【上限5万円】「大垣市中小企業者等物価高騰対策支援事業補助金」は採用に使える?対象経費と対象外を整理
「大垣市 採用 補助金」で検索してこの制度に行き当たったものの、並んでいるのは広告・宣伝から人材育成・確保までの分野名だけで、自社が考えている採用の費用がどれに当たるのか分からないまま止まっていませんか。
本記事では、2026年8月時点の市の公表内容をもとに、公式HPの内容をかみ砕いてご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください!
この記事でわかること
- まず、業績の要件で自社が入るか?
- いくらまで戻ってくるのか?
- 採用の費用では、どれが補助の対象になるのか?
- 採用サイトの制作費は対象に入るのか?
- いつまでに、何を出せばいいのか?
大垣市には、採用に使える制度がほかにもあります。この記事のものを含めて5件あるので、見比べたい方は岐阜県内を自治体別に整理した記事からどうぞ。
【全74件】「岐阜県」で採用に使える補助金は?対象の費用と上限額をまとめて紹介!
岐阜県で採用にお金をかけたい。そう思って補助金を調べ始めたものの、出てくるのは設備投資や販路開拓のものばかりで、採用に使えるものが見当たらない……。そこで迷ったまま動けなくなる方は多いと思います。 実のところ、県内には採用や雇用に使える制度がいくつもあります。ただ、名前に「採用」と入っているものが
大垣市中小企業者等物価高騰対策支援事業補助金の概要

出典: 大垣市「大垣市中小企業者等物価高騰対策支援事業補助金」のページ(2026年9月時点)
「大垣市中小企業者等物価高騰対策支援事業補助金」は、物価高騰で業績が落ちた市内の中小企業が経営を立て直すために使ったとき、払った経費の半分(上限5万円)が戻ってくる制度です。
まず、全体像です。
| 補助金名 | 大垣市中小企業者等物価高騰対策支援事業補助金 |
|---|---|
| 相談先 | 大垣市 経済部 商工観光課(0584-47-8596) |
| 補助対象 | 広告・宣伝(ホームページの開設、充実強化ほか)、人材育成・確保(就職、転職情報サイトへの掲載ほか)など8事業の経費 |
| 補助上限(補助率) | 5万円(対象経費の2分の1以内。消費税及び地方消費税は含まない) |
| 期限 | 令和8年12月28日(2026年12月28日)まで。予算上限に達し次第で終了。発注の前に申請と交付決定が必要 |
注意したいのは、物価高騰で業績が落ちた会社向けの制度だということです。令和7年11月以降のどこかの月で営業利益率が20%以上減っているか赤字でないと、費目を見る前の条件で対象から外れます。
「この枠ではなさそうだ」と感じた方は、個別の制度を当たるより、先に全体像を見たほうが早いかもしれません。国の助成金と自治体の補助金では、対象になる費用も申請先も違います。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
ここから、対象になる会社や採用のどの費用が当たるのか、申請の順番や予算まで順に見ていきます。自社が当てはまるかどうかを確かめながら読み進めてみましょう。
対象は市内に事業所のある中小企業
対象になるのは、市内に事業所を有する法人または個人事業主で、中小企業基本法に規定する中小企業者もしくは小規模企業者、または農事組合法人です。市税等の滞納がないことと、大垣市暴力団排除条例に規定する暴力団および暴力団員でないことも条件に入っています。
個人事業主のほうには「市内に住所を有する者に限る」という括弧が付いています。括弧の位置からすると、これは個人事業主に掛かる条件だと思われます。市外に本社があって大垣に事業所だけがある会社は、申請書を書き始める前に商工観光課へ確かめておかれると安心です。
使えるのは営業利益が落ちた会社だけ
もう一つの条件が業績の要件です。令和7年11月(2025年11月)以降のいずれかの単月で、営業利益率が20%以上減っているか、営業利益額がマイナスであることが求められます。
何と比べて20%なのかは、業歴によって3通りに分かれます。
| 業歴 | 比べる相手 |
|---|---|
| 1年1か月以上 | 令和7年11月以降のいずれかの単月の営業利益率を、令和3年1月から令和7年11月までのいずれかの年の同じ月と比べる |
| 3か月以上1年1か月未満 | 同じ単月の営業利益率を、創業以降のいずれか3か月の平均と比べる |
| 業歴を問わず | 令和7年11月以降のいずれかの単月の営業利益額がマイナスであれば、比較なしで該当する |
業歴が3か月に満たない事業者は、そもそも対象になりません。比べる年は自分で選べるので、経理に令和7年11月以降の各月と、令和3年から令和7年までの同じ月の営業利益率を先に出してもらうと、使えるかどうかがその場で分かります。
対象経費は8つの事業に分かれる
補助の対象になる事業は、募集要領が8つに分けて示しています。要領の表が、そのまま費目の一覧です。
| 事業名 | 補助対象経費の例 |
|---|---|
