【上限50万円】「大分県外国人労働者等就業環境等整備促進補助金」は何に使える?対象経費を解説!

技能実習生の寮に置くエアコンと冷蔵庫、それに通勤用の自転車。見積を並べたところで、どこまで県の補助が出るのか決めきれないまま止まっていませんか。

本記事では、2026年8月時点の県と実施窓口の公表内容をもとに、出る費用と出ない費用、申請の順番をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!

この記事でわかること

  • 補助の対象になる会社はどこか?
  • 何にお金が出て、何に出ないのか?
  • いくらまで戻ってくるのか?
  • 採用サイトや求人広告の費用は対象になるのか?
  • いつまでに何を済ませればいいのか?

大分県内には、採用に使える制度がほかにもあります。市町村の制度まで含めると、この記事のものを含めて109件あるので、見比べたい方は県内を自治体別に整理した記事からどうぞ。

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求人媒体の見積を持って、市のページを開く。補助率も上限額も書いてあって、対象経費の並びも読めた。ところが、募集にあたる費目がどこにも見当たらない……。 大分県内の枠を1件ずつ開いていくと、この形が続きます。お金が出る先が、かけた費用ではなく雇った人数のほうにある枠が多いからです。 県と18市町村

大分県外国人労働者等就業環境等整備促進補助金の概要

大分県の公式サイトにある「令和8年度大分県外国人労働者等就業環境等整備促進補助金について」の案内ページ。県内事業者や監理団体が行う就業環境改善やスキルアップ支援に補助する説明文と、更新日2026年4月1日の表示が見える。

出典: 大分県「令和8年度大分県外国人労働者等就業環境等整備促進補助金について」のページ(2026年9月時点)

「大分県外国人労働者等就業環境等整備促進補助金」は、技能実習生や特定技能の社員を受け入れている会社が寮の設備や日本語の研修にお金を使ったとき、その半分(上限50万円)が戻ってくる制度です。

まず、全体像です。

補助金名 大分県外国人労働者等就業環境等整備促進補助金
相談先 大分県 商工観光労働部 産業人材政策課 産業人材対策班(申請の提出先は大分県中小企業団体中央会)
補助対象 就業環境・居住環境整備、コミュニケーション支援、スキルアップ支援に資する投資(費目は本文の節)
補助上限(補助率) 50万円(対象経費の2分の1以内)・賃上げコースは100万円(3分の2以内)・監理団体は20万円(2分の1以内)
期限 令和8年4月1日から10月30日17時まで(郵送は必着)。契約と発注は交付決定を受けてから

注意したいのは、対象になるかどうかが在留資格で切られていることです。技能実習・特定技能・特定活動告示第9号のインターンシップのいずれかを1人以上受け入れているか、交付申請の日までに雇用契約を結んでいないと、ほかの要件を満たしていても対象から外れます

「この枠ではなさそうだ」と感じた方は、個別の制度を当たるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

ここから、対象になる会社や出る費用の中身、申請の順番や回数まで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。

対象は外国人材を受け入れている県内の企業

交付要綱が対象者に挙げているのは、農業者、漁業者、林業者、中小企業基本法第2条第1項の中小企業者、常時使用する従業員数が300人以下の医療法人もしくは社会福祉法人、特定非営利活動法人、そのほか中央会会長が適切と認める法人です。

農業協同組合や漁業協同組合などの団体として申請するなら、受け皿は県の「外国人農林水産業人材就業環境整備等促進補助金」のほうになります。会社として出す場合は、外国人労働者等の定着に積極的に取り組むことを確約し、各種労働保険・社会保険等に加入させていることが条件です。

労働保険の暫定任意適用事業場で未加入のままなら対象になりません。交付申請日の3か月前から交付請求の前日までに、解雇や退職勧奨による退職、正当な理由のない賃下げがあった場合も同じです。人員や賃金に手を入れた直後の会社は、この枠を当てにしないほうが安全でしょう。

入るのは技能実習と特定技能とインターン

交付要綱の第2条が「外国人労働者等」を定義しています。出入国管理及び難民認定法の別表第一の二に定める技能実習と特定技能、同表の五に定める特定活動のうち平成2年法務省告示第131号第1項第9号のインターンシップ。ここに限られます。

在留資格 この制度での扱い
技能実習 入る
特定技能 入る
特定活動(平成2年法務省告示第131号 第1項第9号のインターンシップ) 入る
技術・人文知識・国際業務、留学、家族滞在 入らない

大学を出た留学生を技術・人文知識・国際業務で受け入れた社員は、ここに入りません。外国人の新卒採用でよく使われる在留資格ですが、この制度でいう外国人労働者等には当たらないということです。

申請の時点でまだ受け入れていなくても、交付申請日に雇用契約を締結し、技能実習なら同じ日に技能実習計画認定通知書が発行されていて、令和8年12月28日までに雇用期間が開始されるなら対象になり得ます。計画があるだけでは足りません。

