【事例3社】クロストーク(社員座談会)とは?社風が伝わる3つの企画
採用サイトに載せるコンテンツで、いちばん手が止まるのが「社員の登場のさせ方」だと思います。社員インタビューは載せた。でも、どこか優等生の回答集みたいになってしまった。もっと普段の空気が伝わるものはないか——そういう相談をよく受けます。
その答えのひとつが、クロストーク(社員座談会)です。社員を「一人ずつ語らせる」のではなく「一緒に喋らせる」だけで、伝わる情報の質が変わります。
この記事でわかること
- クロストーク・座談会・パネルトーク・対談の呼び方の違いと使い分け
- クロストークで求職者に伝わる3つのこと
- 企画段階で外せない3つのポイント
- 実際にクロストークを掲載している採用サイトの事例3社
クロストークは、求人票では伝わらない社風を渡す
クロストークとは、複数の社員が同じテーブルで語り合う様子を、そのまま採用サイトに載せるコンテンツです。社員座談会と呼ばれることも多く、中身は同じものだと考えて差し支えありません。最大の効果は、待遇や事業内容では伝わらない「この会社の人たちの空気」が伝わることにあります。
一人ずつ答えるインタビュー形式と決定的に違うのは、社員同士のやりとりが残る点です。誰かの発言に別の社員が笑う、言いにくいことをやんわり補足する、先輩が後輩に話を振る。この数秒のやりとりに、上下関係の距離感や、意見を言っていい会社かどうかが、そのまま出てしまいます。
クロストークでは、上司や先輩社員によるサポート体制の充実さや、チームワークの良さをアピールすることが可能です。また、先輩と後輩の関係性、部署ごとの雰囲気、入社のきっかけや休日の過ごし方など、求職者が興味を持つ情報を提供できます。
質問に答えるインタビュー形式とは異なり、日常的な会話の中から「楽しそう」という雰囲気が感じられると、企業の魅力がより一層引き立ちます。求職者が知りたいのは制度の一覧ではなく、自分がそこで働く姿だからです。
座談会・パネルトーク・対談との違い
結論から言えば、採用サイトの文脈ではほぼ同じものを指しています。呼び方の違いにこだわるより、「何人で、どんな関係の社員が、どういうテーマで話すか」を決めるほうが、コンテンツの出来には効きます。
とはいえ、社内で企画を通すときに言葉がぶれると話が進みません。だいたいの目安として、次のように整理しておくと迷いにくいと思います。
| 呼び方 | 採用サイトでの使われ方 |
|---|---|
| クロストーク | 複数人が交差するように語り合う形式。3〜4名の社員による対話で、採用サイトではもっとも一般的な呼称 |
| 社員座談会 | 社員が車座になって語り合う場。クロストークとほぼ同義で、堅めの業界・高卒採用向けサイトで使われやすい |
| パネルトーク | 元はイベント・セミナー用語で、登壇者がテーマに沿って意見を交わす形式。「若手×育成担当」など属性を掛け合わせる企画に向く |
| 対談 | 2名で向き合って話す形式。社長×若手社員、先輩×後輩など、関係性を見せたいときの2名構成 |
パネルトークとは、本来はシンポジウムなどで複数の登壇者がひとつのテーマについて意見を交わす形式のことです。採用サイトに持ち込むと、「テーマを先に決めてから人選する」という企画の順序になります。話題が散らかりにくいので、伝えたいメッセージがはっきりしている企業には向いた形式だと思います。
逆に、社風そのものを見せたい場合は、テーマを緩めにしたクロストーク・座談会形式のほうが自然な会話が残ります。どちらが正解ということではなく、目的から選ぶものです。
クロストークで求職者に伝わる3つのこと
クロストークが効くのは、求職者が「入社後の景色」を想像できるからです。ここでは、実際に何が伝わるのかを3つに分けて整理します。
01. 社員同士の対話から企業の実態を伝える
採用サイトに社員同士のクロストークを掲載することで、求職者は企業の雰囲気や社風をリアルに感じ取ることができます。異なる部署や立場の社員が対話する様子からは、その企業の多様性や社員間の関わり方が見えてきます。また、先輩と後輩の関係性や、入社に至った経緯、休日の過ごし方など、外部の人間には知り得ない企業の裏側を垣間見ることができるでしょう。クロストークは、求職者に企業の全体像を伝えるための効果的なコンテンツと言えます。
02. 社員の個性とキャリアパスが浮き彫りになる
