【全32件】「山梨県」で採用に使える補助金は?対象の費用と上限額をまとめて紹介!
求人媒体の見積を持って、市の産業のページを開く。補助率も上限額も書いてあって、対象経費の並びも読めた。ところが、募集にあたる費目がどこにも見当たらない……。
山梨県内の枠を1件ずつ開いていくと、この形が続きます。採用の費目を持つ枠が、商工の一覧ではなく別の課にあるからです。
県と27市町村が2026年8月に掲げていた資料だけを並べました。まず、その総数から見ていきます。
この記事でわかること
- 山梨県で採用に使える枠は何件あって、県と市町村にどう分かれるのか?
- 32件の制度名・補助率か金額・所管課は、どの自治体にどう並んでいるのか?
- 枠を確認できた市町村は、27のうちいくつだったのか?
- 自社の求人広告費や採用のためのホームページに、費目名を持つ枠はあるのか?
- 雇ったこと自体に額が付く枠は、どの市にいくらであるのか?
個々の申請の段取りは、制度ごとの記事のほうに置いています。いま記事にしているのは「韮崎市ビジネスチャレンジ支援事業補助金」の1本で、ほかの枠はこの記事の表と、各自治体のページで確かめてください。
山梨県で採用に使える補助金は32制度
県の「補助金等の支出状況の公表」を課ごとに開き、27市町村それぞれの産業・事業者向けのページと補助金一覧を1つずつ当たりました。人を採ること、育てること、辞めないでいてもらうことにお金が出る枠として、2026年8月時点で内容を確認できたのは32件です。
| 区分 | 数と内訳 |
|---|---|
| 制度の合計 | 32件(県20件・市町村12件) |
| 山梨県の市町村数 | 27(13市8町6村) |
| 枠を確認できた市町村 | 6 |
| 枠を確認できなかった市町村 | 21 |
| 自治体別の内訳 | 甲府市5・都留市2・甲斐市2・山梨市1・富士吉田市1・韮崎市1 |
27市町村のうち枠を確認できたのは6でした。「県には少なくて市町村に多い」と言われることがありますが、山梨県ではその形になっていません。県の側が20件を持っていて、しかもそのうち13件は働く人・働き方支援課の外にあります。
国の助成金は、この32件とは別の枠組みで動きます。窓口も、動ける時期の決まり方も重なりません。国の側については、こちらで確かめてください。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
数えたのは会社が申請できる枠
1件と数える単位は、交付の根拠になる要綱・条例・規則が1本のものまでです。内側に区分やコースがいくつ立っていても1件のままにしました。上乗せ・拡大・環境改善の3コースを持つ県の賃金アップ環境改善事業費補助金も、これで1件です。
拾ったのは、会社・法人・事業所が申請者になれて、人に関わることにお金が出る枠です。融資や利子補給、設備の導入、物価高騰対策だけを見る枠は数えていません。
働く本人が受け取る枠も数に入れていません。やまなし人材定着奨学金返還支援事業費補助金と、各市町村の移住支援金・奨学金返還支援がこれにあたります。申請するのが会社ではないからです。求人票に書ける材料にはなるので、あとで別に触れます。
県が20件で市町村が12件
企業立地の助成金については、区別の基準をもう1つ加えています。額が投下固定資産額だけで決まる枠は、雇用の人数が対象の条件になっていても数えていません。
山梨県産業集積促進助成金と、それに協調する各市町村の産業立地事業費助成金・産業集積促進助成金がこれにあたります。数えたのは、雇った人数そのものに額が付く条項を持つものだけです。
受付が終わっている枠も数から外し、あとでまとめて示します。県の側に4つあります。外したのは制度そのものが終わったものです。
令和8年度の枠として立っていて、年度の途中に予算上限で閉じたものは20件に数えたままにしました。来年度も同じ形で立つ可能性があるためです。実際に県の「賃金アップ環境改善事業費補助金」が2026年8月25日で閉じており、この扱いにあたります。
県の20件は商工より福祉に多い
