【地方中小】第二新卒採用のメリットと進め方|狙い目になる3つの理由
「若手を採りたいが、新卒採用で大手に勝てる気がしない」——地方の中小企業で若手採用の話になると、このような本音をよくお聞きします。
合同説明会に出展しても、学生は大手のブースに並んでしまいます。ようやく内定を出しても辞退されてしまうのが現実です。新卒を一括で採用する土俵は、地方の中小企業にとって不利にできています。
そこで視野に入れてほしいのが、第二新卒の採用です。新卒市場の外側に、社会人経験を持った若手の市場が毎年生まれています。
この記事でわかること
- 第二新卒とは何か(既卒・中途との違い)
- 地方の中小企業にとって第二新卒が狙い目である理由
- 第二新卒採用のメリットと注意点
- 第二新卒に届く求人方法・媒体・面接と、定着までの受け入れ方
まずは数字を見ておきましょう。新卒で就職した若者のうち、3年以内に離職するのは大卒で33.8%、高卒で37.9%です。およそ3人に1人が、最初の会社を3年以内に離れています(※1)。
※1 引用:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(2025年10月24日公表)。就職後3年以内の離職率は新規高卒37.9%・新規大卒33.8%。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137940.html
第二新卒とは、3年以内に転職する若手を指す
第二新卒とは、学校を卒業して一度就職したのち、おおむね3年以内に転職活動をしている若手のことです。法律上の明確な定義はありません。そのため、企業によって範囲の取り方は多少異なります。
似た言葉との違いを整理しておきます。
- 新卒:在学中に就職活動をし、卒業後すぐ入社する層
- 既卒:就業経験のないまま学校を卒業した層
- 第二新卒:一度就職し、社会人経験が浅い段階(目安3年以内)で転職する層
- 中途:一定の実務経験・スキルを前提に転職する層
第二新卒の採用は、スキルではなく伸びしろを見て採る「ポテンシャル採用」に分類されます。
既卒との一番の違いは、短くても社会人として働いた経験があることです。この経験が企業側のメリットになります。同時に、選考で見るべきポイントにもつながっていきます。
地方の中小企業にとって第二新卒が狙い目である理由
第二新卒は、広報解禁や選考時期が決まった新卒採用の土俵で、大手企業と正面から競り合わなくていい市場です。通年で動けますし、入社時期も柔軟に決められます。若手を採りたい地方の中小企業にとって、おすすめの選択肢だと考えています。
理由は3つあります。
1つ目は、大手との正面勝負を避けられることです。新卒向けのナビ媒体では、知名度と採用予算の差がそのまま結果に出ます。一方、第二新卒の転職活動は、求職者がそれぞれのタイミングで個別に動きます。そのため、新卒市場のように一斉に比較される構造になりにくいのが特徴です。
2つ目は、「会社選びをやり直したい」という動機と、中小企業の働き方がかみ合いやすいことです。1社目で仕事内容や労働時間のミスマッチを経験した層は、2社目を細かい条件までよく見て選びます。知名度よりも働き方の中身を確かめたいと考えている層です。そのため、顔が見える距離感を正直に出せる中小企業のほうが、むしろ土俵に乗りやすい傾向があります。
3つ目は、Uターンのタイミングと重なることです。都市部で就職した若手が「そろそろ地元に戻ろうか」と考え始める時期は、第二新卒の時期と重なるケースが多くあります。限られた通勤圏の外から人を呼び込める、数少ない機会です。
第二新卒を採用するメリットと注意点
メリットを一言でいえば、社会人としての基礎が身についた若手を、ポテンシャル重視で、通年で採れることです。
一方で注意点もあります。前職を早く離れた背景にどう向き合うかです。「見極めよう」と身構えるばかりではなく、自社で同じ離職理由を繰り返させないための準備が必要です。
メリット|基礎がある若手を、自社の色で育てられる
- 基礎研修を大きく省ける:名刺交換や電話応対といったビジネスマナーの初歩は、多くの場合1社目で身についています。新卒のような手厚い導入研修を組めない会社でも、育てやすい層です。
- 柔軟性が高い:まだ1社目の色に染まりきっていません。自社のやり方に馴染みやすい時期です。
- 入社時期が柔軟:4月の一括入社にこだわる必要はありません。欠員や増員のタイミングに合わせて迎えられます。
- 若手の層が厚くなる:年齢構成の偏りに悩む会社にとって、20代前半の入社は組織の空気を変える一手になります。
注意点|「またすぐ辞めるのでは」と身構えすぎない
第二新卒というと、早期離職を警戒する声が決まって出ます。ただ、離職理由は労働時間や人間関係、仕事内容のミスマッチなど千差万別です。「こらえ性がない」と一括りにしてしまうと、採れたはずの人材を逃してしまいます。
大事なのは2つです。
1つは、面接で離職理由を詰問せず、事実と希望を確認することです。
もう1つは、自社の労働時間や条件を、採用段階で正直に開示することです。1社目で「聞いていた話と違う」というミスマッチを経験した層は、この点に一番敏感になっています。入口で条件をよく見せすぎると、2度目の早期離職につながりやすくなります。
第二新卒に届く求人方法・媒体と面接のポイント
第二新卒に届くのは、「経験より人柄・伸びしろを見る」と明示した求人と、経験の浅さを責めない面接です。新卒向けの見せ方とも、即戦力を求める中途求人の見せ方とも少し違います。
