【事例つき】採用サイトの福利厚生ページとは?若手に響く見せ方
インターネット検索が主流となった昨今、地方における採用活動の中心は、求人広告から「採用サイト」へと移行しつつあります。弊社自身も、採用広告を使わずに年間1,152名のエントリーを集めており、その入口はほぼすべて自社の採用サイトです。
しかし、当然ではありますが「求職者が惹かれるコンテンツ」がサイト上になければ、せっかく作った採用サイトからのエントリーも見込めないでしょう。
そこで今回は、採用に効果的な「福利厚生」コンテンツについて詳しく解説していきます。
採用サイトに福利厚生ページが要る理由
採用サイトにおいて「福利厚生」コンテンツが必要な理由は、求職者にとって福利厚生が、応募をするか否かを判断する上で重要な要素であるからです。制度が充実しているかどうかだけでなく、「その制度がちゃんと使われているか」までを、求職者は採用サイトから読み取ろうとしています。
エン・ジャパンが正社員への転職を希望する女性819名に「福利厚生」をどのくらい重視するか尋ねた調査では、「非常に重視する」28%と「まあまあ重視する」55%を合わせて83%が重視すると回答しています(※1)。求職者にとって、福利厚生は待遇の一部として確かに見られている項目だということです。
そしてもう一つ、福利厚生のページは会社の姿勢がいちばん出るところでもあります。制度が整っているなら、それは載せないと伝わりません。
マイナビが2026年卒の学生1,971名に尋ねた調査では、企業に「安定性」を感じるポイントの1位は「福利厚生が充実している」で57.3%でした(※3)。また、同社の2024年卒対象の調査(2023年公表)では、63.4%の学生が福利厚生に「勤務地・仕事内容・給料と同程度の関心がある」と答え、関心のあるポイントとして半数超が「利用実績(どれくらいの社員が利用しているか)」を挙げています(※2)。制度が充実しているかどうかだけでなく、「その制度がちゃんと使われているか」までを、求職者は採用サイトから読み取ろうとしているということです。
<small>※1 引用:エン・ジャパン「[en]ウィメンズワーク 女性の職場環境調査『福利厚生について』」(正社員への転職を希望する女性819名が回答)。 https://corp.en-japan.com/newsrelease/2014/2635.html </small><small>※3 引用:株式会社マイナビ「2026年卒大学生キャリア意向調査3月」(2026年卒の大学生・大学院生1,971名が回答、2025年4月公表)。 https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250425_95641/ </small><small>※2 引用:株式会社マイナビ「2024年卒大学生活動実態調査(4月)」(2024年卒の大学生・大学院生3,895名が回答、2023年5月公表)。 https://career-research.mynavi.jp/reserch/20230510_50414/ </small>
福利厚生コンテンツによる『3つ』の採用効果とは?
福利厚生ページの効果は「応募が増える」だけではありません。求職者の集まり方、企業への信頼、そして記憶への残り方という3つの側面に効いてきます。順に見ていきます。
①:優秀な人材を集めやすくなる
先にもお話したように、就職・転職活動において多くの求職者は福利厚生を重視します。つまり最低限の福利厚生しか示していない企業と、充実した内容を具体的に見せている企業とでは、比較の土俵に上がれるかどうかが変わってきます。「福利厚生」コンテンツを整えることは、応募を検討する人の幅を狭めないための土台づくりだと考えています。
質の高い採用活動には、求職者にとって魅力的な情報提供が欠かせないというわけですね。
②:企業への信頼性が向上する
福利厚生コンテンツが充実していれば、「安定した経営基盤がある」という裏付けにもなりますので、企業自体の信頼性を高めるのにも効果的です。また企業の経営姿勢が健全であったり、従業員を大切にする姿勢をアピールでき、求職者のみならず、社会的な評価も高まるでしょう。
