【上限10万円】神奈川県「小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金」で採用サイトは対象?経費を解説!
「神奈川県 小規模事業者 デジタル化」で検索して、対象経費にホームページの作成・更新が入っていることは確認できたものの、採用ページの作り直しに当てられるのかが分からないまま止まっていませんか。
本記事では、2026年8月時点の県の公表内容をもとに、公募要領と交付要綱の中身をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!
この記事でわかること
- 対象になるのはどんな規模の会社か?
- 対象経費にホームページは入るのか?
- いくらまで戻ってくるのか?
- 採用ページの費用はこの枠に当てはまるのか?
- どこに頼んで、いつまでに動けばいいのか?
神奈川県内には、採用に使える制度がほかにもあります。市町村の制度まで含めると、この記事のものを含めて60件あるので、見比べたい方は県内を自治体別に整理した記事からどうぞ。
【全60件】「神奈川県」で採用に使える補助金は?対象経費と申請の順番を解説!
採用ページを作り直したい。半分でも補助が出ないか。そう考えて市役所の産業振興のページを開いた……という段階でしょうか。神奈川県内でこの探し方をすると、名前に「採用」が付く制度がなかなか出てきません。 制度が無いからではありません。神奈川では、採用の費用が単独では申請の単位になりにくいからです。多く
小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金の概要

出典: 神奈川産業振興センター(KIP)「令和8年度神奈川県小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金のお知らせ」のページ(2026年9月時点)
令和8年度神奈川県「小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金」は、県内の小規模事業者がデジタル技術で業務を効率化したとき、かかった経費の3分の2(上限50万円)が戻ってくる制度です。
2026年9月17日に確かめたところ、神奈川産業振興センターのお知らせは見出しで「申請受付は終了しました」と告知していました。以下は令和8年度の要件をまとめたものです。
まず、全体像です。
| 補助金名 | 令和8年度神奈川県小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金 |
|---|---|
| 相談先 | 神奈川県 産業労働局 中小企業部商業流通課 小規模デジタル補助金班(申請前の事前相談は公益財団法人神奈川産業振興センター・県内の商工会・商工会議所などが受ける) |
| 補助対象 | ITサービス導入費、HP作成改修費、機械装置等費(ITサービス導入費かHP作成改修費のどちらかが必須で、機械装置等費だけでは申請できない) |
| 補助上限(補助率) | 50万円(対象経費の3分の2以内・千円未満切捨て)。うちHP作成改修費は10万円、パソコン・タブレット及びその周辺機器は合計10万円 |
| 期限 | 令和8年4月15日9時から9月30日17時まで(交付決定を受ける前に発注・支払・利用開始をした経費は対象外) |
まず外れやすいのは会社の規模です。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業以外)なら常時使用する従業員が5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他なら20人以下で、ここを超えると対象から外れます。
「小規模事業者の枠ではなさそうだ」と感じた方は、個別の制度を当たるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
ここから、対象になる会社や対象経費の中身、採用ページがこの枠に当てはまるのか、申請の段取りまで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。
対象は県内の小規模事業者とNPO法人
対象になるのは、県内に事業所を有する小規模事業者と、一定の要件を満たす特定非営利活動法人です。小規模事業者にあたるかどうかの基準は、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の第2条で決まります。
| 業種分類 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業以外) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
