【全34件】「鳥取県」で採用に使える補助金は?対象の費用と申請の下限を解説!
求人にかける費用の何割かでも補助が出ないか。そう考えて鳥取県内の商工や雇用のページを開くと、上限額より先に目に入る数字があります。下限のほうです。
県と19市町村を1件ずつ当たり、採用や人材確保に関わる枠が34件ありました。2026年8月時点の公表内容です。そのうち、求人広告や採用ツールのように作って出す費用へ費目名を置いていたのは3件でした。
小さく試して様子を見る、という使い方があまり想定されていません。まず、34件の内訳から並べます。
この記事でわかること
- 鳥取県内で確認できた採用まわりの枠は何件で、県と市町村にどう分かれるのか?
- 交通費の枠に置かれた「1人5千円以上」「往復1万円未満は申請できない」は、何を決めているのか?
- 下限があるのは金額だけなのか、それとも回数や期間にもあるのか?
- 作って出す費用に費目名がある枠はどれで、それぞれ何が条件になるのか?
- 同じ県内でも、どこを開くかで出てくる枠が変わるのはなぜか?
根拠にしたのは、県と市町村が公開している案内ページ、交付要綱、募集要領、申請様式、そして受付を委託されている商工会議所のページです。
1件ずつの申請の進め方は、制度ごとの記事で扱っています。運営は株式会社リーピー、メディア名は「地方採用ワークス」です。
鳥取で数えられた枠は34件
鳥取県の商工労働部と、19市町村の商工・雇用・定住のページを順に開きました。採用、人材確保、雇用の継続が目的か費目に出てくる枠として、2026年8月時点で中身まで読めたのは34件です。
| 区分 | 数と内訳 |
|---|---|
| 枠の合計 | 34件(県14件・市町村20件) |
| 枠を確認できた自治体 | 県と10市町村 |
| 内訳 | 鳥取市・米子市・倉吉市・境港市・岩美町・三朝町・湯梨浜町・北栄町・伯耆町・日南町 |
| 鳥取県の市町村数 | 19市町村(4市14町1村) |
| 作って出す費用に費目名がある枠 | 3件 |
| 採用サイトの制作費に費目名がある枠 | 0件 |
採用サイトやコーポレートサイトの制作費については、費目名を置いた枠が県にも19市町村にも見つかりませんでした。ホームページという語が費目に出てくる町の枠はありますが、後述のとおり、どれも商品や販路の文脈にあります。
34件を自治体ごとに並べる
数だけ出しても引けないので、34件を名前で並べます。タイトルに出した3件は、鳥取市地元企業人材確保助成金と、鳥取県女性活躍に取り組む企業支援補助金、鳥取県外国人材獲得支援補助金です。この3件の中身は記事の後半で扱います。
| 鳥取県の枠(14件) | 何の費用に付くか |
|---|---|
| 中小企業者採用試験を受験する県外居住者の交通費支援補助金 | 県外に住む受験者の交通費 |
| 鳥取県プロフェッショナル人材企業見学等交通費助成金 | 面接・企業見学・就職フェアの移動費と宿泊料 |
| 鳥取県ビジネス人材副業・兼業活用補助金 | 県外の副業・兼業人材が来県する交通費と宿泊費 |
| 鳥取県「週1副社長」推進加速化補助金 | 初めて迎える副業・兼業人材の報酬と移動費 |
| 鳥取県外国人材獲得支援補助金 | 海外でのリクルート活動と宣材ツールの作成 |
| 鳥取県外国人活躍促進企業支援補助金 | 外国人労働者の日本語能力向上と職場づくり |
| 鳥取県外国人材住環境整備支援補助金 | 受入れを増やす場合の住宅・通信環境と備品 |
| 鳥取県支え愛就労環境整備補助金 | 就労困難者を正規雇用するための設備と研修 |
| 鳥取県労働移動受入奨励金 | 事業主都合で離職した人の正規雇用 |
| スポットワーク導入支援補助金 | スポットワークサービスの利用手数料 |
| 鳥取県特例子会社設立等助成金 | 特例子会社の県内設立 |
| 鳥取県障がい者雇用に取り組む企業等向けテレワーク導入支援補助金 | 障がい者雇用に向けたテレワークの導入 |
