【300万円】「松阪市中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金」は採用に使える?対象経費を解説!

「松阪市 採用 補助金」で検索してこの補助金に行き当たったものの、対象経費に「ウェブサイト関連費」という費目があって上限は300万円、それでも自社の採用サイトに使えるのかどうかが分からないまま止まっていませんか。

本記事では、2026年8月時点の市の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!

この記事でわかること

  • 対象になる会社はどこまでか?
  • 七つの費目のうち、採用の費用はどこに当たるのか?
  • 費目の名前が当たっても外れるのはどこか?
  • いくらまで戻ってくるのか?
  • 賃上げはどこで条件になるのか?

松阪市には、採用に使える制度がほかにもあります。この記事のものを含めて2件あるので、見比べたい方は三重県内を自治体別に整理した記事からどうぞ。

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中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金の概要

松阪市の公式サイトにある「中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金 二次募集について」の案内ページ。見出しに「受付終了しました」と表示され、更新日は2026年9月14日、下に補助金名の大きな見出しが続く。

出典: 松阪市「中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金 二次募集」のページ(2026年9月時点)

「中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金」は、収益力を上げる事業に取り組んで従業員の賃金を引き上げたとき、その事業にかかった経費の半分(上限300万円)が戻ってくる制度です。

2026年9月17日に確かめたところ、市のページは見出しで「受付終了しました」と告知していました(2026年9月14日更新)。以下は二次募集の要件をまとめたものです。

まず、全体像です。

補助金名 松阪市中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金
相談先 松阪市 商工政策課
補助対象 開発費、設備・備品費、委託費、店舗改装費、広告宣伝・販売促進費(ウェブサイト関連費を除く)、ウェブサイト関連費(ウェブサイト、ECサイト等の構築、改良等に要する経費)、その他(いずれも交付要綱第4条第1項各号に掲げる事業に係る経費に限る)
補助上限(補助率) 300万円(対象経費の2分の1以内・下限10万円・1,000円未満切り捨て)
期限 二次募集は令和8年9月14日午前9時から9月30日午後4時30分まで(交付決定を受ける前に契約・購入した経費は対象外)

注意したいのは、費目の名前が当たるだけでは対象にならないことです。交付要綱第5条第1項が、対象になる経費を「前条第1項各号に掲げる事業に係る経費」に絞っていて、その六つの事業には採用という言葉がありません。

「賃上げ環境整備の枠ではなさそうだ」と感じた方は、個別の制度を当たるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。

参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!

ここから、対象になる会社、七つの費目の中身、賃上げの効き方、申請の期限と予算まで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。

対象は市内に事業所がある中小企業

対象になるのは、松阪市内に本社・支社・営業所等があり、市税等の滞納がなく、青色申告をしている中小企業者等です。二次募集では、これに「令和8年度の一次募集で採択または不採択の決定を受けていないこと」が加わりました。

一次募集を取り下げた方は申請できます。一次で採択か不採択の結果が出た方は、二次募集には出せません。

同じ事業に国や県、市のほかの補助金を当てていると、対象から外れます。物価高騰対策として実施された「農業経営体物価高騰緊急対策事業補助金」と、「中小企業エネルギー価格高騰対策緊急支援補助金」とは、重複して申請できません。

ここで判断に迷うのが「中小企業者等」が指す範囲です。要綱にも二次募集要領にも、資本金や従業員数の基準は書かれていません。よく使われる物差しは中小企業基本法の定義です。

業種分類 中小企業基本法の定義
製造業その他 資本金の額又は出資の総額が3億円以下、又は常時使用する従業員の数が300人以下
卸売業 資本金の額又は出資の総額が1億円以下、又は常時使用する従業員の数が100人以下
小売業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下、又は常時使用する従業員の数が50人以下
サービス業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下、又は常時使用する従業員の数が100人以下

参考サイト:『中小企業庁:「中小企業・小規模企業者の定義」』

ただし、松阪市の資料にこの表がそのまま載っているわけではありません。従業員が数百人の規模に近い会社だけは、申請書を書き始める前に商工政策課で確かめておかれると安心です。

対象経費は七つに分かれる

交付要綱の別表第3が、対象になる経費を七つに分けて並べています。

経費の区分 内容
開発費 新商品又は新サービスの開発に係る市場調査、試作品の製作及び改善のための評価テスト・商品モニター調査等/製品化及び実用化のための特許使用料/パッケージデザイン費等
設備・備品費 設備、備品又は「事業専用車両」の購入、リース等/ソフトウェアの購入
委託費 工事費、設計費、コンサルティング等/ソフトウェアの開発費/外部に委託する新商品又は新サービスの開発
店舗改装費 新たな事業の実施に要する店舗の改装
広告宣伝・販売促進費 事業の広告宣伝及び販売促進に要する経費(ただし、ウェブサイト関連費を除く。)
ウェブサイト関連費 ウェブサイト、ECサイト等の構築、改良等に要する経費
その他 その他市長が必要と認める経費