自社の魅力を積極的に発信する意味でも、「福利厚生」コンテンツは非常に有用なのです。
③:求職者の「記憶に残る企業」になる
求職者はさまざまな会社の情報を調べ上げているため、エントリーを獲得するためには「求職者の記憶に残る企業」となることが不可欠です。そこで、福利厚生コンテンツで自社独自のユニークな制度を紹介することで、「この企業で働いてみたい!」という印象に残りやすい企業となり、求職者のエントリー候補に残る企業としてのブランディングができるわけです。
このように採用活動をブランディングとしてとらえることで、自社のファンを増やし、雇用拡大のチャンスを狙うこともできるというわけですね。
「福利厚生」コンテンツを作成する際のポイント
福利厚生ページで差がつくのは、制度の数ではなく見せ方です。何を載せるかを選び、数字で裏づけ、読みやすく並べ、使っている社員の声を添える。この4つを踏まえるだけで、同じ制度でも伝わり方が変わります。
①:紹介すべき「福利厚生・制度」を選定する
まず大切にすべきは、自社の提供している福利厚生の詳細をしっかりと理解することです。そして、今の時代のニーズに合わせて、さらに充実させるかどうかを検討することも大切です。
というのも「福利厚生」とは、雇用保険や健康保険だけでなく、家への手当や休日のレジャー施設のサービスまで、多岐にわたるサポートのことを指します。抜けやすいのは社会保険まわりです。当たり前すぎて書き忘れるところですが、求職者は必ず確認します。
②:数字を用いた「信頼性」の高い表現に
福利厚生の内容を伝える際に、文字だけの説明ではなく、具体的な数字を使うことで。その信頼性を高めることができます。たとえば、「育児休業制度」とだけ書かれていると、実際に利用できるのか疑問を持つ人もいるでしょう。しかし、具体的に「育児休業の取得率〇〇%」と明記することで、その制度をどれだけの人が利用できているのか?の証明にもつながります。
③:「見やすい魅せ方」を意識する
福利厚生は書けることが多い分、並べるほどページが読みにくくなっていきます。読み飛ばされたら載っていないのと同じなので、見せ方のほうにも手をかけたいところです。
いちばん押したい制度は、上のほうにはっきり置いてください。数が多いときは見出しで区切って、読み手が探さずに済むようにします。制度名を並べただけの表は読み飛ばされやすいので、アイコンやカードで1制度1ブロックに区切る、利用率などの数字を大きく置く、といった整理が効きます。ただ文字だけのページは、見る人が読むのが大変と感じることも多いため、写真や動画を活用すると、より魅力的なページになるでしょう。
なお、ここで扱っているのは福利厚生ページ内での情報整理の話です。採用サイト全体の配色やデザインテイストをどう選ぶかは、また別の判断軸になります。そちらは採用サイトのデザインテイストの選び方で解説しているので、サイト全体のトーンから決めたい場合はそちらを参照してください。
④:制度を利用した「社員の声」を掲載する
実際に企業で働いている社員の生の声は、求職者にとって大きな参考になるものです。「どんな福利厚生を利用しているのか?」「制度のおかげでどんな変化・良い点があったか?」など具体的な社員の声を載せて伝えることで、より状況が伝わりやすくなります。
たとえば、福利厚生のおかげで困難な状況を乗り越えられた経験や、日々の仕事がより快適になったという声など、実際の体験を基にした話は大変効果的です。さらに、その声の主となる社員の写真を一緒にのせることで、より信頼感が増しますね。写真の質はそのまま制度の印象にも響くので、撮影だけはプロに依頼するコスト配分が妥当だと考えています。
「福利厚生」コンテンツが魅力的な採用サイト事例
実際のページを見ると、載せる情報量と見せ方の幅が掴みやすいと思います。いずれも弊社で制作を担当した採用サイトです。
株式会社noël 様