20件の内訳は、働く人・働き方支援課が7件、健康長寿推進課が7件、医務課が4件、子育て・次世代サポート課が2件です。商工にある枠は、今回数えた基準には入りませんでした。
働く人・働き方支援課の7件
雇用と労働を所管する課が持っているのは7件です。窓口は甲府市丸の内の県庁で、電話は055(223)1561。
| 制度 | 補助率・上限額 |
|---|---|
| 障害者雇用安定促進助成金 | 特定求職者雇用開発助成金の受給終了後も同じ障害者を6か月以上雇用した中小企業事業主に、週20時間以上30時間未満の重度障害者等は1人10万円、それ以外は1人5万円 |
| 山梨県副業・兼業人材活用促進事業費補助金 | 10分の8以内・50万円。対象経費は人材紹介手数料と報酬と移動費 |
| 山梨県副業・兼業人材活用支援事業費補助金 | 人材紹介手数料の1か月相当額の2分の1。1か月相当額2万円・最大2か月相当分が上限 |
| 山梨県賃金アップ環境改善事業費補助金 | 5分の4(大月市・上野原市・南部町は10分の9)。事業場内最低賃金1,500円以下で30円以上の引上げが条件。2026年8月25日受付分で予算上限に達し受付終了 |
| 山梨県スキルアップ研修推進事業費補助金 | 10分の10・上限300千円。県内に勤務する自社の従業員への研修の報償費・旅費・使用料・委託費・負担金 |
| 山梨県DX研修推進事業費補助金 | 10分の10・上限300千円。自組織へのDX推進研修の同じ費目 |
| 山梨県業務改善助成金活用サポート事業費補助金 | 上限100,000円。国の業務改善助成金の交付申請に要した報酬 |
スキルアップ研修推進とDX研修推進の2つは、賃金アップ環境改善事業費補助金の拡大コースか環境改善コースの補助対象事業者であることが前提になります。単独では申請できません。研修費を当てにするなら、賃上げの枠に乗れるかを先に確かめる順番になります。
介護と看護と保育の13件
残る13件は、福祉保健部と子育ての担当です。採用の費目に名前が付いた県の枠は、商工ではなくこの13件のなかにありました。
| 制度 | 補助率・上限額と所管課 |
|---|---|
| 訪問介護等サービス提供体制確保支援事業費補助金 | 別表1に採用の費目が3つ。合同説明会・就職フェア出展の移動経費/求人広告掲載費・採用担当職員の交通費・採用面接の会場費・選考に係る事務経費/介護人材・利用者確保のためのホームページの開設・改修とリーフレット等の作成印刷費。いずれも1事業所30万円。健康長寿推進課 |
| 山梨県介護人材確保・職場環境改善等事業費補助金 | 補助率10分の10。国の実施要綱を引く形で、県の要綱には基準額が書かれていない。健康長寿推進課 |
| 外国人介護人材受入促進事業費補助金 | 3分の2以内・1事業所当たり年額30万円以内。外国人介護人材の住居の賃借料・共益費・光熱水費。健康長寿推進課 |
| 山梨県介護事業者外国人留学生支援事業費補助金 | 介護サービス事業者が日本語学校・介護福祉士養成施設の留学生に貸与または給付する奨学金等の一部。健康長寿推進課 |
| 外国人介護福祉士候補者支援事業費補助金 | 基準額は区分に応じ150千円以内・75千円以内・60千円以内。健康長寿推進課 |
| 山梨県現任介護職員等研修支援助成金 | 現任の介護職員等を研修に参加させる際、または研修講師として派遣する際に、代替職員を雇用する事業所等が対象。健康長寿推進課 |
| 山梨県介護施設内保育施設運営費補助金 | 保育料収入相当額(24,000円×保育月数)と負担能力指数による調整率で算出。健康長寿推進課 |
| 山梨県特定行為研修受講促進事業費補助金 | 入学料・受講料・教材費。訪問看護ステーションのみ代替職員人件費も対象。医務課 |
| 山梨県感染管理認定看護師教育課程受講促進事業費補助金 | 10分の10。看護師1人につき入学料75千円・受講料1,578千円・県外実習旅費422千円が上限。修了後5年以上の県内勤務が条件。医務課 |
| 新人看護職員卒後研修事業費補助金 | 2分の1。研修参加人数の上限は70名。医務課 |
