【2月・8月】中途採用が多い時期はいつ?応募が集まる2つのピークと求職者の動き
「そろそろ中途採用を動かしたいが、いつ募集をかければ人が集まるのか分からない」——採用のご相談で、最初に出てくるのはたいていこの一言です。
採用担当者は本業と兼務していることが多く、時間がありません。そのため、思い立ったタイミングで求人を出してしまいがちです。
先に答えを言ってしまうと、求人と応募がもっとも増えるのは「2〜3月」と「8〜9月」の2つの時期です。ただ、これはとりあえずその時期に出せばいいという意味ではありません。
この記事では、なぜその2つの山ができるのかを整理したうえで、山以外の時期の戦い方や、募集の時期に合わせて何を書くべきかをお伝えします。自社がいつから手をつけるべきか、一枚の地図としてお役立てください。
この記事でわかること
- 中途採用が多い時期と、そこに山ができる理由
- 企業側の採用活動が活発になるタイミング(入社時期・賞与支給後)
- 求職者が転職を考える理由と、そこから読み取れる動き方
- 繁忙期・閑散期それぞれで取るべき採用戦略
中途採用の山ができる理由(4月入社と10月入社)
中途採用の求人と応募がもっとも増えるのは、2〜3月と8〜9月の2つの時期です。理由は明快で、4月入社と10月入社という2つの入社タイミングから逆算されるためです。この時期に募集と選考が集中します。
転職求人が多い時期は、母集団を作りやすい代わりに取り合いも最も激しくなります。この山を外して募集をかけると、見てくれる人の母数が少ない状態で戦うことになります。まずは、なぜこの時期に山ができるのかを見ていきます。
年度の切り替わりに向けた採用活動(2〜3月)
4月から新年度が始まる企業が多いため、2〜3月は新しい人材を迎え入れる準備が集中します。欠員の補充、組織体制の強化、翌年度の事業計画に紐づく増員などが、すべて同じ時期に動き出します。
求職者側も「新年度から心機一転」と考えて年明けから動き始める人が多いため、需要と供給の両方が一気に膨らみます。この時期に採用したいなら、募集開始は年明け、遅くとも1月中です。
下半期の体制を組み直す人員補充(8〜9月)
8〜9月は、上半期の実績を踏まえて下半期の体制を組み直す時期です。業績が伸びている企業はさらに人を増やすために、思うように進まなかった企業は巻き返しのために、それぞれ人を探し始めます。
10月入社を目標にすると、選考と引き継ぎの期間を考えて8〜9月に募集をかけるのが自然な流れです。2〜3月ほどではないものの、ここも明確な山です。年に一度しか募集をかけない会社は、この第2の山を丸ごと見送っています。
新卒採用が一段落した後の中途採用シフト
4月に新卒採用が一段落すると、企業側の人手が中途採用に振り向けられます。この時期に転職市場へ出てくるのは、自分の経験や技能を評価してくれる会社を探している層です。
即戦力を求めるのであれば、自社がどんな人物像を求めているのかを明確にしたうえで、その条件に合う人へ届く形で募集を出すことが前提になります。「経験者歓迎」とだけ書かれた求人は、誰の目にも留まりません。
賞与後は水面下で比較されている期間
ここまで2つの山についてお伝えしましたが、ただ山に合わせて求人を出せばいいという話ではありません。勝負は、その前から始まっています。
賞与支給後に転職意欲は高まるが、動くのは数か月後
6月や12月の賞与支給後は、自分のキャリアを見つめ直す人が増える時期です。賞与の金額に納得できなかった人や、いまの仕事に限界を感じている人が、賞与を受け取ってから動くという判断をします。
ここで重要なのは、賞与支給の直後に転職が完了するわけではないという点です。賞与後に情報収集を始めた人が、実際に応募という行動に移るのが、数か月後の2〜3月や8〜9月にあたります。
比較検討の期間に自社の情報を出しておく
つまり、賞与支給後の数か月は、求職者が水面下で会社を比較している期間にあたります。
この時期に自社の情報が出ていないと、比較の対象にすら入りません。山が来たときに慌てて募集を出しても、すでに他社を比較検討している求職者の候補には入っていないのです。山に合わせて求人を出すのは前提ですが、**その前から、会社名で検索した人が読めるものを用意しておく必要があります。** 掲載費のかかる出稿を前倒しするという話ではなく、自社サイトの求人ページや採用サイトのことです。
繁忙期と閑散期、それぞれで取るべき採用戦略
中途採用は、山である繁忙期だけを狙えばいいわけではありません。求人が多い時期は候補者も多いぶん取り合いになり、少ない時期は競合が減るぶん腰を据えて向き合えます。繁忙期はスピード、閑散期は育成前提。この使い分けができると、年間を通じて採用の機会を拾えるようになります。