採用サイトの制作費は、費目の名前としてはウェブサイト関連費に文字どおり当たります。設備でも印刷物でもなく、ウェブサイトの構築だからです。

採用動画や採用パンフレットは、広告宣伝・販売促進費の側に入ります。ただしこの費目には縛りが付いています。要綱の欄そのものに「ウェブサイト関連費を除く」と括弧書きがあり、さらに別表第3の備考が効きます。

備考は「広告宣伝・販売促進費を補助対象経費とする場合は、他の補助対象経費と合わせて補助申請する場合に限る」です。採用動画やパンフレットだけを並べた申請は、この備考で通りません。

通るかどうかは事業の側で決まる

対象経費を定める要綱第5条第1項は、こう書いています。

補助金の交付の対象となる経費…は、前条第1項各号に掲げる事業に係る経費で別表第3に定めるものとする。

その前条、第4条第1項が並べる補助対象事業は六つあります。

  1. 省力化・作業効率化・生産能力増強等のための設備導入やDXの導入による生産性向上
  2. サプライチェーンの強靭化のための部素材の内製化、製造工程の見直し等の事業再構築
  3. 需要が見込める分野にシフトして収益の柱を作る事業再構築
  4. 新商品・新サービスの開発、新事業の立ち上げ等による事業再構築
  5. 新たな需要が見込めるブランド力強化や新たな顧客層の掘り起こしにつなげる販路開拓
  6. その他市長が認めるもの

六つのどこにも、採用・人材・求人という言葉がありません。採用そのものを目的にしたサイトは、生産性向上でも事業再構築でも販路開拓でもないので、費目に名前があっても対象事業の条件からは外れます。

いっぽう、会社のサイトを作り替える計画が、新たな顧客層の掘り起こし(5番)や新事業の立ち上げ(4番)の一部として立つなら、そのサイトの費用はこの枠に当てはまると思われます。市の予算資料にも、交付先は「賃上げ環境整備に資する設備投資などを実施する企業」と書かれています。

要綱第1条は「新たな事業活動の実施により」収益力を向上させる会社を対象にしています。いま動いているサイトに手を入れるだけの計画では、対象事業の条件に届かないと見ておくほうが安全です。

その計画に採用ページを含める形が認められるかは、要綱にも要領にも書かれていません。見積を取る前に、商工政策課へ計画の中身を当ててみてください。

戻るのは経費の2分の1・上限300万円

補助率は対象経費の2分の1以内で、上限は300万円です。計算した額に1,000円未満の端数が出れば、切り捨てになります。

例えば、新事業の立ち上げに合わせて会社のサイトを作り替える費用が200万円なら、戻るのは100万円です。上限の300万円まで受け取るには、対象経費で600万円の支出が必要になります。

補助額には10万円という下限もあります。対象経費が20万円に届かない計画では、そもそも申請ができません。サイトの手直しだけで組む額なら、この下限は先に確かめておきたいところです。

賃上げは交付の条件として効く

名前に「賃上げ環境整備」と入っているので、賃金を上げるための環境づくりの費用が見てもらえる枠に見えます。ところが、賃上げは経費をひとつも縛っていません。

賃上げが出てくるのは、事業の性格を定める第4条第1項の柱書き、交付決定の条件を定める第9条、実績報告の提出書類を定める第15条第2項です。別表第3の七つの費目には、賃上げを条件にしたものがありません。

何パーセント上げればよいのかは、要綱にも要領にも定めがありません。二次募集要領の注が「申請書の賃上げ計画に該当する従業員の申請時点賃金と、実績報告時点の当該従業員の賃金が上昇していることをいいます」と書くだけです。

上がっていればよく、下限の率という決まりはありません。対象になるのも全社員ではなく、申請者が賃上げ計画に書いた従業員だけです。

賃金は時間給換算額で測ります。比べる時点は、令和7年4月1日以降に実施した直近の賃上げ時点か、令和7年4月1日のいずれか遅いほうです。

率の下限が無いぶん、上げ幅を決める前に、どの従業員を計画に載せるかを先に決めておきましょう。

小規模企業等は賃上げが条件から外れる

要綱第9条は、原則として賃上げにつながることという要件を、小規模企業等には適用しないと定めています。届(様式第4号)を出していれば、賃上げそのものが交付条件になりません。

業種区分 常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業・その他 20人以下

別表第2の注記によると、ここでの「商業」は卸売業と小売業を指します。従業員が5人以下の小売業なら、賃上げの誓約を出さずに設備や新事業の費用を見てもらえます。

実績報告のときに賃金台帳の写しを出す必要もありません。従業員の数がこの基準に近い会社は、どちらの扱いになるかで手間が大きく変わります。

未実施なら誓約書に6か月の縛りが付く

実績報告の時点で賃上げが済んでいれば、賃金台帳の写しを出します。まだのときは、様式第13号の誓約書を出す道があります。

この誓約書は「上げます」の一言では終わりません。事業の期間が終わったあとも計画どおり賃上げを実施すること、そして実績報告書の提出後6か月を経過する日までの間、次のことを行わないことを誓約します。

