【年9万円】京都府「就労・奨学金返済一体型支援事業」は何に使える?対象と手順を解説!

奨学金を返している社員に手当を出せば府から補助が出ると聞いたものの、手当のうちいくらが会社に戻り、何から手続きを始めればいいのかが見えないままになっていませんか。

本記事では、2026年10月時点の府の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!

この記事でわかること

  • どの社員に手当を払うと、いくら会社に戻るのか
  • 募集にかかる費用は、手当とは別に見てもらえるのか
  • 手当を整えても残る「どう応募を獲得するか」という課題

京都府の枠で採用に使える制度は、この記事のものを含めて4件です。市町の15件まで含めて見比べたい方は、府内を自治体別に整理した記事からどうぞ。

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京都府で求人広告や採用サイトにお金をかけたい。そう思って府のページから補助金を探し始めたものの、出てくるのは奨学金や職場環境の制度ばかりで、採用の費用に使えるものが見当たらない……。そこで手が止まっている方は多いと思います。 府と市町の制度を数え直すと、採用活動の費用に使える制度は9件ありまし

※本記事は各自治体公式ページの内容を元に、「より分かりやすく」を趣旨にまとめさせていただいたものです。記載の内容については、一切の責任を負いかねますので、必ず申請前には各自治体の担当窓口までご相談いただきますようお願いいたします。

就労・奨学金返済一体型支援事業の概要

京都府の公式サイトにある「就労・奨学金返済一体型支援事業」の案内ページ。制度名の見出しの下に、事業の概要とチラシのPDFへのリンク、補助対象企業を「京都府内に事業所があり、従業員への奨学金返済支援制度を設けている」と定める記載が並んでいる

出典: 京都府「就労・奨学金返済一体型支援事業」のページ(2026年10月時点)

「就労・奨学金返済一体型支援事業」は、府内に事業所がある中小企業等が、奨学金を返している正社員に返済支援の手当を払ったときに、払った手当の2分の1まで、社員1人につき年9万円を上限に会社へ戻ってくる制度です。

補助金名 就労・奨学金返済一体型支援事業
相談先 京都府中小企業団体中央会(電話: 075-708-3701)。社内規程の事前確認は京都府 商工労働観光部 労働政策室(電話: 075-414-5494)
補助対象 奨学金を返している正社員に、返済支援として払った手当等。会社が貸与機関へ直接送金する代理返還も対象
補助上限(補助率) 社員1人あたり年9万円、正社員4〜6年目は年6万円(手当の2分の1など3つの計算のうち低い額)。本店が京都市内なら府の額の2分の1を加算
期限 補助対象者登録は令和8年12月28日(月)まで。交付申請は令和9年1月4日(月)〜1月29日(金)。登録前に払った手当は対象外。予算の限度額に達するまで交付

注意したいのは、求人広告費や求人サイトの掲載料、採用サイトの制作費には使えないことです。補助対象経費は社員に払う「手当等」の1つだけで、募集にかかる費用の名前はどこにもありません。

対象は府内に事業所がある中小企業等

京都府内に事業所があり、従業員への奨学金返済支援の制度を設けた中小企業等が対象です。個人事業主も含まれます。大企業に資本や役員の面で支配されている会社は「みなし大企業」と呼ばれます。みなし大企業と、国や地方公共団体の出資を受けた会社は外れます。

労働関係法令に違反している会社や風俗営業、暴力団員等も対象になりません。府のご案内は、税の滞納がある場合も交付が適切でない例に挙げています。

中小企業者の条件は、府の実施要領の別表に業種別の数字で載っています。資本金と従業員数のどちらか一方が収まっていれば中小企業者です。

業種分類 資本金の額または出資の総額/常時使用する従業員の数
製造業・建設業・運輸業・その他の業種 3億円以下/300人以下
卸売業 1億円以下/100人以下
サービス業(ソフトウエア業・情報処理サービス業・旅館業を除く) 5千万円以下/100人以下
小売業 5千万円以下/50人以下
ソフトウエア業・情報処理サービス業 3億円以下/300人以下
旅館業 5千万円以下/200人以下
ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤ等を除く) 3億円以下/900人以下
医療法人・学校法人・社会福祉法人 常時使用する従業員の数が100人以下

会社のほか、組合・連合会、社団法人・財団法人、特定非営利活動法人も別表に並んでいます。

補助の対象は正社員6年以内で返済中の社員

補助の額は、対象になる社員1人ごとに計算します。その社員は、正社員であること、正社員になってから6年以内であること、借りた奨学金を本人が返済中であること、府内の事業所で働いていることの4つを、すべて満たす必要があります。

正社員は期間の定めのない雇用で、勤務地や職務が限られた人や短時間の人も含みます。6年は正社員になった月を1か月目として72か月目までと数え、中途採用の人も入ります。年齢の制限はありません。

