2026.11.02
【年10万円】「栃木市中小企業者等奨学金返還支援事業費補助金」は何に使える?対象を解説!
※本補助金については、2026年10月14日時点で公募を締め切っています。
奨学金を返している社員に手当を出している栃木市内の会社には、市がその半分を補助する制度があります。令和8年度の申請は8月31日で締め切られ、県にも会社向けの助成金が別にあるので、自社の誰の分がどちらで見てもらえるのかを取り違えやすい制度だと思います。
本記事では、2026年10月時点の市の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!
この記事でわかること
- 手当でも代理返還でも、支えた額のうち会社に戻るのは年いくらまでか
- 募集にかかった費用も、手当と同じ2分の1の計算に入れられるのか
- 60月で止まる補助の先にある、どう応募を獲得するかという採用の本題
栃木県の奨学金の助成金やほかの市町の制度と見比べたい方は、県内の制度を自治体別に整理した記事からどうぞ。
【2026年度・9選】「栃木県」で採用活動に使える補助金は?採用ページ・求人広告・説明会の費用をまとめて紹介!
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※本記事は各自治体公式ページの内容を元に、「より分かりやすく」を趣旨にまとめさせていただいたものです。記載の内容については、一切の責任を負いかねますので、必ず申請前には各自治体の担当窓口までご相談いただきますようお願いいたします。
栃木市中小企業者等奨学金返還支援事業費補助金の概要

出典: 栃木市「栃木市中小企業者等奨学金返還支援事業費補助金のご案内」のページ(2026年10月時点)
「栃木市中小企業者等奨学金返還支援事業費補助金」は、市内に事業所がある中小企業者等が、奨学金を返している社員の返還を会社の制度として支えたときに使える補助金です。手当として渡した額も、貸与機関へ代わりに送った額も、その2分の1を市が補助します。上限は社員1人あたり年10万円、1社で年30万円です。
| 補助金名 | 栃木市中小企業者等奨学金返還支援事業費補助金 |
|---|---|
| 相談先 | 栃木市 商工振興課 中小企業支援係(電話: 0282-21-2759) |
| 補助対象 | 就業規則などにもとづき、奨学金を返している社員へ支給した手当等の額。会社が貸与機関へ代わりに返す代理返還は送金した額 |
| 補助上限(補助率) | 2分の1(1,000円未満切り捨て)。社員1人につき年10万円、1社につき年30万円まで(対象の社員の人数制限なし) |
| 期限 | 令和8年度の交付申請は令和8年8月31日(月)まで(受付終了)。初めての申請は事前相談が必須。実績報告は令和9年3月31日(水)まで。予算の上限に達した時点で受付終了 |
注意したいのは、求人広告の掲載料や採用サイトの制作費、採用活動の委託費には使えないことです。申請で出す事業計画書は、社員ごとに返還の予定額と支援の予定額を書き込む作りになっています。
対象は市内に事業所を持つ中小企業者と4種の法人
市内に事業所がある中小企業者のほか、社会福祉法人、医療法人、学校法人、特定非営利活動法人も申請できます。市税を滞納している会社と、暴力団と関わりのある会社は外れます。
奨学金返還支援の実施を、就業規則や賃金規則などに定めていることが前提です。市のよくある質問は、支給する社員の範囲、支給の時期、金額を書くよう求めていて、記載例も載せています。常時10人未満で就業規則が無い会社向けには、社内規定の形の例があります。
中小企業者の条件は中小企業基本法第2条第1項から引かれていて、市の申請方法の資料が業種別の数字をそのまま載せています。資本金と従業員数のどちらか一方が収まっていれば中小企業者です。
| 業種分類 | 資本金の額または出資の総額/常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 製造業その他 | 3億円以下/300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下/100人以下 |
| サービス業 | 5千万円以下/100人以下 |
| 小売業 | 5千万円以下/50人以下 |
対象の社員は市内に住んで働く35歳以下
期間の定めのない雇用で、市内の事業所で働き、市内に住んでいる社員が対象です。奨学金は、日本学生支援機構のほか、地方公共団体や大学、民間企業などが貸すものも入ります。
年齢は申請する年度の末日で見るので、年度末に36歳になる社員はその年度から外れます。市のよくある質問は、令和8年7月に申請するなら令和9年3月31日の時点で35歳以下かを見る、という例を挙げています。
