オフィス紹介ページの見せ方──職場の雰囲気が伝わる写真・構成・動画
「うちのオフィスは、人に見せられるほどきれいじゃない」——オフィス紹介ページを作る話になると、決まってこの声が出ます。求職者が見たいのは豪華なオフィスではなく、自分がそこで働く姿です。この誤解を持ったままでは、せっかくの魅力が伝わりません。
求職者は応募の前に、「どんな場所で、どんな人たちと働くのか」を気にしています。文字で「風通しのいい職場です」と書いても伝わらない部分を、写真1枚で伝えられるのがこのページです。設備を自慢するページではなく、働く環境の実態を見せて不安を減らすページだと考えてください。
この記事でわかること
- オフィス・職場紹介ページが応募前の不安に効く理由
- 何を載せるか──掲載項目と構成の型
- 写真・動画・360度ビューの使い分けと撮影のコツ
オフィス紹介ページは「働く自分」を想像させる
オフィス・職場紹介ページの役割は、写真と映像で「会社見学」の代わりを果たすことです。実際に足を運ばなくても、働く場所の空気が伝われば、応募の後押しになります。豪華な設備がなくても、このページは十分に成り立ちます。
文章より先に「雰囲気」が伝わる
職場の雰囲気は、言葉で説明するほど嘘くさくなる情報です。「アットホームな職場です」と文章で書くよりも、昼休みの休憩室で社員が笑っている写真が1枚あるほうが、はるかに伝わります。写真は読み飛ばされないため、ページを開いた数秒で第一印象が決まります。ここがオフィス紹介ページの強みです。一方で、写真の質がそのまま会社の印象になってしまう怖さも持ち合わせています。
きれいなオフィスでなくても効果はある
築年数の経った事務所でも、見せられる場面は必ずあります。整理された作業場や、手入れされた道具、自然光の入る休憩スペースなどです。むしろ変に隠してしまうと、入社後のギャップにつながり、早期離職の原因を作ってしまいます。等身大の姿を見せて、そのうえで選んでもらうことが重要です。ミスマッチを入社前に減らすことが、このページの本当の効果だと考えています。
効果の出方について一つ補足すると、このページが働くのは「加点」より「減点の回避」です。求職者は応募する前に社名で検索します。そのとき、職場の様子がまったく分からない会社は、わざわざ問い合わせて確かめたりせず、黙って候補から外していくのが現実です。普通の職場を普通に見せるだけで、「何も見えない会社」との比較では明確に優位に立てます。豪華なオフィスと比べられて負けるのではなく、情報のない会社と比べられて選ばれるのです。地方の採用で実際に起きているのは、後者の比較だと考えてください。
掲載項目と構成の型
載せるべきは執務スペースの全景だけではありません。休憩室や食堂、現場・倉庫などの持ち場も重要です。さらに、通勤や昼食といった周辺環境、そこで働く人の姿まで含めて構成すると、働く環境が立体的に伝わります。「場所の紹介」ではなく「ここでの一日の過ごし方の紹介」と捉えるのがコツです。
掲載項目の基本セット
構成の型として、次の項目を押さえておくと過不足がありません。
- 仕事をする場所:執務室・作業場・現場・倉庫など、職種ごとの「持ち場」
- 休む場所:休憩室・食堂・喫煙所など、オンオフの「オフ」側
- 設備・道具:使う機械や道具、社用車。仕事のリアリティが出る
- 周辺環境:駐車場、最寄りのコンビニや昼食事情、通勤のしやすさ
- 働く人の姿:それぞれの場所で、実際に働いている社員
地方の会社なら、駐車場の広さや車通勤のしやすさは、都市部の感覚以上に重要な情報です。忘れずにページへ入れてください。
人が写っていない写真は、雰囲気が伝わらない
無人のオフィス写真は、不動産の内見写真と同じで、きれいでもどこか冷たく見えます。働いている人や、話している人、笑っている人が写ってはじめて「職場の雰囲気」になります。社員の顔出しには本人の了承が前提ですが、後ろ姿や作業中の手元でも空気は十分伝わります。
なお、時間軸で職場を見せる「1日の流れ」ページと組み合わせるのもおすすめです。場所と時間の両面から、入社後の想像を助けられます。
参考記事:『【保存版】採用サイトの「1日の流れ」の作り方|構成・掲載項目・見せ方』
写真・動画・360度ビューの使い分け