繁忙期(2〜3月、8〜9月)の戦い方
この時期は多くの企業が同時に動くため、人材の取り合い合戦になります。候補者は複数社を並行して受けているので、選考が長引くほど他社に決まります。
対策は2つあります。1つは、自社の強みと求める人物像を明確に伝え、条件面以外で比較の土俵に乗ることです。もう1つは、選考の流れを事前に決めて短くしておくことです。書類選考に1週間、日程調整にさらに1週間かけている間に、候補者はいなくなります。求人広告だけでなく、社員からの紹介など複数の経路を用意しておくことも有効です。
閑散期(4〜5月、12〜1月)の戦い方
求人数が比較的少なく、採用活動が落ち着く時期です。候補者の数は減りますが、他社との競合も減るため、1人あたりにかけられる時間が増えます。
この時期に向いているのは、経験や実績がまだ十分でない人を、長期の視点で育てる前提の採用です。実務経験の有無ではなく、伸びしろや文化との相性を見極める余裕があります。インターンシップや研修の受け入れを通じて適性を確認する、という進め方もできます。
地方企業で知名度に不利があると感じるなら、あえて閑散期にずらすのは有効な選択肢になります。年に一度しか募集できない場合も、山で埋もれるより閑散期に目立つほうが、求職者に届くことがあります。
入社予定日から逆算して動き出す時期を決める
時期を決めたら、次はいつから動き出すかを決めます。企業の採用活動が活発になるのは、4月と10月の入社時期に向けた期間です。
入社希望日の数か月前から募集を始める
中途採用の場合、内定から入社までには現職の引き継ぎ期間が必要です。そのため、入社希望日の数か月前から募集を始めるのが一般的です。
逆算すると、4月入社なら年明け、10月入社なら7〜8月からが動き出しの目安になります。ここを押さえておくだけでも、募集のタイミングを外しにくくなります。
ただし、他社も同じことを考えているので、「出しておけば集まる」わけではありません。
その時期に何を書くか(転職理由から決まる)
時期に合わせて募集を出す際、求人に何を書くべきかも、求職者が動く理由から決まります。転職を考えるきっかけは、大きく分けると待遇面と職場環境の2つに集約されます。
時期を合わせて募集を出しても、この2つに自社の答えが用意できていなければ応募には至りません。
給与が低い・昇給が見込めない
転職理由には男女で違いがあります。厚生労働省の雇用動向調査では、男性は「給料等収入が少なかった」が個人的理由の上位に入る一方、女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が最も多く挙がっています(※1)。給与だけでなく、働く時間と休みの条件も同じ比重で見られています。
※1 引用:厚生労働省「令和6年雇用動向調査」。転職入職者が前職を辞めた理由のうち、男性は「定年・契約期間の満了」14.1%に次いで「給料等収入が少なかった」が10.1%、女性は「その他の個人的理由」を除くと「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」12.8%が最多。 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/index.html
求職者が不安に感じているのは、この先どうなるか分からないという点です。評価の基準や昇給の仕組みを具体的に書けるかどうかで、同じ給与額でも受け取られ方は変わります。金額の勝負に持ち込まず、見通しを示す勝負に持ち込むという考え方です。
社内の雰囲気が悪い
職場環境への不満も、転職の大きな引き金です。特にハラスメントに関わる問題は、本人にとって待ったなしの理由になります。
採用する側としては、自社の文化を見直し、対策を整えることが前提です。そのうえで、整えている事実を外に伝えることが必要になります。書いていないものは、求職者からは存在しないものとして扱われます。
人間関係が悪い
職場の人間関係も、転職を決意する要因の一つです。裏を返せば、人間関係の良さは中小企業が持ちやすい強みでもあります。
社員同士の距離が近いことや、相談しやすい体制があることは、規模が大きい会社ほど再現しにくい価値です。しかし、求人票の条件欄では伝わりません。社員の声や職場の様子として、受け皿となる採用サイト側で見せていく必要があります。
なお、時期を合わせて募集を出しても応募が来ない場合、原因は求人の中身ではなく、その手前の露出にあることがよくあります。どこで詰まっているのかを切り分けたい方は応募が来ない原因を、条件のせいだと思う前に見直す順番をご覧ください。
中途採用の時期についてよくある質問
Q1. 中途採用が多い時期はいつですか?
