【完全保存版】採用サイトとは?4つの働きと、依頼前に押さえる費用・期間の目安

地方の中小企業からいただく相談で一番多いのが「求人広告を出しても応募が来ない」という話です。媒体を変えても、掲載プランを上げても反応が戻ってこない……。そこで次の一手として候補に上がるのが『採用サイト』です。

とはいえ、作れば応募が増える魔法の道具ではありません。何を担う受け皿なのかを先に押さえておけば、公開後に「作ったのに何も変わらなかった」と後悔せずに済みます。

依頼する前に知っておきたい全体像を、順に整理していきます。

この記事でわかること

  • 採用サイトとは何か、コーポレートサイトとどう異なるのか
  • 採用サイトのメリット・目的・役割
  • 掲載すべき情報と、参考になる実例
  • 採用サイト制作の費用相場・期間・流れ

目次

採用サイトとは?

採用サイトとは、自社の採用情報だけを掲載する、採用専門のウェブサイトのことです。検索の場面では「採用ホームページ」と呼ばれるケースもありますが、指しているものとしては全く同じです。

求人掲載ページとは異なり、載せられる情報の量も見せ方も、公開し続ける期間もすべて自社で自由に決められます。こうしたメリットから、昨今は自社の「採用サイト(採用ホームページ)」を構築する企業が増え続けています。

求人媒体では入りきらない情報を置ける

載せられるのは募集要項だけではありません。企業文化、経営者や社員のコメント、社内イベントなど、求職者が知りたい情報をまとめて掲載しておきます。

求人媒体では文字数や項目が決まっているため、どうしても条件面の比較になりがちです。採用サイトは、その枠から外れて「働く場としての中身」を伝えられるということです。

掲載した情報は「構成の質」で初めて読まれる

情報を掲載しただけでは読まれません。求職者が最後まで読み進めたくなるかどうかは、デザインや構成の質にかかっています。採用サイト制作が単なるページ作りと異なるのは、ここに手をかける必要があるからです。

判断の目安として、スマートフォンで開いて3スクロール以内に「どんな会社で、誰が働いているか」が掴めるかを見てください。掴めなければ、情報が足りないのではなく並び順の問題です。

「採用サイト」と「コーポレートサイト」の違いは読み手にある

一番大きな違いは、”誰に向けて作られているか” です。「コーポレートサイト」は取引先や顧客に向けた公式サイトであり、事業内容や実績など「取引の判断に必要な情報」が中心になります。一方の「採用サイト」が向き合う相手は、学生や転職を考えている求職者です。

求職者が知りたいのは「売上規模」ではなく「働く一日」

同じ会社の情報でも、読み手が変われば必要な中身は変わります。求職者が知りたいのは、売上規模そのものよりも「この会社で働く一日がどうなるか」です。コーポレートサイトに掲載されている情報の中から、求職者の関心に沿うものを抜き出し、働くイメージが立ち上がる形に組み直したものが採用サイトだとお考えください。

採用ページ1枚で足りるかは「情報量」で決まる

就職白書の調査グラフ。学生が「知りたいと思っていたもの」と「知ることができたもの」を項目別に比べたもので、経営方針・事業戦略や勤務地で両者の差が大きい

コーポレートサイトの中に採用ページを1枚だけ置いている企業も少なくありません。それでも募集自体はできますが、伝えられる情報量には限りが出ます。独立した採用専用サイトを持つかどうかの判断軸は、別の記事で詳しく整理しています。

参考記事:『【15項目】採用専用サイトは必要?作るか迷ったときの3つの判断軸

採用サイトのメリットは「応募につながる4つの働き」

採用サイトを持つ目的は、突き詰めれば 「応募(エントリー)を獲得すること」 です。そして、その目的に向かう過程で副次的に得られるものが、そのまま採用サイトの役割になります。ここでは両方をまとめて「メリット」として、貢献度の高い順に4つ整理します。