| 山梨県病院内保育所運営費補助金 | 院内保育施設の保育士等の人件費。原則12か月運営で保育料1人当たり平均月額10,000円以上の徴収が要件。医務課 |
| 山梨県幼稚園教員等人材確保支援事業費補助金 | 3分の2。上限は教員数に9,000円と事業実施月数を掛けて算出。子育て・次世代サポート課 |
| 山梨県保育教諭確保対策支援事業費補助金 | 養成施設の入学料・受講料等の2分の1で対象者1人につき100千円上限。代替幼稚園教諭雇上費は1日7,440円。子育て・次世代サポート課 |
介護と看護と保育に寄っているのは、県が人手不足の度合いを分野ごとに見ているからです。商工の窓口に採用の費目が無いからといって、県内に枠が無いわけではありません。自社がこの13件の分野に入るなら、福祉保健部からまず確かめるほうが早道です。
受付が終わった4つの枠
上の20件には数えていませんが、名前が残っていて紛らわしいものを挙げておきます。
| 制度 | 状況 |
|---|---|
| 男性育児休業取得促進事業費補助金 | 対象経費に「代替職員の募集広告」。2分の1・上限20万円。令和7年度末で申請受付終了 |
| 就職氷河期世代安定雇用助成金 | 令和6年度末で申請受付終了 |
| 就職氷河期世代正社員化促進奨励金 | 令和6年度末で申請受付終了 |
| 雇用創出奨励金 | 正規雇用1人60万円(県内居住の既卒3年以内かつ35歳未満、または非自発的離職者は100万円)・1社1億円限度。令和2年3月31日で事業認定終了 |
雇用創出奨励金は、県の「就職・労働」カテゴリの助成・補助の一覧に今もリンクが残っています。ページを開くと事業認定の終了が書いてあるので、そこまで読んでから電話をかけてください。
市町村の12件は6自治体にある
市町村の12件は、甲府市・都留市・甲斐市・山梨市・富士吉田市・韮崎市の6自治体にあります。
甲府市の5件は課が3つに分かれる
いちばん数が多いのは中核市の甲府市で、5件。ただし所管は企業立地雇用推進課・長寿介護課・商工課の3つに分かれています。
| 制度 | 補助率・上限額と所管課 |
|---|---|
| 甲府市産業活性化支援条例の雇用奨励金 | 新規の常時雇用従業員(市内に住所を有する3保険加入者)1人につき40歳未満20万円・40歳以上15万円。上限1,000万円・1回限り。条例の適用期限は令和9年3月31日。産業総室企業立地雇用推進課企業立地係 |
| 甲府市インターンシップ支援助成金 | 1日の受入につき10,000円(上限5日・50,000円)。5日間のインターンシップを年5人以上受け入れた企業に追加50,000円。大企業は対象外で、社会福祉法人・学校法人・医療法人も対象。産業部企業立地雇用推進課 |
| 甲府市EPA介護福祉士候補者受入費用助成事業 | 対象経費は公益財団法人国際厚生事業団に支払う求人申込手数料と現地合同説明会参加費。福祉部福祉支援室長寿介護課経営係 |
| 甲府市中小企業新入社員及び若手従業員人材育成事業費補助金 | 2分の1以内・1事業10万円。市内商工業団体が開く研修会等の講師謝礼・教材費・会場借上料・印刷製本費・広告宣伝費・通信運搬費。産業部商工観光室商工課商工業係 |
| 甲府市中小企業者等IT関連研修受講補助金 | ポリテクセンター山梨の生産性向上支援訓練(IT業務改善コース)の受講料の2分の1。1人あたり2,000円・1事業者5人まで。商工課 |
申請者が会社になる採用の枠が3つの課に分かれていて、どの課の一覧にも他の2つは載っていません。産業のページだけを見て「甲府市には無い」と判断すると、長寿介護課の枠を落とします。甲府市で動くなら、3つの課をそれぞれ開くところから始めておきましょう。
都留市と山梨市と甲斐市の5件
雇った人に額が付くタイプは、この3市に集まっています。
| 制度 | 補助率・上限額と所管課 |
|---|---|
| 都留市企業立地支援条例の正規雇用支援金 | 都留市に住民票を有し、高等学校卒業と同等以上の学歴で卒業から3年以内の者を3年間継続して正規雇用した場合、1企業等につき200万円を上限。条例は令和9年3月31日限りで失効。産業課企業誘致推進室 |
