【4つの型】「求める人物像」とは?採用サイトに書くときの外せない点

「うちが求めるのは、素直で前向きな人です」。採用サイトの原稿づくりで手が止まるのは、たいていこの一文を書いた直後だと思います。間違ってはいないのに、これでは自社を選ぶ理由にならないと、書いた本人がいちばんわかっているからです。

早期離職の理由としてよく挙がるのは、待遇そのものより、入社前のイメージと実際とのギャップです。採用の失敗の多くは、選考の場ではなく手前の「伝え方」で決まっているというわけです。

この記事でわかること

  • 採用における「求める人物像」とは何を指すのか
  • 「求める人材像」「求める人材」との呼び方の違い
  • 採用サイトに掲載することで得られる3つの効果
  • 抽象的にならない書き方の4つのポイントと企業事例

目次

「求める人物像」とは、採用の判断基準のこと

採用における「求める人物像」とは、自社で活躍・定着する可能性が高い人材の特徴を、スキル・経験・価値観・行動特性の切り口で言語化したものです。募集要項に書く「応募資格」が最低条件のラインを示すものだとすれば、求める人物像は「入社後に伸びる人の輪郭」を示すものだと考えてください。採用の現場では「ペルソナ」とも呼ばれます。

ポイントは、優秀な人の条件を書くのではなく、自社で優秀になれる人の条件を書くことです。同じ「主体性がある人」でも、指示待ちが許されない少人数の会社と、手順が決まっている現場では意味がまったく違います。この解像度の差が、そのまま応募者の質の差になって返ってきます。

「求める人材像」「求める人材」との違い

結論から言うと、この3つに明確な定義の差はありません。同じものを指す言い回しの揺れだと考えて差し支えありません。

強いて使い分けの傾向を挙げるなら、次のようになります。

  • 求める人物像:性格・価値観・行動特性など、人柄寄りの要素を含めた表現。採用サイトのコンテンツ名としてはこれが最も一般的です。
  • 求める人材像:スキル・経験・職務要件を含めた、やや業務寄りの表現。中途採用や職種別ページで使われやすい言い方です。
  • 求める人材:上記2つを短く言い切った表現。募集要項の見出しなどで使われます。

自社の採用サイトでどれを使うかは、社内で通じている言葉に合わせれば問題ありません。ただし、1つのサイトの中で表記が混ざると読み手が混乱しますので、どれかに統一しておいてください。

「求める人物像」がミスマッチを防ぐ

採用サイトに「求める人物像」を掲載することは、企業と求職者の双方に多くのメリットがあります。企業側は自社の文化や価値観に合った人材を効率的に見つけられるようになり、求職者側は応募前に自己判断ができるようになるからです。

まず、企業がどのような人材を求めているのかを明確にすることで、求職者は自分がその企業に適しているかどうかを判断しやすくなります。この情報があることで、企業は自社の文化や価値観に合った人材を効率的に見つけることができます。

さらに、「求める人物像」が具体的に書いてあると、求職者は応募する前に自分で当てはめてみます。合わないと感じた人はそこで降りるので、面接に進む顔ぶれが変わってきます。結果として、採用にかかる手間と時間が抑えられます。

このように、採用サイトに「求める人物像」を掲載することは、企業が求める人材を見つけやすくするだけでなく、求職者にとっても重要な情報を提供する手段となります。

求める人物像を載せて変わる3つのこと

期待できる効果は3つあります。応募者の質の向上、選考にかかる時間と手間の削減、そして企業ブランドの強化です。いずれも「応募数を増やす」効果ではなく、「合う人が応募し、合わない人が自分で降りる」状態をつくる効果だという点を押さえておいてください。

01. 応募者の質の向上

求める人物像がはっきりしていると、社風に合う人のほうが応募してきます。母数は減るかもしれませんが、面接で「思っていた人と違う」が起きにくくなるほうが、結局は早く決まります。

02. 採用プロセスの効率化

明確な人物像を示すことで、不適合な応募を減少させ、面接や選考にかかる時間と手間を削減できます。また、求職者自身も自分が企業に適しているかを判断しやすくなるため、選考プロセスがスムーズに進行します。

採用専任者がおらず、本業と兼務で採用を回している企業ほど、この効果は大きくなります。採用担当者の約9割は専任ではなく本業と兼務しているといわれますので、書類選考と日程調整の総量が減ること自体に価値があるというわけです。