| 鳥取県女性活躍に取り組む企業支援補助金 | 女性の採用説明会・採用パンフレット作成ほか |
| とっとりインターンシップ交通費・宿泊費助成 | 参加した学生の交通費と宿泊費 |
| 市町村の枠(20件) | 制度名 |
|---|---|
| 鳥取市(4件) | 地元企業人材確保助成金/中小企業人材育成補助金/リモートワーカー等外部人材活用補助金/中小企業等奨学金返済支援事業 |
| 米子市(2件) | 建設人材緊急確保支援事業/本社機能移転等による移住者支援補助金 |
| 倉吉市(6件) | 就職説明会等参加・開催事業費補助金/インターンシップ支援事業費助成金/移住就職者奨学金返還支援事業費助成金/移住就職者家賃支援事業費補助金/移住就職者社宅受入事業費助成金/専門的・技術的分野における外国人材雇用企業給付金 |
| 境港市(2件) | 外国人材住環境整備支援補助金/企業立地の促進及び雇用の拡大に関する条例の雇用促進奨励金 |
| 岩美町(1件) | ふるさと人材確保支援奨励金 |
| 三朝町(1件) | 企業立地促進補助金(人材確保費用の加算あり) |
| 湯梨浜町(1件) | 雇用促進奨励金 |
| 北栄町(1件) | 企業立地及び雇用促進条例の雇用促進奨励金 |
| 伯耆町(1件) | 企業立地に伴う雇用促進奨励金 |
| 日南町(1件) | 社員住宅改修費補助金 |
表に載せた名前のうち、3つは中身まで確かめきれていません。伯耆町の雇用促進奨励金は、金額と要件が町のページに出ていません。
米子市の建設人材緊急確保支援事業は令和8年度の新しい枠で、予算額100万円という議会説明はありますが、給付金の名称と要件を定めた要綱がまだ見当たりません。
同じ米子市の本社機能移転等による移住者支援補助金は、市の移住支援ページから県の制度へリンクする形になっていて、窓口が市か県かも決まりません。この3つは、名前だけを表に残し、金額と窓口は未確定のままにしてあります。
数えたのは事業者に届く枠
34件に数えたのは、会社が採用や人材確保のために動いたときに開く枠です。交付先の欄に会社の名前が入るもの、会社を通って本人に渡るもの、会社が雇ったこと・受け入れたことを要件に本人へ直接渡るもの。いずれも会社が動かなければ支給が始まりません。
そのため、お金の受け取り手が働く側になる枠も表に入っています。とっとりインターンシップの交通費・宿泊費助成は、参加した学生本人へ年間合計90,000円まで(宿泊は1泊8,200円まで)が渡ります。
一方、倉吉市の移住就職者家賃支援事業費補助金は「企業を介して」と書かれていて、申請するのは雇った側の会社になります。同じ移住支援でも、書類を出す人が入れ替わります。
19のうち10で見つかった
枠が確認できたのは、19市町村のうち10です。4市はすべてに何かしらの枠があり、町村側は岩美町、三朝町、湯梨浜町、北栄町、伯耆町、日南町の6町で見つかりました。
町の枠は、企業立地の条例に雇用促進奨励金がぶら下がる形が多く、単独の採用支援として立っているのは岩美町と湯梨浜町の奨励金、それに日南町の社員住宅改修費補助金あたりです。
残る9町村で事業者向けの枠として並んでいたのは、融資の利子補給や創業支援でした。採用に関わる費目はありません。9町村の0件は、探し切れなかった側ではなく、採用の費目が無い側です。
国の助成金とは財源も窓口も別
ここに並べた34件は、国が出す助成金とは財源も窓口も別です。年度の区切り方も、募集が閉じる理由も重なりません。
県の枠を調べる前に国の側から確かめたい方は、助成金と補助金の違いを先に押さえておくと、どちらの窓口から動くかが決まります。
参考記事:『【国と自治体】採用に使える助成金と補助金は?自社が対象かの見分け方を徹底解説!』
要領は上限より先に下限を書く
鳥取の枠を金額で比べようとすると、先に別の数字に当たります。いくらまで出るかより先に、いくらから受け付けるかが決まっています。
下の7行のうち、日南町のチャレンジ企業支援事業と伯耆町の本気で頑張る産業支援事業は、採用に限らない産業支援の枠なので34件には数えていません。下限の書きぶりを見るために並べています。