クロストークでは、社員一人一人の仕事内容や働き方が、別の社員との会話の中で自然と浮かび上がってきます。その中で、社員それぞれの個性や、多様なキャリアパスの存在が明らかになります。求職者にとっては、その企業で働く人々の人となりを知る貴重な機会となるでしょう。また、社員の仕事に対するやりがいや充実感が会話から読み取れることも、企業の魅力を伝えるうえで非常に重要です。
03. 親しみやすさを演出し、企業の魅力を引き出す
採用情報は、どうしても堅苦しい印象を与えがちです。しかし、クロストークを通じて社員同士の自然な会話を提示することで、企業の親しみやすさを演出することができます。社員インタビューとは異なる視点から企業を見せられるため。両者を組み合わせることでより多角的に企業の魅力を伝えられるでしょう。求職者にとって、その企業で働くことを具体的にイメージしやすくなります。クロストークは、企業の温かみや人間味を感じさせ、求職者の興味を引き付けるための有効なツールと言えます。
作り方|企画で外せない3つのポイント
クロストークは、集めて喋らせれば形にはなります。ただ、読まれるものになるかどうかは企画段階でほぼ決まります。押さえるべきは、目的・人選・進め方の3つです。
1. 何を伝えるための座談会なのか、目的を先に決める
採用サイトにクロストークコンテンツを掲載する際、最も重要なのは。求職者に何を伝えたいのかという目的を明確にすることです。目的が曖昧なまま対話を行っても、求職者の満足度アップや企業理解につながる魅力的なコンテンツを作るのは難しいでしょう。
女性の活躍推進や多様性をアピールしたい場合は、女性社員や外国籍社員を中心に、働きやすさやワークライフバランスについて語ってもらうのが効果的です。また、求職者への期待やメッセージを伝えたい場合は、採用担当者同士や新入社員と育成担当者の対話を通じて、率直で温かみのある思いを表現するとよいでしょう。社風や経営者との距離の近さを強調するなら、役職に関係なく気兼ねなく意見交換する様子を伝えることで、企業の風通しの良さをアピールできます。
2. 部署・立場を混ぜて、会社の全体像を見せる
クロストークでは、異なる部署や立場の社員の意見を組み合わせることで。会社の全体像を多角的に伝えることができます。個人の仕事内容や働き方を紹介しつつ、他の社員の視点も取り入れることで、求職者は会社の様々な側面を理解しやすくなります。また、社員同士の関わり方も見えてくるため、リアルな社風を感じ取ってもらうことも可能です。
クロストークは社員インタビューとは異なる角度から会社を見せるコンテンツですので、両方を掲載することでより効果的に企業の魅力を伝えられるでしょう。
3. ターゲットに合わせたテーマ設定と、形式ばらない進行
クロストークの内容を考える際は、ターゲットとなる求職者層を意識することが大切です。新卒者、中途採用者、技術職、営業職など、対象に合わせて興味を引くテーマを設定し、共感を呼ぶ具体的なエピソードを盛り込みましょう。登場人物は多様な部門・職種の社員を選ぶことで、様々な視点から会社の魅力を伝えられます。また、信頼感と親しみやすさを両立できる人物を起用することも重要です。
対談は、事前に質問リストを準備しつつも、あまり形式ばらずに自然な対話形式で進行すると良いでしょう。読みやすいレイアウトや写真を工夫し、専門用語を避けてわかりやすい文章にすることで、求職者にとって親しみやすいクロストークコンテンツに仕上がります。
なお、当日の写真の質は、そのまま社風の印象になります。予算が限られていても、撮影だけはプロに依頼するコスト配分が妥当だと考えています。
クロストーク(座談会)を掲載している採用サイト事例3社
実際のページを見たほうが、企画の幅は掴みやすいと思います。いずれも弊社で制作を担当した採用サイトです。呼び方も構成もそれぞれ異なるので、自社ならどの型が合いそうかという目線で見てみてください。
ジェイエムシー株式会社 様
https://www.jmc-ltd.co.jp/recruit/crosstalk/(制作:地方採用ワークス)
「クロストーク」の名称で設置している例です。
川本鋼材株式会社 様
https://recruit.kawamoto-kozai.co.jp/round-table/(制作:地方採用ワークス)
社員座談会の形式で構成している例です。
株式会社クルコム 様