2〜3月と8〜9月です。4月入社と10月入社から逆算して、募集と選考がこの2つの時期に集中します。加えて、6月・12月の賞与支給後は転職を考え始める人が増え、その数か月後にあたるこの2つの山に応募が集まります。
Q2. 転職求人が多い時期に募集を出せば、応募は集まりますか?
母集団は作りやすくなりますが、同時に他社との取り合いも最も激しくなります。求人が多い時期は求職者の選択肢も増えるため、条件を並べただけの求人は埋もれてしまいます。時期を合わせることと、選ばれる中身を用意することは別の話だと考えてください。
Q3. 閑散期に募集を出すのは無駄ですか?
無駄ではありません。応募の数は減りますが、競合が少ないぶん1人あたりに時間をかけられます。即戦力を急いで採る局面には向きませんが、育成を前提に長く働いてくれる人を探す局面では、むしろ閑散期のほうが向いています。
Q4. 募集は入社希望日のどのくらい前から始めますか?
一般的には、入社予定日の数か月前です。中途採用の場合、内定から入社までに現職の引き継ぎ期間が入るため、候補者側の都合で1〜2か月空くことはよくあります。4月入社なら年明け、10月入社なら7〜8月を目安に逆算してください。
Q5. 年に一度しか募集できない場合、どの時期を選びますか?
母数だけで見れば2〜3月です。ただし、その時期は競合も最多になります。自社の知名度や条件面で分が悪いと感じる場合は、あえて8〜9月や閑散期にずらし、じっくり向き合える状態を作るほうが結果につながる場合もあります。
Q6. 担当が本業と兼務で、時期に合わせて動けません。
採用担当者の約9割が本業と兼務しているのが正直なところです。募集の準備、媒体の原稿作成、日程調整、選考。時期の山に合わせてこれを回すには、時間と人手がどうしても必要になります。すべてを抱えず、止まって困る工程だけを外に出す形も選択肢に入れてみてください。
自社で回す場合の逆算と、代行の活用
中途採用の年間のリズムは、ここまで整理したとおりです。ここまでお伝えした内容を自社で回すなら、山の3か月前から準備を始めるのが目安になります。**「山」は応募が増える時期、「閑散期」は応募も競合も減る時期、そして準備を始めるのはその手前**です。同じ月が「準備の時期」と「閑散期」の両方にあたることもあります。入社希望日から逆算してスケジュールを引き、求人票の中身を整えれば、募集と選考は自社でも回せます。
露出と受け皿を用意する
ただ、時期を合わせることは前提条件にすぎません。求職者が動く時期に募集が出ていて、なおかつその求人が見つけてもらえていて、確かめに来た先に中身がある。この3つが揃ってはじめて応募が発生します。
いまの求職者は、気になった会社があればまず社名で検索します。求人媒体で興味を持ってもらえても、検索した先に何も無ければ比較から外れます。求人媒体は掲載を止めた瞬間に効果が消える掛け捨ての保険に近く、検索の受け皿になる採用サイトは積み上げた分が残る資産です。露出と受け皿は両輪であり、一度受け皿を作れば翌年の山でも使えます。
兼務で回しきれない場合は代行を活用する
自社で回すための目安はお伝えしましたが、採用担当者の約9割は本業と兼務しています。山の時期に合わせて募集から日程調整、選考までを本業の合間に回しきる時間が取りにくい、というのが正直なところです。もし、すべてを自社で回しきるのが難しいなら、募集や日程調整といった手が足りない工程だけを外に出す手があります。
ちなみに弊社では、露出と受け皿の両輪を自社でも実践しています。地方企業でありながら採用広告に頼らず、年間【1,152名】のエントリーを獲得し、そのなかから採用しています。業種も規模も違えば集まる数は変わりますので、同じ数をお約束するものではありません。この状態に至るまでに積み上げてきたやり方を、そのまま地方企業の皆さまにお渡ししているのが地方採用ワークスです。
地方採用ワークスでは、採用サイト制作から、採用活動の代行(リープ・リクルーティング)まで、地方企業の採用課題の解決に特化した支援を行っています。
- 中途採用を動かしたいが、何から手をつければいいか分からない
- 本業に精一杯で、募集の時期に合わせて動けない
- これまで媒体は出してきたが、応募につながらなかった
すべてを外部に任せる必要はありません。自社で回せる部分は自社で持ち、ここが続かないようなら、その部分だけをお預けいただく形でも構いません。まずは御社の規模や採用フェーズをうかがったうえで、今年どの時期にどう動くべきかを一緒に整理させてください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。