正社員になった月にまだ返済の猶予期間中の人は、最初の返済の月から数えます。前の勤め先でこの制度の支援を受けていた人は、その期間も合わせて数えます。

本人以外の人が返している奨学金は、本人名義での返済に切り替えた月から対象になります。会社が本人に代わって貸与機関へ送金する代理返還は、本人の返済として扱われます。今年度から返済が始まる予定の人も含まれます。

返済中で、正社員になって6年以内の社員が1人もいない会社には、補助の額が出ません。看護師や介護福祉士の修学資金のように、特定の分野で人を確保するための奨学金も対象外で、実施要領の別記に府や市の修学資金など28件が挙がっています。

対象の社員がいまは社内にいないと分かった方は、自治体の補助金だけでなく、国の助成金まで広げて全体像を見ておくほうが確実です。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』

補助が出るのは返済支援の手当を払った場面だけ

この制度で見てもらえるのは、社員の奨学金返済を支えるために会社が払った手当等だけです。就業規則や賃金規程などに支給の決まりを書き、その決まりにもとづいて払うことが前提になります。

払い方は2通りあり、どちらも対象です。返済支援の手当として本人に払う形と、本人の返済の代わりに会社が日本学生支援機構などの貸与機関へ直接送金する代理返還です。

補助率は2分の1で、社員1人ごとに下の表の計算をそれぞれ行い、いちばん低い額が補助になります。1,000円未満は切り捨てです。

計算 1人あたりの額(年度ごと)
返済額から見た額 その年度(4月〜3月)の返済予定額から1万円を引き、2で割った額
手当から見た額 その年度に手当等として払う額を2で割った額
年数で決まる上限 正社員1〜3年目は年9万円(月7,500円)、4〜6年目は年6万円(月5,000円)

年度の途中で正社員になった人は正社員だった月の分、年度の途中で6年を迎える人は6年になる月の分までで上限を数えます。

例えば府のチラシは、年間の返済額が20万円の社員に、会社が年18万円の手当を払う例を載せています。府の補助は9万円で、会社の負担は9万円、社員の負担は2万円です。本店が京都市内の会社は京都市が4.5万円を足すので、会社の負担は4.5万円になります。

ただし府の額は表の計算のうちいちばん低い額で止まるため、会社の負担がいつも手当の2分の1で済むとは限りません。返済額の全額を手当で出す場合や、手当の2分の1が年9万円(4〜6年目は年6万円)を超える場合は、府の額が手当の2分の1に届かず、会社の負担はそれより重くなります。

社員が辞めたときに手当を返させる決まりを付けた手当と、社員への貸付金は対象になりません。交付決定のあとや手当を払ったあとに、補助の額を増やすことも認められていません。

なお中央会のQ&Aは、この手当が基本的に社会保険料と労働保険料の算定に含まれるとしています。課税かどうかは会社ごとに支給の内容が違うため、所轄の税務署に問い合わせるよう案内しています。

逆に、次の場面では出ません。

  • 正社員の募集で、求人媒体に広告を出した
  • 採用サイトや採用動画、パンフレットを作った
  • 採用活動の代行を外部に頼んだ
  • 合同説明会や就職イベントに出展した

この制度のお金が届くのは、すでに入社した社員の返済までです。外れる4つは、どれもこれから来てもらう人を呼び込むための費用です。府が補助しているのは、来てくれた社員が返済を抱えながら働き続けられるようにする側です。

手当の額は、社員ごとの返済額と年数を並べてから決める

規程に手当の額を書く前に、対象になる社員ごとに年間の返済額と正社員になった月を並べておくと、会社の負担を読み違えずに済むはずです。

申請は「登録」と「交付申請」の2段階

この制度は、手当を払い始める前に登録を済ませる順番です。補助対象者の登録より前に払った手当は、あとから補助の計算に入れられません。

登録までは4つの手順を踏みます。社内規程を整え、その案を府の労働政策室へメールで送って事前に確認を受け、所轄の労働基準監督署に届け出てから、京都府中小企業団体中央会へ補助対象者登録を申請します。登録の申請は令和8年12月28日(月)までです。

常時10人未満の労働者を使う事業場は、就業規則が無くても申請できます。その場合も、奨学金返済の支援制度を定めた社内規程と、労働条件通知書など給与の支給条件が分かる書類が要ります。代理返還にするなら、給与から差し引くための労使協定も結びます。

登録の決定通知から原則30日以内に、事業計画書を出します。手当の支給を続け、令和9年1月4日(月)から1月29日(金)までに交付申請書と請求書を中央会へ出すと、交付決定のあと、請求にもとづいて補助金が会社の口座に振り込まれます。

3月分の手当が確定したら、概ね2週間以内か3月31日の早いほうまでに実績報告を出し、交付済みの額と差があれば返します。いまから規程を作る会社は、12月28日から日程をさかのぼって動くのが確実でしょう。

