【上限50万円】「青森県中小企業若手人財確保・定着支援事業費補助金」は2つの登録が要る?対象経費を解説!
「青森県 採用 補助金」で探してこの制度に行き当たったものの、補助対象事業者の欄に並ぶ2件の登録名が何を指すのか読み取れず、自社が申請できるのかどうか決められないまま止まっていませんか。
本記事では、2026年8月時点の県の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!
この記事でわかること
- 申請できるのはどんな会社か?
- 最初に満たす2件の登録は何をする制度なのか?
- 対象になる事業と経費はどこまでか?
- いくらまで戻ってくるのか?
- いつまでに何を出せばいいのか?
青森県内には、採用に使える制度がほかにもあります。市町村の制度まで含めると、この記事のものを含めて56件あるので、見比べたい方は県内を自治体別に整理した記事からどうぞ。
【全56件】「青森県」で採用に使える補助金は?対象の費用と窓口の違いを紹介!
採用サイトを作り直したい。求人媒体の掲載料を軽くしたい。そう考えて青森県内の補助金を、自社の費用の名前から探していく……。この探し方だと、県内にある枠の一部までしか届きません。 制度が少ないのではありません。採用に効く枠が商工の窓口だけに置かれておらず、探す場所で拾える金額の桁が変わるからです。県
中小企業若手人財確保・定着支援事業費補助金の概要

出典: 青森県「令和8年度青森県中小企業若手人財確保・定着支援事業費補助金」のページ(2026年9月時点)
この補助金は、県内の中小企業が若手の確保と定着のために動いたとき、かかった経費の半分(上限50万円)が戻ってくる制度です。
まず、全体像です。
| 補助金名 | 令和8年度青森県中小企業若手人財確保・定着支援事業費補助金 |
|---|---|
| 相談先 | 青森県 こども家庭部 若者定着還流促進課 若者採用支援グループ |
| 補助対象 | 採用力向上に資する事業(当該事業の実施により前年度の採用実績を上回る採用を予定していること)、または職場定着力向上に資する事業。いずれも商工団体や金融機関など支援機関のサポートを受けながら実施するもの(費目は本文の節) |
| 補助上限(補助率) | 50万円(対象経費の2分の1以内・千円未満切捨て・消費税を除く) |
| 期限 | 令和9年2月26日までに完了し、交付決定日から同日までに支払った経費が対象。募集は随時で、採択は先着順・予算がなくなり次第終了 |
気を付けたいのは、経費の中身より先に、会社の側の条件が決まっていることです。申請できるのは県の2件の登録制度の両方に名前が載っている会社だけで、片方しか登録がない会社はここで対象から外れます。
「2件の登録から始めるのは、今年の採用には間に合わない」と感じた方は、個別の制度を当たるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
ここから、対象になる会社と2件の登録の中身、使える費目や申請の段取りまで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。
対象は県の2件の登録を持つ中小企業者
対象になるのは、県内に事業所を置く中小企業等です。会社の規模は、中小企業等経営強化法第2条第1項の中小企業者という形で決まっています。
そのうえで、県が別に設けている2件の登録が要ります。あおもり若者定着サポート企業と、あおもり県内就職促進パートナー企業です。どちらか一方の登録だけでは、この補助金には申請できません。
県が公表している2件の登録一覧を弊社で突き合わせたところ、双方に名前があったのは108社でした。表記ゆれが混じるので概数ですが、県内で申請の条件をすでに満たしている会社は、その程度の数だと見ておくのがよさそうです。
サポート企業は奨学金返還支援の参加登録
名前からは中身が読み取りにくいのですが、あおもり若者定着サポート企業という名称は、あおもり若者定着奨学金返還支援制度の側で使われている登録名です。
制度の中身は、大学等の在学中に日本学生支援機構(第一種・第二種)または青森県育英奨学会の奨学金を借りた若者が、サポート企業に正規雇用で就職して県内に住み続けた場合に、その返還を県と会社で支援するというものです。
認定の起算日に35歳未満であることが要り、給付型の奨学金は対象になりません。登録そのものは無料なので、費用の面で身構える必要はないでしょう。
会社が持つのは支援額の2分の1
登録のときに会社が決めるのは、1人当たりの「支援予定額」です。学歴によって2つのコースに分かれ、それぞれ3段階の額から選びます。
| 支援コース | 対象になる学歴と、1人当たりの支援予定額 |
|---|---|
| 支援コースA | 4年制と6年制の大学、大学院、高等専門学校の専攻科を出た人。150万円か100万円、60万円のいずれか |
| 支援コースB | 短期大学、高等専門学校、専修学校の専門課程を出た人。75万円か50万円、30万円のいずれか |