| 枠 | 書かれている下限 |
|---|---|
| 中小企業者採用試験を受験する県外居住者の交通費支援補助金 | 受験者1人につき5千円以上を支給した場合に限る |
| 鳥取県ビジネス人材副業・兼業活用補助金 | 1回の往復交通費の実費が1万円未満なら申請できない |
| 倉吉市 インターンシップ支援事業費助成金 | 市内の自宅から企業までの交通費は累計2,000円以上 |
| 日南町 チャレンジ企業支援事業(副業・兼業人材活用支援) | 補助金の下限額7万5千円 |
| 伯耆町 本気で頑張る産業支援事業(人材育成支援) | 補助金の下限額1万円 |
| 日南町 社員住宅改修費補助金 | 総工事費20万円以上 |
| 三朝町 企業立地促進補助金 | 投資額3,000万円超、常用雇用者3人以上の増加 |
交通費は1人5千円以上から
県の中小企業者採用試験を受験する県外居住者の交通費支援補助金は、県内に事業所を持つ中小企業者が、県外に住む受験者の交通費を負担したときに使えます。補助率は2分の1で、上限は10万円。受験者1人につき3万円までという内側の上限もあります。
そのうえで、募集要領の対象経費の説明には但し書きが1行あります。「いずれも受験者1人につき5千円以上を支給した場合に限ります」。
会社が受験者へ5千円未満しか渡していない場合、この枠は使えません。県外からの採用を支援する枠でありながら、支援が始まるのは一定の距離からです。
手続きの側にも条件があり、交付申請は原則として事業着手の20日前まで。募集要領は受付期間を令和8年4月1日から令和9年1月31日までとし、予算の執行状況によっては年度途中で受付を終了する場合があると書いています。
県外から人を呼ぶ予定があるなら、渡す交通費を1人5千円以上で組めるかどうかを、募集を出す前に決めておきましょう。
往復1万円未満は申請できない
同じ条件は副業・兼業の枠にもあります。鳥取県ビジネス人材副業・兼業活用補助金は、県外の副業・兼業人材が実際に県内の会社を訪れて働くときに、会社が負担した交通費と宿泊費の2分の1を補助します。各年度10万円まで。
宿泊費は基本宿泊料とサービス料、消費税と入湯税が対象で、上限は1泊8,000円です。こちらの案内には、但し書きではなく条件としてこう書かれています。「1回の往復移動に伴う交通費の実費が1万円未満の場合は、申請できません」。
近県から通える人材に来てもらう形だと、往復の実費が1万円に届かず、枠の外に出ることがあります。人材の質や成果ではなく、移動の実費の大きさが申請の可否を分ける作りです。
通うより安いときだけ宿泊が出る
倉吉市のインターンシップ支援事業費助成金は、比較の形で条件を決めています。助成率は宿泊費と交通費の2分の1で、上限は15,000円、宿泊は1泊4,100円まで。
そのうえで、宿泊費が対象になる条件がこう書かれています。市外の自宅から受入先企業まで通う交通費と、宿泊費の実負担額を比べて、宿泊費のほうが安くなる場合に対象となる。通ったほうが安いなら、通ってもらう前提です。市内から通う交通費のほうは、累計2,000円以上が条件になっています。
受け取るのは学生本人ですが、受け入れる会社の側から見ると、どこから来る学生なら宿泊まで支援が届くのかがこの一行で決まります。募集の範囲を決める前に読んでおく必要があります。
町の補助金には下限額が並ぶ
金額の下限は、交通費まわりの話にとどまりません。ここで母数を広げます。とっとり産業支援ナビの市町村検索で分類を「補助金・助成金」にすると、県内市町村の枠が81件並びます。
その81件のうち、「上限額」と「下限額」を並べて書いている枠が14件ありました。日南町が7件、伯耆町が5件、南部町と江府町が1件ずつです。採用以外の枠も含めた数なので、34件の内数ではありません。
採用に近いところでは、日南町のチャレンジ企業支援事業に副業・兼業人材活用支援の枠があり、補助率2分の1、上限額30万円に対して下限額が7万5千円と書かれています。