対象になるのは寮の設備と研修の費用

対象になる事業は、就業環境・居住環境整備、コミュニケーション支援、スキルアップ支援の3つです。経費のほうはそれとは別に8つの区分で切られていて、数も合いません。動かしやすいのは機械装置等購入費、外注工賃・修繕費、委託費のあたりです。

経費区分 内容
使用料及び賃借料 器具機械賃借料、会場借上料、物品借料等
外注工賃・修繕費 寮の壁や床等の修繕、シャワーユニット設置、トイレ設置、インターネット回線工事費用等
印刷製本費 研修資料、マニュアル等の作成費用
原材料費・発送費 資材購入とその発送にかかる費用
謝金・旅費 専門家謝金(外部講師による研修等)と専門家旅費(宿泊費を除く)
機械装置等購入費 自転車、Wi-Fiルーター、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、給湯器、住居のセキュリティ機器、翻訳機、モニター(オンライン講習用に限る)
委託費 安全講習、日本語能力・技能向上のための講習、PR動画作成の委託費用等
人材育成・教育訓練費、雑役務費・手数料 外部団体等が行う人材育成セミナー等の受講費、受験手数料

中古品とレンタルは対象になりません。自転車から原動機付自転車は外れ、日本語の検定は日本語能力試験と日本語基礎テストに限られます。原則として自社で施工するものも対象外で、残るのは施工に使った原材料費だけです。

一方で、関連のない複数の取組をまとめて1件で申請することは認められています。寮の修繕と日本語教材の購入を1通にまとめて、合計の額で出せるという意味です。

露出には出ないが、来た人が働く場所には広く出る

採用の費用が1つも乗らないと聞くと、使いどころが無いように見えるかもしれません。ただ、経費区分をたどると、寮の修繕から通勤の自転車、翻訳機、日本語の研修と検定まで、受け入れたあとに実際に出ていく費用がひととおり並んでいます。すでに技能実習生や特定技能の社員がいる会社なら、当てる先には困らないはずです。

戻るのは経費の2分の1・上限50万円

県内企業等の通常コースは、補助率が対象経費の2分の1以内、上限は50万円です。消費税と地方消費税は初めから対象経費に入らないので、税抜100万円までの支出なら、その半分が戻ってくると見ておけば足ります。

例えば、寮のエアコンと冷蔵庫と洗濯機を入れ替えて税抜50万円かかったなら、戻るのは25万円です。上限まで使い切りたいなら、年度の初めに寮の修繕と研修の費用を並べて、合計で税抜100万円に届くかを見るところからになります。

監理団体の枠は別で、補助率2分の1以内・上限20万円です。こちらは就業環境と居住環境の整備が対象から外れ、コミュニケーション支援とスキルアップ支援の経費だけが残ります。

上限を100万円にするには1.5%の賃上げ

賃上げコースを選ぶと、補助率が3分の2以内、上限が100万円に上がります。条件は、全従業員に支払った賃金を令和8年4月1日から12月28日の間に1.5%以上引き上げ、交付申請日以降12月28日までに支払を完了していることです。

ここでいう賃金からは、残業代、賞与、各種手当、役員の給与と役員報酬、福利厚生費、法定福利費、退職金が除かれます。全従業員を引き上げる必要はなく、賃金増加率計算表で1.5%以上になっていれば足ります。

外れるのは、賃上げの時期と申請の順番です。令和8年4月1日より前に実施した賃上げは対象にならず、賃上げ後の最初の賃金支払日を過ぎてからの申請も対象外です。条件を満たせなければ、上限は50万円に戻ります。

PR動画は公開しないと対象にならない

作って世に出す費用のうち、この制度で費目名を持つ制作費は、PR動画の委託費だけです。Q&Aは、対象になるPR動画を自社や大分県の外国人材受入れにつながる情報発信のためのもので、公序良俗に反しないものに限っています。

手続きにも条件が付きます。交付申請のときに共通の書類へPR動画の仕様書を加え、実績報告のときには、ホームページ上の動画アップロード画面のスクリーンショット、掲載先URLの記載、PR動画の保存媒体を出します。

公開しないと補助を受けられない作りになっています。自社の採用ページに置くのか送り出し機関に見てもらうのかを先に決めてから撮ることになるでしょう。中身が受入れにつながる発信に当たるかは、仕様書を出す前に中央会へ確かめておかれると安心です。

日本人にも起きる問題は対象から外れる

チラシには、この制度の性格を決める一行が入っています。外国人材特有の問題ではなく、日本人従業員にも発生する可能性がある問題点は原則補助対象外、という書き方です。

同じ考え方はQ&Aにも出てきます。職場のトイレの改修工事について、対象になるのは専ら外国人が使用するトイレか、外国人を雇用することで発生する特別な事情がある場合だと書かれています。

