【Z世代】採用サイトにSDGsページは必要?伝わる見せ方と事例
採用サイトの構成を考えるとき、「SDGsのページまで作る必要があるのか」で手が止まる方は多いと思います。地方の中小企業だと「うちの規模でSDGsを語るのは大げさだ」という感覚が先に立ちますし、そもそも落ち着いて検討する時間が取れない……。
ただ、いまの求職者はSDGsを学校で習ってきた世代です。この記事では、採用サイトにSDGsページを置く意味と、「うちには書くことがない」状態からの書き出し方を整理します。
この記事でわかること
- Z世代が就職先に「社会との接点」を見る背景
- 採用サイトにSDGsページを置いたとき、求職者に何が伝わるのか
- 「うちには書くことがない」という状態から書き出すための整理の手順
- SDGsコンテンツを掲載している採用サイトの実例
- 採用サイト全体の中でのSDGsページの位置付け
Z世代が就職先に「社会との接点」を見ている背景
SDGsは、学校教育の側から浸透してきました。2020年度以降の学習指導要領改訂で、小学校から高校までの各段階に「持続可能な社会の創り手の育成」が掲げられています。いまの求職者は、SDGsを経営用語ではなく教室で習った枠組みとして持ったまま就職活動に入ってきます。
Z世代(おおよそ1990年代後半〜2010年代初頭生まれ)が企業を見る目線は、上の世代と少し違います。幼少期からSNSとスマートフォンが当たり前にあり、情報収集が速いぶん、企業の「表向きの顔」と「実態」のズレにも敏感です。そこに学校教育でのSDGsの浸透が重なり、「自分が働く会社が社会にどう関わっているか」を判断材料の一つとして持っている層が増えています。
気候変動、ジェンダー平等、格差といったテーマを、この世代は授業やニュースで繰り返し扱ってきました。企業側が何も言わないと、「関心がない会社」ではなく「考えたことがない会社」に見えます。ここが厄介なところなんですよね。
ここで押さえておきたいのは、「SDGsに取り組んでいれば採用できる」という話ではないということです。逆です。取り組みを見せていない企業は、伝わる手がかりを一つ減らしている。そういう構造の問題として捉えるほうが実態に近いと思います。
SDGsページが伝えるのは「会社が向いている方向」
SDGsページが担うのは、社会貢献のアピールそのものではありません。「どこに向かっている会社か」を、仕事内容とは別の角度から伝える役割です。価値観の合う求職者に自社の姿勢を届ける場になる、と考えるとつかみやすくなります。
「この会社は何を大切にしているか」が伝わる
中身はロゴや目標番号の列挙ではなく、何をしていてなぜそれをしているのかです。
たとえば地方の製造業なら「地域の雇用を守る」「廃材を減らすラインを導入した」、物流業なら「配送ルートを見直してCO2の排出を抑えている」、IT系なら「リモートワークを導入して生活と仕事を両立しやすくしている」。どれもSDGsの文脈と接点を持つ取り組みです。
これらが採用サイトに載っていると、仕事内容だけでなく「会社が向いている方向」まで伝わります。「自分がそこで働く姿」は、業務内容の説明だけでは像を結びません。会社のスタンスが見えて初めて、輪郭がはっきりしてきます。
社会貢献性を重視する層との接点が生まれる
給与・立地・福利厚生だけを軸に就職先を選ぶ人ばかりではありません。Z世代の中には、「自分の仕事が社会にどんな意味を持つか」を重く見る層が確実にいます。
明示していないだけなのに「ない」と判断される。採用機会として見ればもったいない話です。
ただし、SDGsページを作れば応募が増えるという単純な話ではありません。自社を深く理解してくれる人を増やすための一つのコンテンツとして位置付けるのが、実際のところ適切な見方だと思います。
「書くことがない」のは、言語化できていないだけ
「SDGsページを作ろう」と決めても、次に来るのは「何を書けばいいか分からない」「取り組みが大したことなくて書けない」という壁です。大掛かりなプロジェクトや環境認証は要りません。すでに日々やっていることの中に、SDGsの文脈で語れるものが含まれているケースがほとんどです。
自社の現状を棚卸しするとき、次のような対応づけから見ていくと手がかりが出てきます。
- 地域住民を積極的に採用している → 目標8「働きがいも経済成長も」に接点
- 育児休業を取得しやすい環境がある → 目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に接点