01. 応募(エントリー)が集まる

最大の目的であり、最大のメリットです。求職者は求人媒体で会社を見つけたあと、ほぼ必ず社名で検索します。そこに採用サイトがあるかどうかで、応募するか離脱するかが分かれます

ここで重要なのは、採用サイトが「応募の受け皿」であると同時に「応募の入口」にもなるという点です。求人媒体から採用サイトへ流れた求職者は、媒体に戻らずそのまま採用サイトからエントリーすることがあります。成果報酬型の求人媒体を使っている場合、この直接応募はそのまま採用コストの差になります(※1)。

1 弊社が採用活動の代行を支援している企業様の直近2年分のデータでは、求人ポータルサイトに出稿していても、最終的に自社サイト経由で応募してくださった方が2割いました。成果報酬型の媒体は、応募や採用が発生するたびに費用がかかります。この2割は媒体を経由していないため、その分の費用が発生しません。つまりこの2割が、そのまま削減できたコストにあたります。

02. 長期的な採用コストの削減につながる

求人広告は掲載のたびに費用が発生します。翌年も募集するなら、また同じだけかかります。対して採用サイトは、一度作れば会社の資産として残り、翌年以降も働き続けます

求人広告を掛け捨ての保険とすれば、採用サイトは仕組みを残す投資です。長い目で見たときの採用コストの考え方が変わるのは、この差によるものです。

03. 採用ブランディングが実現できる

採用サイトを持つと、自社の特長やビジョンを自分の言葉で、必要なだけ伝えられます。求人媒体の枠内では条件面での比較になりがちですが、採用サイトでは「何を大事にしている会社か」まで踏み込めます。ここが競合他社との差になります。

条件で大手に並べない中小企業ほど、この差が効きます。給与や休日で勝てないなら、勝てる土俵を自分で用意するしかないからです。

04. ミスマッチが減り、志望度が上がる

転職活動中の情報収集方法を尋ねたアンケート結果。企業サイトの確認が89.2%で最多、採用サイトの確認が74.5%、口コミサイトが69.6%と続く横棒グラフ

企業と求職者の相性が合わないまま採用が進むと、辞退や早期離職につながります。手間も時間もかけた採用が振り出しに戻るため、企業にとっても求職者にとっても避けたい事態です。

企業側が十分な情報を先に渡しておけば、求職者は自分で適性を判断できます。加えて、会社をよく調べたうえで応募した人は、入社後のモチベーションも高い傾向があります。早期離職の理由として挙がる「聞いていた話と違う」は、入社前に渡す情報量で相当減らせるということです。

他の採用手法とメリット・デメリットを並べて比べたい場合は、比較記事のほうが参考になります。

参考記事:『採用サイト制作に意味はある?制作のメリット・デメリットを徹底解説!

採用サイトのデメリットは費用と、公開後の手間

採用サイトにも弱点はあります。制作を検討する段階で知っておいたほうがよいのは、次の2点です。

01. 露出がなければ、作っても人は来ない

採用サイトを作っても、それだけで応募者が増えるとは限りません。求職者の多くは求人媒体を経由して企業を知ります。もともとの認知が低ければ、採用サイトに人が来ないまま終わります

採用サイトは、すでに自社を知っていて、もっと詳しく調べようとしている求職者に向けた受け皿です。受け皿がどれだけ立派でも、そこへ流れ込む水があってはじめて溜まります。露出(母集団形成)と受け皿(採用サイト)は両輪だというのは、こういう理由からです。順番としては、露出が先になります。

なお、「採用サイトを検索で見つけてもらい、そこから新しく応募者を集める」という発想には注意が必要です。「◯◯(職種) 求人」のように求職者が実際に使う語で検索すると、上位は求人ボックスやIndeedといった大手ポータルが占有しています。自社サイトがそこに割って入るのは、現実的にかなり難しいのが実情です。