03. 企業ブランドの強化

求める人物像は、会社が何を大事にしているかの表明でもあります。条件では大手に勝てなくても、「こういう人と働きたい」がはっきりしている会社は、それだけで覚えてもらえます。

このように、「求める人物像」を明示することは、質の高い応募者の確保、選考の効率化、そして企業ブランドの強化に寄与します。

掲載するときに外せない4つのポイント

掲載時のポイントは4つあります。具体性を持たせること、企業文化との一致を強調すること、実在する社員の事例を活用すること、そして定期的に更新することです。逆に言えば、この4つを外すと「どの会社にも当てはまる文章」になり、読まれても記憶に残らないコンテンツになります。

01. 具体性を持たせる

まず、できるだけ具体的に書いてください。求めるスキル、これまでの経験、大事にしている考え方、日々の行動の仕方。ここが具体的なほど、求職者は自分を当てはめて判断できます。

例えば「コミュニケーション能力の高い人」では、何を指しているのか読み手に伝わりません。「初対面のお客様の要望を、その場で聞き出して整理できる人」まで踏み込むと、当てはまる人と当てはまらない人がはっきり分かれます。当てはまらない人がはっきりわかる文章こそが、機能する求める人物像です。

02. 企業文化との一致を強調する

次に、自社の文化や価値観とつなげて書くことです。人物像だけが独立して浮いていると、「うちに合うか」の判断材料になりません。

このとき、経営理念をそのまま貼り付けるのではなく、日々の仕事の中で理念がどう表れているかまで書けると説得力が出ます。「挑戦を歓迎する社風」と書くより、「入社2年目でも担当を任される」と書いたほうが。読み手には伝わるということです。

03. 成功事例を活用する

そして、実際に活躍している社員の話を添えることです。「こういう人が、こういう働き方をしている」が1人分あるだけで、求職者は自分の姿を重ねられます。

社員インタビューのページがあるなら、求める人物像のページから相互に行き来できるようにしておくと効果的です。「こういう人を求めています」という抽象的な説明と、「実際にこういう人が働いています」という具体例が揃って初めて、求職者の中で像が結ばれます。

参考記事:『【事例つき】社員インタビューは採用サイトで効果ある?応募の質を上げる3つの効果

04. 定期的な更新

最後に、一度書いたら終わりにしないことです。事業が変われば、必要な人も変わります。年に一度、採用が一段落したタイミングで読み返すくらいでちょうどいいと思います。

年に1回、直近で入社して活躍している人・早期に辞めてしまった人を思い浮かべながら読み返すだけでも、書き直すべき箇所は見つかります。

「求める人物像」がある採用サイト事例

参考として、企業が求める人物像を明確に打ち出している採用サイトを3社紹介します。いずれも大手企業の事例ですが、「抽象語で終わらせず、行動レベルまで落とし込んでいる」という共通点は、規模を問わず真似できる部分です。

AGC株式会社

https://www.agc.com/recruiting/information/

NEXCO東日本(東日本高速道路株式会社)

https://www.e-nexco.co.jp/recruit/e-nexco/info/wanted/

京セラ株式会社

https://www.kyocera.co.jp/recruit/new/recruit/requirements.html

採用強化に効くページは、ほかにもある

求める人物像は単体で完結するコンテンツではありません。他のページと組み合わせることで、求職者の中に企業像が立ち上がります。優先度の高いものから順に紹介します。

職種紹介

まず第一に、企業にどんな仕事があるのかを求職者に知ってもらいます。こちらが求めるスキルや能力、逆に応募者が求める仕事内容や働き方を明確にするためにも必須のコンテンツです。

数字で見る⚪︎⚪︎社(実績情報)

求職者は何百という会社の情報を見て回っていることを忘れてはいけません。この「数字で見る〇〇社」というコンテンツでは、企業の実績情報が視覚的に得られるため、信頼感や安心感に繋がるだけでなく、求職者に対して「その数値を魅力的に見せる効果」があります。歴史ある企業や高い実績を持つ企業は特に採用するべきでしょう。

福利厚生・制度

社員に対し、どのようなメリットやサポートを提供しているのかを求職者に明確に伝え。自社の魅力をアピールします。

社員インタビュー

求職者にとって、ただ文字で会社情報を見ているだけでは、

  • その会社の男女比はどれくらいなのか
  • どんな先輩たちが、どんな思いで仕事をしているのか
  • 入社してから得られるスキルは何か

などの「入社後の未来の自分」が想像しにくくなってしまいがちです。そこで、実際に現場で働いている先輩たちの顔や仕事ぶり、インタビューなどを掲載することで、求職者もエントリーに対する不安を払拭でき、エントリーへの一歩を踏み出しやすくなるのです。求める人物像とセットで用意したいコンテンツの筆頭です。