- 紙の書類を減らす取り組みを進めている → 目標12「つくる責任つかう責任」に接点
- 地域の清掃活動に参加している → 目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に接点
弊社が採用サイト制作のヒアリングで「SDGsに関連する取り組みはありますか」と伺うと、最初は「うちは特に何もしていないです」と返ってくることが多いです。ところが丁寧に掘り下げていくと、長年続けてきた地域の清掃活動や、育休の取得率を上げるために社内で調整してきた経緯が出てきます。「それってSDGsになるんですか」という反応が返ってきたときに、言語化の価値を毎回実感します。
取り組みの大小より、「なぜそうしているのか」を言葉にできているかどうか。求職者の記憶に残るのは、そちらのほうです。
SDGsページの構成は「なぜやるか」を起点に組む
目標番号の列挙から入らず、取り組みの背景から入る。構成の考え方はそれだけです。背景と現状が短くても書かれていれば、他社と横並びになりません。加えて、採用サイト内の他のコンテンツと内容が連動していると、求職者の納得感が変わります。
目標アイコンを並べただけのページで終わらせない
SDGsページでよく見かけるのが、目標番号のアイコンを並べて「弊社はこれとこれに取り組んでいます」と示すパターンです。アイコンを並べただけでは「で、具体的に何をしているのか」が残ります。
伝わりやすいのは、取り組みごとに背景と現状が書かれているページです。どこかで聞いたような一般論ではなく、この会社だからこそのストーリーが書かれていると、読み手の目に留まります。きっかけ・うまくいかなかった時期・今の状態。この3つが1段落ずつあれば十分です。
なお、企業の理念や姿勢を伝えるという意味では、代表からのメッセージも同じ役割を担います。SDGsページと合わせて設計すると、会社の考え方が二重に伝わる構成になります。
参考記事:『採用サイトに「代表メッセージ」って必要?企業規模別の最適な魅せ方を解説!』
採用コンテンツ全体と一貫させる
SDGsページだけ立派で他が薄いと、全体としてちぐはぐな印象になります。先輩社員のインタビューや、会社のカルチャーを伝えるページと内容が連動していて初めて、「この会社は本当にそういう考え方で動いている」という納得につながります。
数値で示せる部分があるなら、そこも合わせて見せると説得力が増します。実数は、取り組みが言葉だけで終わっていないことの裏づけになります。
参考記事:『【事例つき】採用サイトの「数字で見る」に何を載せる?選び方と作り方を解説』
採用サイトを設計するときは、SDGsページを後から付け足すのではなく、会社のスタンスを伝えるコンテンツ群の一部として最初から置く。そうすると全体として筋の通ったサイトになりやすいというわけです。
SDGsコンテンツを掲載している採用サイトの実例
実際にSDGsコンテンツを設けている採用サイトを見ておくと、自社で作るときの粒度がつかめます。業種も規模も異なる4例を挙げます。見るべきは装飾ではなく、取り組みをどこまで具体的に書いているかです。
- ターン株式会社 https://www.turn-saiyo.com/promotion/sdgs.php
- ピコシステム株式会社 https://www.picosystem.co.jp/recruit/job/sdgs/
- 三菱ロジスネクスト株式会社 https://www.logisnext.com/recruit/fresh/about/sdgs/
- 独立行政法人住宅金融支援機構 https://www.jhf.go.jp/recruit/column/sdgs.html
ちなみに弊社も、ぎふSDGs推進パートナー登録制度のゴールドパートナー(令和5年度)に登録されており、地方創生SDGs官民連携プラットフォームの会員でもあります。自社で取り組んで発信してきた経験があるぶん、「何をどこまで書けばいいか」の相場観は持っているつもりです。
SDGsページは採用サイト全体の一部として置く
SDGsページの是非だけを単体で考えても、答えは出にくいです。採用サイトに必要なコンテンツは会社によって変わりますが、組み立ての軸は「求職者が知りたいこと」に置くのが基本になります。仕事内容、社内の雰囲気、働く人の声、制度、経営者の考え。複数の角度から会社を見せることで、求職者は自分がそこで働くイメージを持てるようになります。
