【上限25万円】「宇治市中小企業等人材確保推進事業費補助金」は賃上げが要る?5メニューを整理

「宇治市 採用 補助金」で検索して本制度に行き当たったものの、補助条件の欄に給与総額を1.5パーセント以上増やすと書かれていて、自社に当てはまるか分からないまま止まっていませんか。

本記事では、2026年8月時点の市の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!

この記事でわかること

  • 補助対象になる事業者はどこまで含まれるのか?
  • 最初に置かれた賃上げの条件は、何を出せば満たせるのか?
  • 何に使えて、いくらまで戻ってくるのか?
  • 採用サイトの制作費は対象になるのか?
  • いつまでに申請すれば間に合うのか?

宇治市には、採用に使える制度がほかにもあります。この記事のものを含めて2件あるので、見比べたい方は京都府内を自治体別に整理した記事からどうぞ。

あわせて読みたい
【全19件】「京都府」で採用に使える補助金は?府の交付決定が先の7件を解説!

市の補助金の案内を見つけて、補助率と上限額を控える。ところが要件の欄の下のほうに、「京都府の交付決定を受けていること」という一行がある……。 京都府の枠を1件ずつ開いていくと、この一行が繰り返し出てきます。市の名前が付いた補助金でも、額を決めているのは府の側、ということが珍しくありません。 本文

宇治市中小企業等人材確保推進事業費補助金の概要

宇治市(産業支援拠点 宇治NEXT)の公式サイトにある「中小企業等人材確保推進事業費補助金」の案内ページ。更新日は2026年6月12日で、公募開始2026年6月12日から公募終了2027年1月29日までと記載されている。

出典: 宇治市「中小企業等人材確保推進事業費補助金」のページ(2026年9月時点)

「宇治市中小企業等人材確保推進事業費補助金」は、採用のために選んだ取り組みについて、支払った額の半分が上限25万円まで戻る制度です。

まず、全体像です。

補助金名 宇治市中小企業等人材確保推進事業費補助金
相談先 宇治市 産業観光部 産業振興課
補助対象 合同企業説明会出展経費/就職ポータルサイト掲載料/インターンシップに係る企画、広報費、有償インターンシップ人件費/企業PR動画作成経費/採用コンサルティング経費(5つから1つを選ぶ。令和8年度に限り異なる2つまで)
補助上限(補助率) 25万円(対象経費の2分の1以内・令和8年度に限り異なる2つのメニューで50万円)
期限 2026年6月12日から2027年1月29日午後5時まで(郵送は当日消印有効)。事業に着手する前に申請

先に押さえたいのは、採用サイトやホームページの制作費が、この5つのメニューに入っていないことです。動画には名前がありますが、サイトそのものを作る費用は対象になりません

ここから、対象になる会社、最初に置かれた賃上げの条件、選べる経費の中身、申請の順序と予算まで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。

対象は市内の中小企業と介護・保育の3類型

対象は宇治市内で事業を営む3つの類型で、中小企業者のほかに介護・障害福祉の事業者と、民間保育所や認定こども園などの運営事業者が並びます。中小企業でなくても対象に入る道が2つあります。

類型 対象になる事業者
中小企業者 中小企業等経営強化法第2条第1項の中小企業者で、同項第1号から第5号までのいずれかに当たるもの。個人は住民票が宇治市にあること、法人は本店もしくは支店が宇治市にあること
介護・障害福祉 宇治市内に施設等があり、令和7年12月1日の時点で運営していること。別表1の介護保険24サービスと別表2の障害福祉26サービスのほか、障害福祉サービス事業と障害児通所支援・障害児相談支援は条文でそのまま指定
民間保育所等 宇治市内の民間保育所、認定こども園、家庭的保育事業、小規模保育事業を運営する事業者

本店が市外でも、支店が宇治市内にあれば入ります。どの類型でも補助率も上限も選べるメニューも同じで、申請には市税の滞納がないことを証する書類(発行日から3か月以内)が要ります。介護や保育の事業者も、中小企業と横並びで使える枠だと考えて差し支えないでしょう。

最初の条件は給与総額1.5%増の方針

この制度が最初に見るのは経費ではありません。募集案内の冒頭には国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を使う旨が置かれ、補助条件にはこう書かれています。

対前年度(又は対前年)と比較し、従業員に対する給与総額を事業実施年度(又は事業実施年)に1.5パーセント以上増加させる方針を、補助対象者が従業員に対し、書面等により表明すること