| 都留市介護人材確保支援事業補助金 | 市内に住所を有し1年以上雇用した介護職場未経験者等または転入者の就業に要する費用を助成した事業者に、助成した額の3分の2(10万円上限)の介護職場未経験者等雇用支援金。あわせて介護従事者研修助成支援金。週20時間以上勤務する者が対象 |
| 山梨市本社機能移転促進及び市内居住者常時雇用促進事業補助金 | 本社機能移転促進補助は対象経費の全額・上限100万円。市内居住者常時雇用促進補助は1人につき20万円・上限100万円。商工労政課企業立地担当 |
| 甲斐市企業立地支援制度の雇用奨励金 | 操業開始日前後3か月の間に3人以上の市民を常時雇用し、12か月以上継続して雇用した場合に1人あたり20万円、1事業者200万円を限度。産業創造課 |
| 甲斐市小規模企業者持続化補助金 | 2分の1以内・上限50万円。対象となる事業の例に「人材育成」「従業員確保」が明記されている。申請は甲斐市商工会と産業創造課 |
都留市の正規雇用支援金は、条例第3条のただし書で、立地の要件に該当しない新設・増設を行う者にも適用されると書かれています。工場を建てなくても届く枠だと思われます。ただし書が自社に当たるかは、産業課企業誘致推進室で確かめておかれると安心です。
富士吉田市と韮崎市の2件
残る2件は、どちらも市のページの並びからは見つけにくい場所にあります。
| 制度 | 補助率・上限額と所管課 |
|---|---|
| 富士吉田市介護支援専門員等研修費助成金 | 市内で介護保険法に基づきサービスを提供する事業所が、介護人材の定着のために介護支援専門員等へ受講させた研修の受講料を助成。交付要綱が市の例規のページにしか無く、助成率と限度額は確認できなかった |
| 韮崎市女性活躍企業応援事業奨励金 | えるぼし・くるみん・山梨クリスタルえるみん・山梨えるみん認定の取得に向けた社会保険労務士の派遣1回につき15,000円。行動計画の作成に伴う派遣3回、認定申請に伴う派遣2回が限度。商工観光課 |
韮崎市の枠は、市の商工業カテゴリに並ぶ5本のページのどこにも出てきません。例規類集を引いて初めて出てくる形です。
韮崎市でホームページの費用に近い枠を探すと、目的要件が販路開拓と生産性の向上になっている別の補助金に当たります。韮崎市でウェブサイトの制作費を使いたい方は、その条文がどこで採用を外しているかを先にご覧ください。
参考記事:『「韮崎市ビジネスチャレンジ支援事業補助金」は採用サイトに使える?対象の費用を解説!』
21市町村で確認できなかった理由
残る21市町村には、商工と産業の枠そのものはあります。数えなかった理由と一緒に並べます。
| 自治体 | 持っている枠と、数えなかった理由 |
|---|---|
| 大月市 | 大月市産業集積促進事業助成金・大月市企業立地促進条例に基づく奨励金・大月市サテライトオフィス等設置支援補助金。額が投下固定資産額と賃借料で決まる |
| 南アルプス市 | 南アルプス市産業立地事業費助成金・ものづくり企業成長投資事業費助成金。県外からの常時雇用労働者5人以上で投下固定資産の1%(限度額300万円)の加算が付くが、額は投下固定資産額で決まる |
| 北杜市 | 北杜市産業立地事業費助成金・北杜市海外販路開拓支援事業。後者は外国語版ウェブサイト制作費が対象だが目的が海外販路 |
| 笛吹市 | 笛吹市企業立地促進事業助成金・笛吹市企業立地奨励金・市内企業等振興支援条例。額が投下固定資産額と課税免除 |
| 上野原市 | 上野原市工場設置奨励制度・産業集積促進事業助成金・物価高騰対応生産性向上及び賃上げ環境整備支援事業補助金。最後の1つは先端設備等の導入額の4分の1または2分の1・限度額200万円で設備投資 |
| 甲州市 | 甲州市産業集積促進助成金・甲州市企業奨励金・甲州市小規模企業者持続化補助金。最後の1つは最大15万円・3分の2以内だが目的が販路開拓 |