SDGsページはその一つとして、「この会社が大切にしていること」を補完する役割を担います。単独で応募を生むのではなく、他が伝えきれない部分を埋める位置にあるコンテンツです。
採用サイトに載せるコンテンツ全体の設計は、それだけで一つのテーマになります。SDGsページを検討する前後で全体像も整理しておくと、優先順位を付けやすくなるはずです。
参考記事:『【完全版】採用サイトのコンテンツ10選|何から作る?優先順位と設計の考え方』
見せ方の面では、近年の採用サイトの傾向も押さえておくと判断材料が増えます。
参考記事:『【2026年版】採用サイトのトレンドは?デザインとコンテンツの最新形を7例で解説』
「採用サイトのSDGsページ」に関するよくある質問
Q1. SDGsの取り組みが少ない会社でも、ページを作る意味はありますか
A. あります。掲載の価値は取り組みの規模ではなく、背景と現状が言葉になっているかで決まるためです。地域採用、育休、紙の削減、清掃活動といった日常の取り組みでも、なぜ続けているのかが書かれていれば求職者には伝わります。逆に、規模の大きい取り組みでもアイコンの列挙で終わっていると、印象には残りません。
Q2. SDGsページは採用サイトとコーポレートサイトのどちらに置くべきですか
A. 目的が違うので、置き分けるのが基本です。コーポレートサイト側は取引先や地域に向けた企業姿勢の表明、採用サイト側は求職者に向けた「働く場としての会社」の説明になります。内容を丸ごと流用せず、採用サイト側では「その取り組みに社員がどう関わっているか」を足すと、求職者向けの情報として機能します。
Q3. どのくらいの分量を用意すればいいですか
A. 取り組みを3つ前後に絞り、それぞれに背景・現状・関わっている社員の言葉を1段落ずつ置く構成で足ります。網羅性を狙って17目標すべてに触れようとすると、かえって一つひとつが薄くなります。書けるものだけを深く書くほうが、結果として読まれます。
Q4. 作ったあとの更新はどのくらい必要ですか
A. 年に1回、実績の数字と取り組みの現状を見直せば十分機能します。ただし、最終更新が何年も前のまま放置されているページは、SDGsに限らず「この会社は情報を更新しない」という印象を与えます。更新の手が回らないなら、日付が目立たない書き方にしておくのも一つの手です。
Q5. SDGsページを作れば応募数は増えますか
A. ページ単体で応募数が動くことは考えにくいです。SDGsページが効くのは、求職者が他の情報とあわせて会社を判断する場面です。そもそも採用サイトに人が来ていなければ、どんなコンテンツを足しても機会になりません。露出(母集団形成)と受け皿(採用サイト)は両輪なので、順番としては露出の状況を先に確認することをおすすめします。
差がつくのは取り組みの大小ではなく言語化
SDGsページは、義務でも流行への対応でもありません。自社が大切にしていることを、採用という文脈で伝え直すためのコンテンツです。ここまで見てきたとおり、必要なのは大掛かりな取り組みではなく、すでにやっていることを言葉にする作業でした。
Z世代が就職先に求めるものは一様ではありません。給与や仕事内容が決め手になる人もいれば、社会との接点や会社の姿勢が決め手になる人もいます。それぞれに向けた接点をいくつ用意できているかが、採用サイトの底力になっていきます。
地方企業が都市部と同じ土俵で、給与や知名度だけで戦うのは難しいのが実情です。だからこそ「どんな考え方で、何を大切にしている会社なのか」を丁寧に伝えることが、差別化の起点になります。採用は条件だけで決まらない総合点勝負なので、伝え方の一つひとつが効いてきます。
とはいえ、ページを一つ増やす作業も、兼務の担当者にとっては相応の時間と人手を要します。取り組みの棚卸しからページの構成、文章化までを社内だけで抱えるのが難しければ、そこだけ外に出すやり方もあります。弊社では採用サイトの設計・制作に加えて、採用活動そのものを代行するリープ・リクルーティング(採用活動の代行)まで、必要な範囲だけを切り出してお手伝いしています。はじめから全部を整える必要はありません。まずは御社の規模と採用フェーズを伺ったうえで、どこから手をつけるのが妥当かをご提案します。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。