| 広告・宣伝 | ホームページの開設、充実強化/新聞、雑誌、インターネット、屋外看板、デジタルサイネージ等への広告/チラシ、DM等の作成、発送 |
| 省エネルギー機器の導入 | 高効率空調設備/LED照明機器 |
| 商品開発 | 新たな商品・製品・サービスの開発/その生産・販売に必要な設備導入 |
| 販路開拓 | インターネット販売の追加、強化/企業展の出展 |
| 人材育成・確保 | 従業員のスキルアップのための研修/就職、転職情報サイトへの掲載 |
| 経営再建・事業継続 | コンサルティング/事業継続、事業承継、事業転換 |
| 生産性向上 | 生産性向上に資する機械設備及び事務機器/熱中症予防対策 |
| 売上原価の抑制 | 原材料等を自ら製造するための機械設備/原材料等を変更するための機械設備 |
対象になる事業そのものは、要領が次のように定義しています。
市内の事業所に対して実施する経営基盤の強化及び事業継続につながる事業
目的を販路開拓やPRに絞る制度とは、ここが違います。人材育成・確保が8つのうちの1つとして並んでいるので、採用の費用が対象から締め出されているわけではありません。
戻るのは経費の2分の1・上限5万円
補助率は補助対象経費の2分の1以内で、上限は5万円です。税抜10万円までの支出であれば、その半分が戻ってくると考えておけばよいでしょう。補助対象経費が10万円に届かなければ、その半分が上限になります。
見落としやすい但し書きが同じ行に付いています。消費税と地方消費税は補助対象経費に含まれません。見積書に税抜価格の記載がない場合は、税込価格に110分の100を掛けて端数を切り捨てた額で計算します。
業績の要件に当てはまる会社なら、5万円でも取りに行く価値はある
上限5万円は、就職・転職情報サイトへの掲載費や採用サイトの制作費をまるごと賄う額ではありません。ただ、営業利益率が20%以上落ちた月がある会社なら、要件を満たしているうちに当てておく価値はあります。書類の手間が戻る額に見合うかどうかを一度自社で確かめておけば、次に別の制度へ動くときの目安にもなります。
費目に名前があるのは求人サイトの掲載費
8つの事業のうち、採用の文脈でまっすぐ効くのは人材育成・確保です。ここに並ぶ経費の例は、従業員のスキルアップのための研修と、就職、転職情報サイトへの掲載の2つになります。
就職・転職情報サイトへの掲載費は、費目の名前としてはっきり書かれています。求人媒体への出稿を今年度に予定しているなら、当てはめ先を探す手間はかかりません。
もう一方の研修費は、採用というより入社後の定着に効く枠です。要領の書き方が「従業員のスキルアップのための研修に要する経費」なので、これから採る人ではなく、いまいる人に向いた費目と認識して差し支えないでしょう。
例えば、就職・転職情報サイトへの掲載を税抜8万円のプランで申し込むなら、戻るのはその半分の4万円です。掲載を税抜20万円まで広げても、戻る額は上限の5万円で止まります。
採用サイトは広告・宣伝の費目で読む
では、採用サイトの制作費はどうか。ホームページの開設、充実強化は、人材育成・確保ではなく広告・宣伝の費目です。
ここで丁寧に見ておきたいのは、費目の名前があることと、採用に使えることが別だという点です。要領にもチラシにも「採用」「求人」という言葉は一度も使われていません。採用サイトを名指しで対象にした記述も、名指しで外した記述もない、という状態です。
対象になる事業の定義は広く、販路開拓やPRに絞る文言はありません。人手不足が事業継続に直結する会社なら、採用サイトの制作費を「ホームページの開設、充実強化」として出す見立ては成り立つと思われます。要領が「採用」を名指ししていない以上、見積を取る前にこの費目で通るかを商工観光課に聞いておきましょう。
発注先のほうに縛りはありません。要領には「可能な限り大垣市内の事業者を活用するよう努めてください」と書かれていますが、これは努力義務です。登録事業者の制度もないので、いま付き合いのある制作会社にそのまま出せます。
なお、ホームページの保守料や更新料は、経常的に発生する費用として対象から外れています。制作費と運用費を1本の契約にまとめているなら、見積書の段階で開設・充実強化の部分と毎月の保守の部分を分けておきましょう。
採用動画と人材紹介手数料は費目が無い
費目の名前そのものが無いものも、はっきりしています。採用動画も採用パンフレットも人材紹介の手数料も、8つの事業のどの経費例にも名前がありません。採用活動の代行を外に出す委託費も同じです。
紛らわしいのが「チラシ、DM等の作成、発送に要する経費」です。採用パンフレットを載せられそうに見えますが、この費目があるのは広告・宣伝の枠で、想定されているのは自社の商品やサービスを知らせる印刷物でしょう。
いま予定している費用がこの並びしか無いのであれば、本制度にこだわるより、別の枠を探すほうが早いと思われます。費目の名前が無いものを当てにして動くと、交付決定を待つ時間だけが過ぎてしまうためです。
旅費とノベルティは別の助成金が拾う
対象にならない経費も、要領が並べています。採用まわりで対象外になるのは、旅費、ノベルティ(無料配布の記念品等)の作成費、役員報酬と人件費、消耗品の購入費です。学校訪問や合同企業説明会に出向く交通費は、この制度では拾えません。