弊社は、採用における検索対策を 「新しく人を集めるための施策」ではなく「すでに自社に興味を持った人を取りこぼさないための施策」 と捉えています。求人媒体で会社を知った求職者は、応募する前にほぼ社名で検索します。そのときに採用サイトがきちんと出てくる状態をつくる、という位置づけです。まず求人媒体で露出を確保し、採用サイトを運用していく中で結果的に検索経由が強まっていればよい、と考えています。地域名と合わせて探されることも多いため、Googleマップ上に出る店舗・事業所の情報(Googleビジネスプロフィール)を整えておくのも同じ役割を果たします。

一方で、Googleしごと検索やIndeedのような検索エンジン型の求人サービスへの対応は、優先して進めておくべきだと考えています。こちらは大手ポータルと張り合う話ではなく、そこに拾ってもらう話だからです。掲載に費用もかかりません。ただし、募集要項が画像やPDFで置かれていると対象から外れるため、制作の段階で「拾われる形」にしておく必要があります。

参考記事:『【優先度つき】採用サイトのSEO対策は有効?後回しにすべき3つの理由と効く場面

02. 制作期間中、兼務の担当者に負荷がかかる

費用がかかることは、おそらく想定済みだと思います。見落とされやすいのは「制作期間中の業務負荷」のほうです。

採用サイトの制作には2〜4ヶ月かかります。その間、通常業務と日々の採用業務を回しながら、制作の指示出しや進捗管理を並行することになります。採用担当者の多くは専任ではなく兼務ですから、ここが現実的に一番きついところです。

さらに、制作会社によっては要件定義書(どのページを作り、どんな機能を載せるかを一覧にした仕様書)の作成や、各ページの原稿提出をお客様側に求めてきます。フリーランスに依頼する場合も同様です。「安く作れる」と思って選んだ結果、実際には自社の作業量が跳ね上がっていた、という状態になりかねません。

だからこそ、多少コストがかかっても、プロとして手綱を引いてリードしてくれる制作会社を選ぶことをおすすめします。判断の軸は金額そのものではなく、「自社がどこまでやる前提の金額か」です。見積もりを比べるときは、必ずここを確認してください。

採用サイトで掲載すべき情報

ジェイエムシー株式会社の採用サイトの職種紹介ページ。「JOBS.01 営業職」の見出しの下に、仕事の特徴と社員の写真を並べている

掲載すべき情報は、求職者が「入社後の自分」を具体的に想像できるかどうかで選びます。会社側が言いたいことではなく、求職者が判断に使う材料から逆算するのが基本です。

並べる順番は、求職者が応募を決める直前に見るものからにしています。理念や沿革は後から足しても損失が小さい一方、募集要項と仕事内容が薄いページは、その場で候補から外れるためです。

参考記事:『【完全版】採用サイトのコンテンツ10選|何から作る?優先順位と設計の考え方

01. 募集要項

給与・休日・勤務地・選考の流れといった実務情報です。デザインの都合でここを薄くすると、求職者は検討材料を失います。削ってはいけない情報として最初に置いています

求人票をそのまま転記すると、条件の羅列で終わります。必須要件と歓迎要件を分ける、選考の回数と所要期間を書く。この2つを足すだけで、応募のハードルは下がります。

参考記事:『【保存版】募集要項とは?必須9項目の書き方と、求人票との違いをまとめて解説

02. 仕事内容・職種紹介

「営業」「製造」といった職種名だけでは、何をする仕事なのか伝わりません。1日の流れ、誰と組むのか、入社後どんな順番で任されていくのか。ここまで書いて、はじめて求職者は自分を重ねられます。

職種が複数あるなら、ページを分けたほうが機能します。1ページに詰め込むと、どの職種も同じに見えてしまうからです。

職種紹介ページの書き方「1日の流れ」の作り方

03. 社風や社内の様子

鈴木建設株式会社の採用サイトの社員インタビューページ。現場に立つ若手社員の写真に「温かくも挑戦的な職場で、施工管理のために日々勉強中。」というコメントを重ねている

