【3つの型】プロジェクトストーリーとは?共感が生まれる書き方と事例
「社員インタビューは載せた。でも、応募者の顔ぶれが去年と変わらない」。採用サイトをリニューアルした企業から、こうしたご相談をいただくことがあります。
原因の多くは、伝わっている情報が「人」止まりになっていることです。求職者は、誰が働いているかと同じくらい、その会社が何に本気で取り組んでいるのかを知りたがっています。ここに答えるのがプロジェクトストーリーです。条件ではなく価値観で会社を選ぶ層に、深く刺さります。
この記事でわかること
- プロジェクトストーリーとは何か、社員インタビューとの違い
- 採用サイトに載せると何が変わるのか(応募者の質・入社意欲・ブランディング)
- 求職者に届くプロジェクトストーリーの作り方と、参考になる事例
プロジェクトストーリーとは|仕事を物語で見せる
プロジェクトストーリーとは。自社が実際に取り組んだ案件や事業を1本の物語として見せる採用コンテンツです。背景にあった課題、途中でぶつかった壁、それをどう越えたのか、結果として何が生まれたのか。この流れを追う形で構成します。
役割は、求職者に「働く実感」を渡すことです。募集要項が条件を伝え、社員インタビューが人柄を伝えるのに対して、プロジェクトストーリーは仕事の中身と会社の価値観を同時に伝えられます。
社員インタビューとの違いは「主語」にある
両者は似て見えますが、主語が違います。社員インタビューの主語は個人で、「私はこういう思いで働いています」という語り口になります。一方、プロジェクトストーリーの主語は仕事そのものです。関わった複数の社員が登場し、一つの目的に向かって動いた過程が描かれます。
この違いが効いてくるのは、求職者が「自分がここで何をするのか」を想像する場面です。個人の語りだけでは、その人の魅力は伝わっても、仕事の進み方までは見えません。誰と、どんな順番で、どんな判断をしながら進めるのかが分かって初めて、入社後の自分が像を結びます。
もっとも、どちらか一方で足りるという話ではありません。人を見せるコンテンツと仕事を見せるコンテンツは、揃って初めて機能します。
共感が生まれるのは、過程が書いてあるから
理由は3つあります。仕事の中身を具体的に示せること、社風が事実として伝わること。そして困難を越えた過程に感情移入が起きることです。いずれも「良い会社です」と書くだけでは生まれない反応で、事実の積み重ねから引き出されるものだと考えています。
企業の魅力を具体的に伝えられる
プロジェクトストーリーでは、自社が取り組んだ案件とその成果を具体的に紹介できます。抽象的な企業理念ではなく、実際に手を動かした話です。これによって求職者は事業の実態を深く理解でき、自分が働くイメージを描きやすくなります。
地方企業の場合、地域のインフラや地元企業を支える仕事が題材になることも多く、そこに関わる意味は都市部の求人にはない訴求力になります。
社風や働き方がリアルに伝わる
プロジェクトに関わった社員の声やエピソードを盛り込むことで、社風、働き方、チームの空気が伝わります。誰がどこで意見を出し、どこで判断が変わったのか。そうした細部は、会社紹介の定型文からはまず出てこない情報です。
とくに「風通しがいい」「若手にも任せる」といった、どの企業も掲げがちな言葉は、ストーリーの中で実際にそうなっている場面を見せたほうが早いのが実際のところです。
困難を越えた過程に、感情移入が起きる
うまくいった話だけを並べたストーリーは、読み物として面白くなりません。求職者の心が動くのは、うまくいかなかった局面をどう乗り越えたのかという部分です。「この会社で働きたい」という意欲は、成果ではなく、その過程の姿勢から生まれます。
載せて変わるのは、応募者の理解度
変化は主に3つの形で表れます。応募者の質が上がること、入社意欲が高まること、そして企業ブランディングが強くなることです。いずれも応募数を一気に増やす類のものではなく、採用の「精度」を上げる方向の効果だと捉えてください。
応募者の質が上がる
具体的な業務内容や価値観を先に伝えることで、自社の考え方に合う人が応募し。合わない人は手前で離れます。母集団の数だけを見れば減ることもありますが、選考に進む人の納得度は上がり、採用後のミスマッチを減らせます。
入社意欲が高まる
働き方や日々の業務のイメージが具体的に伝わると。応募段階から入社後を思い描いた状態で選考に進んでもらえます。志望度が固まっている分、内定辞退や早期離職のリスクを下げる方向に働きます。
企業ブランディングが強くなる
自社の強みや独自性が、事実にひもづいた形で示されます。同じ業種・同じ規模の競合が並ぶなかで、条件以外の違いを見せられる数少ないコンテンツです。採用は待遇だけの勝負ではなく、魅力の伝わり方まで含めた総合点勝負になっていますから、ここで差をつける意味は小さくありません。
届く記事に必要な3つのこと
押さえるべきは3点です。ストーリーとして構成すること、写真や動画を使うこと、そして求職者の視点で書くこと。逆に言えば、この3つが抜けると、単なる実績紹介ページになってしまいます。