求められているのは増やし終えた実績ではなく、増やす方針を書面にして従業員へ表明することです。比べる相手は申請日を含む事業年度の直前の事業年度で、方針を書く対象は申請日を含む事業年度か、その翌事業年度です。翌事業年度の方針でも書ける作りなので、期の途中から申請する会社にも道が残ります。

様式第3号は従業員代表と2人で作る

表明を証する書面が様式第3号です。雛形の本文はこうなっています。

令和○年度(令和○年○月○日から令和○年○月○日までの当社事業年度)(又は○年)〈注1・2〉において、従業員に対する給与総額(雇用者給与等支給額)を令和○年度(又は○年)〈注3〉と比較して1.5%以上増加させる方針を従業員代表の○○ ○○に説明し、賃上げ方針について従業員に対する表明を行いました。

上記の賃上げ方針について、我々従業員は令和○年○月○日に○○○○○という方法によって、代表者より表明を受けました。

令和 年 月 日従業員代表 ○○ ○○

前半が会社側の文、後半が従業員側の文で、末尾に従業員代表の記名欄が付きます。表明の方法は自由記入で、指定はありません。代表者が1人で書いて出せる書面ではないので、書面だけ整えれば済む枠と読むより、賃上げを決めた会社が使う枠と読むほうが実態に近いと思われます。

対象になるのは5つのメニューから1つ

ここからが経費です。メニューは5つあり、この中から選ぶ形になっています。

メニュー 対象経費として書かれていること
合同企業説明会出展経費 企業が独自に合同企業説明会に出展する経費
就職ポータルサイト掲載料 就職・採用情報掲載サイトへの情報掲載料等
インターンシップに係る企画、広報費、有償インターンシップ人件費 インターンシップを実施するための企画・広報に係る経費/インターン生へ実際に支払った人件費
企業PR動画作成経費 企業が自社HPや企業説明会等で自社PRに使用する動画の作成経費
採用コンサルティング経費 採用に係るコンサルティング業務(研修・計画策定等)の経費/人材紹介サービスまたは人材マッチングサイトの利用料

並べ直すと、出展・掲載・受け入れ・動画・外部の力の借り方です。5つとも、人に会う手前で自社を見つけてもらうための費用です。求人媒体への掲載料は2つ目に当たり、「就職・採用情報掲載サイトへの情報掲載料等」という書き方なので、媒体の名前で狭く読む必要はありません。

戻るのは経費の半分・上限25万円

補助率は対象経費の2分の1以内、上限は25万円です。経費は税抜で数え、交付申請額は1,000円未満を切り捨てます。税抜50万円の支出で上限の25万円に届く計算になります。

例えば、就職ポータルサイトへの掲載料に税抜25万円を払う年なら、戻るのは12万5,000円です。上限まで使い切るには税抜50万円の支出が要るので、税込50万円の見積書だと税抜は45万5千円ほど、半分を千円未満で切り捨てて22万7千円にとどまります。見積は税抜で見ておきましょう。

令和8年度だけ2つ選べて上限50万円

原則は1つです。ただし令和8年度に限り、異なる2つのメニューまで選べます。補助率の欄に、注記が一行あります。

※令和8年度に限り、(5)補助対象事業と補助対象に記載のある(1)〜(5)までのメニューのうち2つまで選択可能

そのときの上限は、2つ合わせて50万円です。様式第2号の算定欄も、実施項目が1つなら25万円、2つなら50万円で計算する作りになっています。市の案内の補助上限は250,000円のままなので、そこだけ読むと25万円で足を止めます。2つ選ぶ年なら、様式第2号のほうで額を確かめておきましょう。

採用サイトの制作費は費目に無い

採用サイトの費用に充てられないかと考えて来た方には、ここが答えになります。5つのメニューは、サイトを作る費用の名前を1つも挙げていません。採用パンフレットや会社案内の制作費も同じです。紛らわしいのは4つ目の「企業が自社HPや企業説明会等で自社PRに使用する動画の作成経費」です。

HPという語は出てきますが、これは動画をどこで使うかを示しているだけです。対象になるのはサイトそのものではなく、サイトに載せる動画のほうです。サイトの制作費は自社で持つ前提に置いて、枠は掲載料や動画のほうに使うと決めるのが早いはずです。

自社だけの説明会と身内への発注は外れる

対象にならない経費も挙がっています。自社だけで開く説明会の費用は、メニューが「合同」企業説明会なので外れますし、関係会社だけを集めて合説の形にしたものも同じです。事務所運営の人件費も対象外ですが、インターン生へ実際に払った人件費は3つ目のメニューで別に立てられています。