社内の雰囲気や人との距離感は、文章で「風通しがよい」と書いても伝わりません。写真と、社員本人の言葉で見せるのが基本です。

写真は集合写真より働いている最中の表情のほうが空気が伝わります。撮影だけはプロに依頼するコスト配分が妥当です。そのうえで効くのが、先輩社員インタビューと、複数名で話す対談・クロストークです。

インタビューは1人の経歴と考え方を深く見せられます。対談は、社員同士のやりとりそのものから距離感や関係性が伝わるため、「風通し」のような言葉にしにくいものを見せるのに向いています。どちらか一方ではなく、役割が違うと考えてください。

先輩社員インタビューの作り方クロストーク(社員座談会)の効果と作り方採用サイトの写真の選び方と撮影

04. 数字で見る◯◯(会社の規模・実績)

大日コンサルタント株式会社の採用サイト。岐阜県内同業社比較の総売上ランキング1位、土木部門売上順位の5年推移、建設コンサルタント部門の全国順位45位を、グラフと日本地図で示している

従業員数や売上高といった規模感は、一つの項目にまとめて問題ありません。「数字で分かる◯◯(会社名)」といった形でビジュアル化すると、求職者にとって分かりやすくなります。

ここで効くのは、規模の数字より求職者が自分の生活を重ねられる数字です。平均年齢、有給取得率、未経験入社の割合。知名度で不利な会社ほど、この数字が判断材料になります。

参考記事:『【事例つき】採用サイトの「数字で見る」に何を載せる?選び方と作り方を解説

05. 経営者のメッセージ(理念・方針)

理念・ビジョン・経営方針・事業方針は、求職者から見ればほぼ同じものです。別々のページに分けず、経営者の言葉として一本にまとめるほうが伝わります。

理念を掲げるだけでは他社と横並びになります。「日々の仕事のどの場面で、その理念が顔を出すのか」まで書けて、はじめて自社の言葉になります。中小企業では「誰の下で働くか」が職場環境のほぼすべてを決めるため、仕事観や失敗談まで語られていると、人柄で応募を決める層に届きます。

参考記事:『社長インタビューの作り方──採用サイトで効く質問例と引き出し方

06. 働く環境(福利厚生・オフィス)

福利厚生をどの程度重視するかを年代別に示した帯グラフ。全体では「非常に重視する」28%、「まあまあ重視する」55%で、20代は「非常に重視する」が37%と最も高い

制度の一覧を並べるだけでは読まれません。その制度が実際に使われているかが求職者の知りたいところです。取得率や利用実績を1つ添えるだけで、印象は変わります。

オフィスや現場の様子も、働く環境の一部です。通勤やロッカー、休憩スペースまで見せると、入社後の生活が具体的になります。

福利厚生ページの見せ方オフィス紹介ページの構成

07. 入社後の道筋(研修制度・キャリアパス)

未経験者や若手ほど、「入って何ができるようになるのか」を見ています。研修の中身と、その先のキャリアの階段。この2つが見えると、応募の不安が減ります。

キャリアパスは図解で示したうえで、そのステップを実際に歩んだ社員の話を重ねると説得力が出ます。制度として存在するだけの階段は、求職者に見抜かれます。

研修制度紹介ページの作り方キャリアパスの見せ方

08. 求める人物像

「明るい方」「前向きな方」のような誰にでも当てはまる言葉にすると、書いた意味がなくなります。自社で活躍している人の共通点から言葉を起こすのが基本です。

ここを具体的に書くほど、合わない人の応募は減ります。応募数だけを見ると損に見えますが、選考にかかる時間を考えれば、先に絞れるほうが効率的です。

参考記事:『【4つの型】「求める人物像」とは?採用サイトに書くときの外せない点

全部を一度にそろえられなくても構いません。01と02から着手してください。求職者が応募を決める直前に見るのがこの2つで、ここが薄いままだと、他をどれだけ作り込んでも応募には届きません。