弊社は全国の地方企業に1,400社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。採用については、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けに一貫してご支援しています。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
ジェイエムシー株式会社 様
https://www.jmc-ltd.co.jp/recruit/welfare/(制作:地方採用ワークス)
ALL DIFFERENT株式会社 様(旧・株式会社ラーニングエージェンシー)
https://leapy.jp/works/recruit/newgraduates-la/(制作:地方採用ワークス)
採用強化に効くページは、ほかにもある
福利厚生ページ単体では、求職者の疑問は埋まりません。「働きやすそうだ」の次に来るのは「で、自分は何をする仕事なのか」という確認です。次のコンテンツと組み合わせることで、はじめて応募の判断材料が揃います。
職種紹介
https://www.jmc-ltd.co.jp/recruit/occupation/(制作:地方採用ワークス)
まず第一に、企業にどんな仕事があるのかを求職者に知ってもらいます。こちらが求めるスキルや能力、逆に応募者が求める仕事内容や働き方を明確にするためにも必須のコンテンツです。
数字で見る⚪︎⚪︎社(実績情報)
https://dainichi-consul.co.jp/recruit/numbers/(制作:地方採用ワークス)
求職者は何百という会社の情報を見て回っていることを忘れてはいけません。この「数字で見る〇〇社」というコンテンツでは、企業の実績情報が視覚的に得られるため、信頼感や安心感に繋がるだけでなく、求職者に対して「その数値を魅力的に見せる効果」があります。歴史ある企業や高い実績を持つ企業は特に採用するべきでしょう。福利厚生の利用率をここに集約する構成も有効です。
社員インタビュー
https://leapy.co.jp/persons/(制作:地方採用ワークス)
求職者にとって、ただ文字で会社情報を見ているだけでは、
- その会社の男女比はどれくらいなのか
- どんな先輩たちが、どんな思いで仕事をしているのか
- 入社してから得られるスキルは何か
などの「入社後の未来の自分」が想像しにくくなってしまいがちです。そこで、実際に現場で働いている先輩たちの顔や仕事ぶり、インタビューなどを掲載することで、求職者もエントリーに対する不安を払拭でき、エントリーへの一歩を踏み出しやすくなるのです。
先輩インタビュー(クロストーク・社員座談会)
https://newgraduates.all-different.co.jp/crosstalk/(制作:地方採用ワークス)
会社の雰囲気や社員の考えを求職者に伝えるためのコンテンツです。採用後のイメージを具体的にし、求職者と企業の間にミスマッチが発生するリスクを防ぎます。福利厚生の話題を座談会のテーマに含めると、制度が実際に使われている空気まで伝わります。
説明会情報
企業と求職者がお互いに理解を深めるための足掛かりとなるコンテンツです。求職者は企業理解を深め、企業は求める人物像にマッチした採用の拡大を狙う側面もあります。
SDGsへの取り組み
社会的な課題にどう向き合っているのかを示し、求職者に対して企業の価値観やビジョンを明確に伝えます。
プロジェクトストーリー
企業がどのような仕事に情熱を注いでいるのかを具体的に示し、求職者と価値観をすり合わせるためのコンテンツです。企業のビジョンに高い共感を抱く、質の高い求職者を集めるのにも有用です。
よくある質問
求職者の不安解消はもちろん、会社側の考えやポリシーを伝えるためのコンテンツでもあります。
保護者・先生方へ
企業の採用活動において、特に高校生の保護者や先生方からの信頼は非常に大切です。このコンテンツを通して、「ここなら安心して働かせられる」という安心感を生むとともに、信頼関係を築くためのコンテンツです。
コンテンツ以外に採用サイトで充実させるべきことは?