発注先にも条件があります。資本関係がある会社、代表者や役員、配偶者、2親等以内の親族が役員をしている会社、事業を営んでいない個人との契約は外れます。発注先を市内の事業者に限るという条件は、市の案内にも募集案内にも書かれていません。発注先は普段付き合いのある会社で構わないと読んでよいでしょう。

期限は1月29日・着手は交付決定の後

公募は2026年6月12日に始まり、2027年1月29日の午後5時までです(郵送は当日消印有効)。補助対象期間は交付決定を受けた日から2027年2月26日まで。交付決定より前に発注や支払いをした事業は対象外になります。

発注・請求・支払・納品のすべてが2027年2月26日までに証拠書類で確認できるものだけが対象です。納品が3月に落ちる組み方はできないので、説明会に申し込む前、掲載を頼む前に交付決定が出ている必要があります。報告は、事業の終了から1か月後と2027年2月26日のうち早い日までに出します。

Tips|出展日や掲載開始日を決める前にやること

この制度は、見積書を付けて申請し、交付決定を待ってから発注する順番です。出展枠や掲載の開始日を先に決めてしまうと、申請が間に合わないことがあります。日付を決める前に産業振興課へ受付の状況を一度電話で確かめておくと、段取りが崩れません。

申請と報告はそれぞれ6点

申請は事業に着手する前に1回だけです。交付申請で出すものは、次の6点になります。

番号 提出する書類
1 交付申請書(様式第1号)
2 事業実施計画書(様式第2号)
3 従業員へ賃上げ方針を表明したことを証する書類(様式第3号)
4 見積書の写し
5 市税の滞納がないことを証する書類(写し可・発行日から3か月以内)
6 市内の事業所、事業所等の所在地が確認できる書類

見積書は4つ目です。交付決定より前に発注できないので、先に取るのは契約ではなく見積になります。様式第2号が最初に聞くのは人材確保の現状の課題で、課題と期待する効果を書いてからでないと経費の欄にたどり着けない作りです。

事業のあとに出すのも6点で、報告書2種と、契約・請求・支払を示す書類などです。申請者以外の名義で契約や支払いをすると、その経費は対象から外れます。振込は精算払いなので、いったん全額を自社で払う前提で資金を見ておきましょう。帳簿と証拠書類は、事業完了の翌年度から5年間の保存が要ります。

予算は2,000万円・1事業者につき1回

市の令和8年度の当初予算では、この補助金に新規事業として2,000万円が計上されています。上限25万円で割ると80社分です。上限まで使わない会社が混ざれば、その分だけ件数は増えます。

申請は1補助対象者につき1事業・1回のみで、受付は先着順です。募集案内も「先着順にて予算額の範囲をもって締切りとなります」としていて、予算である以上、枠が埋まれば交付は止まります。使う予定があるなら、年度の早いうちに動くほうが損がありません。

問い合わせ先は産業振興課

所管は宇治市の産業観光部 産業振興課で、電話は0774-39-9621です。申請書は持参でも郵送でも受け付けています。

そのうえで、申請の前に確かめておきたい点が3つあります。

  • 採用活動の代行(RPO)の委託費が、5つ目の「採用に係るコンサルティング業務(研修・計画策定等)」に入るか
  • 賃上げの方針で数える給与総額に、役員や家族従業員を含めるか
  • いま受け付けている枠が、予算の上限まであとどれくらい残っているか

いずれも公表されている資料には答えが無い部分なので、見積を取る前にまとめて聞いておくのが確実です。

上限25万円より、詰まりを1つ決めるほうが先

本制度の上限は25万円で、令和8年度に2つ選べば50万円です。制度が軽くするのは、税抜50万円から100万円までの支出の半分。財源が物価高騰への交付金であるとおり、賃上げを決めた会社の採用費を後押しする枠です。

申請には、従業員代表の名前が入った書面と、交付決定を待ってから発注する段取りが要ります。その手間まで含めると、5つから1つを選ぶ作業は、自社の採用がどこで詰まっているかを1つ決める作業です。露出が足りないのか、来てくれた人に伝わっていないのか。

私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

採用ツール制作のサービス詳細はこちら

この記事を書いた人
【上限25万円】「宇治市中小企業等人材確保推進事業費補助金」は賃上げが要る?5メニューを整理 | 採用補助金
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

この記事をシェアする

関連記事