助率) | 2分の1(千円未満切り捨て)。社員1人あたり年9万円まで。新しく申請できるのは1社3名分まで。同じ社員は最大3年間 |
| 期限 | 令和9年1月4日(月)〜2月26日(金)に県の電子申請システムで申請。申請順に受け付け、実績のない企業等を優先して予算の範囲内で交付 |
注意したいのは、求人媒体の掲載料や求人広告費、採用サイトづくりの費用には、この助成を使えないことです。要綱の別表1にある対象経費は1行だけで、社員の返還を支えた金銭支給と代理返還の額しか書かれていません。
対象は県内に勤務地がある会社と団体
県内に勤務地があれば、本社が県外にある中小企業も対象に入ります。中小企業かどうかは、中小企業基本法第2条第1項の中小企業者の範囲で見ます。大企業は県内に本社や本部の機能がある場合に限られ、医療機関などは本部が県外でも対象です。
手当か代理返還のどちらで支えるかを、就業規則などの文書に書いておくことが条件です。県は就業規則と社内規定の記載例を公開していて、細かい書き方は社内の法規担当か社会保険労務士などに相談するよう案内しています。
暴力団と関わりのある事業者や、破産・民事再生などの申立て中の事業者、性風俗関連の営業は外れます。県税の滞納がある会社や、労働基準法などの労働関係法令に違反している会社も対象になりません。
支援対象者は県内に住む35歳未満の正社員
申請の日に県内に住み、県内の勤務地で正規雇用として働いている社員が対象です。正規雇用は期間の定めのない雇用で、賞与や退職金、手当などがほかの正社員と同じ扱いの人を指します。
令和8年分の申請で数えられるのは、令和9年3月31日にまだ35歳になっていない社員です。奨学金は日本学生支援機構の第一種・第二種、栃木県育英会の一般奨学金、そのほかの貸与型で、申請の日に滞納なく返している必要があります。
県のよくある質問によると、返還を猶予している社員、申請の前に辞めた社員、県外に住んで県内に通う社員は対象外です。育児休業や介護休業で休んでいても、会社が支えて本人が実際に返していれば対象になります。公務員と、県の「とちぎ未来人材応援奨学金支援助成金」で支給対象者の認定を受けた社員も外れます。
県内に住む35歳未満で返還中の正社員がいない会社には、この助成金は額が出ません。人を雇い入れたことに出るお金を探すなら、国の助成金も候補に入ると思います。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
補助が出るのは前年の返還を会社で支えた場面だけ
助成の計算に入るのは、令和8年1月1日から12月31日までに社員の返還のために会社が出した額です。出し方は2通りで、返還に充てるお金を社員本人に払う金銭支給と、会社が本人に代わって日本学生支援機構などへ直接返す代理返還です。
どちらもその額の2分の1が助成され、千円未満は切り捨て、社員1人あたり年9万円が上限です。毎月払うか年1回にまとめるかなど、支給の頻度や期間に県の決まりはありません。
例えば、年12万円ずつを3人に出した会社なら、県のよくある質問の計算で助成は1人6万円、合わせて18万円です。年20万円・12万円・3万円の3人なら、1人目は上限で止まって9万円、残りが6万円と1.5万円で、合計16.5万円になります。
同じ社員への助成は、対象になった最初の月から連続した36か月間、最大3年間です。県の例では、令和7年10月から支え始めた会社が、令和7年の3か月分から令和10年の9か月分まで、4回の申請に分けて受ける形です。35歳未満の条件は、申請のたびに見直されます。
逆に、次の場面では出ません。
- 正社員の募集で、求人媒体に広告を出した
- 採用サイトや採用動画、パンフレットを作った
- 採用活動の代行を外部に頼んだ
- 合同説明会や就職イベントに出展した
要綱が増やそうとしているのは、魅力ある福利厚生制度を持つ県内の会社です。求人広告を出しても採用サイトを作っても、社員の返還を軽くする決まりは社内に1つも増えません。助成金が付くのは、その決まりを文書にして実際に払った会社のほうです。
支え始めた月が年の途中でも、その年の分から申請できる
県の例では、10月から支え始めた会社が、その年の3か月分を翌年の申請で出しています。これから規程を作る会社は、令和8年の残りの月に払う分を令和9年1月の申請に入れられるかを、払い始める前に県の雇用対策担当へ聞いておくとよいでしょう。
申請は支えた翌年の1月4日から2月26日
申請は、支えた年が明けてから、払った実績をまとめて1回で出します。要綱は、交付申請書を出せば実績報告も済んだものとみなします。令和8年分の受付は令和9年1月4日(月)から2月26日(金)までです。県の電子申請システムから出す形で、システムは2026年10月時点では準備中です。
書類は交付申請書や支援対象者名簿など共通の6点に、金銭支給なら2点、代理返還なら1点を足します。県の目安では、3月中旬に交付決定、4月上旬に請求書を出し、4月下旬に支払いです。令和8年分の助成が会社に入るのは、令和9年4月下旬の見込みです。
受付は申請の順ですが、交付決定はこの事業で実績のない会社から先に回ります。県の図では、1月20日に出した前年度の申請者より、2月15日に出した初めての会社のほうが先に並んでいます。新しく募る社員は60名程度で、予算の上限を超えると締め切られることもあります。