補助金の下限が7万5千円ということは、対象経費が15万円に届かないと申請そのものが成り立たない計算です。この枠は、とっとりプロフェッショナル人材戦略拠点の支援を受けたうえで、3か月以上の雇用契約または委託契約を結ぶことも要件です。
伯耆町の本気で頑張る産業支援事業は6つに分かれ、人材育成支援事業補助金が上限5万円・下限1万円、競争力強化支援事業補助金が上限25万円・下限2万円。下限を割る支出は、申請の対象にすらなりません。
町の枠を調べるときは、上限の行より先に下限の行を探すほうが早いです。
下限は回数と期間にも置かれる
金額だけではありません。何回使えるか、どれだけ続けたかにも条件が付いています。額が足りていても、回数や期間が足りないと届かない形です。
プロ人材の見学は1企業2回まで
鳥取県プロフェッショナル人材企業見学等交通費助成金は、県外に住む、あるいは県外の企業に勤めている人材が、県内企業への就職を目的に面接や企業見学、就職フェアへ参加したときの移動費を見る枠です。
鉄道賃、航空賃、バス料金、自家用車利用料、レンタカー賃借料、高速道路料金、宿泊料が対象で、助成率は2分の1以下、対象者1人につき当該年度5万円が限度。1企業が使えるのは年に2回までです。
申請の期限も短く、面接等が終わった日から1月以内、または実施年度の3月20日のいずれか早いほうまでとされています。
3人目からの移動費は会社の持ち出しになるので、県外から呼ぶ候補者を2人に絞り込んでから使う枠だと思われます。
副業の枠は1名分しか見ない
初めて副業・兼業人材を活用する会社向けには、「週1副社長」推進加速化補助金があります。業務委託契約にもとづく報酬(月5万円上限)と移動費が対象で、補助率は10分の8、各年度50万円まで。契約期間の上限は6か月です。
ここにも人数の条件があります。複数の副業・兼業人材と契約する場合、補助の対象になるのは1名だけ。同時に2人を迎えても、書類に載るのは1人分です。
倉吉市の就職説明会等参加・開催事業費補助金も、回数で絞られます。県外説明会参加枠は参加費・出展料と従事者の交通費・宿泊費、市内説明会開催枠は会場借上料・備品借上料・車両借上料・会場設営の委託費。どちらも補助率2分の1、上限5万円です。
同じ枠への申請は1会計年度に1回までですが、2つの枠にそれぞれ1回ずつ出すことはできます。この補助金は令和7年度から受付と審査が倉吉商工会議所へ委託されていて、市のページを開いても問い合わせ先は会議所です。
県外の合同説明会と市内での自社説明会を同じ年にやるなら、1本にまとめず枠を分けて2回出すほうが損がありません。
奨励金は6か月続けて初めて出る
雇ったことに対して出る奨励金には、期間の条件があります。湯梨浜町の雇用促進奨励金は、町内に住所を持つ人をシニア世代、子育て世代の女性、就職氷河期世代、移住定住者のいずれかとして新たに正規の常用労働者に採用し、6か月以上継続して雇用した場合に1人20万円。
しかも、雇用した日から6か月以内に雇用促進計画の認定申請を出しておく必要があります。岩美町のふるさと人材確保支援奨励金も、対象労働者の雇用日から2か月以内に届出、6か月経過後に交付申請という二段構えです。
岩美町の対象は新規学卒者(卒業後1年以内・30歳未満)または移住定住者(転入6か月以内・65歳未満)の正規雇用で、1人20万円、通算10人までとされています。
どちらも入社日が起算日です。内定を出した時点で、町へ出す書類の期限をカレンダーへ入れておきましょう。
立地の枠は投資額と人数で切る
町の雇用促進奨励金は、企業立地の条例にぶら下がっていることが多く、その場合は条件が二重になります。北栄町は、投下固定資産総額300万円以上という企業立地促進奨励金の要件を満たしたうえで、新規常用雇用者を6か月以上継続雇用した場合に1人30万円、上限600万円。
境港市はさらに刻みが細かく、投下固定資産総額と市内新規常時雇用者の純増数の組み合わせで3段階に分かれます。1億円以上かつ7人以上なら1人100万円、5,000万円以上かつ4人以上なら50万円、3,000万円以上かつ2人以上なら30万円。