| 中央市 | 市の補助金・助成金一覧の事業者向けに並ぶのは中央市産業立地事業費助成金と有害鳥獣被害防止対策事業補助金の2本 |
| 市川三郷町 | 市川三郷町産業立地事業費助成金・定着型創業支援事業 |
| 早川町 | 早川町起業支援補助金・小規模企業者小口資金融資促進条例 |
| 身延町 | 身延町産業集積促進助成金・創業支援等事業費補助金 |
| 南部町 | 商工業事業資金利子補給制度。利子補給だけの枠 |
| 富士川町 | 富士川町産業立地事業費助成金・産業立地事業奨励金・商工業事業者設備資金利子補給事業 |
| 昭和町 | 昭和町産業立地事業助成金・創業者支援利子補給金。小規模事業者等持続的発展支援補助金(上限30万円)は昭和町商工会が窓口で、町のページに要綱が無い |
| 西桂町 | 西桂町企業誘致奨励制度・西桂町創業支援補助金・小規模商工業者事業資金利子補助金 |
| 富士河口湖町 | 富士河口湖町企業立地促進条例に基づく奨励金。企業立地ガイドに事業所奨励金・雇用奨励金・住宅手当奨励金・住宅奨励金・緑化奨励金の名前があるが、町のページに雇用奨励金の要件と額が出ていない |
| 道志村 | 商工業振興資金等利子補給金。利子補給だけの枠 |
| 忍野村 | 商工業振興資金等利子補給金。利子補給だけの枠 |
| 山中湖村 | 山中湖村産業集積促進助成金・商工業振興資金等利子補給金 |
| 鳴沢村 | 鳴沢村産業集積促進事業助成金と固定資産税の課税免除・情報ハイウェイ接続事業費補助金 |
| 小菅村 | 特産品開発支援事業。商品開発の枠 |
| 丹波山村 | 創業支援利子補給金。利子補給だけの枠 |
富士河口湖町だけは、名前の上では雇用奨励金が実在します。要件と額が外から確かめられないので0件の側に置きました。町の産業の担当課に、企業立地ガイドに載っている雇用奨励金の要件を聞くところから始めてください。
募集の費目に名前がある枠は4つ
ここからが、32件を並べて効いてきたところです。募集そのものにかかる費用に、費目としての名前が付いている枠が4つありました。
求人広告掲載費は介護の枠にある
求人広告の掲載料と、採用のためのホームページの開設・改修に費目名が付いているのは、「訪問介護等サービス提供体制確保支援事業費補助金」です。この2つの費目を名指ししている枠は、県内でこの1件だけでした。別表1に、採用に関わる種目が3つ並んでいます。
・中山間地域等の事業所が地域外の求職者へ採用活動を行う際の、合同説明会や就職フェアへの出展に係る移動経費・新規職員の採用等に係る経費として、求人広告掲載費、採用担当職員の交通費、採用面接の会場費、選考に係る事務経費・介護人材や利用者の確保のために行うホームページの開設・改修に係る経費、リーフレットやチラシ等の作成・印刷費
いずれも1事業所30万円です。所管は健康長寿推進課で、令和8年度の交付申請の受付は令和8年9月1日から10月15日まで。県のページには「先着順ではありません」「予算の範囲内で補助します」と書かれていて、申請をすべて受け付けたあとに予算を配分する形です。
対象は県内の訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護の事業所に限られます。種目によっては通所介護と地域密着型通所介護も入ります。裏を返せば、この3つのサービス種別に当たらない会社には、求人広告の掲載料に費目名を持つ枠が県内に見当たりません。
自社の指定がどの種別で通っているかは、見積を取る前に確かめておきましょう。
求人申込手数料は甲府市の枠
もう1つ、募集にかかる費用に名前が付いているのが「甲府市EPA介護福祉士候補者受入費用助成事業」です。対象経費は2つだけで、公益財団法人国際厚生事業団に支払う求人申込手数料と、現地合同説明会参加費です。
経済連携協定にもとづく介護福祉士候補者を受け入れる施設が対象で、市内で受入施設を運営する法人であること、甲府市税に滞納がないこと、同じ費用でほかの公的な制度から重ねて助成を受けていないことが要件になります。窓口は福祉部福祉支援室長寿介護課経営係です。