規程づくりに手が回らないときは、府の登録ページが案内している社会保険労務士のアドバイザー派遣(2回まで無料)を使う道もあります。連絡先は京都府社会保険労務士会(電話: 075-417-1881)です。府は規程づくりに向けた出張相談も実施しています。

制度を入れた会社を、府はホームページや公式SNS、チラシで学生・求職者に紹介しています。ホームページの導入企業一覧に載るのは、公開に同意した会社です。

京都市の加算は同じ手続き・4市町は別に申請

本店が京都市内にある会社は、府の補助の額の2分の1が京都市から上乗せされます。1,000円未満は切り捨てで、令和8年度からの仕組みです。加算は府の補助と同じ中央会の手続きの中で付き、問い合わせ先も中央会です。

このほか、久御山町・八幡市・宮津市・福知山市にも、府の補助に上乗せする制度があります。どれも府の交付決定を受けたあとに、それぞれの市町へ別に申請する形です。

上乗せは府の補助の額の2分の1以内で(福知山市の保育施設が保育士・保育教諭に払う分だけは府と同額)、対象になる社員の条件や申請の期限は市町ごとに違います。事業所のある市町の窓口に確かめてください。

市町 窓口
久御山町 事業環境部 産業・環境政策課(電話: 075(631)9964)
八幡市 建設産業部 産業振興室 商工観光課(電話: 075-983-2853)
宮津市 商工観光課 商工係(電話: 0772-45-1663)
福知山市 産業課(電話: 0773-24-7075)

この5市町のほかに上乗せを設けている市町村があるかは、本店や事業所がある市町村に確かめておくと確実です。

まずは補助金活用の前に、「どう応募を獲得するか?」を考えよう!

4つの手順を経て登録しても、戻るのは社員1人あたり年9万円までです。令和8年12月28日の登録締切に向けて規程を作っている最中なら、その手間と見比べて先に数えておきたい額です。

応募がないまま登録を申請しても、手当を払う相手は増えません。書類をそろえるこの時期から、どう応募を獲得するかは決めておけます。

採用活動は、もう「片手間」では回りません…

その「どう応募を獲得するか」は、いまは空いた時間で片付く話ではなくなっています。採れる人そのものが減って、残った人の取り合いになっているからです。

①働き手が減り、若い人は都市部へ出ていく

15〜64歳の人口は7329万人で、1年で26万5千人減りました。そのうえ20〜24歳の若い層は、4年続けて、東京圏以外のどの道府県からも東京圏へ流れ出ています。少ないパイを、地方の会社同士で取り合う構造です。

参考サイト:『総務省「人口推計」(2026年3月1日現在・確定値)』『総務省「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」(日本人移動者)』

②求人は求職者の2倍を超え、応募は取り合いになる

実際、京都府の新規求人倍率は2026年7月時点で2.35倍です。ひと月に新しく出てくる求人だけで、新たに仕事を探し始めた人1人あたり2件を超えます。取り合いに負ければ、人は入ってきません。

全国で正社員が足りないと答えた企業は51.3%です。建設では66.0%、運輸・倉庫では65.6%で、業種によっては3社のうち2社が足りないと答えています。同じ求人を同じように出していては、この取り合いからは抜けられません。

参考サイト:『厚生労働省「一般職業紹介状況」(2026年7月・季節調整値・就業地別。都道府県別はJILPT公表値)』『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』

③仕事はあっても人がいない、で終わってしまう

人手不足をたずねた調査では、たとえば「工事案件はあるが、原材料の高騰と人を集めることが困難で、受注したくてもできない状況」(土木建築サービス)という声が出ています。採れないことが、そのまま仕事の取りこぼしになります。

採れないあいだにも、いま居る人が辞めることはあります。「1人採れれば足りる」と構えると、辞めた分を埋めるだけで終わります。募集は、事業を続ける限り止まりません。採用は片手間の仕事ではなく、会社を続けるための経営戦略です。

参考サイト:『帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」』

採用が厳しい地域でも、3か月で応募17人・内定3人

地方採用ワークスでご支援した例を1つご紹介します。

岐阜県大野郡白川村の、従業員20名ほどの総合建設会社様では、支援開始から3か月で応募が17人、うち3人の内定に至りました。有資格者の採用にもつながっています。

足りないと答えた企業が66.0%に上る建設で、しかも採用が厳しい地域での結果です。同じ結果をお約束できるものではありませんが、条件が厳しくても、打ち手は残っています。

地方採用ワークスは、都市部より母数が少ない地方の採用を専門に、数多くの企業様をご支援してきた会社です。地方の企業が中心ですが、都市部の企業様からのご依頼もいただいています。採用ブランディングの設計から採用サイトの制作、応募を獲得したあとの一次面接やフォローまでをご支援しています。

いまの状況をお聞かせいただければ、どう応募を獲得するかの設計から、ご一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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