採用サイトの参考事例

REGARの採用サイトのトップページ。青一色の背景に「行き先は、自分で決める。」という大きなコピーだけを置いている

定義や項目を並べても、完成形はなかなか想像しづらいものです。実際の採用サイトを見て、情報量や見せ方の感覚を掴んでみてください。ここでは弊社が制作した採用サイトを2社紹介します。

業種別・テイスト別にもっと多くの事例を見比べたい場合は、事例をまとめた記事のほうが早いはずです。

参考記事:『【保存版】採用サイトのデザイン事例32選|参考にしたい地方企業を業種別に

株式会社ササキ 様

株式会社ササキのサイト(PC表示)

https://sasaki-inc.co.jp/recruit/(制作:地方採用ワークス)

ALL DIFFERENT株式会社 様(旧・株式会社ラーニングエージェンシー)

ALL DIFFERENT株式会社のサイト(PC表示)

https://newgraduates.all-different.co.jp/(制作:地方採用ワークス)

採用サイトの費用は、依頼先と公開後の維持で決まる

制作費の相場は依頼先で3倍以上ひらく

採用サイト制作の費用は、どこに依頼するかで大きく変わります。目安としては、個人事業主(フリーランス)への依頼で10万円〜50万円程度、Web制作会社への依頼で50万円〜300万円程度です。採用ホームページ制作という名前で見積もりを取っても、費用の考え方は同じです。

フリーランスへの依頼が正直ピンキリなのは、担当する方の技量に幅があるためです。クラウドソーシングのサービスを通して依頼する場合も含めると、この程度の幅を見ておくことになります。

制作会社の金額差は「デザインを起こす範囲」で開く

Web制作会社の側が50万円から300万円まで開くのは、デザインをどこまで自社専用に起こすかが一番大きな要因です。用意された型を活用するのか、一部をオリジナルにするのか、全ページをオリジナルで設計するのか。ここで作業量がまるで変わります。

もう一つが、戦略の部分まで踏み込むかどうかです。原稿も構成もサイトマップの作成も発注側にお任せする進め方であれば、当然安くなります。一方で、戦略設計・コンセプト・サイトマップの策定から、各ページに「何をどう書くべきか」「どういうデザインにすれば求職者に一番響くのか」まで踏み込んで提案する会社は、価格帯もそれなりに張ってきます。弊社もその一角です。

見落とされやすいのが、外注をどれだけ使っているかです。外部のデザイナーやライターに振っている制作会社の場合、マージンが上乗せされて金額が上限側まで膨らむことがあります。弊社はデザイナーもライターもすべて社内で、100%内製です。外注を挟まないぶん、途中で統制が取れなくなって品質が落ちることも、中間マージンで費用が膨らむこともありません。

参考記事:『【選択肢は3つ】採用サイト制作はどこに頼む?費用と期間の違いを比べて解説

フリーランスへの依頼で実際に起きていること

金額だけを見ると、フリーランスへの依頼は魅力的に映ると思います。ただ、弊社のもとには「完成させてほしい」と駆け込まれるお客様が少なくありません

  • 連絡しても返事が返ってこない
  • 指定した納期に間に合わない
  • 何から何まで情報提供を求められ、結局こちらの作業が終わらない

こうした形で止まってしまい、公開までこぎつけられなかったというケースは実際にあります。リスクヘッジまで含めて考えると、個人事業主への依頼は避けたほうが無難だというのが弊社の見解です。

依頼先の分かれ目は「中身が決まっているか」

では自社はどちらを選ぶべきか。判断の分かれ目は予算より「載せる中身が社内で決まっているか」です。

伝えたいことも写真も原稿も揃っているなら、形にするだけの依頼で足ります。逆に「何を書けばいいか分からない」段階なら、設計から入る会社でなければ結局進みません。前者を選んで後者の状態だった場合に、制作が止まります。

金額よりも「対応内容」を確認する

費用をかけてでも制作会社に依頼する企業が多いのは、サイトを作ること自体ではなく、その先の採用成果を見ているからです。実際の金額は、ページ数・撮影の有無・更新の仕組みをどこまで入れるかで動きます。