求人方法・媒体|「第二新卒歓迎」と育てる体制を見せる
媒体は、若手向けの転職媒体、ハローワーク、自社の採用サイトが基本線です。どの経路でも共通して効果があるのは、求人票に「第二新卒歓迎」「未経験からの入社実績」を明示することです。さらに、入社後の研修・教える体制を具体的に書くことも欠かせません。
あわせて、給与や労働時間、休日は数字で正直に記載してください。働く環境や制度の見せ方は、採用サイトに関する以下の記事も参考になります。
参考記事:『【事例つき】採用サイトの福利厚生ページとは?若手に響く見せ方』
「第二新卒歓迎」と打ち出しても応募が来ない場合は、そもそもの露出量と求人の中身を順番に見直します。
参考記事:『【原因5つ】人材確保ができないのはなぜ?応募が来ない会社の見直す順番』
面接|前職の話は「詰問」ではなく「すり合わせ」
面接で確かめたいのは、「なぜ辞めたか」の追及ではありません。「前職の何が合わず、次に何を求めているか」と自社の実態が噛み合うかどうかです。離職理由を責める空気が出た瞬間、応募者は本音を隠してしまいます。それでは、自社に合うかの見極めも、自社に来てほしいと口説くこともできません。
聞き方には型があります。「なぜ辞めたのですか」と過去に向けて聞くより、「次の職場に何があれば長く働けそうですか」と未来に向けて聞くことです。
確かめている中身は同じです。しかし、前者は弁明をさせる問いであり、後者は希望を語らせる問いになります。弁明の姿勢に入ってしまった応募者からは本音が出ませんし、志望度も下がってしまいます。
そして未来向きの答えは、そのまま相性の判断材料になります。第二新卒層の企業選びの軸は、1社目の反省から作られています。そのため、答えの中には「前職に欠けていたもの」がほぼ必ず含まれています。
たとえば「残業が少ないこと」という答えに対して、自社の実態が違うなら、その場で正直にすり合わせます。希望を責めずに受け止め、事実で答えた会社が最終的に選ばれます。これが専門家としての弊社の見立てです。
最初の3か月で「2社目の正解」にする
第二新卒の採用は、入社後の受け入れまでが採用活動です。一度会社選びにつまずいている分、入社直後に自分がどう扱われるかをよく見ています。最初の3か月の設計が、定着するかどうかを左右します。
- 「社会人経験あり」を「業務経験あり」と混同しない:マナーは身についていても、自社の業務は未経験です。教える担当を決め、新卒に準じた研修やOJTの流れを用意します。
- 定期的な面談を入れる:週次でも隔週でも、困りごとを口にできる場を仕組みにしておきます。「何かあったら言って」という声かけだけでは、前職で言えなかった人はやはり言えません。
- 労働時間の約束を守る:採用段階で伝えた働き方と実態がずれていないか、受け入れ側が先に点検します。定着の土台はここにあります。
第二新卒採用についてよくある質問
Q1. 第二新卒は卒業後何年目までを指しますか
明確な定義はなく、卒業後3年以内が一般的な目安です。もっとも、採用する側にとって大事なのは年数の線引きではありません。ポテンシャルで採り、育てる前提の受け入れができるかどうかのほうが重要です。
Q2. 第二新卒の採用に使える助成金はありますか
若年層や就職困難者の雇用に対して、国の助成制度が用意されている場合があります。ただし要件・金額は改定が多いため、活用を検討する際は最新の制度情報を確認してください(※2)。
※2 若年層・就職困難者の雇入れを対象とした助成金(特定求職者雇用開発助成金など)が用意されている。 参考:厚生労働省「雇用関係助成金一覧」。助成金は年度ごとに新設・改廃・要件変更があるため、検討時に最新の要件を確認すること。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index_00057.html
Q3. 新卒枠と中途枠、どちらで受け入れるべきですか
選考は中途型(通年・個別対応)で動かし、入社後の研修や育成は新卒に準じた設計にする形をおすすめします。給与は経験の浅さを踏まえつつ、1社目の水準や同年代の相場から大きく外れないラインで設計してください。そうすることで、辞退が起きにくくなります。
若手が採れないなら、新卒市場の外にも目を向ける
新卒採用で消耗している地方の中小企業ほど、第二新卒という選択肢を持っていないケースが多いと感じています。市場は毎年生まれていますし、求職者の動機は中小企業とかみ合いやすい状態です。あとは、届く求人の見せ方と、責めない面接、受け入れの設計を整えるだけです。
まず自社でできるのは、いま出している求人票の応募条件から「経験3年以上」のような線を1つ外してみることです。外した結果どんな人が応募してくるかを見てから、面接の設計を考えても遅くありません。採用活動の全体像から手順を確かめたい方は、こちらの記事で手順を確認してから進めてみてください。
参考記事:『【全体像】採用活動は何から始める?中小企業がたどる6つのステップ』
とはいえ、この「整える」作業を本業のかたわらでやり切るのが難しいと感じる場合もあるはずです。
弊社では、採用活動の代行として、求人の設計から媒体運用、一次面談までを一緒に回しています。面談の現場で若手の応募者と向き合ってきた知見も含めて、「うちは第二新卒を採れるのか」という見立ての段階から相談をお受けしています。御社の状況をうかがったうえで、無理のない進め方をご提案します。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。