自社の担当者が動いた分も、金額として立たないので補助の対象になりません。この制度が支えるのは、外に支払った費用のうち費目に当たる部分だけです。
交通費が中心だという方は、見る枠が違います。大垣労務推進協会の「人材確保支援事業助成金」は、東海地区を除く国内の大学等への求人活動や、岐阜県等が東海地区以外で主催する合同企業展に参加する場合の交通費を対象にしています。先にそちらを確かめたほうが早いはずです。
参考記事:『【上限10万円】「大垣市人材確保支援事業助成金」は何に使える?対象2費目を解説!』
ただし、協会の助成金のほうは西美濃地域の市町の助成金の対象になる費用を対象外にしているので、同じ費用を両方から受けることはできません。本制度のほうにも、国や県などの補助金を受けている、または申請している事業は対象にしないという要件があります。どちらに寄せるかを先に決めます。
期限は12月28日・支払いは2月26日まで
期限は申請と事業の両方に付いています。申請は令和8年4月1日から12月28日(2026年12月28日)まで、当日消印有効です。事業のほうは、令和9年2月26日(2027年2月26日)までに納品等と支払いを終えている必要があります。
実績報告の締切は、事業が終わってから30日以内か、この令和9年2月26日のいずれか早い日です。補助金は原則として事業終了後の精算払いなので、いったんは全額を自社から出す流れになります。
採用サイトのように、要件を決めてから公開まで数か月かかるものは、申請の時期そのものが選べる範囲を狭めます。年度をまたぐ制作物を考えているなら、この2月26日からさかのぼって動く時期を決めましょう。
Tips|申請の前に手元へそろえておくもの
- 見積書(税抜の内訳が分かる形で。保守料や更新料は別に分けてもらう)
- 営業利益率の減少、または営業利益額のマイナスを示す台帳等の写し
- 交付決定の通知(発注や契約は、これを受け取ってから)
申請は発注より前・書類は法人と個人で違う
いちばん重い条件がこれです。交付決定を受けたあとで発注・購入・契約を行うことが、対象事業の要件として決まっています。対象にならない経費の1番目も、補助金交付決定日よりも前に発注、購入、契約等をしたものです。
制作会社と話を進めてから補助金を探す順番だと、この枠には間に合いません。提出は郵送か電子メールで受け付けます。
提出する書類は、共通の5点です。
- 交付申請書(第1号様式)
- 事業計画書と収支予算書兼補助対象経費積算明細書(見積書等を添付)
- 営業利益率の減少または営業利益額のマイナスの申告書(第2号〜第4号様式・台帳等の写しを添付)
- 誓約・同意書(第5号様式)
- 申請チェックシート
法人はこれに履歴事項全部証明書(発行日より3か月以内)などが加わり、個人事業主は身分証のコピーと、直近の青色申告決算書または収支内訳書の写しなどが加わります。業績が落ちたことを台帳等の写しで立証するのが、この制度の重いところです。
予算は700万円で140件分
令和8年度(2026年度)の補助金の予算は700万円です。上限の5万円で割ると140件分にあたる枠で、市全体でこの規模になります。
要領には「予算上限に達し次第、申請受付を終了します」と書かれています。審査で優劣を付ける形ではありません。要件を満たしていても、予算が残っていなければ交付されません。
申請期間は12月28日までとされていますが、その日まで枠が残っている保証はありません。使うと決めたなら、年度の早いうちに動くほうが確実です。
同じ名前の前回の受付では、156件・約1,473万円が交付されています。前回は補助率3分の2・上限10万円で、今回は2分の1以内・上限5万円まで下がりました。前回の条件のまま計算すると、戻る額は倍になります。
問い合わせ先は商工観光課
本制度の所管は、大垣市の経済部商工観光課です。電話は0584-47-8596で、申請書類の提出先も同じ課になります。自社の費用が8つの事業のどれに当たるか迷った場合は、まずは窓口でお話をうかがってみた方がよいでしょう。
なお、年度が変われば要件も金額も改正されます。現にこの制度も、前回から補助率と上限額が下がりました。申請へ進む前に、大垣市の案内で最新の内容をご確認ください。
5万円より先に、業績と採用の立て直しを決める
本制度の上限は5万円で、税抜10万円を超えて払っても戻る額は変わりません。求人媒体への出稿費や採用サイトの制作費と並べれば、埋まるのは端のほうです。そもそも採用のための制度ではなく、物価高騰で業績が落ちた会社の経営を支える制度で、採用の費用はその一部として拾われているにすぎません。
申請の前には、業績が落ちたことを台帳の写しで立証し、交付決定が届くまで発注を止めて待つことになります。そこまで段取りを踏むなら、業績が落ちているいまの状態で、採用にいくら掛けて何から手を付けるかを先に決めるほうが、5万円より効きます。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。