  • 従業員の解雇(天災事変その他やむを得ない事由・従業員の責に帰すべき事由による場合を除く)
  • 経営上の理由などにより退職を希望する従業員を募集し、従業員が退職すること
  • その事業場の従業員の時間当たりの賃金額を引き下げること
  • 所定労働時間の短縮・所定労働日の減少により月当たりの賃金額を引き下げること

しかも様式第13号には、代表者の押印欄とは別に従業員代表者の押印欄があります。誓約で済ませる道は、社内の合意を取ってからでないと通れません。

掲載料と紹介手数料と出展料は費目に無い

求人媒体の掲載料、人材紹介の手数料、合同説明会の出展料は、別表第3にも要領の対象経費の表にも名前がありません。要領の例に「テレビ・ラジオ・インターネットなどの広告宣伝」はありますが、その柱書きは「事業の広告宣伝及び販売促進に要する経費」です。売るための広報であって、採る側の広報ではありません。

人材紹介の手数料は委託費のどの項目にも当たらず、要綱第5条第3項は人件費を対象外にしています。採用にかかる費用の大半は、この枠の外で自社が組みます。

奨学金の返還は市の別の枠が見る

従業員の奨学金返還を会社が肩代わりする形なら、松阪市には「中小企業奨学金返還支援補助金」があります。対象者1人につき年20万円が上限で、最長3年、事前の企業登録が必要です。

支援の対象になるのは、令和7年4月以降に雇用した市内在住・市内事業所勤務の正社員で、申請年度の3月末日時点で30歳以下の方です。採るための費用ではなく、入った人に続けてもらう側を見る枠だと思われます。

受付は9月30日の午後4時30分まで

二次募集の受付は、令和8年9月14日午前9時から9月30日午後4時30分までです。受付は電子申請フォームだけで、先着順です。募集予算額に達した時点で、9月30日を待たずに受付は終わります。

交付決定を受ける前に契約・購入した経費は、対象外です。実績報告の期限は令和9年1月29日で、事業はそれまでに終える必要があります。

Tips|9月14日の9時までに手元に置いておくもの

  • 当てはめる対象事業(第4条第1項の六つのどれか)と、その中でサイトや設備をどう位置づけるかのメモ
  • 対象経費の見積(ウェブサイト関連費と他の費目を分けた形で)
  • 賃上げ計画に載せる従業員と、比べる時点の時間給換算額

申請は電子申請フォームから受け付けます。添える書類は、事業計画書(様式第3号)、賃金引上げ計画(様式第3号の6)、収支予算書、誓約書(様式第2号)です。小規模企業等に当たる方は、様式第4号の届もここで出します。

先に交付決定を受けて、それから契約する順番になります。見積を取ったあと、そのまま発注へ進むと対象から外れるので、順番だけは崩さないようにしましょう。

予算は7,600万円・上限で割ると25社分

二次募集の募集予算額は7,600万円です。上限の300万円で割ると25社分で、上限まで使わない会社が混ざれば、その分だけ件数は増えます。

先着順で決まるのは予算枠の取得であって、採択そのものではありません。要領の審査は5項目・100点満点で、60点に達しないものは不採択です。配点は採算性と実現性が各30点、持続性が20点、積極性と経済合理性が各10点です。

枠を取っても、採算性で評価されない計画は通りません。配点の3割を占める採算性の観点は「収益向上に効果があると認められるもの」で、収益の話が薄い計画は点が伸びないと思われます。

問い合わせ先は商工政策課

この補助金の所管は、松阪市の商工政策課です。二次募集の受付が電子申請フォームだけになったので、様式の中身は早めに当たっておきたいところです。

申請の前に確かめておく点は、次の3つです。

  • 会社のサイトを作り替える計画に採用ページを含める形が、六つの対象事業のどれかとして通るか(上の見立てのとおりだが、申請前に確かめる)
  • いま7,600万円の枠にどれだけ残っているか
  • 同一の事業でなければ、ほかの補助金を受けていても申請できるのか

300万円は設備と賃上げの計画に付いてくる

本制度の上限は300万円です。制度が軽くするのは、六つの対象事業のどれかに当てはまる経費の2分の1までで、採用の費用はその事業の中に位置づけられて初めて届きます。

申請には、賃上げの対象にする従業員を選び、実績報告の後6か月は解雇も賃下げもしないと、従業員代表の押印付きで誓約する手間が付きます。戻る額より、その6か月のあいだ人が続く状態をつくるほうが、返ってくるものは大きいはずです。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人
【300万円】「松阪市中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金」は採用に使える?対象経費を解説! | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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