相場だけで判断せず、何が含まれた金額なのかを必ず確認してください。同じ10ページでも、テンプレートに流し込む前提と、ページごとにデザインを起こす前提とでは金額が数倍変わります。安い見積もりが安い理由は、大抵ここにあります。

公開後の維持費は「サーバーとドメイン」の2つ

社内で稟議を通すときに必ず聞かれるのが、初期費用ではなく月々の費用のほうだと思います。サイトを維持して動かし続けるために最低限必要なのは、次の2つだけです

  1. サーバー費用:月額5,000円〜10,000円程度。以前は月額3,000円ほどのサーバーもありましたが、1社の採用サイトを維持する用途では、円安の影響もあって現在はこのあたりが妥当な水準です
  2. ドメイン管理費用:年単位での課金。取得するドメインの種類によって金額は変わります

実務では、ここに制作会社ごとの保守・更新プランが上乗せされるケースがほとんどです。契約前に、そのプランで実際に何をしてもらえるのかを確認しておいてください。毎月支払い続けているのに実際には何も対応してもらっていない、という状態が何年も続くのは避けたいところです。

費用の内訳と価格帯ごとの中身は、別の記事で詳しく整理しています。

参考記事:『【Q&A】採用サイト制作の費用相場は?価格帯3タイプと内訳4工程をまとめて解説

採用サイト制作の期間は2〜4ヶ月が目安

進め方は制作会社ごとに大きく異なります。ここでは、あくまで弊社の例をベースにした流れとしてご紹介します。期間は規模にもよりますが、おおよそ2ヶ月〜4ヶ月が目安です。

  • ① 無料相談
  • ② 設計・デザイン
  • ③ テスト公開
  • ④ 本番公開
  • ⑤ 公開後の更新・運用

① 無料相談(0ヶ月〜1ヶ月目)

まずは現在の課題感と目標値をうかがいます。「何人採りたいのか」「どの職種が埋まらないのか」「これまで何を試したのか」。ここを整理したうえで、目標の達成に必要なサービスと採用サイトの構成案をご提案します。

お見積もりは、この構成案がある程度固まった段階で提出します。構成が決まる前の金額は、ほとんど意味を持ちません。ページ数も撮影の有無も決まっていない状態の見積もりは、後から必ず動くからです。

Tips|この段階で用意しておくとスムーズなもの現在の求人票、既存のコーポレートサイト、直近1年の応募数と採用人数。この3つがあるだけで、初回の提案精度が変わります。相見積もりを取るなら、このタイミングです。構成案まで出してもらったうえで比べると、「何が含まれた金額か」の差がはっきり見えます。

② 設計・デザイン(発注後〜)

ご発注後、まずキックオフミーティング(Zoomまたは対面)を行います。ここでお客様と戦略方針・サイトコンセプト・デザイン方針をすり合わせてから、実際の制作に入ります。

その後、TOPページのデザイン案から順にご報告し、確認をいただきながら進めます。設計・デザインの工程が最も長く、サイト規模による期間差もここで生まれます。

Tips|参考サイトの渡し方に注意参考サイトを挙げるのは効果的ですが、多すぎるとデザインテイストがブレます。本来は、採用サイトで実現したい目標・ターゲット・ブランディング方針を先に明確にし、そこからブレイクダウンしてデザインを作るべきものです。参考デザインに引っ張られすぎると、社内の満足度は上がっても「成果につながるデザインか」という本質的な観点が抜け落ちるリスクがあります。

③ テスト公開

デザインと設計が固まったら、テスト環境で公開して確認します。リンクの動作、レイアウトの崩れ、機能の不具合を洗い出す工程です。この段階では外部に公開されないため、細かく点検できます。PC版とスマートフォン版は分けて確認します。

社内確認は、この段階で一度に集めてください。公開後に役員から修正が入ると、費用も日程も追加で動きます。求職者は7割以上がスマートフォンで見るため、確認も実機で行うのが確実です。