https://recruit.clecom.jp/crosstalk/(制作:地方採用ワークス)
あわせて用意したい採用サイトのコンテンツ
クロストーク単体では、求職者の疑問はまだ埋まりません。「人は良さそうだ」の次に来るのは、「で、自分は何をする仕事なのか」「この会社は続くのか」という現実的な確認です。次のコンテンツと組み合わせることで、はじめてエントリーの判断材料が揃います。
- 職種紹介:どんな仕事があるのかを伝える、いちばん基本のコンテンツ。求めるスキルと、求職者が求める働き方を突き合わせるために欠かせません。
- 数字で見る◯◯社:平均年齢や男女比、有給取得率などを視覚的に見せるコンテンツ。信頼感につながるうえ、数値そのものを魅力として伝えられます。
- 福利厚生・制度:どんなサポートを用意しているのかを明確に伝えるパート。制度の羅列で終わらせず、使っている社員の声まで載せられると強くなります。
- 社員インタビュー:クロストークが「関係性」を見せるのに対し、こちらは一人の仕事観とキャリアを深く見せる役割。両方あると立体的になります。
- プロジェクトストーリー:どんな仕事に情熱を注いでいるのかを具体的に示し、価値観の合う求職者を集めるためのコンテンツです。
- 保護者・先生方へ:高校生採用では、本人より周囲の大人が判断に関わります。「ここなら安心して送り出せる」と思ってもらうためのページです。
クロストーク(社員座談会)についてよくある質問
Q:クロストークは何人で行うのが適切ですか?
A:3〜4名が扱いやすい人数です。2名だと対談形式に近くなり関係性は濃く出ますが視点が偏りやすく、5名を超えると発言量に差が出て、読み物としてまとまりにくくなります。
Q:クロストークと社員インタビューは、どちらを先に作るべきですか?
A:社員インタビューが先です。一人ひとりの仕事内容という土台がないまま会話だけを見せても、求職者は文脈をつかめません。インタビューで職務を理解してもらい、クロストークで関係性と空気感を補う順序が自然です。
Q:撮影や取材は自社でもできますか?
A:進行と記事化は社内でも可能ですが、写真だけはプロに任せることをおすすめします。座談会の写真は表情と場の空気がすべてで、光量やピントの条件が揃わないと、かえって暗く硬い印象の会社に見えてしまいます。
Q:社員が本音を話してくれない場合はどうすればいいですか?
A:評価者にあたる立場の社員を同席させないことです。上長が同じ場にいると、発言はどうしても整ってしまいます。加えて、事前に質問リストを渡しておくと、その場で考え込む時間が減り、会話が続きやすくなります。
Q:クロストークはどのくらいの頻度で更新すべきですか?
A:登場社員が退職したり異動したりしたタイミングが、実質的な更新の目安です。数年前の座談会がそのまま残っていると、情報が更新されない会社という印象を与えかねません。
対談を載せる前に、そもそも見てもらえているか
ここまでクロストークの作り方を書いてきましたが、最後にひとつだけ、順番の話をさせてください。
どれだけ良い座談会ページを作っても、採用サイトに人が来ていなければ、読まれる回数はゼロのままです。採用は、露出(母集団形成)と受け皿(採用サイト)の両輪で回るもので、片方だけを磨いても数字は動きません。コンテンツの前に、まず「求職者がこのサイトにたどり着く経路があるか」を確認してみてください。
弊社は全国の地方企業に1,400社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。自社の採用でも、採用広告を使わずに年間【1,152名】のエントリーを集めています。この過程で分かったのは、受け皿を整えることと、そこへ人を運ぶ導線を作ることは、切り離せないということでした。
採用については、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けに一貫してご支援しています。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
全部を頼む必要はありません。「クロストークだけ作りたい」でも、「そもそも何から手をつければいいか分からない」段階でも、まずは御社の規模と採用フェーズをうかがったうえで、必要な構成をご提案します。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。