見せ方は、基本が写真、補助が動画、必要な会社だけ360度ビューという優先順位で考えます。すべてに共通する原則は、働いている人を入れて、ふだんの状態を撮ることです。そして、撮影だけはプロに依頼するというコスト配分が、結果的にページ全体の説得力を左右します。
写真──「ふだんの状態」をプロの手で
撮影のコツは、撮影用に作り込みすぎないことです。片付けはしても、飾り付けはしません。自然光の入る時間帯に、通常業務の風景を撮ってもらいます。このバランスは撮り慣れていないと難しく、写真の出来がそのままページの印象を決めます。採用サイト全体で写真が担う役割は大きく、ここで妥協すると他のページにも響いてきます。
動画・オフィスツアー
歩きながら社内を案内するオフィスツアー動画は、空間のつながりと社内の空気感を一度に伝えられます。1〜2分の短いもので十分です。案内役を若手社員にすると、社風まで同時に伝わります。まずは写真でページを公開し、反応を見てから動画を追加する順序で構いません。
360度ビューは「必要な会社だけ」でいい
360度ビューやバーチャル見学は、空間の広さや設備が応募の決め手になる業種では有効です。工場や大型施設などがこれに当たります。しかし、制作の手間に見合わない会社も多いのが正直なところです。優先度としては、良い写真と構成がそろった後の「追加の一手」と考えてください。
撮影でいちばん差が出るのは、機材ではなく段取りです。撮影日をふだん通りの営業日に設定し、撮られる社員に事前に趣旨を伝えておきます。朝礼や打ち合わせ、休憩中の雑談など、欲しい場面をリスト化して当日の時間割に落とし込んでください。ちなみに弊社では、欲しい場面・雰囲気・構図を言葉にした撮影指示書を作ってからカメラマンに渡しています。同じ職場・同じカメラマンでも、指示書の有無で上がってくる写真は別物になります。「いい写真が撮れるか」は当日の運ではなく、前日までの設計で決まると考えてください。
オフィス紹介は単独で存在するページではありません。採用サイト全体のコンテンツ設計の中に位置づけてこそ、効果を発揮します。何を揃えるべきかの全体像は、以下の記事で整理しています。
参考記事:『【完全版】採用サイトのコンテンツ10選|何から作る?優先順位と設計の考え方』
オフィス紹介でよくある質問
Q1. オフィスが古い・狭い場合でも載せるべきですか
載せるべきです。隠してしまうと入社後のギャップになり、早期離職の火種になります。整理された作業場や休憩スペースなど、等身大で見せられる場面を選んで構成してください。そうすれば、古さは誠実さとして求職者に伝わります。
Q2. 写真は何枚くらい必要ですか
場所ごとに1〜3枚、ページ全体で10〜20枚程度が目安です。枚数よりも「人が写っているか」「ふだんの状態か」のほうが重要です。
Q3. 写真は自分たちで撮ってもいいですか
おすすめしません。オフィス紹介は写真がそのままページの中身になるため、写真の質がページの質をほぼ決めます。光量と精細さの差は、レイアウトや文章では埋められません。だからこそ、この場面だけは専門家に任せておくと安心です。
Q4. 動画や360度ビューは必須ですか
必須ではありません。まずは写真と構成で公開し、動画は補助として後から追加してください。360度ビューは、空間が決め手になる業種のみ検討する順序で十分です。
背伸びした1枚より、等身大の10枚
大事なのは、よそいきの1枚を飾ることではなく、働く環境をありのままに、しかし丁寧に見せることです。それが応募前の不安を減らし、入社後のミスマッチも減らすことにつながります。地味ですが、採用サイトの中で確実に仕事をするページです。
今日できるのは、職場を一周して「このままでは人に見せられない場所」を書き出すことです。片付けで足りるのか、撮る場所自体を変えるのかを確認します。撮影を頼む前に決めておくと、当日の段取りが変わります。
ここまでの準備を自社だけで進めるのが難しいと感じたら、専門家の手を借りるのも一つの方法です。弊社では採用サイト制作の一環として、撮影の手配からページ構成、社員の見せ方の設計までお手伝いしています。「うちの職場の何を見せればいいのか分からない」という段階でも大丈夫です。まずは御社の職場と採りたい人物像をうかがったうえで、最適な構成をご提案します。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。