| 特定非営利活動法人(法人税法上の収益事業を行い、認定を受けていない法人) | 20人以下 |
宿泊業と娯楽業だけが、サービス業から切り出されて20人以下に区分されています。旅館や飲食を伴う施設を「サービス業だから5人以下」と読むと、入れるはずの枠を自分で閉じます。しかも人数は雇っている頭数ではなく、次の人を除いて数えます。
- 会社役員(ただし従業員と兼務している役員は含めます)
- 個人事業主本人と同居の親族従業員
- 申請時点で育児・介護・傷病で休業中または休職中の社員
- 所定労働時間が通常の従業員の4分の3以下のパートタイム労働者
頭数で5人を超えていても、この数え方なら内側に入る会社があります。申請書を書く前に、この数え方で数え直してみましょう。
過年度に受け取った会社は申請できない
人数を満たしていても、履歴で外れる場合があります。過年度にこの補助金の交付を受けた事業者は、申請できません。過年度に不採択だった事業者や、交付決定を受けても補助金を受領していない事業者は申請できると県は答えており、「申請したことがある」ではなく「受け取ったことがある」が対象かどうかの分かれ目です。
このほか、令和7年4月1日までに創業していること、同一事業者が複数の申請をしないこと(複数の屋号を使う個人事業主も1件まで)、県税の未納がないことが並びます。法人格でも切られ、医療法人・宗教法人・学校法人・社会福祉法人・一般社団法人・任意団体は対象になりません。
ホームページの作成・更新は対象経費
補助対象経費は3費目です。ITサービス導入費かHP作成改修費のどちらかが必須で、機械装置等費だけでは申請できません。
| 費目 | 中身と主な対象外 |
|---|---|
| ITサービス導入費 | 各種システム・ソフトウェア・クラウドサービス・ECサイト等の導入や開発。汎用ソフト、既存サービスの更新料、通信料は対象外 |
| HP作成改修費 | ホームページの作成、更新に要する経費(作成、更新費、サーバ利用料等)。作成や更新を伴わないSEO対策と広告費は対象外 |
| 機械装置等費 | 導入したシステムやホームページを活用するために必要な機械装置等。中古品、汎用的な機器、単なる買い替えは対象外 |
HP作成改修費に、用途の限定は付いていません。「販路開拓のための」といった目的語が無く、対象外も作成や更新を伴わないSEO対策と広告費だけです。ただし役員報酬・人件費・役務費が対象外に並ぶため、採用活動の代行の委託費はこの枠に含まれません。人材紹介手数料も、3費目のどれにも当てはまりません。
戻るのは3分の2・ホームページは10万円
補助率は対象経費の3分の2以内で、千円未満は切り捨てです。全体の上限は50万円ですが、ホームページに出るのは10万円まで、パソコン・タブレット及びその周辺機器は合計10万円までです。
ホームページで対象経費として見てもらえるのは15万円までで、その3分の2が10万円です。例えば、会社のホームページの作成に15万円を払うなら、戻るのは10万円です。15万円を超えて払っても、この費目から戻る額は10万円で止まります。
県が定める人手不足の解消は省人化
交付要綱の第3条は、補助対象事業を「デジタル技術の活用により人手不足の解消や業務効率化に資する事業」と定めています。人手不足の解消が並んでいるなら採用の話も入るのではないか、と読みたくなるところですが、その中身は県自身が定義しています。
これまで3人必要だった作業が2人でできるようになることや、丸1日かかっていた作業が、半日で完了するようになる、デジタル化により工数(時間)が削減されるなど、これまでと比べ人手がかからなくなることを指します。
県のいう人手不足の解消は省人化であって、人を採ることではありません。デジタル化で工数が減ることを指していて、採用ページを作って応募を増やす話は、この定義の外にあると見ておくほうが安全です。
ホームページは営業の効率化に含まれる
補助対象事業はデジタル化事業の1本で、その下に5つのプロセスがあります。
| プロセス | 取組事例 |
|---|---|
| 業種特有業務効率化事業 | 工程管理・生産管理・運行管理・在庫管理・セルフオーダー・予約管理 |
| 経理業務効率化事業 | 会計システム、見積書作成・請求書発行システム |
| 営業業務効率化事業 | 顧客管理・受発注管理・契約管理、ホームページの作成・更新 |
| 労務管理効率化事業 | 労務管理システム、勤怠管理システム |
| その他業務効率化事業 | マニュアル作成システム、生成AIツール、WEB会議ツール |
ホームページは、営業業務効率化事業の取組事例として挙げられています。人事と労務の効率化を掲げる労務管理効率化事業の側に、ホームページはありません。採用の周辺で、この制度が正面から想定しているのはそちらです。