社員対談(先輩インタビュー)

会社の雰囲気や社員の考えを求職者に伝えるためのコンテンツです。採用後のイメージを具体的にし、求職者と企業の間にミスマッチが発生するリスクを防ぎます。

説明会情報

企業と求職者がお互いに理解を深めるための足掛かりとなるコンテンツです。求職者は企業理解を深め、企業は求める人物像にマッチした採用の拡大を狙う側面もあります。

SDGsへの取り組み

社会的な課題にどう向き合っているのかを示し、求職者に対して企業の価値観やビジョンを明確に伝えます。

プロジェクトストーリー

企業がどのような仕事に情熱を注いでいるのかを具体的に示し、求職者と価値観をすり合わせるためのコンテンツです。企業のビジョンに高い共感を抱く、質の高い求職者を集めるのにも有用です。

よくある質問

求職者の不安解消はもちろん、会社側の考えやポリシーを伝えるためのコンテンツでもあります。

保護者・先生方へ

企業の採用活動において、特に高校生の保護者や先生方からの信頼は非常に大切です。このコンテンツを通して、「ここなら安心して働かせられる」という安心感を生むとともに、信頼関係を築くためのコンテンツです。

「求める人物像」についてよくある質問

Q:求める人物像はいくつ挙げるのが適切ですか?

A:3つ前後に絞るのが現実的です。5つ、6つと並べると、読み手は「全部備えていないと応募できない」と受け取り、かえって応募のハードルを上げてしまいます。多く挙げたくなったら、「これが欠けている人は、他が満点でも見送るか」を基準に削っていってください。

Q:求める人物像と応募資格(募集要項)はどう書き分けますか?

A:応募資格は「満たしていなければ選考に進めない条件」、求める人物像は「満たしていると入社後に伸びやすい特徴」です。資格・免許・経験年数のように客観的に判定できるものは応募資格へ、価値観や行動特性は求める人物像へ振り分けると整理しやすくなります。

Q:未経験者も採用したい場合、どう書けばいいですか?

A:スキル要件を下げるのではなく、スキル以外の軸に置き換えてください。「〇〇の経験がある人」ではなく「わからないことをその場で聞ける人」「手順書がない状態でも自分で調べて動ける人」といった書き方にすると、未経験でも活躍できる人の輪郭が伝わります。

Q:求める人物像を書いたら応募数が減りませんか?

A:応募の総数は減ることがあります。ただ、減るのは自社と合わない層の応募です。書類選考と面接にかかる時間を考えると、総数が減っても手応えのある候補者の割合が上がるほうが、兼務で採用を回している企業には現実的だと考えています。

Q:社員が少ない会社でも求める人物像は必要ですか?

A:規模が小さい会社ほど必要だと考えています。1人の採用が組織に与える影響が大きく、合わない人が入ったときの負荷も大きいからです。全社で共通の人物像を1つ決めておくだけでも、面接時の判断基準が揃い、面接官によって評価がぶれる問題が減ります。

言葉にできていないものは、伝わらない

求める人物像は、自社だけでも書けるコンテンツです。ただ、社内の当たり前を外の言葉に翻訳する作業は、内部の人ほど難しくなります。「うちには特別なところなんてない」とおっしゃる企業ほど、外から見ると独自性がはっきりしている、というのは何度も見てきた光景です。

そしてもうひとつ、順番の話があります。どれだけ精度の高い求める人物像を掲げても、そのページに求職者がたどり着かなければ結果は変わりません。露出(母集団形成)と受け皿(採用サイト)は両輪で、片方だけを整えても採用は動かないというわけです。

弊社は全国の地方企業に1,400社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。採用については、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けに一貫してご支援しています。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。

一式でご依頼いただく必要はありません。「求める人物像の言語化だけ手伝ってほしい」という部分的なご依頼でも構いませんし、社内で回せるようになるまでの伴走という形もあります。「何から手をつければいいか分からない」段階でも大丈夫です。まずは御社の規模や採用フェーズをうかがったうえで、必要な範囲をご提案します。

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この記事を書いた人
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たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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