奨学金の返還について、市や国、ほかの自治体から同じ種類の補助や給付を受けている社員も、対象になりません。
市内に住む35歳以下で奨学金を返している社員がいない会社では、この補助金は動きません。採用そのものにお金が出る制度は、国の助成金にも見つかるかもしれません。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
補助が出るのは規則どおり返還を支えた場面だけ
手当で渡しても代理返還で送っても、市はその額の2分の1を年度ごとに補助します。手当は社員本人に払う形で、毎月でも賞与に合わせてでも、年1回でもかまいません。代理返還は、会社が社員に代わって貸与機関へ返す形で、送金した額が計算のもとになります。
補助は1,000円未満を切り捨て、社員1人につき年10万円、1社につき年30万円が上限です。対象の社員の人数に制限はありません。
例えば市のよくある質問は、3人にそれぞれ年12万円を支えた会社には、6万円ずつで合計18万円が出るとしています。4人に年24万円・15万円・15万円・10万円を支えた例では、10万円(上限)・7.5万円・7.5万円・5万円で合計30万円です。
同じ社員に補助が付くのは、最初に支援した月から60月までで、返還がそれより早く終われば、その月までです。会社の規程が60月より長い支援を定めていても、超えた期間は補助されません。国やほかの自治体の補助の対象になった手当の分も、計算から除かれます。
逆に、次の場面では出ません。
- 正社員の募集で、求人媒体に広告を出した
- 採用サイトや採用動画、パンフレットを作った
- 採用活動の代行を外部に頼んだ
- 合同説明会や就職イベントに出展した
市への申請には、対象の社員一人ひとりの住民票の写しを原本で添えます。市が添付で確かめるのは、市内に住む社員が誰かであって、募集にいくら使ったかではありません。市内に定着する人材の確保という市の目的が、この添付書類にそのまま表れています。
規程の支援期間は、60月と36歳の年度を並べて決める
会社の規程が手当を長く約束していても、補助が付くのは60月までで、年度末に36歳になる年度からは外れます。そこから先の手当は会社だけで払う形になるので、規程の期間と額は、補助が切れたあとの負担まで見込んで決めるのが無難でしょう。
申請は8月31日までの計画と年度末の実績の2回
1回目の申請は年度の途中で、その年度に払う予定の額をもとに出します。初めて申請する会社は、商工振興課 中小企業支援係への事前相談が必須です。令和8年度の交付申請は、対象の社員全員分をまとめて8月31日まで受け付け、予算の上限に達した時点で終わる形でした。
書類は申請書と事業計画書を含めて7点で、社員の住民票の写しや、手当の支給根拠が分かる就業規則なども入ります。押印や原本の書類があるため、メールでは出せません。
交付が決まったあとに社員が辞めたり、対象の社員が増えたり、手当の額が変わったりしたときは、変更申請を出します。予算の上限に達していると、増額の変更が認められないこともあります。
最後の手当を払い終えたら、実績報告と補助金の請求を令和9年3月31日までに出し、そのあと補助金が会社に入ります。1年ごとに補助する事業なので、同じ社員で続けて受けるには毎年度の申請が要ります。
県の助成金は上乗せではなく別建ての制度
栃木県にも、社員の奨学金返還を支えた会社に出る「とちぎ奨学金返還企業応援事業」があります。令和8年1月1日から12月31日までに会社が負担した支援額の2分の1を、社員1人あたり9万円まで助成する制度で、1社3名までです。
県の対象は、県内に住み、県内の勤務地で正規雇用として働き、令和9年3月31日時点で35歳未満の社員です。申請は令和9年1月4日から2月26日まで県の電子申請システムで受け付け、新規の募集は60名程度で、実績のない企業等が優先されます。
県の助成金は市の補助に足される額ではなく、会社がそれぞれに申請する別の制度です。市は国やほかの自治体の補助の対象になった手当を計算から除き、県も同じ費用に他の助成金を重ねることを認めていません。市の交付申請書には、県の審査のために補助の情報を県へ渡す同意も入っています。
申請の時期も違い、令和8年度の市は8月31日までに予定額で、県は支援した年の翌年1月から2月に実績で申請する形です。社員ごとに市と県のどちらへ出すかは、市の中小企業支援係と県の労働政策課 雇用対策担当(電話: 028-623-3224)の両方に聞いてから決めるのがよいと思います。
参考記事:『【年9万円】「とちぎ奨学金返還企業応援事業(助成金)」は何に使える?時期を解説!』
まずは補助金活用の前に、「どう応募を獲得するか?」を考えよう!