支払う額は2段階で決まります。まず支援額が、本人の返還総額(既卒者なら返還残額)の半分と、選んだ支援予定額の低いほうに定まり、会社が持つのはそのさらに半分です。
納める時期も2回に分かれます。認定の起算日から、県内で働き県内に住む状態を保ったまま3年が過ぎた時点で4分の1、6年が過ぎた時点でもう4分の1を県へ納めます。
1人分で追うと、コースAの150万円を選んで返還総額400万円の人を採った場合、支援額は150万円、会社の負担はその半分の75万円。払うのは採用した年ではなく、3年先と6年先に37万5千円ずつという形になります。
登録は内定を出す前に済ませる
この登録は、就職年度ごとに分かれています。2026年8月時点で、2026年度採用ぶんの申請期間は2026年12月28日まで、2027年度採用ぶんは2027年12月28日まで、2028年度採用ぶんは2028年12月28日までとなっていました。
期間が残っていても、内定を出したあとでは間に合いません。募集要項は次のように書いています。
企業及び就職予定者は、それぞれ事前登録が必要です。登録前に内定となった場合は対象外となります
内々定までは認められます。採用の日程を組む前に登録を済ませないと、その年に採る人は制度の外に出ます。登録では1採用年度あたりの負担が300万円に収まるよう適用人数も決め、その人数までは登録者を採るたびに必ず適用する同意が入ります。
パートナー企業はロゴの掲載が登録の条件
2件目のあおもり県内就職促進パートナー企業は、県内で働く魅力を県と一緒に発信する企業を登録する制度です。令和8年8月5日の時点で273件が登録済みでした。
登録実施要領が挙げる要件は、次の6つです。
- 県内に事業所を有すること
- 県とともに県内就職の魅力発信に取り組む意欲があること
- 県税・消費税又は地方消費税の滞納がないこと
- 労働関係法令に違反していないこと
- 暴力団若しくは暴力団員の統制の下にある団体や個人でないこと
- 風俗営業等関係事業主でないこと
2つ目の中身が、採用の実務に直接効いてきます。
県が制作した別紙に掲げるキャッチコピーやロゴマークを、自社(団体)の採用パンフレットや採用に関するホームページなどに積極的に活用し、周知に協力すること。
別紙に載るのは「らしく、はたらく AOMORI」というキャッチコピーとロゴマークです。この補助金で採用サイトを作るなら、ロゴをどこに載せるかは要件の一部として設計に組み込むのが確実です。
登録した後も、どんな情報発信をして何人の学生に届いたかを毎年度3月末で締め、翌年度の4月30日までに様式2で県へ出す義務が続きます。
この登録は、サポート企業の側にも効きます。パートナー企業は優遇措置を認める認証制度等に当たるため、1採用年度あたりの企業負担の上限が300万円から600万円へ広がります。負担が重くなるという意味ではなく、制度を適用して採れる人数の枠が倍になるということです。
対象事業は採用力向上と職場定着力向上に分かれる
補助の対象になる事業は2種類で、どちらも「商工団体や金融機関など支援機関のサポートを受けながら実施するもの」と要綱の別表が定めています。事業計画書にも、支援を受ける機関の名称と中身を書く欄があります。付き合いのある商工会議所や金融機関があるなら、見積の前に話を通しておくほうが早く進みます。
採用力向上に資する事業には、「当該事業の実施により前年度の採用実績を上回る採用を予定していること」という括弧書きが付きます。この条件は採用力向上の側にだけ掛かり、職場定着力向上に資する事業には掛かりません。採る人数を増やさずに働く環境を整えたい会社は、定着の枠で計画を立てられます。
「前年度を上回る」と聞くと大きな数を求められている気がしますが、県の記載例は前年度採用実績を0人、今年度採用予定を「情報システム部門管理者 正社員1名」と書いていました。0人から1人でも、上回る採用として示されています。
対象経費は要綱の別表が並べる費目
要綱の別表が挙げる補助対象経費は、謝金(専門家謝金)、旅費(専門家旅費、職員旅費)、通信運搬費、借損料(リース料)、消耗品費(印刷製本費、資料購入費を含む)、広報費、使用料及び賃借料(会場借上費を含む)、委託費、その他知事が必要と認める経費です。
並んでいるのは費目の名前だけで、用途を指定する語は付いていません。対象外経費を並べた欄も要綱には無いので、採用の支出が正面から閉じられている箇所は見当たりません。
用途の手がかりが出てくるのは、募集チラシの2ページ目です。採用力向上に資する事業の例が3つ挙がっています。
・人財確保等のための組織体制の見直しやデジタル化の推進・採用コンサルティングによる求人力のアップ・採用活動のために必要な専用のホームページの構築
採用専用のホームページの構築が、県の資料に名指しで挙がっています。チラシの表紙には「メディアを活用した求人広告など」とも書かれているので、採用サイトと求人広告のどちらも県の想定の中にあると思われます。
ただし、その制作費を広報費で立てるか委託費で立てるかは、どの資料にも書かれていません。県の記載例は媒体への掲載料を広報費、社内研修の委託を委託費に振っており、制作費を置いた例はありませんでした。