同じ1人の採用でも、設備にいくら投じたかで金額が3倍変わります。なお令和8年度から、この条例が定める常時雇用者の週の所定労働時間が30時間以上から20時間以上へ緩和されています。
三朝町の企業立地促進補助金には「人材確保費用」という費目そのものがあり、常用雇用者が3人以上増加する場合にその4分の1(上限45万円)が加算されます。ただし全体の要件が投資額3,000万円超で、採用の費用へ届くには工場や設備の投資が先に要ります。
住まいの枠は県と市で重なる
来てもらったあとの費用にも枠があります。家賃、社宅、住環境。ここでは県と市町村が同じ場所を見ていて、重なり方に決まりがあります。
外国人材の住環境は県と市で同じ率
鳥取県外国人材住環境整備支援補助金は、外国人材の受入れに必要な住宅環境整備、インターネット環境整備、備品購入に対して補助率3分の1、上限1,500千円(住宅環境整備を行わない場合は500千円)です。
ただし対象は、事業実施年度以降に新たに受入れを行うか、現在受け入れている人数を増やす県内事業者に限られます。
境港市は、令和8年度に同じ形の補助金を立ち上げました。境港市外国人材住環境整備支援補助金も補助率3分の1、上限1,500千円(住宅環境整備を行わない場合は500千円)で、数字は県と揃っています。
違うのは条件です。市の案内は「外国人材の新たな受入れ、増員は不要です」と明記し、そのうえで県の補助金の交付対象となる場合は除く、と書いています。
受入れを増やす会社は県へ、いま受け入れている人の住まいを直したい会社は市へ。市の側は着手前の交付申請が必須で、1物件1回、1事業者は同一年度に1回までという制限も付きます。
来年度に外国人材を増やすのかどうかを先に決めないと、県と市のどちらの窓口へ持ち込むかも決まりません。
倉吉市は家賃と社宅を分けて出す
倉吉市は、住まいの支援を2つに分けています。1つは移住就職者家賃支援事業費補助金で、市内の事業者へ就職して転入した人の賃貸住宅の家賃を、企業を介して最長1年間補助します。補助率2分の1、月1万円が上限で、1人あたり1年で最大12万円。
もう1つは移住就職者社宅受入事業費助成金で、こちらは自社が整備した社宅に移住就職者を受け入れた企業へ、1区画あたり年10万円を最大5年間出します。入居率が任意の1年間で50%以上であることが条件です。
借りている部屋なら家賃の枠、自社で用意した社宅なら受入れの枠。住まいをどちらで用意しているかで、開く枠が変わります。
移住者を迎える予定があるなら、部屋を借りて渡すか社宅を持つかを決めてから市の窓口へ行くのが早道です。
社宅の改修は総工事費20万円から
日南町の社員住宅改修費補助金は、町内の空き家などを従業員用の社宅として活用する事業に対して、補助率2分の1、上限100万円を出します。ここにも下限があり、総工事費20万円以上が条件です。
条件は3つ重なります。町内に事業所のある施工業者を利用すること。工事着工までに申請すること(着工後の申請は無効)。そして交付を受けた年度から3年度にわたり、社員住宅への入居者名簿等の報告書を出すこと。
建てて終わりではなく、誰が住んでいるかを町へ報告し続ける枠です。見積を取る段階で、3年分の事務まで見込んでおく必要があります。
募集の費用に費目名があるのは3件
ここまでが移動と住まいでした。では、求人広告や採用ツールのように、作って出す費用はどうか。34件のうち、費目名を置いていたのは3件です。
そのうち、採用動画や採用パンフレットのように制作物の名前まで書いているのは2件で、残る1件は「宣材ツール」という束ね方になっています。
| 枠 | 作って出す費用に関わる費目 |
|---|---|
| 鳥取市 地元企業人材確保助成金 | PR動画作成、就職情報サイト掲載料、採用コンサルティング委託料 |
| 鳥取県 女性活躍に取り組む企業支援補助金 | 女性の採用説明会開催経費、女性向け採用パンフレット作成費等 |