ホームページの枠は、ほかの取り組みと一緒に出せば広がります
5つのプロセスは排他ではありません。様式1-3のチェック欄は複数選択でき、公募要領も複数のプロセスを同時に申請できるとしています。ホームページの更新と労務管理システムの導入を1回の申請にまとめれば、使える枠は合計50万円まで広がります。
止めているのは誓約と事業計画の審査
公募要領の補助要件には「営業利益率が向上する事業であること」という一文があり、これは事業計画書の誓約事項にも降りてきます。様式1-3には、チェックが無いと申請できない欄が並びます。
本事業計画は、申請者の事業の業務効率化に資するものであり、結果として、営業利益率が向上する事業計画であることに間違いありません。
採用ページは、応募が増えても営業利益率が上がるとは限りません。むしろ人が増えれば人件費は増える方向にも働きます。審査でも同じことが問われ、事業計画審査の観点には「営業利益率が向上する計画であると認められるか」が並びます。
一方で、対象外経費に採用ページや求人ページの名指しはありません。会社のホームページを作り直す一部として採用ページを含め、計画そのものは業務効率化で立てる、という筋なら成立しうると思われます。見積を取る前に、事前相談の席でこの読み方を確かめておかれると安心です。
発注先は原則として県内の事業者
発注先は、原則として県内に事業所を構える事業者に限られます。クラウドサービスの直接契約など特別な理由がある場合を除いて、県外の事業者から調達した経費は対象外です。
県外の制作会社に頼むなら、県外調達理由書が1枚増える前提になります。経費予算書は費目ごとに県内か県外かを書かせる作りで、県外には理由の説明が求められます。単価50万円(税抜)以上の財産は、県内の事業所で使うことが条件で、県外へ移すと返還を求められます。
期限は9月30日・予算に達すれば終了
公募期間は令和8年4月15日9時から9月30日17時までです。ただし先着順で、予算額に達した時点で受付は終了します。県の令和8年度の当初予算では、専門家派遣への補助も含めてこの補助金に1億528万8千円が計上されました。県が想定する採択は400件程度で、前年度は446件のうち387件でした。
交付決定が出るまでは発注も支払いも利用開始もできません。事業は交付決定日から令和9年1月31日までで、この日までに完成していないホームページは対象外です。要件を満たすことと交付が決まることは別で、「申請すれば必ず補助金がもらえるものではありません」と県は明記しています。
申請は事前相談から始まる
この制度は、申請前の事前相談が必須です。相談機関が発行する相談シート(様式1-5)を申請書類に添付するので、相談を飛ばして申請することはできません。申請は原則として県の電子申請で、受理から交付決定までは1か月から2か月程度かかります。
相談先は公募要領の一覧に35機関あり、神奈川産業振興センター、県中小企業団体中央会、商工会議所14、商工会19という内訳です。県はこのほかに14の相談機関も公表しています。この席が、採用ページの扱いを確かめられる場です。
Tips|見積を取る前に、相談の席を押さえる
神奈川産業振興センターは自らのページで予約が取りづらい状況だと告知し、県内各商工会・商工会議所の利用を案内しています。相談シートが無ければ申請そのものが立たないので、急ぐなら地元の商工会や商工会議所を先に当たるほうが早く進みます。
問い合わせ先は商業流通課
本制度の所管は、神奈川県 産業労働局 中小企業部商業流通課の小規模デジタル補助金班です。ただし最初に話す相手は相談機関なので、地元の商工会・商工会議所か神奈川産業振興センターから入ることになります。
申請の前に確かめておきたい点は3つです。
- 採用ページを含む会社のホームページの作成が、事業計画審査でどう読まれるか(上の見立てのとおりですが、見積を取る前に相談の席で確かめる)
- 県外の制作会社に頼むときに、県外調達理由書がどこまで認められるか
- いま予算にどれだけ残っているか
10万円の補助より、採ったあとの受け皿が効く
ホームページに出るのは10万円までです。この枠は、デジタル技術で人手をかけずに済む形をつくる会社を支える制度で、採用の費用はその目的に含まれていません。採用ページを含む会社サイトの作り直しを外に頼むなら、その費用の一部に届く額です。
申請には、相談機関の席を押さえて相談シートを受け取り、営業利益率が向上すると様式で誓約し、交付決定が出るまで1か月から2か月は発注を止める段取りがかかります。その手間まで含めて考えると、10万円を取りに動くより、採った人が続く受け皿を先に整えるほうが、返ってくるものは大きいはずです。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。