④ 本番公開

テストで見つかった点を直したうえで、本番環境に公開します。検索エンジン向けの設定やアクセス解析ツールの設定も、このタイミングで併せて行います。

公開したら、既存の求人票や名刺、会社案内に採用サイトのURLを載せ替えてください。作っただけで導線を張り替えていないケースは、実際によくあります。

⑤ 公開後の更新・運用

公開してからが本番です。求職者の動きも採用トレンドも毎年変わるため、採用時期に合わせて中身を手入れしていく必要があります

ここで効いてくるのがCMS(更新の仕組み)です。CMSを入れておけば、社員紹介や募集要項の差し替えを自社で進められます。毎回制作会社に依頼する形だと、更新のたびに費用と待ち時間が発生し、結果として情報が古いまま放置されがちです。

どのCMSが適しているかは、社内の運用体制によって変わります。誰が・どのくらいの頻度で・どこまで触るのか。無料相談の段階で、プロの目線から相談されることをおすすめします。

「採用サイト制作」に関するよくある質問

Q1: 採用サイト制作の必要性は?

求職者とのミスマッチを減らし、採用を円滑に進めるうえで必要になります。求人広告のように毎年費用が発生する形と違い、一度作れば会社の資産として残る点も判断材料です。ただし、認知がまったくない状態で作っても人は来ません。露出の施策とセットで考えてください。

Q2: 制作にかかる費用はどれくらい?

依頼先や規模、機能の量で変わります。目安は個人事業主(フリーランス)で10万円〜50万円、Web制作会社で50万円〜300万円程度です。公開後は、サーバー費用が月額5,000円〜10,000円程度、これに年単位のドメイン管理費用がかかります。見積もりは無料のケースがほとんどですので、予算を伝えたうえで取り寄せてみてください。

Q3: 制作期間はどれくらい?

サイトの規模と要件によりますが、目安は2ヶ月〜4ヶ月です。撮影や社員インタビューを含める場合は、その分の日程も見込んでおく必要があります。

Q4: コンテンツの更新は自社で行える?

CMSを入れておけば、募集要項や社員紹介の更新は自社で行えます。制作会社が更新を代行するケースもありますので、どちらの形にするかは制作前に決めておくのがおすすめです。

Q5: コーポレートサイトの採用ページだけでは足りない?

募集自体はできます。ただ、載せられる情報量に限りがあるため、働くイメージまで伝えきるのは難しくなります。採用に本腰を入れる段階になったら、専用サイトを検討する価値があります。

採用サイトは「受け皿と露出」の両輪で機能する

採用サイトは、作った後の質で結果が分かれます。同じ予算でも、事前の設計に時間をかけたサイトと、テンプレートに情報を流し込んだだけのサイトでは、求職者に残る印象がまったく異なります。何を伝えるか決めきらないまま制作に入ると、公開後に「きれいだけれど、うちらしくない」という違和感が残ります。

そしてもうひとつ。どれだけ良い採用サイトを作っても、そこへ人が流れてこなければ結果は変わりません。受け皿を整えることと、露出をつくること。この両輪がそろって初めて、採用サイトは働きはじめます。

参考記事:『【全体像】採用活動は何から始める?中小企業がたどる6つのステップ

今日できることとして、自社の採用ページを求職者の目で開き、本記事で挙げた8項目のうち何が載っているかを数えてみてください。募集要項と仕事内容しかない状態なら、足りないのはデザインではなく中身です。次に何を用意するかが、その時点で決まります。

弊社は全国の地方企業に1,400社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。採用については、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けに一貫してご支援しています。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

いま採用の何に困っているか、まずはそこだけ聞かせてください。そもそも採用サイトを作るべき局面なのかどうかも含めて、御社の状況から一緒に考えます。「何から始めればいいか分からない」という段階のご相談で構いません。

採用サイト制作のサービス詳細はこちら

この記事を書いた人
【完全保存版】採用サイトとは?4つの働きと、依頼前に押さえる費用・期間の目安 | 採用サイト制作
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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