令和7年度に交付が決まった社員を続けて申請する分は、要件を満たせばこの順番に関わらず交付が決まり、新しい3名分とは別に数えます。
制度を設けた会社は、県のホームページやSNSで紹介されます。県の案内ページには、この事業の申請実績がある会社とそのほかの導入企業が分けて並び、掲載を希望する会社は労働政策課へ連絡する形です。
市町の制度は栃木市が別建て・宇都宮市は併用可
栃木市に事業所がある会社には、市の「栃木市中小企業者等奨学金返還支援事業費補助金」もあります。県の助成金とは、別々に申請する別建ての制度です。市は手当や代理返還の額の2分の1を社員1人あたり年10万円・1社年30万円まで補助し、対象は市内に住んで市内で働く35歳以下の社員です。
市の令和8年度分は、8月31日で受付を終えています。県の要綱は、助成の対象にした支援の額に、ほかの助成金を重ねて受けることを認めていません。市も、ほかの自治体の補助の対象になった手当を計算から除きます。
両方に当てはまりそうな会社は、令和9年1月に県へ申請する前に、県の雇用対策担当と市の中小企業支援係(電話: 0282-21-2759)へ、同じ社員の手当をどう扱うかを聞いておいてください。
参考記事:『【年10万円】「栃木市中小企業者等奨学金返還支援事業費補助金」は何に使える?対象を解説!』
宇都宮市と足利市の奨学金返還の補助は、登録した会社が手当を払った社員本人に市が出す形です。県のQ&Aは、宇都宮市の制度を個人への給付で県の助成と重ならないとして、両方使える例に挙げています。県の案内は、制度によっては併給できない場合もあるとしています。
まずは補助金活用の前に、「どう応募を獲得するか?」を考えよう!
県が令和8年度に新しく受け付ける支援対象者は、60名程度です。交付が先に決まるのは、この事業でまだ実績のない会社です。
優先の順番が回ってきても、新しい3名分の枠に出せる社員がいなければ、助成の額はゼロです。採った人の分も、支えた年が明けてからの申請で数に入ります。令和8年のうちにどう応募を獲得するかが、3名分の枠を埋めるかどうかを決めます。
採用活動は、もう「片手間」では回りません…
その「どう応募を獲得するか」は、いまは空いた時間で片付く話ではなくなっています。採れる人そのものが減って、残った人の取り合いになっているからです。
①働き手が減り、若い人は都市部へ出ていく
15〜64歳の人口は7329万人で、1年で26万5千人減りました。そのうえ20〜24歳の若い層は、4年続けて、東京圏以外のどの道府県からも東京圏へ流れ出ています。少ないパイを、地方の会社同士で取り合う構造です。
参考サイト:『総務省「人口推計」(2026年3月1日現在・確定値)』『総務省「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」(日本人移動者)』
②求人は求職者の2倍を超え、応募は取り合いになる
実際、栃木県の新規求人倍率は2026年7月時点で2.28倍です。ひと月に新しく出てくる求人だけで、新たに仕事を探し始めた人1人あたり2件を超えます。取り合いに負ければ、人は入ってきません。
全国で正社員が足りないと答えた企業は51.3%です。建設では66.0%、運輸・倉庫では65.6%で、業種によっては3社のうち2社が足りないと答えています。同じ求人を同じように出していては、この取り合いからは抜けられません。
参考サイト:『厚生労働省「一般職業紹介状況」(2026年7月・季節調整値・就業地別。都道府県別はJILPT公表値)』『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』
③仕事はあっても人がいない、で終わってしまう
人手不足をたずねた調査では、たとえば「工事案件はあるが、原材料の高騰と人を集めることが困難で、受注したくてもできない状況」(土木建築サービス)という声が出ています。採れないことが、そのまま仕事の取りこぼしになります。
採れないあいだにも、いま居る人が辞めることはあります。「1人採れれば足りる」と構えると、辞めた分を埋めるだけで終わります。募集は、事業を続ける限り止まりません。採用は片手間の仕事ではなく、会社を続けるための経営戦略です。
参考サイト:『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』
採用が厳しい地域でも、3か月で応募17人・内定3人
地方採用ワークスでご支援した例を1つご紹介します。
岐阜県大野郡白川村の、従業員20名ほどの総合建設会社様では、支援開始から3か月で応募が17人、うち3人の内定に至りました。有資格者の採用にもつながっています。
足りないと答えた企業が66.0%に上る建設で、しかも採用が厳しい地域での結果です。同じ結果をお約束できるものではありませんが、条件が厳しくても、打ち手は残っています。
地方採用ワークスは、都市部より母数が少ない地方の採用を専門に、数多くの企業様をご支援してきた会社です。地方の企業が中心ですが、都市部の企業様からのご依頼もいただいています。採用ブランディングの設計から採用サイトの制作、応募を獲得したあとの一次面接やフォローまでをご支援しています。
いまの状況をお聞かせいただければ、どう応募を獲得するかの設計から、ご一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。