求人の申込手数料そのものに費目名が付いているのは、32件のうちこの1件だけです。使える会社は限られますが、当たる法人にとっては直接の枠です。
人材紹介手数料は副業の2枠
人材紹介の手数料に費目名が付いているのは、県の副業・兼業の2つです。
| 制度 | 対象経費と額 |
|---|---|
| 山梨県副業・兼業人材活用促進事業費補助金 | 人材紹介手数料・報酬・移動費。10分の8以内・上限50万円。初回の活用のみで、契約期間は6か月を超えないもの。複数名を同時期に活用しても1名分 |
| 山梨県副業・兼業人材活用支援事業費補助金 | 人材紹介手数料。1か月相当額の2分の1で、1か月相当額2万円・最大2か月相当分が上限。毎年度1事業者につき1人 |
どちらも、「山梨県プロフェッショナル人材戦略拠点」の支援を受けて副業・兼業人材を活用することが前提です。拠点に登録された有料職業紹介事業者に払う手数料が対象で、正社員の採用でエージェントに払う手数料を見る枠ではありません。
促進事業費補助金のほうは移動費の算定まで決められていて、宿泊費は1泊あたり12,000円が上限、車賃は1キロメートルにつき37円です。正社員の採用を進めている方は、この2枠は別の引き出しに置いておくほうが早く済みます。
採用サイトの制作費の在り処
採用サイトの制作費については、はっきり書ける状態にありません。県内で費目に名前があるのは、先ほどの介護人材確保のためのホームページの開設・改修の1件だけです。
ホームページの制作費を対象経費に持つ枠は、県内の商工の側にもあります。ただし目的要件が販路開拓やPRにあることが多く、その場合は採用のためのページが要件から外れます。北杜市海外販路開拓支援事業の外国語版ウェブサイト制作費も、目的が海外販路の開拓です。
ここで気をつけたいのは、目的の限定がどこに掛かっているかです。枠の名前、事業の柱書き、個別の対象経費の3階建てになっていることが多く、対象経費の欄に限定が無くても、柱書きが販路を向いていれば採用は外れます。
求人サイトの掲載料と、採用活動の代行の委託費については、県内のどの枠にも費目の名前がありませんでした。介護と福祉の枠の外で採用のためのページの制作費を探しても、山梨県内では行き止まりになると思われます。目的が販路の側に置かれた枠しか残らないからです。
雇ったこと自体に額が付く枠
もう1つの型が、かけた費用ではなく雇った人数のほうに額が付くものです。県内で4つ見つかりました。内訳は人数に単価が付くものが3つと、正規雇用したこと自体に定額が出るものが1つです。
1人20万円が3市に並ぶ
1人あたりの単価で出るのが3市です。
| 自治体と制度 | 単価と限度額 |
|---|---|
| 甲府市産業活性化支援条例の雇用奨励金 | 新規の常時雇用従業員1人につき40歳未満20万円・40歳以上15万円。上限1,000万円・1回限り |
| 山梨市本社機能移転促進及び市内居住者常時雇用促進事業補助金 | 市内居住者常時雇用促進補助が1人につき20万円。上限100万円 |
| 甲斐市企業立地支援制度の雇用奨励金 | 市民を常時雇用し12か月以上継続した場合に1人あたり20万円。1事業者200万円限度 |
単価はそろって20万円ですが、限度額は1,000万円・100万円・200万円と開きがあります。単価と限度額は別の物差しなので、何人採る計画かで効き方が変わります。甲府市は40歳以上だと15万円に下がり、山梨市は本社機能の移転が前提、甲斐市は3人以上をまとめて雇うことが条件です。
4つめが都留市企業立地支援条例の正規雇用支援金で、こちらは人数ではなく1企業等につき200万円が上限。市内に住民票があり、高校卒業と同等以上の学歴で卒業から3年以内の人を、3年間続けて正規雇用した場合に出ます。
何人採るかが決まらないうちは、この4つを見積の外に置いておくほうが早く済みます。
立地の助成金は人数で動かない
紛らわしいのは、山梨県産業集積促進助成金と、それに協調する各市町村の産業立地事業費助成金です。常時雇用労働者が10人以上増えることなどが交付の要件になっているので、雇用にお金が出る枠に見えます。