| 鳥取県 外国人材獲得支援補助金 | 海外でのリクルート活動を実施するための宣材ツールの作成 |
鳥取市は4事業を1枚に束ねる
3件のうち、県内でいちばん採用の文脈に寄っているのが鳥取市地元企業人材確保助成金です。交付要綱の別表に4つの事業が並び、PR動画作成、就職イベント参加、就職情報サイトへの掲載、採用コンサルティングがそれぞれ対象になっています。
補助率は4分の3、上限は10万円で、鳥取市男女共同参画かがやき企業の認定を受けていれば20万円。交付は1年度に1事業者につき1回だけで、4つの事業をやるなら1枚の申請にまとめる形です。
PR動画は旧制度を含めて1回限り、就職イベント参加は各年度1回で通算3回まで、という回数制限も別表の備考に書かれています。
鳥取市でPR動画の制作や就職情報サイトへの掲載に補助を当てたい方は、4事業の回数制限と様式の作りをこちらで確かめてください。
参考記事:『「鳥取市地元企業人材確保助成金」は動画だけ?4つの対象事業と申請の順番を解説!』
女性の採用パンフレットは認定が先
県の側で採用パンフレットに費目名を置いているのは、女性活躍に取り組む企業支援補助金です。支援項目は6つあり、その1つ目が「女性の積極採用支援」です。
対象経費は「女性の従業員数が少ない企業の女性の積極採用のために要する経費(女性の採用説明会開催、採用パンフレット作成費等)」。補助率2分の1、限度額10万円です。
ただし申請できるのは、鳥取県輝く女性活躍パワーアップ企業、鳥取県輝く女性活躍スタートアップ企業、鳥取県男女共同参画推進企業のいずれかに限られます。認定や登録を先に取っていない会社は、この費目に届きません。
推進企業は6項目のうち3項目までしか申請できず、残りは登録企業向けです。もう1つ、探す側で見落としやすい点があります。この補助金の所管は商工労働部ではなく、男女協働未来創造本部県民運動課です。
申請の窓口も県ではなく、一般社団法人鳥取県経営者協会になっています。募集期間は令和9年2月26日までとされ、予算の範囲内で先着順、期間内でも締め切る場合があると書かれています。
来年度に採用パンフレットを作る予定があるなら、認定を取りに行くところから、期限をさかのぼって動くのが先です。
海外向けなら宣材ツールが入る
3件目の鳥取県外国人材獲得支援補助金は、高度外国人材や特定技能外国人の採用のために、県内事業者が海外で行うリクルート活動を支援する枠です。補助率2分の1、上限250千円。
対象になるのは、海外現地での説明会開催、合同企業説明会への参加、海外での求人募集・採用活動、海外での自社PR、そしてそれらの取組を実施するための宣材ツールの作成です。作るものの費用が正面から入っています。
裏を返すと、同じ会社が県内向けに同じものを作る場合、この枠は使えません。募集の相手が海外にいるかどうかで、宣材ツールの扱いが変わる形です。
募集の相手が国内と海外にまたがるなら、作る物を分けて見積を取っておくほうが早く済みます。
求人媒体の枠は令和5年度で終わった
かつては、求人媒体そのものに出す費用を見る県の枠がありました。鳥取県中小企業の求人情報発信支援事業補助金です。県内中小企業が新たに就職情報サイト等の求人情報媒体を活用するときの経費を助成する、という内容でした。
この制度のページは今も残っていますが、本文はこの一行だけです。「本補助金は令和5年度で終了しました」。求人媒体の掲載料を県が直接見る枠は、2026年8月時点では見当たりません。市町村側で就職情報サイトの掲載料に費目名があるのは、鳥取市の1件です。
なお、ホームページに費目名を置く町の枠自体はあります。琴浦町の中小企業ステップアップ支援補助金は、DX推進(IT導入)の枠でホームページ・ECサイトの構築費を対象にしており、補助率2分の1、上限20万円。
ただし制度全体が新商品開発、販路拡大、DX推進の枠組みで、採用という語は出てきません。日野町の商品力魅力アップ支援事業も、対象は「商品の意匠、包装及びホームページその他の宣伝材料の改良等」です。