見積が「サイト制作一式」の1行だけだと、どちらにも振りにくくなります。撮影費や媒体の掲載料が同じ見積に混ざるなら、はじめから行を分けてもらい、どちらで立てるかを見積の前に若者採用支援グループへ確かめておきましょう。
戻るのは経費の2分の1・上限50万円
補助率は対象経費の2分の1以内で、上限は50万円。千円未満は切り捨てです。消費税及び地方消費税は対象経費に含めないので、税込110万円の発注は対象経費としては100万円で数えます。
例えば、募集チラシが例に挙げる採用専用のホームページの構築を、税抜100万円で頼むとします。戻るのは半分の50万円で、ちょうど上限に届く形です。県の記載例も、補助対象経費の合計を税抜100万円、補助金の申請額を50万円として組まれていました。
申請の時点で消費税の仕入控除税額が分かっている場合は、その分を減額して申請します。完了後に確定したときは報告が要り、返還を求められることもあります。
期限は令和9年2月26日で支払いまで含む
令和9年2月26日は、事業を終える日であると同時に、支払いを終える日でもあります。要綱の別表はこの日までに完了する事業を対象と定め、対象になる経費は交付決定日から同じ日までに支払ったものに限られます。
制作の完了、検収、請求、入金までが令和9年2月26日に収まっている必要があります。採用サイトのように検収から支払いまで日数が空きやすい発注では、そこからさかのぼって着手日を決めましょう。
採否は申請から2〜3週間程度で決まり、着手できるのはその後です。交付決定日より前の契約・着手・支払いは、いずれも対象になりません。実績報告は、完了の日から10日を経過した日か、その年度の2月26日のいずれか早い期日までです。
Tips|交付決定を待つ2〜3週間を工程に入れる
さかのぼって数える起点は、制作の着手日ではなく申請日です。申請から採否までの2〜3週間を工程に入れ、そのうえで検収と入金までを令和9年2月26日に収めます。契約日と発注日が交付決定日より前にならないよう、日付の管理は社内で一本化しておくと安全です。
申請は事前に1回・添付書類は7点
交付決定を受けてから動く事前申請の制度で、申請書の提出は1回です。提出は郵送・持参・メールで受け付けられます。
交付申請書(第1号様式)に添える書類は7点です。
- 事業計画書(別紙1)
- 収支予算書(別紙2)
- 誓約書(別紙3。暴力団排除の4項目を誓約する書面)
- 補助対象経費の内容を明らかにした見積書等
- 申請者の過去2期分の決算報告書またはそれに類するもの
- 定款またはこれに代わる書面(個人を除く)
- その他知事が定める書類
補助金は補助事業の完了後に交付されます。先に全額を自社で払い、あとから50万円を受け取る流れなので、入金までの資金は自社で回します。帳簿や書類は、交付に係る年度の翌年度から5年間の保管が求められます。
事業内容や経費を変えたいときは事業変更承認申請書を出しますが、補助目的が変わらない細部の変更と、経費総額の20パーセント以内の増減(補助金の増額を伴わないもの)は、この手続きが要りません。
予算は1,081万円で20社分
令和8年度当初予算の政策テーマ別主要事業には、労働力確保体制強化事業の内訳として「若手人財確保・定着支援事業 10,811千円」とあります。事務費等を含む事業費なので、そのまま交付枠と読むことはできません。
それでも、この額のすべてが1社50万円で交付されたとしても20社ほどにしかなりません。要綱の第1は「令和8年度予算の範囲内において」と定めており、採択は先着順で、枠が埋まれば期日より前に募集は終わります。
上限まで使わない会社が混ざれば、その分だけ件数は増えます。それでも先に申請した分から埋まっていく形は変わらないので、年度の早いうちに動くのが確実です。
問い合わせ先は若者定着還流促進課
本制度の所管は、青森県こども家庭部の若者定着還流促進課 若者採用支援グループです(電話 017-734-9401)。サポート企業の登録は、同じ課の奨学金返還支援制度の担当(電話 017-734-9174)が受け付けています。
動くと決めた時点で、次の3点を確かめておきましょう。
- 採用サイトの制作費を広報費と委託費のどちらで立てるか
- 採用パンフレットや採用動画の制作費が採用力向上に資する事業として通るか
- いま予算の枠がどれだけ残っているか
1つ目は本文で見立てたとおりですが、見積を出す前に県の答えをもらっておくと、あとで費目を組み替えずに済みます。
50万円より先に、6年後の負担を決める
本制度の上限は50万円で、税抜100万円の事業を組めば届きます。若手の確保と定着が制度の正面にあるので、採用の費用が別の目的のついでに拾われているわけではありません。
ただし条件になる2件の登録のうち、サポート企業のほうは3年先と6年先に会社が奨学金の返還を持つ約束です。50万円の使い道より先に、支援コースと適用人数という6年後の数字を決めます。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。