01. 事実の羅列ではなく、ストーリーとして構成する
プロジェクトの背景、直面した課題、打ち手、成果を順を追って描きます。時系列に並べるだけでも読みやすさは変わりますが。できれば「なぜその判断をしたのか」を各段階に添えてください。判断の理由は、その会社の価値観そのものだからです。
02. 写真や動画で臨場感を出す
文章だけでなく、現場の写真や動画を組み合わせることで、プロジェクトの空気が伝わります。関わった社員のインタビュー動画は、とくに強い印象を残します。ここでも、撮影だけはプロに依頼するコスト配分が妥当です。現場写真の質は、そのまま会社の印象になります。
03. 求職者の視点で情報を選ぶ
作り手はどうしても「成果の大きさ」を語りたくなりますが、求職者が知りたいのは、その仕事に自分が関われるのかどうかです。担当した社員の年次、任された範囲、身についた力。この3点が入っているかどうかを、公開前に必ず確認してみてください。
掲載している採用サイトの事例
構成の型は、実際のページを見るのが一番早いと思います。ここでは、プロジェクトストーリーを採用サイトに組み込んでいる企業を3社挙げます。
株式会社良品計画
https://careers.muji.com/jp/recruit/projectstory/sakai-kitahanada
大成建設株式会社
https://www.taisei-saiyo-new.jp/project/aso/index.html
タカラトミーグループ
https://www.takaratomy.co.jp/company/recruit/
いずれも大手の事例ですが、見るところは規模ではなく構成です。どのプロジェクトを選び、誰を登場させ、どこで読み手の感情を動かしているか。この観点で見ると、自社の題材選びの物差しが見えてきます。
置き場所は、他のコンテンツとの組み合わせで決まる
プロジェクトストーリーは単体で成立するコンテンツではなく、職種紹介や社員インタビュー、福利厚生・制度といった他のページと組み合わせて初めて機能します。仕事の中身が分かるもの、働く人が分かるもの、不安を消すもの。この3系統が揃っている採用サイトほど、求職者の検討は前に進みます。
採用サイト全体でどんなコンテンツを用意すべきかは、採用サイトに用意すべき10のコンテンツで網羅的に整理していますので、あわせてご覧ください。
プロジェクトストーリーについて、よくいただく質問
Q. 大きなプロジェクトがない会社でも作れますか?
A. 作れます。規模ではなく、課題があって、それを越えた過程があるかどうかが条件です。長年取引のある地元企業からの無理な納期に応えた話、社内の作業手順を一から見直した話でも、十分にストーリーとして成立します。むしろ等身大の題材のほうが、求職者は自分の姿を重ねやすいと思います。
Q. 1本あたり、どのくらいの文字数が必要ですか?
A. 決まった正解はありませんが、背景・課題・打ち手・成果の4段を各段落しっかり書くと、自然と読み応えのある分量になります。短くまとめすぎて実績紹介のようになってしまうより、読み手が過程を追える長さを優先してください。
Q. 何本くらい用意すればいいですか?
A. まずは1本で構いません。ただし2本目以降を作るなら、同じ職種で揃えず、別の職種・別の年次の社員が主役になるように選ぶと、採用サイト全体で見せられる仕事の幅が広がります。
Q. 社員インタビューとプロジェクトストーリー、どちらを先に作るべきですか?
A. 採用サイトに何もない状態であれば、社員インタビューが先です。求職者がまず知りたいのは「どんな人がいるのか」だからです。そのうえで、価値観で選ばれたい、応募者の質を上げたいという段階に来たら、プロジェクトストーリーを足すのが自然な順番だと考えています。
「共感で選ばれる採用」は、コンテンツ1本では完成しない
プロジェクトストーリーは、条件比較の土俵から降りて、価値観で選んでもらうための入口です。ただ、社内で書ける人がいない、取材の時間が取れないという理由で、着手されないまま止まっているケースが本当に多いのが実情です。取材と構成を外部に任せるだけでも、公開までの距離はずいぶん縮まります。
そしてもう一つ、忘れてはいけない前提があります。どれだけ良いストーリーを書いても、採用サイトに人が来ていなければ読まれません。受け皿を整えることと、応募が集まる状態を作ることは両輪です。
地方採用ワークスでは、採用サイト制作と採用活動の代行(リープ・リクルーティング)の両方をご用意しています。コンテンツの取材・制作だけをお任せいただくことも、募集の設計から一緒に組み立てることもできます。
「何から手をつければいいか分からない」という段階でも構いません。御社の規模と採用フェーズをうかがったうえで、現実的な進め方からご提案します。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。