市の年10万円は、同じ社員について最初の支援から60月で止まります。
今いる社員の分が60月か年齢で外れても、条件に合う若手を新たに迎えれば、その分を補助の対象に加えられます。事業計画書の社員の欄は、応募が来て雇ったあとでないと埋まりません。次の名前を書き込みたいなら、どう応募を獲得するかは今から描いておけます。
採用活動は、もう「片手間」では回りません…
その「どう応募を獲得するか」は、いまは空いた時間で片付く話ではなくなっています。採れる人そのものが減って、残った人の取り合いになっているからです。
①働き手が減り、若い人は都市部へ出ていく
15〜64歳の人口は7329万人で、1年で26万5千人減りました。そのうえ20〜24歳の若い層は、4年続けて、東京圏以外のどの道府県からも東京圏へ流れ出ています。少ないパイを、地方の会社同士で取り合う構造です。
参考サイト:『総務省「人口推計」(2026年3月1日現在・確定値)』『総務省「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」(日本人移動者)』
②求人は求職者の2倍を超え、応募は取り合いになる
実際、栃木県の新規求人倍率は2026年7月時点で2.28倍です。ひと月に新しく出てくる求人だけで、新たに仕事を探し始めた人1人あたり2件を超えます。取り合いに負ければ、人は入ってきません。
全国で正社員が足りないと答えた企業は51.3%です。建設では66.0%、運輸・倉庫では65.6%で、業種によっては3社のうち2社が足りないと答えています。同じ求人を同じように出していては、この取り合いからは抜けられません。
参考サイト:『厚生労働省「一般職業紹介状況」(2026年7月・季節調整値・就業地別。都道府県別はJILPT公表値)』『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』
③仕事はあっても人がいない、で終わってしまう
人手不足をたずねた調査では、たとえば「工事案件はあるが、原材料の高騰と人を集めることが困難で、受注したくてもできない状況」(土木建築サービス)という声が出ています。採れないことが、そのまま仕事の取りこぼしになります。
採れないあいだにも、いま居る人が辞めることはあります。「1人採れれば足りる」と構えると、辞めた分を埋めるだけで終わります。募集は、事業を続ける限り止まりません。採用は片手間の仕事ではなく、会社を続けるための経営戦略です。
参考サイト:『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』
採用が厳しい地域でも、3か月で応募17人・内定3人
地方採用ワークスでご支援した例を1つご紹介します。
岐阜県大野郡白川村の、従業員20名ほどの総合建設会社様では、支援開始から3か月で応募が17人、うち3人の内定に至りました。有資格者の採用にもつながっています。
足りないと答えた企業が66.0%に上る建設で、しかも採用が厳しい地域での結果です。同じ結果をお約束できるものではありませんが、条件が厳しくても、打ち手は残っています。
地方採用ワークスは、都市部より母数が少ない地方の採用を専門に、数多くの企業様をご支援してきた会社です。地方の企業が中心ですが、都市部の企業様からのご依頼もいただいています。採用ブランディングの設計から採用サイトの制作、応募を獲得したあとの一次面接やフォローまでをご支援しています。
いまの状況をお聞かせいただければ、どう応募を獲得するかの設計から、ご一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。