この2件は34件に数えていません。採用のために作るページがここに載るかどうかは、町の担当課へ確かめる話になります。
探す場所ごとに載っている中身が違う
もう1つ、鳥取で効いてきたのが探し方でした。県は「とっとり産業支援ナビ」という総合窓口を持っていて、県と県内市町村の支援策を1か所で検索できます。便利な作りですが、そこに全部が載っているわけではありません。
総合窓口の人材確保は8件しか出ない
産業支援ナビの市町村検索で「人材確保・育成」を選ぶと、出てくるのは8件です。倉吉市が専門的・技術的分野における外国人材雇用企業給付金、移住就職者奨学金返還支援事業費助成金、移住就職者家賃支援事業費補助金、移住就職者社宅受入事業費助成金の4件。
岩美町がふるさと人材確保支援奨励金の1件。鳥取市が中小企業人材育成補助金、リモートワーカー等外部人材活用補助金、中小企業等奨学金返済支援事業の3件です。分類を補助金・助成金に広げると81件になりますが、採用まわりで足される枠はありません。
この8件にも81件にも、鳥取市地元企業人材確保助成金は出てきません。県内で就職情報サイトの掲載料と採用コンサルティングの委託料に費目名を置いている、唯一の枠です。倉吉市の就職説明会等参加・開催事業費補助金も、この検索結果には入っていません。
倉吉市の枠は静的ページにだけある
同じ産業支援ナビの中でも、市町村ごとの支援策を並べたページのほうには、倉吉市の就職説明会等参加・開催補助金とインターンシップ参加支援助成金が載っています。検索結果に出てこない枠が、一覧ページには出ている形です。
同じサイトの中で、検索から入るか一覧から入るかで、見えるものが変わります。どちらかが間違っているという話ではなく、更新の経路が別なのだと読めます。
終了した枠が市のページに残る
逆の方向もあります。倉吉市のしごと定住促進課のページには、いまも県の中小企業の求人情報発信支援事業補助金の案内が置かれ、県のページへリンクしています。更新日は2022年8月23日。リンク先を開くと、令和5年度で終了した旨の一行が出ます。
市のページに載っていることと、いま使えることは別です。担当課のページは、その課が更新した日で止まります。金額や期限を見る前にリンク先の年度表記を確かめておかれると安心です。
なお、県の雇用・働き方政策課が「企業向け補助金・セミナー」として並べているのは、中小企業者採用試験を受験する県外居住者の交通費支援補助金と鳥取県支え愛就労環境整備補助金の2件だけです。
外国人材関連や女性活躍関連の枠は、それぞれ別の階層にあります。担当課の一覧が、その課の持っている枠の全部とは限りません。
Tips|所管は労働の部署とは限らない
鳥取では、県のページを開く前に所管を疑っておくと早く着きます。女性活躍の枠は商工労働部ではなく男女協働未来創造本部県民運動課、申請の窓口は県経営者協会。倉吉市の説明会の枠は、受付そのものが商工会議所です。
鳥取で先に見るのは費目より下限
鳥取県内で数えた34件のうち、採用動画や採用パンフレットの制作費に費目名があるのは2件です。鳥取市の地元企業人材確保助成金が補助率4分の3・上限10万円、県の女性活躍に取り組む企業支援補助金が2分の1・上限10万円。どちらも予算の範囲内での交付なので、枠が埋まれば止まります。
残る32件は、来てもらう移動費と住まい、雇ってから続いた期間に付いています。そしてどの枠も、上限より先に下限があります。先に決めるのは、その支出が下限を越えるかどうかです。越えない枠は、要綱を開く前に候補から外してよいと思われます。
私たちのような地方企業では、「採用はもうあきらめている」という会社も少なくないと思います。地方採用ワークスは、地方企業の採用を専門に、募集の露出から受け皿づくりまでを包括的にご支援しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
どこから手をつけるべきか、いまの状況をお聞かせいただければ一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。