ただし額は投下固定資産額に助成率を掛けて決まります。都留市は最大6%、北杜市は0.8%、上野原市も0.8%といった具合で、人を何人採ったかは助成率の加算に効くだけです。
南アルプス市には、県外からの常時雇用労働者が5人以上増えた場合に投下固定資産の1%(限度額300万円)という加算がありますが、これも土台は投下固定資産額です。
この記事では、雇ったこと自体に額が付く条項を持つものだけを数えました。人数に単価が付く3つも、都留市のように定額で出る1つも、この基準に含まれます。建物や機械への投資が先にある枠と、人を採ったことに直接お金が出る枠は、見積の作り方がまったく違うからです。
予算に達した時点で閉じる
金額と要件がそろっていても、受付が開いているとは限りません。
2026年8月に閉じた枠がある
実際に動いた例を3つ挙げます。
- 山梨県賃金アップ環境改善事業費補助金は、令和8年度当初予算158,830千円で始まり、2026年8月25日受付分で予算上限に達して受付を終了しました。
- 甲府市インターンシップ支援助成金は、令和8年4月1日から受付が始まっていて、予算額まで達すると申請受付を終了、希望者多数の場合は先着順と書かれています。1事業者につき年度内1回です。
- 男性育児休業取得促進事業費補助金は、令和7年度末で申請受付が終わりました。代替職員の募集広告を対象経費に持っていた枠です。
一方で、訪問介護等サービス提供体制確保支援事業費補助金は「先着順ではありません」と明記していて、受付期間を令和8年9月1日から10月15日までと区切っています。閉じ方は制度ごとに違うので、受付の期限だけを見て安心しないでください。
以上は2026年8月時点の公表内容です。補助金は年度ごとに内容が変わり、予算の上限に達して早く終わることも珍しくありません。要件を満たすことと、交付が決まることは別のできごとです。
探し方でこぼれる枠がある
もう1つ、市や町のページの並びだけを見ていると落ちるものがあります。山梨県内で実際に起きていた形が4つありました。
- 韮崎市女性活躍企業応援事業奨励金は、市の商工業カテゴリのページに1本も出てこない。例規類集を引くと現行の要綱として載っている
- 富士吉田市介護支援専門員等研修費助成金は、市のページが立っていない。市の例規のページに交付要綱があるだけ
- 昭和町の小規模事業者等持続的発展支援補助金は、町ではなく昭和町商工会が窓口。町のページからは要綱に届かない
- 県の枠は「補助金等の支出状況の公表」を課ごとに開かないと全体が見えない。就職・労働のカテゴリの助成・補助の一覧に並ぶのは、事業認定が終わった雇用創出奨励金だけ
これは自治体が採用を軽く見ているからではありません。制度の窓口が所管課ごとに分かれていて、横に串を通したページが用意されていないだけです。
探す側から見ると、商工の一覧を1つ開いて終わりにするだけで、介護と看護と保育の13件がまるごと視界に入りません。
Tips|県の枠は課ごとの一覧から開く
県の枠は、就職・労働のカテゴリだけを見ていても全体が出てきません。「補助金等の支出状況の公表」から、働く人・働き方支援課、健康長寿推進課、医務課、子育て・次世代サポート課の順に開くほうが早いです。市町村は、商工のページに加えて介護保険と高齢者福祉の担当課を開いてください。
先に決めるのは、どの課が担当かのほう
32制度のうち、採用のためのホームページの制作費が費目に入るのは1件です。県の訪問介護等サービス提供体制確保支援事業費補助金で、1事業所30万円。対象は訪問介護などの事業所に限られます。どの枠も予算の範囲内で交付する形なので、要件がそろっても交付が決まるとは限りません。
残る31制度は、募集にかけた費用ではなく、雇った人数と、介護・看護・保育の分野のほうにお金を置いています。いくらかけるかより先に、自社がどの課の担当になるかを確かめたほうが、開く扉は増えます。商工か、企業立地か、福祉か。窓口になる担当課も、そこで決まります。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。