日本人従業員も同じように使う設備を丸ごと入れ替える計画は、外国人材特有の問題に当たらないので、この基準で対象から外れると思われます。外国人材のために要る部分と会社全体のために要る部分は、見積の段階で分けておくほうが安全です。

採用サイトと求人広告は費目が無い

採用の現場で出てくる費用を経費区分に当てると、残らないものが多くなります。採用サイトと自社ホームページの制作費、採用パンフレットと会社案内の制作費、求人広告費と求人サイトの掲載料、人材紹介の手数料、採用活動の代行の委託費。

どれも対象外と書かれているのではなく、費目そのものが存在しません。印刷製本費は研修資料とマニュアル等に限られ、委託費の例示も講習とPR動画だけです。

建設業の方なら、県の「建設産業就労環境改善・情報発信支援事業費補助金」に情報発信コースがあり、ホームページの作成・改修委託料、パンフレット作成、就職サイト掲載費が費目に並びます。補助率2分の1以内・上限20万円です。

期限は10月30日・事業の完了は12月28日

受付は令和8年4月1日から10月30日(金)17時までで、郵送は必着です。事業のほうは令和8年12月28日までに完了させる必要があり、こちらは延長ができません。

実績報告の期限は、事業完了日から30日を経過した日か令和8年12月28日の早いほうです。審査に1か月ほどかかるため、10月末に出すと交付決定が届いてから完了までが1か月を切ります

Tips|契約の前に控えておくもの

  • 交付決定の通知が届いた日(契約・発注・支払は、ここから先でないと対象になりません)
  • 予定価格が10万円以上になる取引(二者以上の見積が要ります)
  • 事業を終えた日(実績報告の期限は、この日から30日後か令和8年12月28日の早いほうです)

契約も発注も交付決定のあと

この制度でいちばん注意が要るのは、手続きの順番です。交付決定より前の工事の契約や着工、商品の発注や納品、支払は対象になりません。リフォーム等の契約も、機器等の発注も、日本語能力試験の申込みも、すべて交付決定の後です。

先に動いてしまうと、要件を満たしていてもその経費は落ちます。見積を取るところまでは進めておき、契約と発注だけを交付決定の後ろに回すのが基本の形になります。支払は精算払いなので、いったん全額を払ってから戻ってくる形です。

書類の事前確認は行われていません。不足や記入漏れで補助対象かどうか確認が取れないと、受理されずに一式が返戻されます。チェックシートと記載例が公開されているので、出す前に自分で突き合わせておきましょう。

使えるのは1年度に1回だけ

一度交付決定を受けたら、同じ年度内に追加の申請はできません。寮の修繕で決定を受けたあと、同じ年度に自転車の導入で出し直すことはできないということです。申請は事業所単位で、事業所かどうかは労働保険番号で判断されます。

予算の上限に達した時点で受付は締め切られます。大分県中小企業団体中央会のページには「交付申請に係る状況」という表が置かれ、予算の欄に「あり」か「なし」が掲示されています。2026年8月26日時点は「あり」でした。

残額そのものは出ませんが、まだ受け付けているかはページを開けば分かります。審査もあり、交付要綱の別表2が事業目的、事業内容、企業の取組方針、事業規模とスケジュールで見ると定めています。要件を満たすことと交付が決まることは、別のできごとです。

問い合わせ先は中小企業団体中央会

制度を所管しているのは大分県商工観光労働部の産業人材政策課 産業人材対策班(電話097-506-3335)で、申請書の提出先と問い合わせの窓口は大分県中小企業団体中央会の外国人労働者等就業環境等整備補助金窓口(電話097-536-6331)です。

申請の前に確かめておきたいのは、次の点です。

  • PR動画の中身が「自社や大分県の外国人材受入れにつながる情報発信」に当たるか(見立ては上のとおりですが、仕様書を出す前に窓口へ)
  • 出そうとしている時点で「交付申請に係る状況」の予算の欄が「あり」のままか
  • 予定価格が10万円以上で二者の見積がそろわないとき、選定理由書で認められるか

ここに挙げた点のほかは、要綱・要領・Q&Aに答えがあります。電話やメールで聞いても、載っている内容はそちらを案内されます。

50万円が動かすのは、採用ではなく定着

本制度の上限は50万円です。軽くなるのは税抜100万円までの支出の半分までで、対象になるのは寮、通勤、翻訳機、日本語の研修と検定。受け入れたあとに出ていく費用です。採用サイトも求人広告も人材紹介の手数料も、経費区分のどこにも費目がありません。

申請には、交付決定を待ってから契約と発注をする順番の管理と、10万円以上の取引ごとの相見積、公開を前提にしたPR動画の仕様書がついてきます。しかも使えるのは1年度に1回だけです。制度に合わせて動くより、今年この枠を何に当てるかを先に1つ決めるほうが、取りこぼしは少ないはずです。

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この記事を書いた人
【上限50万円】「大分県外国人労働者等就業環境等整備促進補助金」は何に使える?対象経費を解説! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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