若手求職者を惹きつけるための「優れたデザイン性」
特に若手の求職者にとって、採用サイトのデザインは、応募意欲に対して大きな影響を与えます。なぜなら、採用サイトのデザインが求職者の最初の関心を引き、その後の採用への意欲を駆り立てるからです。人が初対面の相手の第一印象を重視するように、採用サイトも、一目見て「いいかも…」と思わせるような第一印象が欠かせないのです。
もちろんここでいう「優れたデザイン性」とは、見た目だけでなくサイト自体の操作性や情報の見せ方なども含まれます。これらを総合的に充実させることで、企業への興味や採用意欲がより高まるでしょう。採用サイトはいわば企業の「顔」であり、多くの求職者にとっての第一印象を決定づける重要なコンテンツです。
求職者の心をつかむ「採用ライティング」
採用サイトの文章は、ただ情報を伝えるだけでなく。求職者に対して企業の魅力やビジョンを効果的に届ける重要な要素です。優れた情報を提供するだけでなく、どのようにそれを伝えるかがカギを握っているわけですね。
また、求職者自身も新生活やキャリアのスタートを切るきっかけの場として、採用サイトを訪れます。そうした「期待感」を引き出すためにも、文体や言葉の選び方が重要になるのです。例えばプレゼンテーションの際、ただ原稿を読み上げる人よりも、身振りを交え表情豊かに話す人の方が好印象なのは明らかですよね。
だからこそ、採用サイトの文章作成においては、企業の良さを際立たせる言葉選びと求職者の気持ちに寄り添った表現が欠かせません。こうした工夫が、採用サイトを単なる情報提供の場から、求職者と企業が出会う場へと、価値を高めてくれるでしょう。
採用サイトの準備は、広報解禁日から逆算する
新卒からのエントリーを獲得したい場合、採用サイトの準備は「広報解禁日」までの準備がマストです。そもそも採用活動においては、
- 広報解禁日(大学3年の3月1日)
- 選考解禁日(大学4年の6月1日)
- 内定解禁日(大学4年の10月1日)
上記3つの解禁日が設定されており、そのうちの「広報解禁日」が、企業が実際に求職者に向けた求人情報を公開できる時期となっています。そのため広報解禁日には、例年いち早くエントリーしたい学生が、企業の採用サイトに一斉にアクセスするといった特徴があります。また就活意識の高い優秀な人材ほど、就職活動の開始も早い傾向にあるため、このタイミングで求職者からの共感を得やすいコンテンツを用意している企業が、毎年の採用活動で成果を上げているのです。
福利厚生ページは制度の棚卸しに時間がかかるパートなので、逆算して早めに着手しておくと安心です。
採用サイトの福利厚生ページについてよくある質問
Q:福利厚生が他社より充実していない場合、載せないほうがいいですか?
A:載せたほうがいいと思います。求職者が不安に思うのは「制度が少ないこと」より「書いていないこと」です。法定福利だけでも正確に記載し、そのうえで自社らしい制度を1つ2つ丁寧に紹介するほうが、見栄えのする制度を並べるより信頼されます。
Q:福利厚生ページに載せる制度はいくつくらいが適切ですか?
A:数を競う必要はありません。求職者が知りたい住宅・休暇・育児介護・健康まわりを押さえたうえで、自社独自の制度を絞って掘り下げる構成が読まれます。20も30も並べると、どれも印象に残らないまま流し読みされてしまいます。
Q:制度の利用率などの数字は出すべきですか?
A:出せる範囲で構いませんが、出せると効果は大きく変わります。「育児休業制度あり」と「育児休業の取得率◯%」では、求職者が受け取る現実味がまったく違うからです。数字が出せない制度は、代わりに利用した社員の声を添える形で補ってください。
Q:福利厚生ページと求人票の内容が食い違ってもいいですか?
A:食い違いは避けてください。求職者は両方を見比べています。採用サイト側で魅力的に書きすぎると、求人票との差がそのまま不信感になり、入社後のミスマッチにもつながります。
Q:制度を新設したら、ページはすぐ更新すべきですか?
A:更新してください。福利厚生ページは、最終更新が古いまま放置されていることが求職者に伝わりやすいパートです。制度改定のタイミングで見直す運用を決めておくと、放置を防げます。
制度を整えても、見に来る人がいなければ届かない
福利厚生ページを丁寧に作り込むと、採用サイトの説得力は確実に上がります。ただ、最後にひとつだけ順番の話をさせてください。
どれだけ良いページを用意しても、そこに求職者がたどり着いていなければ、読まれる回数はゼロのままです。福利厚生をどれだけ丁寧に書いても、そのページに人が来ていなければ結果は変わりません。露出(母集団形成)と受け皿(採用サイト)は、片方だけでは動かないところです。
弊社は全国の地方企業に1,400社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。自社の採用でも、採用広告を使わずに年間【1,152名】のエントリーを集めています。そこで分かったのは、受け皿を整えることと、そこへ人を運ぶ導線を作ることは切り離せないということでした。
採用については、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けに一貫してご支援しています。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
「福利厚生ページだけ作り直したい」でも、「何から手をつければいいか分からない」段階でも大丈夫です。まずは御社の規模と採用フェーズをうかがったうえで、必要な構成をご提案します。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。